一年生夏編 恋人と過ごす夏
その後の対戦も無事に勝ち抜き、休憩時間になりました。
三回戦は巨大水槽に沈んだ小箱を拾うもの。ペンちゃんが大活躍でした。お相手の使い魔がイルカだったので接戦でしたよ。
そして運がいいのか悪いのか、ベルナデッタ様のペアも順調に勝ち抜いているらしいです。
……私たちと当たらないですよね。
人が負けるのを祈るのは失礼だとは思いますが、ベルナデッタ様と会いたくないです。
なんと言っても、彼女の参戦目的は私とイワンを別れさせることなのです。
万一ベルナデッタ様が優勝したとして、別れろも言う望みを口にされたところで、従う気はありません。
対戦で魔法をたくさん使ったので、魔力の消耗が激しいです。
「おなかがすきました」
「魔力回復のためにもたくさん食べとけ」
「あまり食べたら太っちゃいます……」
イワンと話していたら、お母さんが観客席からこちらにきました。
「すごいのねセリス。お母さん感動したわ。ペンちゃんが、あんな大きな水槽の中を自由に泳げるなんて。それに、二回戦でイワンさんが焚き火を消したのはなんていう魔法なの?」
「あれは風魔法。一年の秋に習うので、そのうちアラセリスに見せてもらうといいですよ」
優等生の微笑みで答えるイワン。
焚き火をまるごと吹き飛ばす風力の風魔法は、使い魔が鳥系の人にしか使えないってステイシー先生が言っていました。
私にあれをやれと言われても無理です。
「イワン。下手にお母さんを期待させるようなこと言わないでください」
「いいじゃないか別に」
腕を叩いて抗議しますよ。
すかさずチョップが返ってきました。痛いです。
「イワン、あまり意地悪をすると嫌われてしまうよ?」
「うるさいな」
お父様にツッコまれ、お母さんの前なのに素が出そうになっています。
優等生の顔をするか素になるのか、イワンはしかめっ面で口を閉ざす道を選びました。
「貴女がアラセリスさんの母君ですか。お初にお目にかかります。わたしはイワンの父、エルネストです」
「これはご丁寧に。アラセリスの母、ソニアです。うちの娘がイワンさんにご迷惑かけていなければいいのですが」
「いえ。イワンも言い方を選ばないところがあるから、アラセリスさんに心労をかけてないか心配ですよ」
ああ、なんていうかお互いの親の顔合わせって居心地悪いですね。お母さんが余計なことを言わないかヒヤヒヤします。
でも、のんきに世間話に花を咲かせるくらい和やかな雰囲気なので安心しました。
私たちの親が険悪なんて、それこそいたたまれないです。
「お母さん。私、なにも迷惑かけてないよ」
「そうは言ってもね。セリスは天然ボケなところがあるし、方向オンチだし、迷惑かける場面が多いと思うの」
「そんなことないもん! 役に立ってるもん!」
イワンは横で笑ってます。フォローしてくれてもいいじゃないですか。
「そこまで言うなら、頑張って優勝なさい。最後まで見ててあげるから」
私の背中を叩いて笑うお母さん。最後までいてくれるなんて心強いです。
私は学院でちゃんとやってるってこと見せないとですね。
「うん。お母さん見てて。私、やればできる子だから。イワンと一緒に優勝するよ!」
お昼休憩を挟んだら、残りの対決です!
三回戦は巨大水槽に沈んだ小箱を拾うもの。ペンちゃんが大活躍でした。お相手の使い魔がイルカだったので接戦でしたよ。
そして運がいいのか悪いのか、ベルナデッタ様のペアも順調に勝ち抜いているらしいです。
……私たちと当たらないですよね。
人が負けるのを祈るのは失礼だとは思いますが、ベルナデッタ様と会いたくないです。
なんと言っても、彼女の参戦目的は私とイワンを別れさせることなのです。
万一ベルナデッタ様が優勝したとして、別れろも言う望みを口にされたところで、従う気はありません。
対戦で魔法をたくさん使ったので、魔力の消耗が激しいです。
「おなかがすきました」
「魔力回復のためにもたくさん食べとけ」
「あまり食べたら太っちゃいます……」
イワンと話していたら、お母さんが観客席からこちらにきました。
「すごいのねセリス。お母さん感動したわ。ペンちゃんが、あんな大きな水槽の中を自由に泳げるなんて。それに、二回戦でイワンさんが焚き火を消したのはなんていう魔法なの?」
「あれは風魔法。一年の秋に習うので、そのうちアラセリスに見せてもらうといいですよ」
優等生の微笑みで答えるイワン。
焚き火をまるごと吹き飛ばす風力の風魔法は、使い魔が鳥系の人にしか使えないってステイシー先生が言っていました。
私にあれをやれと言われても無理です。
「イワン。下手にお母さんを期待させるようなこと言わないでください」
「いいじゃないか別に」
腕を叩いて抗議しますよ。
すかさずチョップが返ってきました。痛いです。
「イワン、あまり意地悪をすると嫌われてしまうよ?」
「うるさいな」
お父様にツッコまれ、お母さんの前なのに素が出そうになっています。
優等生の顔をするか素になるのか、イワンはしかめっ面で口を閉ざす道を選びました。
「貴女がアラセリスさんの母君ですか。お初にお目にかかります。わたしはイワンの父、エルネストです」
「これはご丁寧に。アラセリスの母、ソニアです。うちの娘がイワンさんにご迷惑かけていなければいいのですが」
「いえ。イワンも言い方を選ばないところがあるから、アラセリスさんに心労をかけてないか心配ですよ」
ああ、なんていうかお互いの親の顔合わせって居心地悪いですね。お母さんが余計なことを言わないかヒヤヒヤします。
でも、のんきに世間話に花を咲かせるくらい和やかな雰囲気なので安心しました。
私たちの親が険悪なんて、それこそいたたまれないです。
「お母さん。私、なにも迷惑かけてないよ」
「そうは言ってもね。セリスは天然ボケなところがあるし、方向オンチだし、迷惑かける場面が多いと思うの」
「そんなことないもん! 役に立ってるもん!」
イワンは横で笑ってます。フォローしてくれてもいいじゃないですか。
「そこまで言うなら、頑張って優勝なさい。最後まで見ててあげるから」
私の背中を叩いて笑うお母さん。最後までいてくれるなんて心強いです。
私は学院でちゃんとやってるってこと見せないとですね。
「うん。お母さん見てて。私、やればできる子だから。イワンと一緒に優勝するよ!」
お昼休憩を挟んだら、残りの対決です!