ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
卵から生まれる生物特有のすり込みってやつで、ミニドラゴンはオレを親認定して離れない。
海辺においていくなんてことできるはずもない。
そんなわけで、村に連れて帰ることにした。
ミミ母さんなら「飼っちゃいけません元いた場所に返してきなさい」なんて言わないから安心だ。
「ただいま、ミミ」
「きゅぴ〜」
家に帰って、いつも通りミミにあいさつする。
リュックに乗っているミニドラゴンも真似をしているのかきゅぴきゅぴいっている。
「おかえりキムラン。なにせおってる」
「ミニドラゴン。海辺でたまごを拾おうとしたら孵 ったんだよねー。懐かれたから連れてきた」
リビングのテーブルにリュックを下ろすと、ミニドラゴンはオレの腕に飛び移った。
「きゅぴぃ〜、きゅきゅ」
「ふむ。おぬし、キムランのコなのか。つまり、わたしはおばあちゃん」
「待って」
ミミの中でオレが息子なのは固定概念である。
オレの子ならミミの孫。
これをボケでなく、真面目に言うのがミミである。
ミミはオレの向かいで仰々しい腕組みして、胸を反らせる。
「ふっふっふ。そうか、まごよ。おばあちゃんのわたしが、なまえをつけてやろう!」
「待て。いや、待ってくださいお願いします」
「しろいからシロ」
「きゅぴ!」
また犬みたいな名前を。口を挟もうとしたが間に合わなかった。
いいのか、シロで。
ゲームによっては伝説の古代生物だぞ。
シロ本人(?)は気に入っているようで、羽をパタパタさせてご満悦。
ミミ母さんがこの家のルールなので、オレは逆らいません。
「あー、うん。それよりミミ。ドラゴンって何食べるんだ?」
「にく、といっている」
人肉でないことを祈る。
「今冷蔵庫にレクサスの肉しかないけど大丈夫かな」
「だいじょうぶ」
ミミが包丁でシロの口に入るサイズに切り分けて、皿に盛り付けてくれた。
まずはひとかけつまみ、シロの口元に持っていく。
シロは待ってましたとばかりに口を大きく開いて、肉にかぶりつく。
観察してみると、きちんとキバが生え揃っている。よく考えたらヒヨコだって生まれたときからヒヨコだもんな。
「おおぉおお」
ミミが目を輝かせながら、肉を食うシロに見入っている。口元からよだれがたらり。
「うまそう」
「……ど、どっちが?」
ここは巨大なレクサスすら狩って食うハングリー精神にあふれる村だ。
ミミの目にはシロが食料に見えていやしないか? ポチのことも見つけた当初、食えるかどうか聞いてきたし。可能性はゼロではない。
「なにをいうキムラン。わたしは、おばあちゃんだ。まごをくうわけないだろう」
「ソ、ソウデスヨネー」
うまそうなのはレクサス肉のことだよね、うん。
皿に盛った肉は、量にすればステーキ一枚の半分。ひとかけずつ与えて、五分ほどで平らげた。
シロが満腹で眠っている間に、オレたちもステーキを焼いて食事をとる。
今はテーブルに乗れるくらい小さいけど、シロはこの先どれくらい大きくなるんだろう。ポチみたいに競走馬サイズ?
それともアニメやファンタジー映画でよく見る竜騎士のドラゴンみたいに人が乗れるくらい大きくなるのか。
ユーイさんならたくさん本を読んでいるから知っているかな。もしくは村の生き字引ドロシーばあちゃんが見たことあるか。
ご飯のあとで聞きにいってみよう。
海辺においていくなんてことできるはずもない。
そんなわけで、村に連れて帰ることにした。
ミミ母さんなら「飼っちゃいけません元いた場所に返してきなさい」なんて言わないから安心だ。
「ただいま、ミミ」
「きゅぴ〜」
家に帰って、いつも通りミミにあいさつする。
リュックに乗っているミニドラゴンも真似をしているのかきゅぴきゅぴいっている。
「おかえりキムラン。なにせおってる」
「ミニドラゴン。海辺でたまごを拾おうとしたら
リビングのテーブルにリュックを下ろすと、ミニドラゴンはオレの腕に飛び移った。
「きゅぴぃ〜、きゅきゅ」
「ふむ。おぬし、キムランのコなのか。つまり、わたしはおばあちゃん」
「待って」
ミミの中でオレが息子なのは固定概念である。
オレの子ならミミの孫。
これをボケでなく、真面目に言うのがミミである。
ミミはオレの向かいで仰々しい腕組みして、胸を反らせる。
「ふっふっふ。そうか、まごよ。おばあちゃんのわたしが、なまえをつけてやろう!」
「待て。いや、待ってくださいお願いします」
「しろいからシロ」
「きゅぴ!」
また犬みたいな名前を。口を挟もうとしたが間に合わなかった。
いいのか、シロで。
ゲームによっては伝説の古代生物だぞ。
シロ本人(?)は気に入っているようで、羽をパタパタさせてご満悦。
ミミ母さんがこの家のルールなので、オレは逆らいません。
「あー、うん。それよりミミ。ドラゴンって何食べるんだ?」
「にく、といっている」
人肉でないことを祈る。
「今冷蔵庫にレクサスの肉しかないけど大丈夫かな」
「だいじょうぶ」
ミミが包丁でシロの口に入るサイズに切り分けて、皿に盛り付けてくれた。
まずはひとかけつまみ、シロの口元に持っていく。
シロは待ってましたとばかりに口を大きく開いて、肉にかぶりつく。
観察してみると、きちんとキバが生え揃っている。よく考えたらヒヨコだって生まれたときからヒヨコだもんな。
「おおぉおお」
ミミが目を輝かせながら、肉を食うシロに見入っている。口元からよだれがたらり。
「うまそう」
「……ど、どっちが?」
ここは巨大なレクサスすら狩って食うハングリー精神にあふれる村だ。
ミミの目にはシロが食料に見えていやしないか? ポチのことも見つけた当初、食えるかどうか聞いてきたし。可能性はゼロではない。
「なにをいうキムラン。わたしは、おばあちゃんだ。まごをくうわけないだろう」
「ソ、ソウデスヨネー」
うまそうなのはレクサス肉のことだよね、うん。
皿に盛った肉は、量にすればステーキ一枚の半分。ひとかけずつ与えて、五分ほどで平らげた。
シロが満腹で眠っている間に、オレたちもステーキを焼いて食事をとる。
今はテーブルに乗れるくらい小さいけど、シロはこの先どれくらい大きくなるんだろう。ポチみたいに競走馬サイズ?
それともアニメやファンタジー映画でよく見る竜騎士のドラゴンみたいに人が乗れるくらい大きくなるのか。
ユーイさんならたくさん本を読んでいるから知っているかな。もしくは村の生き字引ドロシーばあちゃんが見たことあるか。
ご飯のあとで聞きにいってみよう。