ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
この世界にも夏はあるらしい。
朝起きたら窓から入る日差しが暑くて痛い。
服装もついに半袖になったぜ。
今日も早よから、タオルをほっかむりにして水やりをしている。
「おはようございます、キムランさん。精が出ますね」
「はよー、ナルシェ。今日はアチィな」
「これでもまだ涼しい方ですよ。もう少ししたら水浴びしないといられないくらいになりますから」
「ひえ〜」
ナルシェも半袖短パン。夏らしい装いだ。つばの広い帽子をかぶって日光対策バッチリ。
畑に成った野菜をもいでいる。チラとオレが水やりした野菜を見て微笑む。
「キムランさんのとこは紫ウリを植えたんですね。それだけ大きくなっているなら、もう収穫できますよ」
ナルシェが指したのは、畑の土に這うようにツルが伸びている野菜だ。
ファクターが売ってくれた種を植えたら生えてきた。
10日ほど前に花がしぼんで、四角い紫の実ができた。今では小玉スイカくらいのサイズになっている。
「へ〜。これ、紫ウリっていうのか」
「揚げたり煮物にしたり、火を通して食べるんですよ。キムランさんのいた土地にはなかったんですか?」
「あはは。うん。これは初めて見た」
ミミに渡したら美味しく調理してくれるだろう。
さっそく収穫して家に戻る。
「ミミ〜。紫ウリが成ったぞ〜!」
「おお! キムラン、ウリをきってくれ。ごはんにする」
「おっけー!」
紫ウリを切ってみると、案外柔らかい。皮は鮮やかな紫だけど、中は白。
「ひとくちの、おおきさに」
「はーい」
ミミの指示通り、一口大に切っていく。
「ここにいれる」
ミミが油をしいて用意していた深鍋に入れる。
火魔法コンロに乗せると、ジュワといい音をさせて、油がはねる。
紫ウリは火が通るにつれてどんどん半透明になっていく。
「おもしれー!」
「みずとコケトリスいれて、にこむ」
「はいよ」
焦げ付かないよう、ミミがヘラで混ぜているところにくん製コケトリスとスパイスを刻んだもの、塩を入れる。しんなりしたら水を注いでフタをしめる。
「にたったら、さます。それまでくさむしり」
「冷まさないとなのか」
「うむ。くさむしりする」
鍋を魔法冷蔵庫に入れながら、ミミがうなずく。
鳥の出汁が出てとてもうまそうな匂いがしていて、冷めてなくていいから今すぐ食いたい。
しかしオレは育てられている身。ミミ母さんの言うことは絶対である。
泣く泣く庭に出てほっかむりして、ひたすら雑草を引っこ抜く。
ミミも帽子をかぶり、小さい手で雑草と戦っている。
家庭菜園の雑草を半分抜き終えたところで、ようやくごはんタイムだ。
限界を迎えた腹の虫が盛大に鳴いている。
「よくひえた。たべる」
「やったー!」
お祈りして実食!
程よく冷えた紫ウリのスープは、冷ましたからなのかとろみがある。食感は昔ばあちゃんちで食べた冬瓜に似ている。
「紫ウリうんまー!! ミミ天才!」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
途中途中でスープにパンをひたして、本日のごはんも美味しゅうございました。
隣の家からナルシェの悲鳴が聞こえてきたのは、空耳ということにしておこう。
朝起きたら窓から入る日差しが暑くて痛い。
服装もついに半袖になったぜ。
今日も早よから、タオルをほっかむりにして水やりをしている。
「おはようございます、キムランさん。精が出ますね」
「はよー、ナルシェ。今日はアチィな」
「これでもまだ涼しい方ですよ。もう少ししたら水浴びしないといられないくらいになりますから」
「ひえ〜」
ナルシェも半袖短パン。夏らしい装いだ。つばの広い帽子をかぶって日光対策バッチリ。
畑に成った野菜をもいでいる。チラとオレが水やりした野菜を見て微笑む。
「キムランさんのとこは紫ウリを植えたんですね。それだけ大きくなっているなら、もう収穫できますよ」
ナルシェが指したのは、畑の土に這うようにツルが伸びている野菜だ。
ファクターが売ってくれた種を植えたら生えてきた。
10日ほど前に花がしぼんで、四角い紫の実ができた。今では小玉スイカくらいのサイズになっている。
「へ〜。これ、紫ウリっていうのか」
「揚げたり煮物にしたり、火を通して食べるんですよ。キムランさんのいた土地にはなかったんですか?」
「あはは。うん。これは初めて見た」
ミミに渡したら美味しく調理してくれるだろう。
さっそく収穫して家に戻る。
「ミミ〜。紫ウリが成ったぞ〜!」
「おお! キムラン、ウリをきってくれ。ごはんにする」
「おっけー!」
紫ウリを切ってみると、案外柔らかい。皮は鮮やかな紫だけど、中は白。
「ひとくちの、おおきさに」
「はーい」
ミミの指示通り、一口大に切っていく。
「ここにいれる」
ミミが油をしいて用意していた深鍋に入れる。
火魔法コンロに乗せると、ジュワといい音をさせて、油がはねる。
紫ウリは火が通るにつれてどんどん半透明になっていく。
「おもしれー!」
「みずとコケトリスいれて、にこむ」
「はいよ」
焦げ付かないよう、ミミがヘラで混ぜているところにくん製コケトリスとスパイスを刻んだもの、塩を入れる。しんなりしたら水を注いでフタをしめる。
「にたったら、さます。それまでくさむしり」
「冷まさないとなのか」
「うむ。くさむしりする」
鍋を魔法冷蔵庫に入れながら、ミミがうなずく。
鳥の出汁が出てとてもうまそうな匂いがしていて、冷めてなくていいから今すぐ食いたい。
しかしオレは育てられている身。ミミ母さんの言うことは絶対である。
泣く泣く庭に出てほっかむりして、ひたすら雑草を引っこ抜く。
ミミも帽子をかぶり、小さい手で雑草と戦っている。
家庭菜園の雑草を半分抜き終えたところで、ようやくごはんタイムだ。
限界を迎えた腹の虫が盛大に鳴いている。
「よくひえた。たべる」
「やったー!」
お祈りして実食!
程よく冷えた紫ウリのスープは、冷ましたからなのかとろみがある。食感は昔ばあちゃんちで食べた冬瓜に似ている。
「紫ウリうんまー!! ミミ天才!」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
途中途中でスープにパンをひたして、本日のごはんも美味しゅうございました。
隣の家からナルシェの悲鳴が聞こえてきたのは、空耳ということにしておこう。