ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
どんよりした曇り空の下、オレは朝も早よから畑仕事に精を出していた。
ここに来た頃植えたココロカブはすべて収穫を終えている。その後しばらく畑を休ませていたのだ。
肥料がわりに野菜の皮やらたまごの殻なんかを埋めて毎日耕してきたから、土がいい感じに柔らかになっている。
そこにファクターから買った、なんかの野菜の種をまく。水分多めな夏野菜の種らしい(聞いたけど詳しくは忘れた)
きれいな形に整ったウネは渾身の作。きっと元気な野菜が育つ。
オレの畑仕事もずいぶんサマになってきたな。これが農業系ゲームならスキルレベルかなり高いぜ。
畑を前に自画自賛しているところに、お玉を持ったミミが窓から顔を出す。
「キムラン、あさごはんできたぞ」
「お〜。サンキュー、ミミ」
今日の朝食は、ロールキャベツ的な煮物。深皿からはホクホクと湯気が立っている。
具を巻いている葉はキャベツではなく、前回森に入ったとき収穫してきたモリベリーの葉っぱだ。
大きさは大人の手のひらくらい。収穫するとき、ナルシェが「モリベリーは葉っぱも食べられるんですよ」と言っていたのを思い出す。
葉っぱだし、サラダにするのかと思っていたがこういうふうに使うのか。
向かいに座るミミはドヤ顔だ。
「すっげーいいにおいだな。今日のは何?」
「どるまという。ドロシーからならった。むかしむかし、むらにきたナガレビトがおしえてくれたらしい」
「へぇ〜! ドルマ。地球にもそんな名前の料理あったな」
その人はもしかしたら、オレよりもずっと昔に流れ着いた地球人なんだろう。地球の知識がひっそりこの世界に根づいているってなんかすごい。
「それじゃあ、アマツカミの恵みに感謝します!」
「アマツカミのめぐみにかんしゃします」
食前のお祈りをしていただきます。
まずは大きく一口。
「あちちちちっ! フー、フー!」
「あわてるなキムラン。どるまはにげない」
モリベリーの葉なだけあって、口の中にはほのかにモリベリーの香りが広がる。
包まれているのはコケトリスのひき肉と薄く切ったボールネギ、ピヨ豆。
スープには具の旨味がにじみ出ている。大きいスプーンですくい取ってスープも堪能する。
「あちち、あーーーー! うんま!! さすがミミ! スープはコケトリスで作ったのか?」
「うむ。コケトリスのがら。そんちょのおくさんがくれた」
シンプルなパンをちぎってスープに浸しながらもぐもぐ。これもまたうまい。ミミの作るご飯はどれも美味しい。
食後に食器を洗って片付けをしているうちに、雨の音が聞こえてきた。ポツポツというささやかな音から時をおかず本降りになっていく。
「この分だと、狩りは中止だな。ドロシーばあちゃんとこ行って言葉を習わないと」
「おー。がんばれ。とくに、はつおんを」
「うぐっ」
実はオレ、ここ最近文字の勉強に加えて、この世界の言葉も教えてもらっている。いつかは通訳してもらわなくても世界中の人と会話できるようになるぜ!
レクサスの皮製雨具を身に着けて、いざドロシーのもとへ!
「よ〜し、行こうか、ミミ」
「いくぞキムラン」
こうしてスキップするミミとともに、村の大先生ドロシーばあちゃんのもとに向かった。
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ここに来た頃植えたココロカブはすべて収穫を終えている。その後しばらく畑を休ませていたのだ。
肥料がわりに野菜の皮やらたまごの殻なんかを埋めて毎日耕してきたから、土がいい感じに柔らかになっている。
そこにファクターから買った、なんかの野菜の種をまく。水分多めな夏野菜の種らしい(聞いたけど詳しくは忘れた)
きれいな形に整ったウネは渾身の作。きっと元気な野菜が育つ。
オレの畑仕事もずいぶんサマになってきたな。これが農業系ゲームならスキルレベルかなり高いぜ。
畑を前に自画自賛しているところに、お玉を持ったミミが窓から顔を出す。
「キムラン、あさごはんできたぞ」
「お〜。サンキュー、ミミ」
今日の朝食は、ロールキャベツ的な煮物。深皿からはホクホクと湯気が立っている。
具を巻いている葉はキャベツではなく、前回森に入ったとき収穫してきたモリベリーの葉っぱだ。
大きさは大人の手のひらくらい。収穫するとき、ナルシェが「モリベリーは葉っぱも食べられるんですよ」と言っていたのを思い出す。
葉っぱだし、サラダにするのかと思っていたがこういうふうに使うのか。
向かいに座るミミはドヤ顔だ。
「すっげーいいにおいだな。今日のは何?」
「どるまという。ドロシーからならった。むかしむかし、むらにきたナガレビトがおしえてくれたらしい」
「へぇ〜! ドルマ。地球にもそんな名前の料理あったな」
その人はもしかしたら、オレよりもずっと昔に流れ着いた地球人なんだろう。地球の知識がひっそりこの世界に根づいているってなんかすごい。
「それじゃあ、アマツカミの恵みに感謝します!」
「アマツカミのめぐみにかんしゃします」
食前のお祈りをしていただきます。
まずは大きく一口。
「あちちちちっ! フー、フー!」
「あわてるなキムラン。どるまはにげない」
モリベリーの葉なだけあって、口の中にはほのかにモリベリーの香りが広がる。
包まれているのはコケトリスのひき肉と薄く切ったボールネギ、ピヨ豆。
スープには具の旨味がにじみ出ている。大きいスプーンですくい取ってスープも堪能する。
「あちち、あーーーー! うんま!! さすがミミ! スープはコケトリスで作ったのか?」
「うむ。コケトリスのがら。そんちょのおくさんがくれた」
シンプルなパンをちぎってスープに浸しながらもぐもぐ。これもまたうまい。ミミの作るご飯はどれも美味しい。
食後に食器を洗って片付けをしているうちに、雨の音が聞こえてきた。ポツポツというささやかな音から時をおかず本降りになっていく。
「この分だと、狩りは中止だな。ドロシーばあちゃんとこ行って言葉を習わないと」
「おー。がんばれ。とくに、はつおんを」
「うぐっ」
実はオレ、ここ最近文字の勉強に加えて、この世界の言葉も教えてもらっている。いつかは通訳してもらわなくても世界中の人と会話できるようになるぜ!
レクサスの皮製雨具を身に着けて、いざドロシーのもとへ!
「よ〜し、行こうか、ミミ」
「いくぞキムラン」
こうしてスキップするミミとともに、村の大先生ドロシーばあちゃんのもとに向かった。
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