ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
さて、行商人ファクターが来たその夕方。
ファクターは村長宅に泊まると言った。
いつもここに来ると数日滞在して、アーティファクトをたくさん仕入れるんだと、ミミが話してくれた。
この僻地の村には宿なんてもんはないから、村長宅にお世話になるのが慣例になっている。
日暮れの前に、ファクターは商品を荷車に片付け、大きな袋から鍋や調理器具を取り出す。
広場の端に設えられている共同調理場に食材と道具を広げていく。
「■※◎✱☆●==!」(ミミ訳 とめてもらうおれいに、ふるさとのりょうりをごちそうするよ)
「へ〜!! 何作るんだ? ファクターの国の料理ってどんなん?」
ミミが翻訳して伝えてくれると、ファクターは小魚片手に満面の笑顔で答える。
「●*Ω」(ミミ訳 ジャックのフライ)
「フライ! ジャックって調理法? それともその魚の名前?」
「ジャックはさかなのしゅるいだ」
今度は翻訳でなく、ミミが教えてくれた。
ジャックは見た感じ格闘ゲームの2Pカラーのアジ。むらさきがかっていて、毒魚と思うような色味だ。
包みから出したジャックは新鮮そのものだ。魔法冷蔵庫と同じく低温保存魔法がかかっている便利な代物だと話してくれた。
手際よくジャックのはらわたを抜いて、塩をまぶしたら、空になったお腹の中にいろんなものを詰めていく。
刻んだスパイス、ボールねぎ、チーザの実に香草。それから表面にも瓶入りのソースをすり込む。
さすが行商人。この村にない調味料をたくさん持っているんだ。
ジャック全体に中麦粉をまぶして、油の鍋に投入!
ジュワといい音が広場に響く。
油の海を泳ぐ魚をトングでひっくり返しながら、ファクターはオレに聞いてくる。
「▲▲≫○★※?」
「ん? なに?」
「キムランつくるとこずっとみてるの、さかなすきなのかって」
「知らない国の料理つくるとこ見たいから」
未知との遭遇はオレのユーチューバー魂がうずく、と言ってしまうと変な目で見られそうだから心の中にしまっておく。
カラリと揚がったジャックを皿に乗せ、柑橘類っぽい果実を手で潰して果汁ソースをたっぷりかけて完成!
「すっげーーー! 超うまそーーー!!」
「あとは、みんなのとこくばるだけだって」
「じゃあオレも手伝うよ。あとで作り方詳しく教えてくれ! ミミ、これ今度うちでも作ろう。まだ食ってないけど絶対美味いって」
「わたしも、てつだう。ジャックもチーザもすき」
このフライのお腹には、ミミも大好きチーザがつまっている。かじった途端にとろけるチーズのごとくとろけてくるのは間違いない。
ミミの口からもよだれがダラダラ。
配るのを手伝ってほしいとファクターも言ってくれたから、各家にジャックフライをおすそ分けしてまわった。
ファクターの故郷料理は美味しいので評判だとかで、みんな大喜びで受け取ってくれた。
オレとミミもおすそ分けをもらって家に帰る。
揚げたてのジャック。表面はカリカリで中はふっくらホクホク。お腹に詰めてある野菜とチーザの相性も抜群、すり込まれたソースは甘辛くてやみつきになる。
レモンみたいなスッキリした酸っぱい果実の絞り汁が旨さを引き立てている。
溶けたチーザがのびて糸を引いて、ミミが垂れるチーザも逃すまいとパンで巻き取って食べている。チーザのこととなると目の色が変わるな、ミミ。
「美味いなー!」
「うむ。うまいな」
食べ終えたあと皿をきれいに洗ってファクターのところに返しにいく。
細かい作り方を教わろうとしたら、オレよりもミミのほうが熱心にレシピを聞いて書き記していた。
ファクターは村長宅に泊まると言った。
いつもここに来ると数日滞在して、アーティファクトをたくさん仕入れるんだと、ミミが話してくれた。
この僻地の村には宿なんてもんはないから、村長宅にお世話になるのが慣例になっている。
日暮れの前に、ファクターは商品を荷車に片付け、大きな袋から鍋や調理器具を取り出す。
広場の端に設えられている共同調理場に食材と道具を広げていく。
「■※◎✱☆●==!」(ミミ訳 とめてもらうおれいに、ふるさとのりょうりをごちそうするよ)
「へ〜!! 何作るんだ? ファクターの国の料理ってどんなん?」
ミミが翻訳して伝えてくれると、ファクターは小魚片手に満面の笑顔で答える。
「●*Ω」(ミミ訳 ジャックのフライ)
「フライ! ジャックって調理法? それともその魚の名前?」
「ジャックはさかなのしゅるいだ」
今度は翻訳でなく、ミミが教えてくれた。
ジャックは見た感じ格闘ゲームの2Pカラーのアジ。むらさきがかっていて、毒魚と思うような色味だ。
包みから出したジャックは新鮮そのものだ。魔法冷蔵庫と同じく低温保存魔法がかかっている便利な代物だと話してくれた。
手際よくジャックのはらわたを抜いて、塩をまぶしたら、空になったお腹の中にいろんなものを詰めていく。
刻んだスパイス、ボールねぎ、チーザの実に香草。それから表面にも瓶入りのソースをすり込む。
さすが行商人。この村にない調味料をたくさん持っているんだ。
ジャック全体に中麦粉をまぶして、油の鍋に投入!
ジュワといい音が広場に響く。
油の海を泳ぐ魚をトングでひっくり返しながら、ファクターはオレに聞いてくる。
「▲▲≫○★※?」
「ん? なに?」
「キムランつくるとこずっとみてるの、さかなすきなのかって」
「知らない国の料理つくるとこ見たいから」
未知との遭遇はオレのユーチューバー魂がうずく、と言ってしまうと変な目で見られそうだから心の中にしまっておく。
カラリと揚がったジャックを皿に乗せ、柑橘類っぽい果実を手で潰して果汁ソースをたっぷりかけて完成!
「すっげーーー! 超うまそーーー!!」
「あとは、みんなのとこくばるだけだって」
「じゃあオレも手伝うよ。あとで作り方詳しく教えてくれ! ミミ、これ今度うちでも作ろう。まだ食ってないけど絶対美味いって」
「わたしも、てつだう。ジャックもチーザもすき」
このフライのお腹には、ミミも大好きチーザがつまっている。かじった途端にとろけるチーズのごとくとろけてくるのは間違いない。
ミミの口からもよだれがダラダラ。
配るのを手伝ってほしいとファクターも言ってくれたから、各家にジャックフライをおすそ分けしてまわった。
ファクターの故郷料理は美味しいので評判だとかで、みんな大喜びで受け取ってくれた。
オレとミミもおすそ分けをもらって家に帰る。
揚げたてのジャック。表面はカリカリで中はふっくらホクホク。お腹に詰めてある野菜とチーザの相性も抜群、すり込まれたソースは甘辛くてやみつきになる。
レモンみたいなスッキリした酸っぱい果実の絞り汁が旨さを引き立てている。
溶けたチーザがのびて糸を引いて、ミミが垂れるチーザも逃すまいとパンで巻き取って食べている。チーザのこととなると目の色が変わるな、ミミ。
「美味いなー!」
「うむ。うまいな」
食べ終えたあと皿をきれいに洗ってファクターのところに返しにいく。
細かい作り方を教わろうとしたら、オレよりもミミのほうが熱心にレシピを聞いて書き記していた。