ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
前回の狩りと同様、帰り道はモンスターよけの香木を焚きながら村についた。
みんなで狩ったモンスター、食べられる部分は各家庭に分配される。
木の実や薬草なんかも採取しながら来たから、しばらく食べるのに困らないだろう。
オレは分配されたレクサスのもも肉と、多めにもらったきのこを持って帰宅する。
「ただいまーー!! ほらミミ。見てくれ! この化けきのこオレが倒したんだぞー!」
「おかえり。キムランは、やればできるこ。わたしはしんじてたぞ」
ミミの子どもらしい小さな手が、オレの頭を撫で回す。わー、オレ高校卒業して以降子ども扱いされたの初めてだわ。しかもこんな年下の子に。
「そんちょから、まえのかりのときキムランがにげまわってたときいてた。だから、かりがちゃんとできたキムラン、すごい」
「うぐ」
悪意ゼロだからよけい刺さるぜ、ミミ。オレの豆腐ハートが粉々。
「キムランなぜなく。きのこがこわかったか」
「怖くない、ぜんっぜん怖くないから! それよりメシ作ろうぜ!」
村人自体そんなに人数が多いわけじゃないから、みんなで分けても一家族への配分はかなり大きい。
大玉スイカよりもふたまわり以上でかい肉ときのこ。日本で同じサイズのものを買ったらユキチ何人分になるだろう。
「せっかくキムランがとったから、きのこりょうりたくさんつくる」
「やったー!」
ミミがいそいそと、包丁とフライパンを用意する。
化けきのこは厚めに2枚スライス。傘の部分は細かくカットしてザルにあげておく。食べきれない分は魔法の冷蔵庫にイン。
レクサスの肉も食べる分だけ削ぐ。肉には豪快に塩とスパイスをふって擦り込む。
熱したフライパンに海ひつじのバターを溶かして、きのこと肉を一緒に投入する。ジワジワと滲み出て来る肉汁が、きのこに吸われていく。美味そう。めっちゃ美味そう。
焼いている間に、ミミは鍋をオレに渡してくる。
さっきの細かく切ったきのこと、海ひつじのミルクと、それから小麦粉的なものの紙袋。
「きのこソース、つくる。おにくに、かける」
「オッケー!」
「ミルクのかたまりと、なかむぎのこな、きのこいためる。ミルクいれる」
「ふむふむ」
ミミに言われるままに、木べらでバターを溶かして中麦粉(この世界では小麦粉ではなく中麦粉らしい)と練り合わせる。ミルクを注いだらなんだかとろみがでてきた。塩とスパイスの木の実で味を整える。
鍋の中に出来上がったのは、ホワイトソース系のきのこソースだった!
「おおおおぉ! さっすがオレ、やればできる子! 初めてでこんなうまく作れるなんて天才じゃーん! スマホがあったらこれ写メりたい」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
ステーキを作っていたミミかあさんに叱られた。
ミミの焼いていたきのことレクサスのバターソテーを皿に盛り付けて、できたて熱々トロトロのきのこクリームソースをかける。
「これも」
ミミがレクサスの肉にモリベリーのジャムを乗せて、完成! バターの香りと肉の香ばしさが、オレの食欲をこれでもかと刺激してくる。
「イエーイ!! 化けきのことレクサスのステーキきのこクリームを乗せて、完成〜! パソコンの前の皆さん盛大な拍手を! パチパチパチパチ」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
ミミに怒られながらも食卓につく。
左胸に手を当て、この世界の神様にお祈りして、ごちそうにありつく。
「うんまーー!!! 化けきのこもレクサスもウマ!!」
ほっぺた落ちる! 厚めに切ったきのこはコリコリ食感。バターとレクサス肉の肉汁を吸っているから旨味も抜群。見た目すごく不気味なきのこなのになんて美味さだ。
レクサス肉は、前に食べたときは燻製だったけれど今回は生肉から調理した。燻製とは味がまるで違う。これは本当に同じ肉か!?
焼いたときあれだけ肉汁が溢れ出ていたのに、噛んでも噛んでも止めどなくうまい汁が溢れてくる。ミミがミディアムレアな焼き加減にしてくたおかげで、柔らかくかつジューシー。添えたベリージャムがほどよい酸味を加えてくれるおかげで、こんなにジューシーなのに脂っこくならない。
あまりの美味さに、オレの細胞一つ一つが喜んでいる。
ミミもコクコクうなずいて肉にかぶりつく。
皿の上がすっからかんになった頃に、ビリーがボウルに山盛りの素揚げを持ってきた。化けきのこは揚げ物にしても美味いんだってさ。
「おーいキムラン、おふくろがこれ持ってけってよ。食ってくれ。化けきのこ狩りが成功したお祝いだ」
「おお! ありがとビリー! おばさんには次あったら礼を言わないとな! ミミ、おばさんから差し入れだってさ」
「うむ。かんしゃ。そんちょのとこのごはん、おいしい」
夕飯が終わったばかりでも、美食は別腹である。
一口大にカットされた化けきのこの素揚げは、二人で仲良く半分こで食べた。
このあとお隣のオリビアさんも、化けきのこ狩りお祝いと称して炭化した何かを持ってきてくれたが、ミミが受け取る前にナルシェが横からかっさらって平謝りしながら帰っていった。
みんなで狩ったモンスター、食べられる部分は各家庭に分配される。
木の実や薬草なんかも採取しながら来たから、しばらく食べるのに困らないだろう。
オレは分配されたレクサスのもも肉と、多めにもらったきのこを持って帰宅する。
「ただいまーー!! ほらミミ。見てくれ! この化けきのこオレが倒したんだぞー!」
「おかえり。キムランは、やればできるこ。わたしはしんじてたぞ」
ミミの子どもらしい小さな手が、オレの頭を撫で回す。わー、オレ高校卒業して以降子ども扱いされたの初めてだわ。しかもこんな年下の子に。
「そんちょから、まえのかりのときキムランがにげまわってたときいてた。だから、かりがちゃんとできたキムラン、すごい」
「うぐ」
悪意ゼロだからよけい刺さるぜ、ミミ。オレの豆腐ハートが粉々。
「キムランなぜなく。きのこがこわかったか」
「怖くない、ぜんっぜん怖くないから! それよりメシ作ろうぜ!」
村人自体そんなに人数が多いわけじゃないから、みんなで分けても一家族への配分はかなり大きい。
大玉スイカよりもふたまわり以上でかい肉ときのこ。日本で同じサイズのものを買ったらユキチ何人分になるだろう。
「せっかくキムランがとったから、きのこりょうりたくさんつくる」
「やったー!」
ミミがいそいそと、包丁とフライパンを用意する。
化けきのこは厚めに2枚スライス。傘の部分は細かくカットしてザルにあげておく。食べきれない分は魔法の冷蔵庫にイン。
レクサスの肉も食べる分だけ削ぐ。肉には豪快に塩とスパイスをふって擦り込む。
熱したフライパンに海ひつじのバターを溶かして、きのこと肉を一緒に投入する。ジワジワと滲み出て来る肉汁が、きのこに吸われていく。美味そう。めっちゃ美味そう。
焼いている間に、ミミは鍋をオレに渡してくる。
さっきの細かく切ったきのこと、海ひつじのミルクと、それから小麦粉的なものの紙袋。
「きのこソース、つくる。おにくに、かける」
「オッケー!」
「ミルクのかたまりと、なかむぎのこな、きのこいためる。ミルクいれる」
「ふむふむ」
ミミに言われるままに、木べらでバターを溶かして中麦粉(この世界では小麦粉ではなく中麦粉らしい)と練り合わせる。ミルクを注いだらなんだかとろみがでてきた。塩とスパイスの木の実で味を整える。
鍋の中に出来上がったのは、ホワイトソース系のきのこソースだった!
「おおおおぉ! さっすがオレ、やればできる子! 初めてでこんなうまく作れるなんて天才じゃーん! スマホがあったらこれ写メりたい」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
ステーキを作っていたミミかあさんに叱られた。
ミミの焼いていたきのことレクサスのバターソテーを皿に盛り付けて、できたて熱々トロトロのきのこクリームソースをかける。
「これも」
ミミがレクサスの肉にモリベリーのジャムを乗せて、完成! バターの香りと肉の香ばしさが、オレの食欲をこれでもかと刺激してくる。
「イエーイ!! 化けきのことレクサスのステーキきのこクリームを乗せて、完成〜! パソコンの前の皆さん盛大な拍手を! パチパチパチパチ」
「キムランうるさい」
「ごめんなさい」
ミミに怒られながらも食卓につく。
左胸に手を当て、この世界の神様にお祈りして、ごちそうにありつく。
「うんまーー!!! 化けきのこもレクサスもウマ!!」
ほっぺた落ちる! 厚めに切ったきのこはコリコリ食感。バターとレクサス肉の肉汁を吸っているから旨味も抜群。見た目すごく不気味なきのこなのになんて美味さだ。
レクサス肉は、前に食べたときは燻製だったけれど今回は生肉から調理した。燻製とは味がまるで違う。これは本当に同じ肉か!?
焼いたときあれだけ肉汁が溢れ出ていたのに、噛んでも噛んでも止めどなくうまい汁が溢れてくる。ミミがミディアムレアな焼き加減にしてくたおかげで、柔らかくかつジューシー。添えたベリージャムがほどよい酸味を加えてくれるおかげで、こんなにジューシーなのに脂っこくならない。
あまりの美味さに、オレの細胞一つ一つが喜んでいる。
ミミもコクコクうなずいて肉にかぶりつく。
皿の上がすっからかんになった頃に、ビリーがボウルに山盛りの素揚げを持ってきた。化けきのこは揚げ物にしても美味いんだってさ。
「おーいキムラン、おふくろがこれ持ってけってよ。食ってくれ。化けきのこ狩りが成功したお祝いだ」
「おお! ありがとビリー! おばさんには次あったら礼を言わないとな! ミミ、おばさんから差し入れだってさ」
「うむ。かんしゃ。そんちょのとこのごはん、おいしい」
夕飯が終わったばかりでも、美食は別腹である。
一口大にカットされた化けきのこの素揚げは、二人で仲良く半分こで食べた。
このあとお隣のオリビアさんも、化けきのこ狩りお祝いと称して炭化した何かを持ってきてくれたが、ミミが受け取る前にナルシェが横からかっさらって平謝りしながら帰っていった。