ドブネズミの革命 〜虐げられる貧民たちは下克上する〜
ユーニスは市場とスラムの境界のあたりに座り、人混みをじっと眺める。
この中に自分の母がいないか、見ていたのだ。
もう何日前のことか覚えていないけれど、ユーニスは両親に連れられてここに買い物に来た。
「私たちは買い物をしてくるわ。迷子になるといけないから、いい子で待っていてね」
「いいかユーニス。この紙は、誰か大人の人に話しかけられたら見せなさい」
両親はそう言うと、何か書かれた紙をユーニスの手に持たせて、買い物に行った。
この市場は広いしとても賑わっていて、道の反対側がまともに見えないくらい人が多い。
母の言うとおり、迷子になると困るからユーニスは大人しく市場の隅に座っていた。
昼時を過ぎ夕刻になり、市場の店主たちが店じまいをはじめても、母は迎えにこない。
たくさんいた買い物客も途絶えてあたりは真っ暗になっていた。
お腹も空いたし暗くて怖い、でも母も父も来てくれない。
途方に暮れるユーニスに、若い男女が話しかけてきた。
「どうしたの、君。お家の人は一緒じゃないの?」
「迷子か?」
優しそうな少女と、青い目の青年。
ユーニスは母に言われたことを思い出して、青年に紙を見せた。
ずっと握りしめていたから手の汗を吸ってくしゃくしゃになった紙を広げて、二人は顔をしかめた。
「これに何が書いてあるか、わかるか?」
「ううん、知らない。大人に声をかけられたらわたせって、母さんが言ってた」
「……どうしよう、ファジュル」
「放っておくわけにもいかないし、じいさんのとこに行くか。予備の布団を借りよう」
若者は膝をついてユーニスに目線を合わせ、聞いてくる。
「お前、名前は?」
「ユーニス」
「そうか、ユーニス。俺はファジュル。こっちはルゥルア。ユーニスの家族は今日迎えに来れないようだから、お前さえ嫌でないなら泊っていけ。ずっとここにいたら冷えてしまうだろう?」
「わかった。兄ちゃんのとこ泊めて」
ファジュルに提案されて、ユーニスは二つ返事で受けいれた。服がちょっとボロだけど、二人のことは悪い人に見えなかったし、寝るなら温かいところがいい。
明日起きてまたここで待っていたら母が迎えに来てくれると思って、二人についていくことにした。
そして今日にいたるまで、ファジュルとルゥルア、そしてファジュルの祖父の世話になりながら日々過ごしてきた。
「まだかな……」
だんだんお腹が空いてきた。お金があれば、目の前の屋台で何か買えるのに。
ファジュルにお願いして、お小遣いをもらってからくれば良かった。
「あら。あなた、昨日あの人たちと一緒にいた子ね」
すっぽりとローブのフードをかぶった人が声をかけてきた。ローブには蜘蛛の巣がこびりついているけど、その下に見える服はとても高そう。
ローブの人……シャムスはフードをとってユーニスに向き合う。クローゼットの中にある、緊急時用の隠し通路を通ってきたから、ローブが埃まみれ。
「えーと、なんだっけ姉ちゃん。シャーネ……いや、シャリー?」
名前をまともに覚えられていないことに少しだけ苛立ったシャムスだったが、年端もいかない子ども相手に怒るのは大人げないと自分に言い聞かせる。
「……………ま、まあいいわ。昨日ほんの少し顔を合わせただけですものね。名前を覚えていないのは許しましょう。あなた、シャヒド・アル=ラシードという名前を聞いたことはない? わたくしの従兄と一緒にいるはずなの」
名前だけでも聞いたことがあれば、知り合いの知り合いの……という風に、人づてにたどり着けるかもしれない。そう考えシャムスはまずユーニスに聞いてみた。
「姉ちゃん、今日はラシードじいちゃんに会いに来たの?」
「っ! 知っているのですか!? ラシードは今どこに……」
言いかけて、シャムスははたと気づく。昨日一緒にいた青年は、案内料として金品を要求してきた。何かしら渡さないと案内してもらえないかもしれない。
鞄を開けて交渉に使えそうなものを探す。
そもそも、シャムスはお金というものを持っていない。ドレスなら城に直接仕立て屋が来るし、「誕生祝いだ」と交流のある国から貢ぎ物が贈られてくる。
買い物という、庶民なら子どもですら当たり前にすることをする機会がないのだ。
髪飾りやイヤリング……は要らないと言われそうだし、かと言ってお金はないし。
唯一渡せそうなものを取り出す。
「こ、これをあげるから案内してくれません?」
「わあ、パンだ! もらっていいの? 何挟んであんの、これ」
シャムスが渡したのは、ナジャーが持たせてくれたサンドイッチだった。
薄くスライスしたパンに燻製肉とチーズ、少々の野菜を挟んである。
「むぐむぐむぐむぐ」
ユーニスは三つあるサンドイッチの一つだけを食べて、あとは紙袋に戻した。
「全部食べないの?」
「こっちはファジュル兄ちゃんとルゥルア姉ちゃんにあげるんだ」
一人で全部食べようとしないことに、シャムスは驚いた。
シャムスなら全部自分だけで食べてしまうのに。
お夕飯が入らないと困りますからと、小さめに作ってくれているから、そのさらに三分の一では夕刻まで持たない。
「姉ちゃん昨日は入りにくそうだったけど、今日は大丈夫?」
確かに昨日は、ドレスが汚れるから行きたくない、と駄々をこねた。けれど今は事情が違う。
豚の嫁になるか、スラムに入ってラシードに協力をあおぐか二つに一つなら、スラムに入る。
「大丈夫よ。案内して」
「ん、わかった」
腕で口の周りについていた食べかすを落として、ユーニスはスラムに入っていく。
シャムスもフードをかぶり直し、それに続いた。
少し行くと、スラムの人間にしてはやけに小奇麗な格好の男がしゃがみこんでいるところに出くわした。
木の廃材で作られた小屋と小屋の狭いすきま。スラムの人間ですら入らないようなところに男がいて、垂れた天幕にタバコのようなものを押し付けていた。
「なあ、おっちゃん何してんの? ここで火を使っちゃいけないんだぞ」
ユーニスに声をかけられて、男は首元に巻いていた布で顔を隠して走り去る。
あからさまに挙動不審、シャムスも不審な男を目で追った。
平民や貴族が好き好んでスラムに近寄ることはない。
ならばこの男は何をしている?
男が何かしたところから、煙があがり始めた。
──放火。
燃えやすい素材の布地であること、空気が乾いていることが手伝って、小さな火は瞬く間に炎に成長する。
「ど、どうしよう、どうしよう」
「ぼうや。あなたは誰か人を呼んで、火消しを! わたくしは犯人を追います!」
「う、うん!」
ユーニスに消火の人を呼ぶのを任せ、シャムスは放火犯を追った。
町とスラムを繋ぐ裏道はいくつもあり、スリやひったくりをした者が即座に身を隠せるようになっている。
男は、シャムスとユーニスがいたところとは別の道を通ってきたのだろう。
「待ちなさい!」
走る勢いでフードがめくれる。シャムスの声に、男はちらりと後ろを見て焦りを見せた。
「な、どうして姫様が!?」
「あなた、わたくしを知っているのですか!?」
シャムスは生まれてこの方王城の中で過ごしてきた。城を出たのは昨日と今日の二回だけ。
そのシャムスをひと目見て王女だとわかったなら、この男は城で働く人間だ。
シャムスに気を取られた男が、落ちていた物につまずき転倒した。
そのすきにシャムスは男の顔を隠していた布を奪った。
やはり。名前は知らないが、城内で見たことのある顔だ。シャムスの記憶が確かなら、兵士だったと思う。
「白状なさい。なぜこのようなことを」
「い、言えません」
「国民を守るためにある兵が、国民の生活を脅かして恥ずかしくないのですか!」
「わ、わたしもこのようなことをしたくありません。けれど、他にどうすることもできなかったのです」
したくないのになぜ火を放つのか。
シャムスは語気を荒らげる。
「誰かに命じられてやっているのなら、首謀者を吐きなさい。あなたも命令を下した者も、厳正に処罰してやります!」
「言えません」
スラムの住人でない人間が二人言い争っているのだから、スラムのみんなが何事かと集まってくる。
あたりには物が燃える臭いと、黒い煙が立ち込めはじめていた。
野次馬の一人が、シャムスに問いかける。
「な、何があったんだ、お嬢ちゃん」
「この者が火を放ったのです。あなたたち、早く逃げなさい」
「なんだって!?」
騒然となる人々の中、シャムスはもう一度問いただす。
「答えなさい。これは王女としての命令です」
「『誰に問い詰められようと、決して俺の名をあげるな。自分の意志で火をつけたと言え』と、命を受けているのです。逆らったらお前の母を殺すと」
男はその場にひざまずいて、震えながら答える。
命令したのは、シャムスの命令でも名前をあげられない人間。
現在この国の直系にあたる王族は、シャムスとガーニムの二人だけ。
そんなわけないという思いと、あの人ならやりかねないという思いが交錯する。
「まさか……お父様が……?」
男の沈黙が何よりの答えだった。
シャムスの中で、父に対するいいようのない嫌悪感と怒りがこみ上げる。
「……そう。無理に聞き出そうとして悪かったわね。親の命を盾にされていたなら、仕方がないわ。悪いことをしたと思うのなら償いなさい。あなたも責任を持って、消火活動と、民の避難誘導を手伝うの」
「はい……申し訳ありませんでした」
火を消すために走り出したシャムスにつき、男も自分の犯したことの償いのため急いだ。
この中に自分の母がいないか、見ていたのだ。
もう何日前のことか覚えていないけれど、ユーニスは両親に連れられてここに買い物に来た。
「私たちは買い物をしてくるわ。迷子になるといけないから、いい子で待っていてね」
「いいかユーニス。この紙は、誰か大人の人に話しかけられたら見せなさい」
両親はそう言うと、何か書かれた紙をユーニスの手に持たせて、買い物に行った。
この市場は広いしとても賑わっていて、道の反対側がまともに見えないくらい人が多い。
母の言うとおり、迷子になると困るからユーニスは大人しく市場の隅に座っていた。
昼時を過ぎ夕刻になり、市場の店主たちが店じまいをはじめても、母は迎えにこない。
たくさんいた買い物客も途絶えてあたりは真っ暗になっていた。
お腹も空いたし暗くて怖い、でも母も父も来てくれない。
途方に暮れるユーニスに、若い男女が話しかけてきた。
「どうしたの、君。お家の人は一緒じゃないの?」
「迷子か?」
優しそうな少女と、青い目の青年。
ユーニスは母に言われたことを思い出して、青年に紙を見せた。
ずっと握りしめていたから手の汗を吸ってくしゃくしゃになった紙を広げて、二人は顔をしかめた。
「これに何が書いてあるか、わかるか?」
「ううん、知らない。大人に声をかけられたらわたせって、母さんが言ってた」
「……どうしよう、ファジュル」
「放っておくわけにもいかないし、じいさんのとこに行くか。予備の布団を借りよう」
若者は膝をついてユーニスに目線を合わせ、聞いてくる。
「お前、名前は?」
「ユーニス」
「そうか、ユーニス。俺はファジュル。こっちはルゥルア。ユーニスの家族は今日迎えに来れないようだから、お前さえ嫌でないなら泊っていけ。ずっとここにいたら冷えてしまうだろう?」
「わかった。兄ちゃんのとこ泊めて」
ファジュルに提案されて、ユーニスは二つ返事で受けいれた。服がちょっとボロだけど、二人のことは悪い人に見えなかったし、寝るなら温かいところがいい。
明日起きてまたここで待っていたら母が迎えに来てくれると思って、二人についていくことにした。
そして今日にいたるまで、ファジュルとルゥルア、そしてファジュルの祖父の世話になりながら日々過ごしてきた。
「まだかな……」
だんだんお腹が空いてきた。お金があれば、目の前の屋台で何か買えるのに。
ファジュルにお願いして、お小遣いをもらってからくれば良かった。
「あら。あなた、昨日あの人たちと一緒にいた子ね」
すっぽりとローブのフードをかぶった人が声をかけてきた。ローブには蜘蛛の巣がこびりついているけど、その下に見える服はとても高そう。
ローブの人……シャムスはフードをとってユーニスに向き合う。クローゼットの中にある、緊急時用の隠し通路を通ってきたから、ローブが埃まみれ。
「えーと、なんだっけ姉ちゃん。シャーネ……いや、シャリー?」
名前をまともに覚えられていないことに少しだけ苛立ったシャムスだったが、年端もいかない子ども相手に怒るのは大人げないと自分に言い聞かせる。
「……………ま、まあいいわ。昨日ほんの少し顔を合わせただけですものね。名前を覚えていないのは許しましょう。あなた、シャヒド・アル=ラシードという名前を聞いたことはない? わたくしの従兄と一緒にいるはずなの」
名前だけでも聞いたことがあれば、知り合いの知り合いの……という風に、人づてにたどり着けるかもしれない。そう考えシャムスはまずユーニスに聞いてみた。
「姉ちゃん、今日はラシードじいちゃんに会いに来たの?」
「っ! 知っているのですか!? ラシードは今どこに……」
言いかけて、シャムスははたと気づく。昨日一緒にいた青年は、案内料として金品を要求してきた。何かしら渡さないと案内してもらえないかもしれない。
鞄を開けて交渉に使えそうなものを探す。
そもそも、シャムスはお金というものを持っていない。ドレスなら城に直接仕立て屋が来るし、「誕生祝いだ」と交流のある国から貢ぎ物が贈られてくる。
買い物という、庶民なら子どもですら当たり前にすることをする機会がないのだ。
髪飾りやイヤリング……は要らないと言われそうだし、かと言ってお金はないし。
唯一渡せそうなものを取り出す。
「こ、これをあげるから案内してくれません?」
「わあ、パンだ! もらっていいの? 何挟んであんの、これ」
シャムスが渡したのは、ナジャーが持たせてくれたサンドイッチだった。
薄くスライスしたパンに燻製肉とチーズ、少々の野菜を挟んである。
「むぐむぐむぐむぐ」
ユーニスは三つあるサンドイッチの一つだけを食べて、あとは紙袋に戻した。
「全部食べないの?」
「こっちはファジュル兄ちゃんとルゥルア姉ちゃんにあげるんだ」
一人で全部食べようとしないことに、シャムスは驚いた。
シャムスなら全部自分だけで食べてしまうのに。
お夕飯が入らないと困りますからと、小さめに作ってくれているから、そのさらに三分の一では夕刻まで持たない。
「姉ちゃん昨日は入りにくそうだったけど、今日は大丈夫?」
確かに昨日は、ドレスが汚れるから行きたくない、と駄々をこねた。けれど今は事情が違う。
豚の嫁になるか、スラムに入ってラシードに協力をあおぐか二つに一つなら、スラムに入る。
「大丈夫よ。案内して」
「ん、わかった」
腕で口の周りについていた食べかすを落として、ユーニスはスラムに入っていく。
シャムスもフードをかぶり直し、それに続いた。
少し行くと、スラムの人間にしてはやけに小奇麗な格好の男がしゃがみこんでいるところに出くわした。
木の廃材で作られた小屋と小屋の狭いすきま。スラムの人間ですら入らないようなところに男がいて、垂れた天幕にタバコのようなものを押し付けていた。
「なあ、おっちゃん何してんの? ここで火を使っちゃいけないんだぞ」
ユーニスに声をかけられて、男は首元に巻いていた布で顔を隠して走り去る。
あからさまに挙動不審、シャムスも不審な男を目で追った。
平民や貴族が好き好んでスラムに近寄ることはない。
ならばこの男は何をしている?
男が何かしたところから、煙があがり始めた。
──放火。
燃えやすい素材の布地であること、空気が乾いていることが手伝って、小さな火は瞬く間に炎に成長する。
「ど、どうしよう、どうしよう」
「ぼうや。あなたは誰か人を呼んで、火消しを! わたくしは犯人を追います!」
「う、うん!」
ユーニスに消火の人を呼ぶのを任せ、シャムスは放火犯を追った。
町とスラムを繋ぐ裏道はいくつもあり、スリやひったくりをした者が即座に身を隠せるようになっている。
男は、シャムスとユーニスがいたところとは別の道を通ってきたのだろう。
「待ちなさい!」
走る勢いでフードがめくれる。シャムスの声に、男はちらりと後ろを見て焦りを見せた。
「な、どうして姫様が!?」
「あなた、わたくしを知っているのですか!?」
シャムスは生まれてこの方王城の中で過ごしてきた。城を出たのは昨日と今日の二回だけ。
そのシャムスをひと目見て王女だとわかったなら、この男は城で働く人間だ。
シャムスに気を取られた男が、落ちていた物につまずき転倒した。
そのすきにシャムスは男の顔を隠していた布を奪った。
やはり。名前は知らないが、城内で見たことのある顔だ。シャムスの記憶が確かなら、兵士だったと思う。
「白状なさい。なぜこのようなことを」
「い、言えません」
「国民を守るためにある兵が、国民の生活を脅かして恥ずかしくないのですか!」
「わ、わたしもこのようなことをしたくありません。けれど、他にどうすることもできなかったのです」
したくないのになぜ火を放つのか。
シャムスは語気を荒らげる。
「誰かに命じられてやっているのなら、首謀者を吐きなさい。あなたも命令を下した者も、厳正に処罰してやります!」
「言えません」
スラムの住人でない人間が二人言い争っているのだから、スラムのみんなが何事かと集まってくる。
あたりには物が燃える臭いと、黒い煙が立ち込めはじめていた。
野次馬の一人が、シャムスに問いかける。
「な、何があったんだ、お嬢ちゃん」
「この者が火を放ったのです。あなたたち、早く逃げなさい」
「なんだって!?」
騒然となる人々の中、シャムスはもう一度問いただす。
「答えなさい。これは王女としての命令です」
「『誰に問い詰められようと、決して俺の名をあげるな。自分の意志で火をつけたと言え』と、命を受けているのです。逆らったらお前の母を殺すと」
男はその場にひざまずいて、震えながら答える。
命令したのは、シャムスの命令でも名前をあげられない人間。
現在この国の直系にあたる王族は、シャムスとガーニムの二人だけ。
そんなわけないという思いと、あの人ならやりかねないという思いが交錯する。
「まさか……お父様が……?」
男の沈黙が何よりの答えだった。
シャムスの中で、父に対するいいようのない嫌悪感と怒りがこみ上げる。
「……そう。無理に聞き出そうとして悪かったわね。親の命を盾にされていたなら、仕方がないわ。悪いことをしたと思うのなら償いなさい。あなたも責任を持って、消火活動と、民の避難誘導を手伝うの」
「はい……申し訳ありませんでした」
火を消すために走り出したシャムスにつき、男も自分の犯したことの償いのため急いだ。