後書き・解説更木剣八さんの夢主は、尸魂界潜入篇に更木剣八さんが黒崎一護との戦いを終えた後に斬魄刀へ問いかけていたシーンや東仙隊長から「この男は魔物だ」の言われていたシーンから影響を受けて人格を構成していきました。
東仙隊長は『獣・魔物』と揶揄していましたが、やはりそんな傍若無人な彼も『名前が無い』という人間らしい苦悩を味わっていたと思うととても愛おしく感じました。
他にも寂しさや苦悩を抱えているであろう更木剣八さんを優しく包み込んでくれる人がいたらいいなあ……という思いの塊が夢主です。
見た目で判断しない。噂に左右されない。
罪を犯した人でも、罪を憎んでその人を憎まない。
そんな包容力を体現したような夢主と出会って、心を通わせて、お互い特別な存在になるまでのお話が『いとしきもの』になります。
恋や愛を知らなかった、興味がなかった更木剣八の恋への私なりの解釈です。
何故、夢主に惹かれたのか。
何故、夢主でないといけなかったのか。
何故、夢主を何よりも大切に想っているのか。
そこへ重点を置いて、二人の馴れ初めを考えていきました。
気付いていらっしゃる方がいるのかどうか分からないですが、当サイトの更木剣八さんは夢主を「お前」と呼ばせてないです。
無事にお付き合いが始まってからは名前を呼ぶだけで幸せな気持ちになることを知る剣八さんなので、本編の馴れ初めでも無意識のうちにそれを感じてそうしています。
本編では何度か「お前」と呼ぶシーンは出てきます。
どう言った時に使ってるのか探して頂くのも面白いかな?と思います。
剣八さんからはずっと名字呼びで読者の方へ申し訳なさもありましたが、付き合ってからもしばらくは名字と更木隊長で呼び合って欲しいという作者の願望です。
また、心から惹かれあっていく様子を描写したかったのでお互いの容姿が優れていて惹かれている・魅せられている表現は極力削りました。
その他、小説ではあえて言及したり、表現しなかった点がいくつかあるの後書きとして解説して行きます。
【序、はるの せなか】
夢主の始まりの春のお話です。
ここで初めて夢主が更木剣八を認識します。
剣八さんも名乗ってなければ、卯ノ花さんも名前を呼んでいないので、最後に見た背中の数字を見て「あの方が十一番隊の更木隊長」と顔と名前が一致します。
院生の時に噂を耳にしてそうですが、都市伝説のように色々なことが継ぎ足されていて気付けなかったという裏設定があります。
更木剣八さんの荒々しさに驚きますが、『怖い』という感情は抱いておりません。
逆に鈴の音とのちぐはぐさに和んでおり、夢主の性格が現れているかな、と思います。
通常なら苛立っている更木剣八さんの霊圧に入隊したばかりの夢主は耐えられず、卒倒しそうですが割と平然としています。
これは更木剣八さんが無意識に抑えたのでは無く、『霊圧の相性』というものがあればいいなあ…と思っています。
夢主の持つ斬魄刀の能力をコントロールすることが出来ないため、更木剣八さんの眼帯のように斬魄刀の霊圧を喰らい続ける装具をしていて、それが影響して夢主本人は平気だった…という設定とも迷ってたりします。
でも、その場合は卯ノ花さんも事情を知っていて欲しいので、『霊圧の相性』がしっくり来てます。
だからこそ、卯ノ花さんは二人が良い関係を築けることをこの時から確信しています
ちなみに、更木剣八さんはこの時点では夢主に対して何も感情を抱いていません。
立ち去った数秒後にもう顔も存在も全部忘れています。
【一、はるは あけぼの】
所謂、「ふん。おもしれえ女」なお話です。
更木剣八が夢主を認識するお話です。
今までは少し睨んだり、霊圧を上げたりするとオドオド怯えて適当に治療を終える隊士ばかり。
名前が無いことの苦しみを感じていた人なので、周りから疎ましく煙たがられることにも苦しみを感じてしまう。
それに次第に、「ああ、またか」と慣れていくんだろうなあという勝手な解釈です。
卯ノ花さんは丁寧治療してくれるといえど、昔からの知り合いだからそうしているとありがたみ感じてなさそうだなって思ってます。
卯ノ花さんややちるちゃんのように昔から縁がある人ではなく、夢主のようにお互い初めましての状態で自分を対等に扱ってくれたことに無意識に喜びを覚えます。
真心こもったあたたかい霊圧に絆されていきます。
夢主に傷の具合いを見せに行く日をちゃんと数えてるの可愛いですね。
それでも、この時から既に「自分とは違う」と心のどこかでは考えています。
ちなみに綾瀬川弓親は、夢主へひっそり片想いをしている裏設定があります。
夢主が十一番隊へ訪れた時に初対面のフリ・君のことなんて興味無いよ、という態度を取っていますが、綾瀬川弓親は一方的に夢主のことを知っており片想いしています。名前や人となりも勿論知っていました。
本当に苛立っている隊長と二人きりにして大丈夫なのか、と立ち去った後に戻ってきて部屋の外で様子を伺っているかと思います。
夢主の一言で更木剣八さんが大人しくなったので、「もう大丈夫そう」と笑って立ち去って行きます。
この時はまさか二人が恋に落ちるなんて…とは思っていないです。
影から見守るパトロン的な存在です。
【二、なつは よる】
「自分とは違う」と思っている夢主に対して親近感を感じるお話です。
そして、漠然と感じていた「違い」が明確になっていくお話です。
隊首会が面倒だと思った自分と同じように、夢主も面倒だと思うことがあると知り、身近に感じてもらいつつ……
身長・体格・歩幅、隊舎の様子等を対比させて、違いを明確化させました。
ちなみに三話で判明しますが、やちるちゃんは隊首会中に夢主に作って欲しいとお願いしていたシフォンケーキを貰いに行ってました。
なので、更木剣八さんが持っていたシフォンケーキを見てすぐに夢主から貰ったと気付いてます。
この時からやちるちゃんは二人にくっついて欲しい、更木剣八さんには夢主が必要だ、と思っているのでアシストしつつニコニコ見守ってます。
やちるちゃんにシフォンケーキを渡したその後、夢主は荷物を運んでいたかと言うと「やちるちゃんにお願いされていたシフォンケーキをあげる」→「やちるちゃんとお話ししていると、先輩に物品の補充を頼まれる」
→「やちるちゃんと別れて物品補充に向かう」という感じです。
その後やちるちゃんはシフォンケーキをたくさん持ってお散歩してます。
クッキーにしたい気持ちもあったのですが、千年血戦篇のグレミィ戦のことを踏まえて違うものを選びました。
更木剣八さんは夢主に関することなら記憶力が高いという私の中の設定があります。
設備が現世と比べてしっかり整ってなさそうなので、ただでさえ難しいシフォンケーキ作るのレベル高いですよね。
夢主は料理得意という設定あるので、お許し下さい。
剣八さんが作中に戦っていた分身できる虚は、藍染さんの実験によって生まれた虚です。
分身できる以外は特筆すべき能力のない所謂失敗作というていです。
夢主にしつこく絡んでいた、男性隊士を出すかずっと悩んでました。
東仙隊長が非難して、髪紐が渡せなくなるというシチュエーションは絶対に入れたくて東仙隊長は絶対登場させるつもりでした。
東仙隊長は夢主に恋愛感情を抱いているわけではないので「九番隊隊士を脅した」という事実があったほうが物語を展開しやすかったので夢主に絡んでもらいました。
本当は、登場人物はほぼ更木剣八さんと夢主だけの物語を書こうと思ってたのですが、気付くと色々な人が登場する物語になっていました。
勇音ちゃんも出したかった……。
女将さんの食堂の名前である『ひととせ食堂』は、物語で引用させて頂いている枕草子から来ています。
四季になぞってそれぞれお話を書かせて頂いたので、『春夏秋冬』と名付けました。
女将さんの名前も考えていたのですが、メモ書きが消えておりわからなくなってしまいました…。
女将さんの名前まで出すのは、蛇足かなと思って結局やめたのは覚えてます。
『おしき(四季)』だったような気がします。
この食堂は剣八さんとやちるちゃんが流魂街時代から縁があると良いな、と思っています。
夢主は「好きなもの:茶碗蒸し」という設定があります。
単純に茶碗蒸したべて、幸せそうにしてる姿が可愛いなあ〜という単純な理由です。
外食や食堂でご飯を食べた時に茶碗蒸しが出ると何も言わずに夢主に譲る剣八さんが見たいです。
茶碗蒸し好きになったきっかけが女将さんの茶碗蒸しだったりします。
茶碗蒸し美味しいですよね。茶碗蒸し食べたい。
色々細かく裏設定を考えていたのですが、夢主が「天ぷら食べに行こう」と誘われていたのは単純に私が天ぷら食べたかっただけです。天ぷら食べたい。
最後の脅している剣八さんのシーンは、夢主へ強い恋愛感情を抱いているように見えるセリフばかりですが本人にとってはそこまで他意はないです。
夢主を守りたいという強い意志はまだ持ってないですが、夢主が傷つけられているところを想像するとむしゃくしゃするからです。
モノローグでも語っている通り、「これだけ脅しとけば大丈夫だろ」という気持ちそのままですね。
まあ、もう恋に落ちてしまっているのですがね。
【三、あきは ふゆぐれ】
剣八さんと夢主が距離が縮まっていき、剣八さんが自分の気持ちに理解するお話しです。
夢主に対して、かなりマイルドになり始めている更木剣八さんです。
周りから見れば何とかなく察してしまうぐらい顔や態度に出ていますが、夢主も剣八さんと同じように自分の恋心には気付けていません。
卯ノ花さんや女将さんに茶化されて、意識を少ししてしまうようになりますが「隊も役職も離れてるし、自分なんかが更木隊長とそういう関係になるなんてありえない」と思っています。
夢主は物腰柔らかくて誰にでも優しい女性ですが、芯がしっかりと強く違うと思ったことは違うと言える強い女性です。
十一番隊の門番をしていた隊士に刀を向けられた時も怯えず、冷静さがあった姿に感じ取って頂けてたら嬉しいです。
肝が座ってるともいいます。
やちるちゃんは剣八さんと夢主の仲を邪魔をしたく無いけど、夢主とはもっと仲良くなりたいと思っているので少し不安げに「着いて行ったらだめ?」と聞いていました。
仲を取り持ちたいけど、二人が仲良さそうにしてたら疎外感を感じてしまうやちるちゃんだといいなあと思っています。
その疎外感がここのヒロインの優しい笑顔で払拭できていたらいいな。
ヒロインの両親を出すかも迷っていました。
でも出さなければ、親がいない剣八さんと親がいて愛されて育った夢主の対比ができない!と思って出しちゃいました。
以下、両親の簡単な設定です。
父:才紫朗(さいしろう)
元四番隊副隊長
代々回道に秀でている家系で、優秀な四番隊隊士を輩出している。
虚討伐任務で右目を失明し、除隊。
その後は流魂街で流魂街の住人を対象として医療を提供している。
切長の目でクールな印象で、喋りも淡白でよく人に怖い・冷たいと誤解されがち。
苑枝へ一目惚れしてしまう。
母:苑枝(そのえ)
元五番隊隊士
研究者、開発者また回道にも秀でている家系。
特に薬品の開発に携わっている。
苑枝は末っ子。
鬼道も剣術も苦手、何をやってもてんでダメ。
やっとの思いで護廷十三隊に入隊できたが、戦いが恐ろしく一年もしないうちに脱隊。
それから家の人から「出来ぞこないだ」と馬鹿にされていた。
ある日、才紫朗との縁談が舞い込んでくる。
以下は、地区名の由来です。
・杜鵑
とけん。ホトトギス。
夢主の斬魄刀の正体は戦国の世を生きた、お市の方という設定があるので、辞世の句に出てくるホトトギスになぞりました。
植物のホトトギスの花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意思」だそうです。エモいです。
杜鵑が十六区なのは、夢主の誕生日である九月七日を足して「十六」としました。
夢主は一応貴族なのですが、流魂街の人々を対象とした事業をしているのでそこまで数字が若すぎないようにしました。
・末枯
うらがれ。
草木の枝先や葉先が枯れること。
また、その寂しいようすという意味です。
お話の雰囲気にぴったりだったので、地区名にこちらを選びました。
末枯が二十八区なのは、杜鵑の「十六」へ剣八さんの誕生日である十一月十九日を足して「十二」を合わせて「二十八」としました。
※一角と弓親と共に行った流魂街地区名も考えてましたが、結局出さなかったので番外編とかで出せればいいなあと思います。
冬の話だったのでどちらも冬を表す単語を地区名にしたいと思ってました。
・凍晴
いてばれ。
凍りつくように寒くて、しかも快晴であること。
・影冴
かげさゆ。
寒さが厳しく、あらゆるものに透き通ったような凜とした冷たさを感じること。
両親と地区名の説明と由来は以上になります。
考えるのが好きで両親たちの馴れ初め、過去の話も考えてしまってます。
公式では剣八さんの納豆が嫌いな理由が、「糸が切れず、いつまで経っても食べられないから」と設定はれていますがそれは夢主へ格好つかないからそう言っているだけであって「本当は味も匂いも嫌い」であって欲しいなあ、という私の捏造です。
「好きなもの:なし」は、「夢主が作った飯」と提出したけど檜佐木に「それは好きなものじゃないですよ」と突っぱねられてしまう。
それにキレてしまって、「なし」で提出する更木剣八です。
夢主と夕暮れをみて、秋の夕暮れの美しさを知り、もっと夢主が見ている世界を知りたい。夢主が好きなものを好きになりたい。それが恋であるとは、まだ自覚はしていませんが自分の気持ちに気付きます。
夢主が剣八さんにとって大切な存在になっていたからこそ、東仙隊長の言葉に深く傷付いてしまいます。
このシーンは何年も前から書きたかった話でした。
少し病んでる風なのがお気に入りです。
夢主関連だと心の弱さが露呈してしまう更木剣八さんは私の癖です……。
読んでくださった方の地雷を踏んでいないことを祈っております。
四話で判明しますが、この時剣八さんが見たのは荻堂さんと話をしている夢主です。
これは作中では詳しく書いていませんが、穏やかで優しいいつもの笑顔と剣八さんが感じた笑顔は、「更木隊長のおかげで順調です」と応えているときのものです。
剣八さんのことを語っていたからこそ「いつもの笑顔」だったというわけですね。
【四、ふゆは つとめて】
二人のすれ違いと、恋の自覚。そして想いが重なるお話しです。
視点がコロコロ変わるので読みにくかったかもしれません……。
個人的に「エモさ」を追求した結果がこれでした。すみません。
剣八さんの様子を夢主に聞かれて一角が「むしろ最近のあの人は元気過ぎるというか、いつにも増して血の気が多いというか」と言ったのは、夢主を忘れるためにいつも以上に戦いに溺れていたからですね。
弓親は自分も夢主に焦がれているため勘付いていそうですが、一角は全く気付いていないです。
思ってもいない言葉で夢主を拒絶してしまうシーンは定番だったかもしれませんが、書きたかったので書きました……!
こういうシチュエーション、本当に好きです。
病んでる剣八さんがお気に入りです。
戦いに溺れている時は夢主のことを忘れられるけど、それ以外の時はひたすら病んでると思います。
卯ノ花さんに優しく慰められた時の夢主の
独白で「櫓を失った舟人のように行方が分からずに心に不安が満ちるばかりの〜」は、小倉百人一首の46番目である『由良の門を 渡る舟人 かぢをたえ ゆくへも知らず 恋の道かな』から引用させて頂きました。
夢主は「競技かるたが得意」という設定が実はあります。
夢主達の前に現れた巨大虚も藍染さんが絡みですね。
藍染さんにとって更木剣八が危険因子のため、「恋や愛を知った今なら始末できるかもしれない」と考えていたらいいなと思います。
更木剣八が始末できなくても、夢主を殺せば使い物にならないようになるかもしれない。そして何より「愛を知った獣が、愛する人を失ったらどうなるか興味がある」と思っています。
戦闘シーンは初めて書きましたが、意外と書くのが楽しくてスラスラ書けました。
"焼ける"と"腐敗"の違いをどう出すかが難しかったですが、少しでもリアルに描けるように頑張らせて頂きました。
物語に没入してくださっていたら嬉しいです。
瓠丸の能力は公式的には詳しく設定されていませんが、自分にとって都合よく話が進むように『朱色瓠丸は二十四時間に一回だけ使用できる』
といつ設定を捏造させて頂きました。(どこかで公式様が言及されていましたらすみません。)
夢主にたくさん鬼道を使わせることが出来て楽しかったです。
蒼火墜は私が好きなので採用しました。
詠唱に「夢」とあるし、夢小説にぴったりかなと。
「手、出すんじゃねェぞ……。これは俺の
けじめだ……」のセリフが個人的にお気に入りです。
けじめと書いて、戦いと読むのがエモいと一人で興奮してしまいました。
東仙隊長の言葉に傷つけられて痛みを知ったのにも関わらず、夢主へ同じ痛みを与えてしまったことの償い。
「もう傷つけたくない。守りたい」という剣八さんのけじめです。
「東仙隊長、貴方ですか? 更木隊長に酷いことを仰ったのは」と剣八さんを庇う夢主のシーンも長年書きたかったものです。
東仙隊長の正義と夢主の慈悲の心がぶつかるシーンです。
東仙隊長はすべて藍染さんが仕組んだことと分かっての言動です。
東仙隊長が悪役のようになってしまって申し訳ないのですが、剣八さんと夢主にとっての障壁は東仙隊長のような考えを持った人なのでどうしてもこのような関係図になってしまいました。
私なりに二人の恋の解釈を詰め込みました。
この一件から夢主は東仙隊長のことが苦手になります。
私が決して東仙隊長が嫌いなわけではありません…!好きです!
治療後の病室のシーンで血で汚れて、色が変わってしまった髪紐に対して夢主が「これがいいです」と伝えたのは第一話の「確かに汚れてしまったり、壊れてしまったものより新しいものがいいですけど……やっぱりずっと使ってたものは想い出が沢山詰まってるじゃないですか」というセリフと繋がっています。
渡せなくなって、目を背けたい出来事があったのにも関わらず大切にお守りのようにして持っていてくれた剣八さんの想いが詰まった髪紐なので夢主は「これがいいです」と伝えました。
それを言われた剣八さんは東仙隊長に否定された自分の全てを受け入れてもらえた喜びで泣いています。
隊長羽織もボロボロになってしまったので、
「流石に捨てねえとダメだな」
「大丈夫です。また直せますよ」
と言われて関係性を修復できると匂わせるようなシーンも入れたかったのですが……技量不足です。
(破面篇で隊長羽織を捨て……無くしますが、あれは夢主が直したものではないです。二話でふわっと表現していますが、一話で夢主が直している時に新しいものを支給して貰ったと私は思っているので二着あることになってます。)
最後に荻堂さんを出すか迷ったのですが、荻堂さんもすれ違いのきっかけになってしまっているので登場して、スッキリさせてもらいました。
「あの時に見た男だけど、こいつは(夢主)のなんなんだ……」と無意識に睨んでると可愛いですね。
東仙隊長から庇った夢主の勇姿をあの場に居合わせた隊士たちが他の隊士に語って、「四番隊の腑抜けが?」と信じられない気持ちですが剣八さんのお見舞いのときにみた夢主と剣八さんの雰囲気に真実味を感じ、優しく接してくれる姿に心が動かされている十一番隊隊士さん達だといいです。
そしてやちるちゃんも一角も弓親も慕うようになっているので、全員が「姐さん」と慕うようになりました。
決して「更木隊長の女」だから媚びへつらっているわけではないです。心からみんな尊敬しています。
みんな膝枕をしている更木隊長をみて、微笑ましそうほっこりしています。
雪景色の中、二人が想いを告げるところをみんなでこっそり覗いているとかわいいです。
二人の仲睦まじい姿に、また宴会が始まっていると思います。
(弓親は夢主に片想いしているので、複雑な気持ちで「姐さん」と呼んでおります。気付かれてはいけないと思っているので、平静を装っています。「自分ではきっと彼女をこんな幸せそうな顔にできない」と思っています。)
「ふゆはつとめて」を調べたと剣八さんは言っておりますが実は卯ノ花さんに聞きました。
その話を番外編として書けたらな、と思っています。
『どんな時も絶えることのない。きっとこれは永遠に続いていく。
その永遠を俺は、愛と信じている。』
という一文は、櫻坂46の『五月雨よ』をイメージソングとして書かせて頂きました。
この歌も叶わぬ恋、告げられない想いを歌っています。
直接歌詞を引用させていただいたのは『どんな時も絶えることのない愛を永遠と信じている』だけなのですが、東仙さんに否定されて自分の気持ちに素直になれなくなった剣八さんの感情にピッタリだと思っています。
恋の歌なのですが、命の尊さも感じる曲なので剣八さんと夢主の雰囲気にもピッタリです。
「傷つかなくていいことには傷つかなくていい」という夢主のセリフも同じ櫻坂46のアイドルさんが残した言葉を引用させて頂きました。
真っ直ぐな言葉で、すごく心に響いてしまったのでリスペクトの意味も込めて使用させて頂きました。
【終、めぐり逢ふもの】
剣八さんと夢主の出逢いの話です。
実は幼い頃に出逢っていた、という設定が大好きです。
幼い二人が大冒険するお話が書きたくて思いついたお話です。
父親の救護鞄を持って飛び出していくシーンは、一話で剣八さんの治療に向かうシーンになぞってみました。説教するシーンも同様です。
この話も所謂「ふん。おもしれえ女」ですね。
目的の薬草を採取するまで諦めない夢主の姿に、剣八さんの周りからの印象が悪いことに対して諦めなかった姿を重ねて見えていれば嬉しいです。
幼い頃から変わらない真心と心強さを表現したかったです。
『岩壁に咲く花』は単純に響きが好きで使わせて頂きました! 深い意味はなくてすみません。
この時の夢主のお父さんは少し不器用なので、お母さんや夢主と暮らすことで父親として成長している姿も伝わっていれば嬉しいです。
(お父さんも剣八さんのようにお母さんの存在で大きく変わっていきます。)
剣八さんが夢主へお礼を伝えたい少年が実は自分だったと伝えた後のお話は読んで頂いた方の想像にお任せします!
最後まで読んでくださった方がどれぐらいいらっしゃるのかは分かりませんが、最後まで剣八さんと夢主の出逢いのお話にお付き合い頂いてありがとうございました!
長年悩んで、この度完成することができたお話なので皆さんに反応や感想を貰うことが本当に嬉しくて幸せでした!
番外編のお話をいくつか書きたいと思っております。
番外編以外にも、原作沿い・初夜・結婚の話も書きたいなあ~と思っています。
気ままに創作していきますが、今後ともよろしくお願いします!
文章まとめるのが下手で、読みにくい後書きで申し訳ございません。
後書きまで目を通してくださった全ての皆様に感謝です。
ありがとうございました!
2024.3.22 憂璢