君の幸せ 僕はこの世界で一番愛おしい人を『幸せ』にする事はできない。
『幸せ』に出来るのは血の繋がった僕では無い他の奴だ。そう何度も自分に言い聞かせる。
「
名前の幸せはちかちゃんと一緒にいることなんだよ」
僕はただ彼女のこの台詞を聞きたいだけなのかもしれない。
他の男との幸せを望みながら、その台詞で喜んでしまう僕はなんて未練たらしいんだ。
終
わたしの幸せ 貴方の言う『幸せ』が貴方と一緒にいられないものだとしたら、そんな『幸せ』なんて要らない。
愛を誓い合った証の指輪も要らない。
皆んなからの祝福の言葉も要らない。
それならずっと不『幸せ』で良い。
わたしがずっと欲しかったものは――
「
名前の事が好きだよ」
ただそれだけ。
その言葉だけで良かったの。
終