就業を知らせる鐘が鳴り、足早に十一番隊を後にする。そして、いつも通り四番隊へと
優紫を迎えに行く。
優紫がいつも仕事をしている四番隊の部屋を覗くと「後もう少し仕事が残っているので待って頂いてもよろしいですか」と言われた。俺はそれに頷く。「待たせてごめんなさい」と謝る
優紫に「気にするな」と声を掛けて頭を撫でると柔らかく微笑んだ。
「良ければ使って下さい」と
優紫が仕事をしている机のすぐ近くにあった椅子を俺の前に置き、座るように促される。俺がその椅子に座ったのを確認すると
優紫も椅子に座り、書類に再び目を落とした。すらすら、と滑らかに筆を走らせている。仕事の邪魔にならないように声は掛けず、その姿を見つめる。俺といる時は穏やかで優しい雰囲気だか、仕事と向き合う横顔は凛々しく真剣なものだった。
俺の視線に気付いた
優紫が書類から目を離してこちらを見つめている。そして、目を細めて笑いながらこう言った。
「惚れ直しましたか?」
終