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俺たちの絆のかたち

俺だけいつも枠の外」より、攻めに頼まれて友のお見舞いに行く受けの過去のお話です。

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 友が、学校を休んだ。

「欠席は――」

 先生の言葉に、俺は眉を下げた。
 友、お休みかぁ。最近、遅刻することも多かったから、わかんなかったけど。体調悪いのかも。ずっと、塞いでた様子だった。
 大丈夫かなぁ。先生からの連絡事項もそこそこに、俺は儚げな幼馴染を思い浮かべた。
 前の席に、突っ伏した、攻めの背中も。
 攻めと友が、一緒に行動しなくなって、数日が経ってた。

 それに気づいたのは、友が攻めと一緒に登校してこなかったことだった。時間ギリギリで、珍しかった。

「珍しいね」

 尋ねると、友はひどく沈んだ様子で席に座った。

「もう一緒にいちゃ駄目って言われたんだ」
「えっ」
「オメガでアルファだからな……」

 うつろな目で、ぼんやり笑った。

「友……」

 攻めが、友のところにやってきた。

「来るな!」

 叫んで、友は出ていこうとする。ふらりとよろけたのを、攻めが支える。友は、

「触るな!」

 と突き飛ばして、駆けていった。

「友!」

 ただならない様子に、俺は、友を追いかけた。攻めは、呆然と立ち尽くしていた。

「どうしたの?」
「さっき言ったとおりだ! 俺たちはもう――」

 友は廊下に泣き崩れた。しゃがみこんで背中をさすると、わあっと、俺にしがみついた。
 友の言葉を集めると、こうらしい。

 思春期に入って、友のヒートが始まった。それを機に、両家のご両親から、「節度を持った付き合いを」と言われたんだって。

「そっか……」
「もう、お互いの家に泊まることはおろか、入ることもできないんだ」
「それは……」

 かなりさみしいことだと思った。

『友、飯作りに行ってやる』
『友、宿題一緒にしよう』

 攻めと友は、本当に仲良くて、いつも家を行き来してたから。
 あんまりにも、急な変化だった。友や攻めの家には家政婦さんもいるけど……しっかりしてるな。

「それは、さみしいね」

 俺の言葉に、友は硬い顔で黙り込んだ。

「だから、もう付き合いはやめるんだ」
「えっ?」
「もう攻めとは関わらない!」

 そう言って膝に顔を埋めた。俺は、おろおろ、それを聞いた。

「つ、付き合いやめろとまでは言われてないんでしょ?」
「同じことだ。それなら、もうやめたほうがいい」
「攻めは、」
「攻めのことはどうでもいい!」

 そう言って、友は泣いた。俺は、目をうろうろさせた。ど、どうしたものか。友は普段ふわっとしてるけど、思い込んだら一直線なところがあるから……。
 きっと、それくらい辛いんだろうな。俺は背中をとにかく擦るしか出来なかった。

 そうして、友は攻めを避け続けて……今日、体調を崩して、欠席した。
 心配だな……。俺は、うーんと唸る。ひとまず友の分のノートを取ってみるけど、集中できない。前にいる攻めの背中も、見る。
 攻めの方も、友に避けられて、ずっと悄然としてた。

「俺たちは変わらないだろ!?」

 そう叫んでた悲しい顔が蘇る。

「こら、受け。集中しなさーい」
「あっすみません!」

 クラスが笑うなか、俺はじっと、二人のことを考えていた。


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