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浦原
はい、もしもし?
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浦原
おや、貴女からかけてくるなんて珍しいっスね
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浦原
え? 今ですか?
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浦原
いや、今はちょっと手が離せなくて……
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浦原
なーんて嘘っス
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浦原
やだなぁ、怒らないで下さいよ
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浦原
アタシの方は大丈夫ですから、ゆっくり話して下さい
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浦原
……何かあったんでしょう?
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浦原
何で分かるのかって……そりゃあ分かりますよ
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浦原
他ならぬ貴女の事ですから
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浦原
それで、何があったんです?
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浦原
……なるほど……
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浦原
それは大変でしたね
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浦原
どんなに頑張っても報われないってのは、辛いもんです
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浦原
貴女の心中、お察ししますよ
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浦原
……え?
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浦原
う~ん、そう言われると困ってしまいますね
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浦原
確かにアタシは、貴女のやっている仕事については何も知りませんよ
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浦原
でも一つだけ確実に分かっている事はあるんです
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浦原
それって何だと思います?
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浦原
ブブーッ、外れっス
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浦原
答えは……貴女がどれだけ頑張ってるかって事ですよ
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浦原
今だって、一人で一生懸命頑張ってるじゃないですか
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浦原
こんなに遅い時間まで、誰にも頼らずに
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浦原
あ、でもデスクの端に置いたマグカップには気を付けて下さいよ。手がぶつかったら落ちちゃ……
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浦原
ああっ! 言った側から!
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浦原
怪我はしてませんね?
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浦原
あはははは
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浦原
すみません、驚かすつもりは無かったんです。ちょっと窓の外を見て下さい
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浦原
文字通り飛んできちゃいました。あ、電話回線については、脳内補完でお願いしますね
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浦原
何でここが分かったか、ですか?
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浦原
だから言ったでしょう? 他ならぬ貴女の事だから分かるって
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浦原
え~? ストーカーって、その言い草は酷過ぎません?
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浦原
どうせなら、愛が大きすぎるって言って欲しいなぁ
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浦原
何がともあれ貴女の頑張りは、今は成果が出なくとも必ず誰かが見ています
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浦原
だから今は、自分のペースで一歩ずつ前に進んで下さい
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浦原
でも今夜みたいに我慢できなくなった時には――
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浦原
いつでもこうして貴女を抱きしめに来ますよ
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浦原
どんな時でも、アタシは貴女を応援していますからね
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