《追いかける背中 あこがれと誓い》



「へー。短期間でいい顔になったじゃない」
後日集められたRISEを前に桜華は楽しそうに三人の顔を見ながら言った。
「あんたたちがRISEに選ばれた理由は、あたしや悪い大人の気まぐれでもなんでもない。ひとりひとりにちゃんとした理由がある。その理由もあんたたちが……」

「もう、大丈夫だよ、おーちゃん」
まっすぐな目をして葵が笑う。
「まっ……まだまだ、不安はあるけど……でもっ。私ももう大丈夫です。覚悟は出来ました! 」
急激な心変わりに桜華は動揺を隠せずにいた。
「TAKEはかっこいい憧れのアイドルだもん! ……だからこそ! あやたちも負けないよ! 」
彩香の言葉に力強く頷く二人をみて、桜華もなるほどな、と笑った。

「TAKEがあの子たちで、RISEがあんたたちで……良かったと思ってる。まだはじまってすらいないけど……間違いなくあんたたち六人が……ウィレプロを盛り上げて、ほかのアイドルたちを導き……未来のアイドルたちの道標になる」

三人のまっすぐな目をしっかり見つめて、桜華は小さく息を吐いた。

「はじまりもこんな風に頼りない六人だったわね、白部。今度はこの六人でウィレプロを未来に繋いでちょうだい。あんたなら……いやあんたたち六人ならできる。……いいえ? やってみせなさいっ! 絶対に」

桜華の力強い言葉に、3人も部屋に響き渡るくらい大きな声ではいっ! と返事をした。


…………


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