名前を変えるのです。
ただの出汁巻き卵焼き
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夕ご飯を全て作り終えたあたし達三人は、各テーブルの上の一人分のご飯を見て話し合っていた。
あたし達から見れば丁度良いのだけど
もしかしたら男性陣、特に伸び盛りの若者から見ると、足りない様な気がしてきたのだ。
「ご飯味噌汁、魚、サラダ、あと野菜の煮浸し…」
「多分男性陣から不満が噴出するな。
何で野菜が二種類なんだと! 肉を寄越せ! とな。」
「私達はこれでも良いけど、多分マリオさんやクッパさんは足りなそう」
という事で話し合った結果、簡単ウィンナーと簡易卵焼きを作る事にしました
勿論がっつり作る時間なんてないので、小鉢みたいな物に少量です。
それでも足りない人が居れば、お米で我慢してもらいましょう
早速三人で手分けしてそれぞれの準備を始める
あたしは卵焼き、ナナは茹でウィンナー、プリンは小鉢の準備です
大量の卵を用意して、かき混ぜて、急いで焼く、急いで巻く
しかしこの手間じゃ間に合わないと今更気付いたので
もう二つフライパンを取り出して、そこで目玉焼きを作り始めた
卵焼きと目玉焼きと分かれてしまうけど、もう四の五の言ってられない。
小鉢を用意終わったプリン、は完成した茹でウィンナーと卵焼き目玉焼きをどんどんと持っていく
「もうヨッシーとか怪獣組来てるぞー、ヤベーよ」
「先に彼らに小鉢持ってってあげて。
多分次は子ども達が来るからネスとかのテーブルに持ってってね」
「OKOK-」
何度も卵焼き目玉焼きを焼いていると、先にウィンナー係のナナが作り終えた様で
一緒に目玉焼きを作り始めた
何グループかは先に出したけど、何とか皆分作り終えました
まだ来てない人達の分も配り終え、「やっと終わった!」と、あたし達は自分の席に着いた
「頑張ったあたし達は美味しい出汁巻卵焼きですよ」
「わーい!
最後に作ったやつ遅いなーって思ってたけど、出汁巻卵焼きだったんだな」
「しかも大きめに作ってあるね」
あたし達の追加小鉢にはウィンナーと大きな出汁巻卵焼き1/4個がある
早速食べたプリンは「美味しい!」と声を上げた
「ありがとう、あたし特性の気合が入ったやつだよ、分量適当だけど」
「適当で美味いんだから憎いよなー」
楽しくお喋りをしている時、今遅くにやってきたエムブレム組
それぞれの席に着き、用意されたご飯を見た彼等はある事に気が付いた
「あれ? ロイのやつ卵焼きじゃない? 僕のは目玉焼きなんだけど」
「本当だ、僕のも目玉焼きだ」
「ロイのだけ卵焼きだね」
「プリン配膳下手糞か…。せめてグループ内では同じ物にしなよ…」
「うるさいよ…。
最後のこの出汁巻卵焼きは四つなんだから、一つは誰かには回るんだぞ。
別に意図的にロイにくれたんじゃなくて適当なんだから許してくれよ」
「まぁ最後はほとんど目玉焼きだったから仕方ないよね」
また三人でお喋りをしながらご飯を食べていると
何処からか言い争いのような会話が聞こえてきた
なんだなんだと三人で声のする方を見ると
エムブレム組のテーブル間であの出汁巻卵焼きが宙を舞っていた。しかも食べかけ。
一体どういう状況なんだ。
「あぁくそ! ルキナが奪うから!」
「何を!? ルフレだって取ろうとしたじゃないか!」
「食べたい! とても美味しい卵焼き!」
「ロイはもう食べたからいいだろう!」
「僕の卵焼きだってば!」
「なんでロイだけなんだ!」
六人の謎の戦争にドン引きする
近くに座っていた怪獣軍も引いた目で見ている
何度も宙を舞う出汁巻卵焼きを見ていると、いよいよロイの口に入っていった
「「「あぁー!」」」
「もぐもぐ…。はぁー美味しいー」
そう満足そうな笑顔を浮かべるロイと、凄い形相でそれを見つめる他の五名
「大体なんでロイだけなんだ!」
不満そうにテーブルに手をついたルキナは、そのままこちらにやってきた
その様子を見ていたあたし達は、気まずくなって恐ろしくなって顔を反らす
「おいお前ら! なんでロイだけ卵焼きなんだ!
他の私達は目玉焼き、明らかに手抜きじゃないか!」
ルキナは一番近くにいたナナの方を見ると
「いや、私は作ってないです…」とナナは気まずそうに目を反らす
「誰が作ったんだ!」
「あ、あたしだけど、配膳はプリンでして…」
と、あたしはプリンの方を指さすと、プリンは飛び跳ねた
ルキナはずずっとプリンの顔を覗き込む
「どうしてだ!」
「一欠片だけ余ったんだから仕方ないだろー!
適当に配ったんだ! プリンが何をしたってんだー!」
「まぁまぁ、そんなに食べたいなら用意してあげるから」
そう唸っている二人を宥める様に言い聞かせた
何故出汁巻き卵焼き如きにこうなってしまうのか…。
急いでご飯を食べ終わらせて、また調理室に引き籠る
さっきの適当な分量での出汁巻き卵焼きを作るのだけど
一つ作って五等分だと結構小さくなってしまう
のでまたロイの分も作ってしまう形だけど、卵焼きを二つ作ってそれらを三等分した
急いで作ったのでさっきのよりトロトロな卵焼きになってしまった
断面から固まらなかった卵が零れているけども、待たせるわけにもいかないからこれで良し!
一つの大皿に六つの出汁巻き卵焼き
エムブレム組のテーブルに召し上がれと置くと、すぐに全部持っていかれてしまった
「もぐもぐ…」
「う、美味いっ!」
「トロトロ卵焼きだ、凄く美味しい」
「というかなんでロイの分もあるんだよ」
「仕方ないでしょ、六つなら切りよく用意できるんだから」
別の所で文句言っているけど、やっぱり好評だった適当出汁巻き卵焼き
内容はどうであれ、目の前で嬉しそうに食べてくれるのも
美味しいって言ってくれるのも、料理係として嬉しいんだけどね
…ただの適当だし巻き卵焼きなんだけど。
ただの出汁巻き卵焼き
気分良くエムブレム組のテーブルから離れようと振り返ると
不満そうにじーっとこちらを見ている怪獣軍団、中でもヨッシーがだらだらと涎を垂らしている
何時もクールで穏やかなヨッシーが見ただけでヤバい状態だと分かるぞ。
「ヨ、ヨッシーどうしたの…?!」
「美味しそうですねトロトロ出汁巻き卵焼き!」
「そ、そう…、作ってあげるから食べる?」
「えー!? だったら僕も食べたい!」
「俺も食べてぇよ!」
「分かった分かった…!」
適当に作った出汁巻き卵焼きなのに…。
結局噂を聞きつけたおっさんやレディースその他もろもろ
食べたがってる人達皆に作る事になってしまったのだった…。
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