名前を変えるのです。
どうしてそうなるの?
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あたしは皆の朝ごはんと夕ご飯は作りますが、昼ご飯は作りません。
理由はお昼は皆行動がバラバラで、作っても仕方ないという状況が多いからです。
皆は皆でそれぞれ用意し食べていると思います。
あたし達もちょっとお腹が空いてきたので
調理室で簡単なご飯を作って食べる事にしました
調理室に入ると、珍しい人達が料理をしていた
「あ、ユズか、ちょっと台所借りてるぞ」
「どうぞー」
「珍しいな。
剣で人を切るしか出来ないお前らがご飯を作るのか」
「酷い言われようだな。
お前こそその丸い手でどうやって物を掴んでるんだよ。」
エムブレム六人組なのですが、どうやら彼らもお腹が空いたらしく
皆でおにぎりを作っていた
一つの大皿に六人で作ったおにぎりを乗せているようで、丁度六つあった
普通に綺麗なやつとか、ちょっとボコボコなやつとか、丁寧にラップ巻いてある物とか
やたら個性豊かですが…。
やっぱりこういうシンプルな料理は、作り手が出るよね
「一個貰っても良いか?」
プリンがルキナにそう尋ねると、「どうぞ」と言ってくれた
プリンは近くにあった形が普通のやつを手に取ると、嬉しそうにそれを一口
そしてプリンの動きが止まった
「これは…、何味なんだ…?」
「それは鮭だと思うけど」
プリンが食べたのはカムイのおにぎりらしく、具材を教えてくれた
プリンが食べたおにぎりを見てみると、まだ具材まで到達していないようだった。
それじゃぁまだ味が分からないよね
「まだ具材に届いてないじゃん」
「違う。これはなんか…、鉄っぽい味…」
「はっ?!」
そんなわけあるか! 鉄の味ってなんだよ!
見た目はごくごく普通のおにぎりだけど?
おにぎりを凝視しているプリンから、そのおにぎりを少し千切って貰う
疑いながら口に入れると、確かにほんのり血っぽい味がした。
「本当だ…。」
「カムイとルフレの作る料理って、なんか鋼の味がするんだよな」
「ちゃんと作ってるんだけどなぁ」
「手を洗ってるか? …まさか人を切った手でそのまま握ってないよな?」
「洗ったよ…!」
その間に今度はナナがおにぎりを手に取った
ナナの持ってるのはラップが巻かれている丁寧なおにぎり
これは当たりじゃないのか?
と、思っていたのに
一口食べたナナは、「うっ」っと声を上げるとそのまま動かなくなった
「どうしたの…?!」
「なんか石鹸の味がする…」
「それはアイクのじゃないか?」
「そうだな。」
「多分手を洗い過ぎて、よく石鹸を流しきれてなかったんじゃないかな」
「まぁ石鹸味に僕達は慣れたけどね」
彼は「そうだな。」って普通に答えていたけど、石鹸味は普通じゃないんですよ?!
まさかあの見た目で石鹸の味を出すとは、まだ土とかの方がアイクっぽい
でも待てよ
最初、皿におにぎりが六つあった時、ラップのおにぎりは一つだけだった。
他の五人のおにぎりは裸のままだった
アイクってバイ菌とか気にするタイプなのか? それともえらい几帳面なのか?
手の洗い過ぎとか言っていたし…。
残すのはさすがに悪いと思ったらしいナナは
ゆっくりながらも石鹸おにぎりを食べ続けていた…。
「ユズもどうだ?」
「!」
そうルキナは大皿の方に手を向けた
…プリンとナナの様子を見ると、とてもじゃないけど食べる気にならない
結構な率で外れが入ってると見たぞ。
でも断るのは申し訳ないので、とりあえず普通な形のおにぎりを頂く事に
一口食べて、反射的におにぎりから口を離した
「しょっぱい!」
「そんなにしょっぱかったか?!」
どうしてこうなった? という程のしょっぱさなのだが
あたしの叫びを聞いたルキナは驚いた表情で尋ねてきた
という事はお姉さんのおにぎりですね…
「そうか、塩をつけすぎたのか…?」
「多分100%の人が付け過ぎと言うと思います」
塩をそのまま食べたといえば言い過ぎになるけど、そんなレベルです。
しかし残すとルキナに悪いから
これは飲み物で薄めながら食べる事にしよう
薄めながらなら食べれそうです。
途中、鉄味お握りを食べ終わったらしいプリンは
「よーし…」と再び大皿と向かい合った
仮にも彼らのご飯なのにまだチャレンジするんですね。
「プリンは分かったぞ!
こういう形が変なおにぎりの方が美味しいんだ!」
「変だなんて酷いね」
その形が変なのはマルスの物らしく、プリンの呟きに彼は笑っていた
プリンと言えば、手に取ったおにぎりを左手に持ち替えたり、右手に持ち替えたりしている
「なんの確認してるの?」
「いや、確認じゃなくてな…。
こうしてないと、おにぎりが崩れていくんだ」
「ちゃんと固まってないって事?」
「これは多分…、水の付け過ぎだ」
「あぁ、そうかもしれないね。
ご飯が熱くて沢山水に手を入れたりしてたから」
そう爽やかに笑うマルスを、何とも言えない微妙な表情でプリンは見つめていた
でも味は大丈夫らしいです。ただ水っぽいだけで。
いつの間にかあたしの飲み物を飲んで石鹸おにぎりを食べ終えたらしいナナは
もう一つと、普通のおにぎりを手に取った
今回選んだおにぎりは外れじゃないのか
一口二口食べても特にナナの反応は無い。
それを見たプリンは「当たりか?」と首を傾げた
「いや、鉄の味がするよ。」
「鉄の味かい!
普通に食べてるものだから、てっきり美味しいのかと思ったぞ!」
「さっきの石鹸よりはまだ食べられる。」
「感覚がマヒしたんだな」
「あはは、アイクのおにぎりよりマシで良かったよ」
そう笑っているのはルフレ
あぁ確かさっき、誰かがカムイとルフレは鋼の味とか言ってたな
それは本当だったんだ…。
「ちなみに具はなんですか?」
「梅干しだね」
ナナはおにぎりをどんどん食べ進めている
でも途中で手を止めて、おにぎりに視線を落とす
そして無言でおにぎりを二つに割って、それらを確認するように見ている
その行動を見て、ナナの言いたい事は分かった。
一緒にナナの様子を見ていたプリンも笑った
「梅干し入ってないのかよ!
お前らはろくにおにぎりを作れないのか!」
「えっ? 入ってなかった?」
「入ってませんでした。梅干し。」
そうナナは二つになったおにぎりをルフレに見せた
仮に梅干しが入っていたら、その梅干しの色だの汁っ気がお米に付くものですが
それもなく綺麗なままなので本当に梅干し入ってなかったんだろうな
ただの鉄味のおにぎりだ…。
さてさて、最後になりましたが
折角なのであたしももう一つおにぎりを頂く事にします。
三人で全部食べてしまうぽいのですが
一つだけ残してしまうと、選ばれなかったロイがちょっと可哀想なので…。
「果たしてどんな毒が入っているのか…」
同じ様な事を考えていた所、プリンがあたしの気持ちを代弁してくれた。
「失礼だな。毒なんて入れてないよ」
「…。」
でもこの流れだと、何かしらダメな部分がある筈
細い目でロイを見て、とりあえず一口
二口食べたら、中の明太子が出てきた
あれ? と思いながらももう一口…
「あぁ、これは普通に美味しいよ」
「えー?! 本当かー?!」
凄い疑ってる表情をするプリンにおにぎりを渡す
一口食べたプリンは「本当だ。」とナナにおにぎりを渡した
受け取ったナナも一口食べると「美味しい」と呟いた
「良かった、僕も何かあったらどうしようと思った」
「いや、何かある方が本当はおかしいんだからな?」
安心してるロイに、そう真面目に語り掛けるプリンだった
「ロイのは僕達の中では当たり枠だね」
「仮にそうだったとして、当たりが1/6しかないって、結構辛いよね」
「まぁそれぞれの味に慣れたから良いんだけどね」
そう本当に気にしていない感じで笑ってるルフレですが
そういう問題ではないような…。
さてさて、六人のご飯を食べつくしてしまったので
あたし達もおにぎりを作ってあげる事にします。
六人が用意した材料等を借りて、あたし達もおにぎりを握る
「君は一体どうやって握ってるんだろうね」
「え? こう。」
首を傾げているカムイに、プリンは握っているおにぎりと手を見せて
更にお米を握ってみせる
正直、長く一緒のあたしですら、プリンの手のシステムは分からない
目を点にしているカムイ
彼が見ているのはどんどん綺麗な形になっていくおにぎりだ
「お米熱くないのかい?」
「まぁ私達はいつも料理してますからね、慣れですかね」
もともと料理担当はあたしだけなので、本当はプリンもナナも料理はしなくても良いのです。
でもいつもお手伝いに来てくれる二人には感謝してます。
さくさくあたし達はおにぎりを作っていますが
何故か六人が作ったおにぎりの数より、あたし達三人が作ったおにぎりの方が数が多くなっている気がする
やっぱり慣れって大事なのかもしれないですね
「おにぎり作るの早くない?」
「プリン達が早いんじゃなくて、お前らが遅いと思う」
「まぁ三人に作ってもらった方が美味しいおにぎりが増えるから、僕達は歓迎なんだけどね」
しまいにはおにぎりを作るのを止める六人…
「おいこら! なにサボってるんだよ!」
「いや、僕達で作ったおにぎり食べるなら、三人が作ったおにぎりを食べたいから」
「「「…。」」」
どうしてそうなるの?
「それは練習あるのみでは?」
「俺は別に上手くならなくても良い。ユズがご飯用意してくれるから」
「そうそう三人が用意してくれるから」
「「「…。」」」
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