どうしても勝ちたいのは
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図書室で三人、雑誌を見ながらお喋りをしていると
誰かがやってきた。
一斉にそちらに顔を向けると、此方に気付いたルキナが足早にやってきた
「ユズ、話を聞いてほしい」
「な、なんでしょう…?」
目の前の席について、とても深刻そうな表情をするルキナですが…
「お前、一騎打ちでロイを倒したのを覚えているか?」
「え? そんな事ありましたっけ?」
「忘れたのか? Miiファイターについて皆で話をしていた時だ」
記憶に無いなと話を聞いていれば、思い出しました。
昔、凄い人数で転送部屋に居た時
あたし持ってる三つのスタイルについての
話を、誰かとしていたんだ。
Miiファイターとして、格闘家、剣術、射撃の三つであたしは戦えるのですが
その際にそれぞれのタイプで勝負をしたんだった
格闘家でファルコンと戦ったら勝てました
射撃でサムスと戦ったら勝てました
まぁこれは三種類スタイルの内、さらに相手に合わせて技も変えられるので勝率は高いですよね
それで二連勝したものだから、剣術ではサシで最強と言われるロイと戦ったんだった
「その時はまぁユズが勝っただろ?」
「そうそう。
あのカウンターばっかりの糞みたいな戦法だろ? ユズちゃんが負けるワケないだろ。」
「うるさいよ! 反省してる! もう乱用はしてないから!」
「カウンターも戦い方の一つ。
その時のお前はとてもカウンターのタイミングが上手だった
私もマルス様も皆が関心していた」
「ま、まさか…」
そんな…
あんながむしゃらにカウンター出していただけなのに、何処に関心要素が。
まぁそんな事もあってその試合はあたしが勝ってしまいました
本当ロイには申し訳ない事をしたと思っています。
「お前は知らないだろうが、その大敗からロイは「またユズと一騎打ちをして倒す」と、毎日毎日私達と修行する日々だ。
私達も一騎打ちは好きだが、大体は大乱闘しているからな。
今、一騎打ちしたら鍛えたロイに勝てる奴はいないんじゃないのか?」
「えぇー?! そんな強くなったんですかー?!」
「まぁ多分だがな。それでお前にはロイと一騎打ちをして欲しい
頼む! この通りだ! 私達はロイの一騎打ちの夢を叶えてあげたいんだ…!」
「そんなぁ…」
ロイは強くなったって話を今聞いたばかりなのに、そんなご無体な…!
あんなまぐれで勝ったような試合
今、対峙したらそりゃボコボコですよ…!
頭を下げるルキナなんですけど、なんでそこまで貴女が必死なんだ?
しかも「私達は」と言ったのだから、周りの人で何人か居るんだな、そういう人が
「それともう一つ、突然なんだがロイはユズの事が好きだ」
「本当突然ですね!」
「私は何故なんだと尋ねたんだが、本人曰く「分からない」との事だ。」
「分からないのかよ!」
「でも私が思うに、日々意識していたら。という事だと思う。
別に顔を見るのは大乱闘だけじゃないし、ユズを見かける度に「一騎打ちしたいな」と思っていたら
そりゃこうなってもおかしくない」
た、確かに言われた通りかもしれない…。
ゴミみたいな戦いのせいで、自分は人を一人振り回してるのかい。
「理由はどうであれ、ロイはユズが好きだし、一騎打ちをしたいとも思っている。もちろん剣術タイプでだ。」
「まぁ剣術タイプで負けてますからね。他ので勝っても納得できないでしょうね」
「そうかー…、ロイが、あたしをー…」
「ロイは悪い奴じゃないぞ。
マルス様より男らしいしアイクよりも人当たりが良い、カムイよりも話は面白いしルフレよりも真面目だぞ。
私はマルス様の次にロイが好きだ」
「嘘つけ。下手糞なプレゼンだな
一番ルフレで二番がマルス様だろ」
「…。」
またそうやってプリンは余計な事を言うんだから…
ルキナは顔を赤らめてプリンを睨んでいた
「ともかく! ロイの為に一肌脱いでくれ!」
「分かりました分かりました!
でもあたしの弱体化を覚悟しておけと、言っておいてくださいね!」
「本当か?! ロイに一騎打ちを受けてくれたと、伝えてきても良いか?!」
「良いよ、その代わり一騎打ちは夕ご飯後ね。」
「分かった伝えてくる! ありがとう!」
…なんでルキナが沸いてるのか分からないけど
彼女は凄く嬉しそうに図書室を飛び出て行った
「よくもそんな大仕事請け負ったなユズちゃん」
「分かってる! 分かってる!」
「時にユズちゃん
ロイと一騎打ちするのは良いが、異性としての方はどうなんだ?」
「…それは一騎打ちの後に答えが出そう」
「成程な、私に勝てない男が将来の伴侶だなんてあり得ない。
私を得たいのなら私に勝って見せろという事だな」
「全然違う…。
夕ご飯終わったら、二人でちょっと肩慣らしをしたんだけど」
「プリン達を道の石ころみたいな扱いだな…」
「違うって…! 圧倒的にあたしが負けたらロイだって納得出来ないでしょ?
なんでこんなに弱いのかって! あんまり失望させたくないのよ…」
「私は良いけど」
「…プリンも構わんぞ
今のユズの言葉で、ロイへの思いはよく分かった」
「何が分かったんだよ…、もう…。」
食後にプリンとアイクラ、あたしの三人でゆるーい大乱闘
勿論あたしは剣術タイプですが、それにしてもなんとも緩い乱闘
アイテムを使いまくりで、果たして肩慣らしになっているのかどうか…
何回か緩い乱闘をし終わった後、いよいよエムブレム軍団がやってきた
「はは、気になって僕達も来ちゃったよ」
「ユズ悪いな、私達の戯言で振り回してしまって」
「大丈夫ですよ。」
まぁあなた達が振り回してくれたのと同じ様に
あたしも誰かを振り回してしまったのでね
決着というものを、今、ここで済ませますよ。
「一騎打ち。
ストック1、終点、勿論アイテム無し、…それでいいね?」
「勿論」
そう問いかけると、ロイは大きく頷いた
前回の一騎打ちでは大してどうも思ってなかったんだが
今回は色々背負ってなのでとても良い緊張感がある
「言っとくけど遠慮しないからね、これは真剣勝負だから」
「分かってる」
終点降り立ってすぐ
スタートコールと同時にロイに立ち向かっていった
此方は転送部屋、何人もの人が二人の戦いを食い入るように観戦していた
「いよいよ始まったな」
「ここまで長かったなぁ、ルキナのおかげだよ、ありがとう」
「!!」
「こんな所でいちゃこらすんじゃない、真剣勝負だ」
「私はユズに勝ってほしいな」
「どうしてだ?」
「ロイが勝ってしまったらそれで一つのゴールを迎えてしまう
二人の仲の話じゃなくて、ロイの上を目指そうという気持ちの事。
折角目標だって燃えているんだから、出来ればその炎は消えて欲しくないな
まだユズを目標にして頑張って欲しいという感じだ」
「そうか、そういう考え方もあるなー…」
「勿論ロイが勝っても良い、二人の今後は二人が決めるんだからな」
「ルキナさん、カッコいい事言いますね」
「ただ残念なのがマルスを前にすると、このカッコ良さが無くなってしまうという…」
「う、うるさい…っ」
「僕はロイに勝ってほしいけどね
男として好きな人よりは強く居たいよね」
「おいおい、こいつらが居る前で言っても大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、私が全部説明したから」
「そ、そうなんだ…」
「…それにしてもこの真面目な一騎打ち、凄いな」
ルキナが覗き込む先
一騎打ちはスタートしてから今まで、互いに派手な大きく攻撃を仕掛けることはなく緊迫した状態だった
互いに様子見のような動きが続き、時折ユズの攻撃が当たり、時折ロイの攻撃が当たったり
とてもゆっくりと互いのダメージは積まれていく
集中しているから話も無い、ただ無機質な音だけが流れていた
「…凄い試合だね」
「どちらも変な攻撃繰り出せば反撃もされるから、互いに集中してるんだろうな」
「ストック1だけど10分くらいかかるんじゃないかこれ」
「他の奴なら得意苦手の相性もあるから、こっちが勝つなとかなんとなく分かるが、この試合は流石に分からんな」
「時々着地を読んで攻撃仕掛けたりしてるけど、見事にかわされてるな…、互いにだが。」
「この戦い、もっと近くで見たかったな」
「それにしてもユズちゃんの何処に惚れる要素があったんだろうな」
「まぁ違う意味でだけど、ずっと片思い状態で
それは決闘したいだけの想いだったのに、自分で勘違いして固まったんだろうね」
「僕は応援するけどね、ロイを」
「プリンもー!」
「それを二人の前で言ってみろ、瞬殺されるぞ。」
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