本日のデート
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今日のプリン・ナナはロゼッタ主催のヤンガーズ大会らしいです。
どんな内容かは知らないけど、お菓子がいっぱい貰えるとかなんとか…。
ちょっと自由時間が出来たから、あたしはあたしでやりたい事をしようと思う
最近ピーチから図書室の裏部屋で、良いDVDが入ったと聞いた
あたしの好みとピーチの好みが合うかは知らないけど、ちょっとした胸キュンを求めてDVD鑑賞をしようと思う
こういうのはプリンやナナが一緒だと出来ないからね、この機会を逃す手は無い。
図書室には誰も居ない様子
例の裏部屋に潜入後、女性向けのDVDコーナーを探して向かう
ピーチが言うには大量に新作が入荷されたらしく、何個かお勧めを教えてくれました
しかしまぁまぁ数があるから、簡単には見つけられなさそう
記憶の中にあった作品名と同じものを何個か手に
あと、表紙や題名で気になったものも一緒に取って、裏部屋を後にした
…どうやら無事に誰にも気付かれずに済んだみたいだ
持ってきた手提げバッグにそれらを入れた後、図書室も後にした
「ユズ」
「!」
調理室からお菓子と飲み物を追加して、ルンルンで自分の部屋を目指していた所
後方から聞きなれた声が聞こえてきた
あたしの考えが間違ってなければ、今一番これを知られたくない人だと思う…
「何でしょう」と呟きながら振り返ると、やっぱりそこにロイが居た…
「今日はプリン達と一緒じゃないのか?」
「う、うん…。そうだね…」
「やっと僕の番だね。僕も暇してるから一緒に何かしよう」
あたしの願いも届かず、ロイはこちらに歩み寄る
変わってあたしはロイの発言を聞いてハッとした
一応あたしとロイは付き合ってはいるのだけど、あたしはプリン達と一緒に居る事が多い
同じようにロイもエムブレム組と一緒に居る事が多い。
あたしは今までロイがルキナ達と大乱闘ばかりしてる事について、相変わらずだねーって、それだけだったのだけど
もしかしたらロイはあたしがプリン達とばかり居るから、仕方なくエムブレム組の所に行っていたのかもしれない。
その為、今ロイは「やっと僕の番だね」って言ったんだきっと。
特に嫉妬とか寂しいとかは無かったけど、ロイは友情ばかりだなーって思ってた。でもそれはあたしのせいだったのかもしれない
…とか、色々考えて何度か頷く
そうとなれば彼が言った通り、今日はロイと一緒に何かをしてあげないといけないね!
こんなDVDを見ている場合ではない!
「よーし、それじゃぁ今日は何をしようかなー
あんまり構ってあげられなかったらね、何でも良いよー」
そう満面の笑みで側まで来たロイに言うと、彼も笑顔になった
「あぁ、それだったらそのDVDで良いよ? 何かいっぱい持ってるし、見たかったんだろ?」
思わず笑みが止む
とんでもない事を言いだしたなこの人。
持っていたバッグは薄手の簡易な物、だから確かにDVDケースの形が確認出来る…
しかし! ロイと一緒にこのDVDを見るのは躊躇われる! 絶対に避けたい!
「どうした?」
「あぁ…! いや別に、何でもないよ…!」
何か良い言い訳は無いか…?!
何となく「それはNo」という事が伝わってしまったのか、首を傾げながらバッグに手を伸ばすロイ
慌てて離すと彼は笑い出した
「DVDじゃないの?」
「あぁー…、いや、そうなんだけど…!」
「…そんな反応されたら気になるじゃん」
「何でも良いでしょ…!」
今更ながら、もっと落ち着いて上手く誤魔化せば良かった
内容を分かってるのか分かってないのか、彼は何も言わずニコニコし始める
それに気味が悪くなって思わず目を反らす…
その一瞬、持っていたバッグを引っ手繰られると、彼は離れながらファスナーを開け始めた
思わず声を上げて駆け寄るけど、まぁ背が高い事…。
あたしの手に負えないと理解した瞬間、逃げるようにその場を後にした
DVDの内容を確認してる時、ピーチ達に見つかってしまえば良い
そして「なんで貴方がそんな物を持ってるの?」と白い目で見られてしまえ
「うわーん、ミュウツー…! 聞いてよー…!」
「…。」
中庭に駆け込んでミュウツーを呼ぶと、凄い億劫そうに現れた
…まぁ自分でも「しょうもない内容だ」とは思っている。
「ロイに虐められました…。」
「下手に隠そうとすれば暴きたくなるだろう…。ましてお前の秘密なのだから」
「あんなの見られたらもう顔を合わせられないよ…! 今奴は何してるの?」
「随分と楽しそうにお前を探してるぞ」
「酷い…。まだ虐め足りないんだろうな…。もうブッコロしか道は残ってないのか…」
「ロイの希望に沿ってやれば良いだけだろう…。」
何とも言えない呆れてる様な感じで言うミュウツー
気持ちを読み取る事は出来ても、この気まずさ自体は分かってくれないようだ
あんなの後で「へー」「ふーん」ってニヤニヤしながら詰め寄ってくるに決まってる…!
多分遅かれ早かれそうなるだろうから、今の内に対策を考えておかないと…!
「…迎え撃とうと考えてるようだが、向こうの方がずっと頭が良いから無理だと思う。
お前は少々冷静さが失われてるし、ロイはもうある程度お前の返答パターンを考えて、こう来たらこう言うって決めている。辿り着く所は同じだと思うが」
「えぇっ!? そ、そうなの…?!」
と、とんでもないな…
でもミュウツーから話が聞けて良かったかも
何も知らないで挑んでいたら、心身共に弄ばれてたのか…!
「どうしても迎え撃つというなら、お風呂に入ってしまうのも良いかもしれないな。
お前がどれだけ抵抗しようが一緒にDVDを見て肌を重ねるつもりだから、逆に「寧ろ準備しました」というのを前面に押し出して驚かすと」
「あぁなるほどね。もう何したって駄目だから、逆にね。」
「そのような行動は予想していないから驚くと思う。
コツは奴が楽しそうに探し回ってる間にサクッと入ってくる事だ。あっさり受け入れたアピールという事だな」
「確かにそんな事するなんて思わないよね、普通。」
そうと決まったらロイに見つかる前にお風呂に入ろう!
どうせ100%やるしかないなら、そっちの方が良いだろう。
果たして彼はどんな反応を見せてくれるのでしょうか…?!
ミュウツーにお礼を言った後、急いで中庭を後にした
サラッとシャワーを浴びてきて、今度はロイを探しに行く
手には使ったバスグッズを持ったまま。
この状態で「シャワー浴びてました」って言ったら、どんな事言うんだろうか
自分の部屋を目指して歩いて行くと、思い通り目的の人を見つけた
彼はあたしの部屋の前に居た
あたしがそちらに向かうと、気付いた彼はこちらに顔を向ける
「あ、ユズ、部屋に居たわけじゃないのか」
…そう何時もの笑顔で話し掛けてくるロイだけど、あたしは知っているぞ。ミュウツーから聞いたからね。
これからあたしがどんな反撃をしようとも、至る手段を使って逃げようとも、既に先回りを考えているんでしょう。
だったらもう! 向かい合うのではなく、争うのではなく
同じ方向を向いているという事を見せつけて驚かすのだ…!
…でも本当、寝る前でも良かったのになんでこのタイミングであのDVD見ようと思ったんだろうなあたしは。
今だロイが持っている例のバッグに目を向けて、悲しみをしみじみと噛み締めた
「全然見つからなかったから、部屋に引きこもってると思ったよ」
「いいや、シャワーを浴びてたよ」
「えっ…?!」
あたしの手にある使用済みのバスグッズも、説得力を上げるだろう
正直にシャワー浴びてた事を話してあげると、ムカつく程のニコニコだった表情が豹変する
とても驚いたのか彼は目を丸くしているのだが、それは今までに見た事の無い程のものだった
…やはりミュウツーの言う通りだったね
さて、貴方的には思ってなかったあたしの発言でしょうが、次に貴方はなんて言うでしょうか
半分楽しみにしながら言葉を待っていると
驚いた顔から、また見た事無いくらいの笑顔に変わる
それは「嬉しい」という感じの表情というより「面白い」という感じの表情がピッタリな感じ
「あははそうなんだ! それは思っても無かったなぁ。
それじゃぁ僕もシャワー浴びてくるから、部屋で待ってて」
「…。」
…あらら、それじゃあまるで今後を予約したも同然の内容だ。
まぁあたしの行動がそれだったから、向こうもオープンにそうなったという事だろうか?
それにしても彼はあたしと違って機転が利くんだろうな、あの短い時間でそんな返事を出してくるとは思って無かったわ。
もっと戸惑ってくれると思ってたんだけど、やっぱりロイは色んな意味で強者だ
ロイからバッグを受け取ると、彼は相変わらずの笑顔で歩き出した
正直、やると決まってない状態から流れで始めるよりも
最初からやると決めてからデートする方が恥ずかしい気がするんだけど…。
それに久しぶりのデート擬きがエロDVD鑑賞会とは、レベルが高いけど大丈夫か?
とりあえずこの後はロイに流れを任せておけば良いのかな?
あたしの頭の中は、まだ少しぐちゃぐちゃなのか
それらの疑問の答えはよく分からなかった。
本日のデート
一応最後の抵抗的に、エロDVDを隠して普通のDVDに入れ替えました。
ロイが部屋にやって来て、いよいよ迎えたDVD鑑賞デート
有名な映画が始まると、ロイは何も言わずに立ち上がって部屋の中を物色し始めた
その様子を見ていると、途中、彼はこちらをじっと見る
「…焦ってる感じは無いからこの部屋に無いんだな?」
その言葉を聞いてギョッとする。
確かにこの部屋には置いてないんだよ、どうせロイは探し始めて見つけてしまうと思ったから。
ちなみにDVDは、何時も鍵が開いているプリンの部屋に放置している
「黙ってれば良い」と思っていたのだけど、ロイは持ち込んできたビニール袋から何かを取り出す
それは図書室の裏部屋で見覚えのある、女性向けの作品数個だった
「もしかしたら隠すと思ったから、代わりに似たようなのを借りてきた」と言ったロイに、この人は底知れないと痛感したのだった
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