夜の訪問者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
明日はマスターが作りたい料理があると、朝ご飯の係は無くなりました
たまにある夜更かしの機会なので、今日は起きれるだけ起きていようと思う。
もうこれはベッドの中でゴロゴロして温まりながら、好きな音楽を聞いて小説を読むに限るね。
かけ布団に埋まりながらスマホを見ていると、ベッドが少し揺れた
別に暴れてはいないのに、何で揺れたのか?
しかもその揺れは大きくなると、被っていた布団も揺らす
わけが分からずガバッと布団をまくりあげると、何故かそこにロイが居た
「ちょっ…! なんであんたがそこに居るんだ…! どうやって入って来たの…!」
「鍵を拝借したよ」
と、ロイは持っていた鍵を見せてくれた
詳しくは分からないけど、それはこの部屋の鍵なんでしょうね
発言を考えれば、あたしの鍵をパクってコピー作ったのか?
本当何時の間に…
…あ、ちなみにこんな事してる彼だけど、別に付き合ってるとかではない。
「からかうのが面白いから」という理由で、こういう信じられない事をしてくるだけである。
毎回驚かされるし、正直頭おかしいと思うし、とても迷惑である。
隣までやって来たロイに片方のイヤホンを取られると、それを自分の耳に挿す
一緒に同じ音楽を聞く、よくある青春の場面ですね。
こういう事、よく他人に出来るよね
相手してるあたしがどれだけ振り回されてるかは知らないでね
「用が終わったなら帰りなよ…、何しに来たの…」
「夜這い」
「あ、あぁ…、そう…」
「それにしても珍しいね、この時間に起きてるの」
「あぁ…、明日はマスターがご飯作るって言ってたから…。
…ちなみになんでこの時間に起きてるのが珍しいって言ったの? 知ってるの?」
「ほぼ毎日覗きに来てるよ」
「そ、そうですか…」
こういう感じで、この人は本当におかしな発言をする。
勿論本当にそんな事してるかも分からないし、本心の言動なのかも分からない
だからってあたしの良い意味と悪い意味のドキドキは変わらないけどさ…
彼はそのままスマホを取り出して、あたしと同じように何かを見始めた
…帰る気無いんだろうなぁ。
仕方ないのであたしも小説読みに戻る事にしよう
暫くは会話無く、互いに寝返りをしながら過ごしていると
気が済んだのか、ロイはイヤホンを外すと持っていたスマホをベッドに置く
そちらに目を向けると彼はニコッと笑って腕を出した
まぁ…、言いたい事は分かる。…多分だけど。
「あのさ…、どういう心でそんな事してるの…。腕枕でしょ…?」
「面白そうだから」
「何が面白そうなんだよ…、全然分からないよ…」
と、ブツブツ言いながらも、そちらに転がり込んで腕枕をしてもらった
こちらは振り回されまくってるので、正直に言えばとっくに惚れているのだ
彼はいくら「からかうのを止めてくれ」と言っても聞かないから
諦めてあたしもしたいようにする事にしました。…別に彼は拒んだりもしないし
邪魔になったイヤホンを外し、読書の続きをと思っていたけど、そのままぎゅっと抱きしめられた
途端に身体が熱くなって心拍数が上がる
…本当、なんでこの人はこういう事をするんだ。
「好きだから」って言ってくれれば嬉しいし、この奇行も納得出来るけど
何時聞いても何度聞いても「からかいたい」「面白い」としか言わないんだもん、この人
この野郎と腕を伸ばして彼の首にチョップする
ノリ良くガクッと落ちた振りをしたけど、すぐに復活するとさっきより抱きしめる力が強くなる
ロイの顔を見上げると、彼とばっちり目が合った
…惚れてるフィルターがあるからか、イケメンに見えて仕方なくて長く直視出来ないし
逃げる様にスマホ画面に目を戻すと、すぐ、彼は覆いかぶさる体勢をする
驚いて彼に顔に戻すと、彼は無言でこちらを見下ろしている…
「あんまり見ないで」とその顔を掴んで横に向けると、その腕を掴まれてベッドに押さえつけられてしまった
「もう片方の手でもやって良いよ、そしたら完成するけどね」
「やらないよ…っ!」
そんな事したら同じようにされて、彼の言う通り完成してしまう…!
それだけは避けなければならない。感情が爆発してしまうから
再度顔を反らすと、視界の端で顔を近づけてきたロイ
ので反射的にガードで手を入れる
その腕も掴まれると、さっきと同じように押さえつけられてしまった
…結局完成してしまったじゃないか。…誘導が上手過ぎる。
彼は何も言わずに顔を覗き込んでくるのだけど、こちらはろくに顔が見れないよ
左を向けば彼もそちらに覗き込むし
右を向けば彼もそちらに覗き込んでくる
ガード出来ない事が、こんなにも辛い事だとは…。
「どうしたの?」
「…」
「どうしたの」じゃないって…。
気まずさにやられて横見たまま目を瞑っていると
一瞬だけ頬に何か温かい感触がした
その後すぐ両腕開放されると、ロイは元居た所に横たわった
「…。」
なんでチューしたの…
勘違いなら良いんだけど、多分当たった彼の髪や顔周りの感覚を考ればそれにしか思えない。
こうやってあたし一人、心を振り回されていくのです…。
それにしても彼はまたスマホをしているのだけど
なんかして一泡吹かせてやりたいなぁ…、何時もやられてばかりだし…
彼には効くのかは知らないけど、こちらも心振り回してやりたい…!
ということであたしもからかいと復讐目的で頬にチューを目指そうと企んだ
見てろよ、一瞬で頬を奪ってやる
身体を彼の方に向けて、様子を伺う…
…まだスマホに夢中だ。
寝転がってる状態から一瞬で起き上がって接近
顔を近づけた所、支えにしてた腕を引かれて体勢を崩す
「えっ?!」と思った一瞬、逆にスマートにねじ伏せられた
押し倒されたと状況を理解すると同時に、今までに無い距離まで顔を近づけてくる彼
本当にチューされたかと勘違いする距離感で、その顔は目の前にある
…でもチューの感覚は無い
「…分かりやすいね」
「…。」
顔を離して、そうニッコリ笑うロイ
結局復讐も失敗に終わってしまったのだった…
ロイはまた横たわってスマホをしているので、自分はイヤホンを両耳に挿す
今までにない程のドキドキを抑える為に音楽で紛らわしたい
本当、何度こいつに心をボコボコにされた事か。
今だって嬉しい感情なのか悲しい感情なのか分からないわ…。
これはまた明日、プリン達やミュウツーに愚痴を聞いてもらう事になりそうだ
あんまり意識しないように少しずつ距離を取り、ロイを背にしてスマホを見る
…今さっき食らった一連の流れが頭から離れない。
故に全然小説の内容が入ってこない。
もう音楽だけで良いね
またどんなからかいをしてくるか分からないから、最低ロイの声はシャットダウンだ
画面を消して、邪魔にならない所にスマホを置く
寝れば現実からも離れられるし早く寝よう
そうすれば彼も気が済んで消えるだろう
目を瞑りながら、邪心払いの為に羊を数えて暫くの事
何かベッドが揺れた感覚がした
それは後方からなんだけど、揺れはどんどん大きくなる
またイヤホンを奪われた感じだったので、目を開くと
「あれ、寝てなかったの」と彼は顔を覗き込んできた
「こちらは寝ようとしてたけど…。」
「ごめんごめん、早く眠ると良いよ」
「何でだ。…というかロイは何時帰るの、存在が気になって寝れないのだけど」
「帰らないよ、夜這いに来たんだから。早く寝なよ、寝たら襲うから」
「何でだって…! 余計寝れないでしょ…!」
咄嗟に程々なパンチをその顔にお見舞いする
もうこれからの抵抗の意思表示は優しい暴力だ。
言葉にしても全く話にならないし、これしかない
と、思っていた所、突然真面目な顔で服を掴んできた
明らかに服を捲ろうとするものだから、謝りながら慌てて止める
でもロイは手を抜いてくれてるようで、その手は力も入ってなくてあたしでも止める事が出来る
とりあえず惨事には至らないから良かったけども。
「あはは、君の反応が凄く良くて面白い、やってて楽しい」
「全く…、本当、こっちの気も知らないで…」
「僕に惚れてるの?」
「…。」
…ここは正直にそうだって答えた方が、色んな意味で後々自分の為になると思ったのだけど
パッと返事が出てこなかった
それはここで「そうだよ」って答えたら、一方的に大敗した感じになって、それが嫌だってのが一番大きい
別にこれは戦いとかじゃないんだけど、振り回されっぱなしからの反抗心なんだろうな。
そのまま身体ごと横を向いて、眠る体勢を取る。…まだ目は瞑らない
「正直に言えば良いのに。そうすればもっと楽しい事してあげられるよ?」
「あんたがそう言うと怪し過ぎてしょうがないよ…。」
「まぁ別にどちらでも良いけどね。それよりも早く寝なって」
ロイに無理矢理身体を動かされて、さっきの腕枕みたいな状態になった
向かい合わせた体勢で彼は抱き付いてくる
更にあたしの両目を塞ぐように手を置かれた
「なんでそんなに寝かせたいの…」
「寝たら襲うから」
「何時までそんな事言ってるの…。」
もう良いか。襲うなんて冗談だろうし
冗談じゃなくても嫌か嫌じゃないかで言えば嫌じゃないし、どちらでも大丈夫。
とりあえず眠る為にも、大人しくしてよう
視界を覆う手は離れないから良い具合に暗いけど、あたしは色々考えてしまって寝れず終い。
途中、手が離れて落ちたから、なんだと思えば先に寝たのはロイだった
…期待させといてこれですか。
本当、人の心を振り回すのが上手ですね。
まぁ彼の寝顔を見れたのはとても良い報酬だけどね
夜の訪問者
「寝てるという事は、今なら復讐しても大丈夫では?」と思い
ゆーっくりと身体を起こしてロイの様子を伺う
でもその途中に「寝てて意識無い時に復讐した所でなんの意味があるんだ」という事に気が付いてしまい気分が沈む。
「やられた」って思わせるから復讐になるのに、寝てる時にやった所でね…
しかも動いたから、やっぱり彼は起きてしまった…
また平和じゃない時間がやってきてしまったのだった
1/1ページ