答えは決まってる
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ある日突然プリンに言われてしまった
「お前は恋愛に興味が無いのか?」と。
無い事はないけど、何せここの輩達はよく出来た人達が多くて
とてもじゃないけど触ってはいけない気がしてならない。
そもそもプリンやナナみたいにあたしは社交的ではないだろうし、色々気にしてしまうのだ
あと、基本的に劣等感を感じているので
異性同性関係無くあんまり多くの人と関わりたくない…。
と、色々説明をした所
「一回恋しとけ! 世界が変わるから!」と、プリンに手を引かれ、あたしの部屋を後にした
ナナと一緒に「何をするんだ?」とプリンの後をついていけば、大乱闘転送室にやって来た
まぁ大乱闘は良いコミュニケーションと言いますし、それくらいなら苦ではない
しかし「おぉ、良さそうな輩が居たぞ」とプリンが声を上げると
一目散に休憩スペースでお喋りしていた、エムブレム軍団の所に走っていく
それを見たら流石にあたしの足は止まってしまった
まるで見えない壁が存在するかの様に、前に進む事が出来ない
暫くそこから喋っていたプリンとルキナを見ていたんだけど
何か話が落ち着いたのかプリンがこちらに戻って来た
そしてとんでもない事を言い出した
「あそこに居るイケメン達でリハビリするぞ」
「え”ぇー!?」
「「えぇ!?」じゃないぞ…! ちゃんと話はつけておいたから大丈夫だ。
別にあの中から選べって事じゃないんだぞ、異性とのお喋りの練習だ」
「あたしには出来ないよ…」
「大丈夫だって、ユズちゃんは奴等の善人度合を分かってないだけだぞ」
あわあわするナナを置いて、二人で行くぞ・行かないで争っていると
いよいよルキナもこちらにやってきてしまった
ルキナが言うには「丁度休憩中だし、お喋りくらいなら皆歓迎だぞ」らしいのだけど
向こうの世界へ、とてもじゃないけどあたしは入り込めそうに無い。
でも結局プリンとルキナに無理矢理引っ張られてやってきてしまったエムブレム組の輪
端の席に座ったのだけど
もう今後の人生がこれで決まってしまうかのような感覚で、ルキナ以外の輩に顔を向けられず。
あたしが座ってる席の横でナナが立っていたのだけど、その片手を自分の両手で握りしめ、緊張感を和らげていました
言った通りなんか話をしているエムブレム組とプリンだけど、その内容はまったく頭に入ってきません…
「こらこら、人の話を聞く時はせめて相手の顔を見なさい。」というプリンのお叱りを受けましたが
寧ろそれで印象が悪くなって、「もう喋らない」ってなったら万々歳だ。
しかしそんなあたしの希望は叶わず
なんでか分からないけど、輩からあたしへの質問がどんどん増えること増えること
終いには「もしかしてこの中に好きな人がいるんじゃない?」という誰かの発言…。
なんでお前らはそんなにポジティブなんだよと…。
どんだけ頭ハッピーなんだよと…。
でもまぁプリンのいう通り、「善人」である事はよくわかった
こんなそっけない(?)態度を示してるってのに、文句言わず笑ってるんだもんね
結局第一回のリハビリは、まったく喋れなかったし、誰の顔も見れませんでした。
解放された後、安堵の気持ちを抑えられずにいると
「今夜も明日もリハビリするからな。奴らは凄いウェルカムだぞ」というプリンの言葉に、あたしの心は粉々になりましたが…。
「リハビリ」と言われる主に異性とのお喋り会
メインはエムブレム組だけど、時々別の人と繰り返していると
とりあえず相手の顔は見れるようになった。
そりゃぁ一日で凄い頻度顔を合わせる様になったので、少しは慣れました
これはリハビリの成果でしょうかね? 皆はそう言ってます。
何日も同じメンバーで、同じ場所、同じような話を繰り返す
そしたら口下手だけど、「はい」「いいえ」しか言えなかった前と違って
言葉のバリエーションも増えて、最低限の会話もできる様になった
「ユズちゃん、最近はナナちゃんの手を握らなくても大丈夫になったんだね」
「そ、そうですね、慣れは大事ですね」
「素晴らしい進歩だぞユズちゃん、何事も経験の積み重ねが大事だ!」
「はいはい。」
何でプリンが嬉しそうにするのかは分からないけど
途中からはプリンには感謝するようにもなった。
確かにこういう感じで無理矢理連れ出してくれなきゃ、こうはならなかったわ。
今まで他人、特に異性とは関わらない様にしてたけど
エムブレム組や他の人達と何度も話をして、ようやく理解した事がある
彼らは最初からあたしに攻撃的に接してくるわけはないし、皆は全然あたしを知らない、見てもいなかったんだと。
あたしは今まで自意識過剰だったんだと、理解しました
別に皆はあたしをどうとも思ってなかったのに
自分だけ一人で「嫌われてるかも」とか「こうじゃなきゃ」とか、そんなしがらみに捕らわれてた
そして億劫になってた、距離を取ってた
本当はだーれも思ってないし、そんな事ないし、そもそも興味もなかったんですよ?
頭の片隅にすら居なかったんですよ?
しかもよっぽどあたしが酷い接し方をしなければ嫌われる事は無いだろうし
自分は嫌われない様になるべく丁寧に接してるから、逆に面白い程皆は良い反応を返してくれます
ある日そんな事を考えて、そんな結論に至ったら
「案外他の人と関わるのも楽しいかも」と思える様になりました。
異性だろうが同性だろうが、人間だろうが人外だろうが、皆とのお喋りが苦に感じなくなったのです
…その後すぐにあったエムブレム組とのお喋りで
あたしがべらべらと喋っていたら、皆凄い驚いた表情をしてたのは面白かったけど。
ある日のエムブレム組とのお喋り会
話題は大乱闘のチーム戦の事でした
皆がなんか喋ってた時にあたしはエムブレム組の人達を見てたんだけど、何気ない事に気が止まりました
じーっとエムブレム組を見ていたら
それにナナが気が付いて「どうしたの?」とそっと耳打ちしてきた
それに気が付いたプリンも「どうした?」とあたし達の方を見る
とりあえず一番近くに居たロイを指差して
「皆「胸が無いな」って思って」と、次に自分の胸をポンポン触りながら、小声で答えました
小声で話をしてはずなのに、何故かこれがエムブレム組にも届いてたらしく
ルフレが「ルキナの事?!」って大笑いし始めました。…すぐにルキナに粛清されていたけど。
「そりゃ俺達は男だからな」
「ユズちゃんは他人とのお喋りは出来る様になったけど
プリンやこいつ等、他のファイターもダメな意味で平等に見てるんだろうな」
「ダメな意味ってどういう事?」
「物差しが自分、もしくはプリン・ナナだからそういう発言が出るんだ。
おいイケメン、哀れなユズちゃんに「男」ってもんを教えてやれよ。何でも良いから」
と、プリンは一番近くにいたロイにそう言った
突然の振りに驚きを隠せないロイ
相当動揺してるのかちょっと声をあげた後、動かなくなった
たまたま席が近かっただけで、これは可哀想…
「唐突だなお前、凄いコメントも投下して」
「そうだ思い出したぞ! 元々はユズちゃんに恋愛を知ってほしくて
その前にまずは他の人とのお喋りの練習をって、お前らの所にお邪魔するようになったんだ!
危ない危ない…、大事な事を忘れていたぞ…」
「そ、そうなのか?」
「プリンの妄言だよ」
「違うぞ! プリンはちゃんと言ったぞ。
「恋しとけ」と、「世界が変わるから」と!」
これ以上話をすると何か雰囲気がヤバくなる様な気がしたので、熱く語っているプリンに目潰しをした
凄い悲鳴を上げるプリンと、「黙ってれば良いのに」と苦笑いしているナナ…
良いのか悪いのかは分からないけど、そんなプリンの熱意に乗って、エムブレム組の話題が恋愛的な話になってしまった。
なんかこちらの私事情に巻き込んで申し訳ないけど、とりあえず彼らの話を聞いてみる
「確かに前のユズちゃんだと恋愛は難しそうだね。今は出来そうだけど」
「皆のおかげだよ」
「君のその素直な所はとても良い武器だと思うよ。ルキナも見習わないと」
「なんでいっつも私を出すんだ!」
「典型的なツンデレだ。」
「うるさいわっ!」
「ま、まぁルキナさん達はそれでも良いんじゃないですか…?
ルフレさんも暴力振るわれても満更じゃなさそうですし」
「そうだね、ツンデレって事を分かってるからね」
そうサラッと答えたルフレは、またルキナに粛清されていた
「こういう二人の仲良い所見ると、僕達も恋愛してみたいなぁって思うんだけど
何せここに居るファイターでの女性の割合が少ないよね。競争が熾烈だよ」
「しかも殆どの人は相手が居るしね」
あんまりというか殆どしてこなかったエムブレム組との恋愛話
確かに彼らの言う通り、この館内での女性の割合は少ない。
いまだ痛みに悶えてるプリンだって、犬猿の仲だけど良い相手が居るし
ナナだってもうそれ以外は考えられない相方が居るわけだ。
居ないのはあたしとか、ロゼッタやベヨネッタなのかな?
でもロゼッタはそれしか見えてないのかって程、子ども達に入れ込んでるし
ベヨネッタなんて「皆大好き」で片づけてるし…。一応好きなファイターの順位は聞いたけど。
「あはは、聞いてたユズちゃん」
「!!、あ、すみません、聞いてなかったかも」
「ユズちゃんはこの仲だったら誰が好き?」
「え"ぇっ!?」
そりゃぁ話の流れを聞いてなかった自分が悪いのだけど
突然、重い選択肢を突きつけられて頭が真っ白になった。
ここはいったん落ち着く為に、他の誰も居ない方向へ顔を向けて静かに深呼吸する
色々考えた結果、正直に答える事にしました
「分からない。」
「分からないのかい!」
何時みたいに強めなルキナの突っ込みが入ると、エムブレム組は笑い始めた。
「ね、ねぇ! だったら僕と付き合おうよ!
僕、前から君の事気になってたんだ! 僕なら君を大切にしてあげられるし、プリンの言う通りちゃんと男って物を教えてあげられるよ…!?」
と、突然隣に居たロイが身をこちらに乗り出して、張った声でそう言ってきた
本当突然の話に皆は静かになる
暫く「何を言ってるんだ?」と思っていたけど、案外サラッと「あぁこれが告白か。」と結論に至った
本当、突然だと何の感情も沸かないんですね。
「分かった。良いよ」
早く答え出さないと駄目な空気になりそうだし、ロイが可哀想になるので早々に決断を下しました
「えぇーッ!? ってか、色んな意味でえぇーッ?!」
「うわー、先越されちゃったよー、あはは」
「なんだこの急展開! 誰がこんなの予想した?!」
「ユズちゃん、本当に良いの…?
…あ、これは決してロイさんが駄目ってわけじゃないですよ!? ただあまりにも即決だったから…。」
「本当に良いと思ってるよ」
そう一応笑顔で答えてあげると、気を張った表情をしていたロイは、嬉しそうな感じに変わった
それはもう、子どもっぽい感じ。
「この状況でそんだけ言うなら、本気だと思うからさ。」
「あぁ…、確かにそうだね…。」
「知らんかった。ロイがそういう風に思ってたなんて」
「そりゃ誰にも言ってないからね」
そうとても嬉しそうに語った彼を見ると、何だか良い事した気分になる
彼の事はよく分からないけど、プリンやナナ、ルキナの力を借りて彼と付き合って行こうと思います
三人から第三者目線の話を聞いて、変な方向に進まないように手助けをお願いしよう
全く初心者なあたし一人では不安だし、品定めの意味を込めてね
とりあえず、あたしを大事にしてくれる人は大事にしたいです。
「こらユズちゃん! いきなり目潰しは無いだろ! プリンの顔面の何パーを瞳で占めてると思ってんだ!」
「プ、プリン…、ユズちゃんとロイさんが付き合う事になったんだよ…。」
「え"ぇーッ!? マジでーッ?! どうしてだーッ?!」
「なるほど…、そういう流れがあったんですね…
前のユズさんとは別人ですから、心配してたんですよ」
「まぁそう感じるのも無理無いけど」
「ロイさんも見た目通り行動も派手ですね
きっと断腸の思いで告白したんでしょうけど…。」
「そ、そうなのかな…?
フラれても周りへのけん制になると思ったからって言ってたけど…」
図書室に向かう途中、廊下を掃除していたしずちゃんにあった
ちょっと話をしていたら
あたしが多重人格ではないのかという疑問と、あたしの恋愛事情の話を聞いてきたので、色々お話ししてあげた
「それにしてもそれの話を聞くと、二人の仲は必然的だったみたいに思いますね。
よく顔を合わせる様になったから、そこから恋が生まれたという…
ユズさんはとても社交的な性格になりましたからー…」
そうしずちゃんが呟いて妄想スタイルを取ると、どこからか吹き出し雲が現れた
その中に現れたのはあたしとロイのエピソードっぽい出来事数個
君はあたし達の何を知ってるんだって感じだし
何個か見てみたけど、今までそんな出来事はなかったぞってものばかり。
未来でも見てるのか…?
試しにその吹き出しを叩いてみると、パンッと弾けて消える
「そういうしずちゃんとルカリオのエピソードってないの?」
「えっ?! ルカリオさんとのですか…!? な、無いですよー…!」
「嘘おっしゃい、皆が噂をしているぞ。あの二人は出来てるなって
あたしも話をしたんだから、君も話をしなさいよ」
「そ、そんなぁ…」
と、言いながらも話す気があるらしいしずちゃんは、持っていた掃除用具を何処かへしまう
何か長話になりそうだったらから、リビングでお茶を頂きながら話をしようと思う
答えは決まってる
リビングでしずちゃんと語りあかしていると、部屋にルカリオがやってきた
どうやらしずちゃんと前々から約束があったらしいが
お喋りに夢中だったしずちゃんは忘れてすっぽかしてしまったらしい
てへぺろなしずちゃんに対して、仕方ないと許してるルカリオを見ると
この二人は安泰だなと思います。
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