誕生日プレゼント
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夜、プリンとナナに「明日の朝はマスターがご飯を作るって言ってたから、レアな休日だ」と教えてくれました。
また突然マスターがご飯を作るって、一体なんだろうか…?
何か作ってみたい料理とかが出来たのか、試したい事でもあったのか?
とか色々考えていたけど、特に思い当たる事は聞いた事も無いし、結局は分からない。
ただ明日はあたしの誕生日だから、そのお祝いでもしてくれるのかなーって、期待をしてみたり…。
…まぁ朝ご飯作りのお休みだけでも、十分な誕生日プレゼントだけどね。
あんまり大きく手を振って「祝ってー」なんて、言わないし思わないタイプだし
なんか恥ずかしいから明日は静かに過ごしたいよ…
勿論プリンとナナもご飯作りはお休みなので、久しぶりに遅い時間まで一緒に大乱闘をしました。
何時もなら寝てる時間
三人で眠くなってきたので終わりにした時は、既に23:30を過ぎていた
二人と分かれて、自分の部屋へ向かう途中
ふと、あたしの部屋のある方向とは違う道を見る。
そっちはあたしの彼の部屋があるのだけど
彼はさっき大乱闘部屋には居なかったし、流石にこの時間だったら部屋に居るかも。
誕生日を迎えて早々、大好きな彼の顔を見れるとはなんて幸せなんだろう。
居なかったら居なかったで、戻って来た時に驚かしてやろうと思い、あたしはそっちの道に足を進めた。
居る居ないは分からないけど、ドアノブを手に取ってゆっくりと扉を開けてみる
無防備にも鍵は掛かっておらず、あたしの望み通り潜入は出来そうだ。
チラッと中を覗くと、部屋の電気は点いていたけど部屋の主は見当たらない
そのまま音を立てない様に扉を開き、中をよく確認すると、彼はベッドの上で横になっていた。
…大きく動いたりはしてないから、もしかして寝てるのかも。
これはこれで寝てる所を脅かしても良いし、知らん顔しながらベッドに侵入するもの良いし
ウキウキしながらも静かに閉めて、ベッドの所に忍び寄った
「…」
「…。」
顔を覗き込むと、寝ているのか彼は目を瞑っている
さっきまでは脅かしてやろうと思ったけど
日頃から良くしてもらってるし、大事にしてもらってると思ってるので
それを考えると何か申し訳なくなってきてしまった…。
という事で今度部屋を見まわして、何が面白そうな物が無いか物色する。
結構見慣れた部屋だし大体分かってるのだけど
部屋の物色は彼の心を覗いてるみたいで楽しいのです。
一通り部屋を見まわすと、低いテーブルの上に見慣れない紙袋を発見した。
なにか美味しいお菓子でも入ってるんじゃないかって覗いてみたんだけど
これまたシンプルに包装された箱が入っていて、結局お菓子なのかなんなのか分からず終いだった…
ほぼ無音な部屋中に、突如鳴り響いた誰かの着信音
驚いて音のする方を見ると、本当は寝ていなかったのか
さくっとロイは身体を起こすと、こちらに気が付いて目を丸くした。
「あれ!? 部屋に居たの…?!」
あの驚き方は本当に来てる事に気付いてなかったみたい。
着信音はアラームだったみたいで、ロイは目覚ましを止めた
「今来たんだよ、気付かれない様にね」
「何で気付かれない様に来たんだよ、別に普通に来ても良いから」
「いや、それじゃぁ面白くないじゃん?」
「何に面白さを求めてんの…。」
忍び状態から解放されたから堂々とベッドに腰かける
代わりにベッドから降りたロイはあの謎の紙袋を取ってくると、それをあたしの方に持ってきた
「本当は夜這いしようと思ってたんだけど丁度良かったよ。
誕生日おめでとう、これはプレゼントだよ」
「よ、夜這いって…。
プレゼントありがとう…! 本当今さっきなんだろうこれって思ってたんだよねー」
部屋の置時計を見てみると、日を越していた様だった
紙袋を受け取って、再びよく分からない中身を覗き込む
よく見たら何個か箱が入っていた
「どんなお菓子かなぁー」
「あはは」
ワクワクしながら中身を取り出すと、大小形も様々な箱が三つ
それと一番下に、特に包装されてない二種類の乾電池が出て来た
箱はテーブルの上に置いて並べた後、その謎の乾電池を手に取る。
「…流石にこれは食べられないよ。」
「それ無いと使えないからね」
「そうなの? 電池が無いと使えない物?」
「そう、その三つに使うよ」
そうロイは全く同じ包装紙に包まれてる箱達を指さした
「何かの機械なの…? 食べられないじゃん…。」
「なんでそんなにお菓子にこだわってるの…!
面白い物だから見てみなよ、きっと気に入るから」
「そうかそうか。それはお菓子以上に自信があるんだね?」
「そうだな」
電池もテーブルの上に置いて、もう他には無いよねと紙袋を覗き込む
特に他に紙とか薄い物とかが入ってるわけではなさそう。
「楽しそうな玩具だったらヤンガーズと一緒に遊ぼうかな
久しぶりに童心に戻ってはしゃぎまくるんだー。」
「はは、それは止めた方が良いな」
「え? どうして?」
「それは子ども向けの玩具じゃないから」
「…。」
一番大きかった箱を開封しようと手に取っていたのだけど
何となく、開封は一旦待とうと思う。
基本的に子どもだったらどんな玩具でも喜ぶと思うんだよ? 多少の好みはあれど、遊ぶ物だからね。
電池を使うと言ったらラジコンとか、空飛ぶ飛行機とか
殆ど男の子向けのしかイメージに無いけど、それでもネスが見たら大喜びですよ?
それを止めた方が良いって…。
でも、そもそもの問題で
仮にラジコン飛行機だったとして、それであたしが喜ぶと思ってる事が変だなーとは思うけど…。
「子供向けじゃないって何? プリンとかでもダメなの?」
「止めといた方が良いなぁ。」
…だからさっきのは文字通りの意味で、正直に言ったのかもしれない。
「これはあたしの部屋で開封しようと強く思う。」
「なんで? 今ここで開けなよ」
「プレゼントは一人でウキウキしながら開封するものだからね」
「今開けようとしてたじゃん」
「気が変わったんだよ…。」
そりゃ確信は持ってないけど、保険は掛けといた方が良いでしょう。
開けてやっぱりって気まずい気分になるくらいなら、一人の時に確認したいわ…。
ラジコンとかだったらそのまま館内を走らせて遊べば良いし。
「まぁまぁ、そんな事を言わずに。
それじゃなくて、この小さい箱だけでも良いから開けてみてよ」
「…その前に質問して良い?」
「良いよ」
「…あっ! こ、これはあたしの勘違いかもしれないし
結果「変な勘違いしてるなー」ってなっても笑って流してね? てへぺろ事案だから…。」
「はは、大丈夫大丈夫」
大きな箱はテーブルの上に戻して、ロイが持っていた小さな箱をとりあえず受け取っておく
「これは機械なの? 玩具なの?」
「両方兼ねてるんじゃない? 呼ばれるのは玩具が多いけど」
「プリン達に自慢するのはダメなの?」
「自慢するようなものじゃないし、恥をかくと思うから止めた方が良い。
ロゼッタが一緒に居たら止められると思うし。」
「じゃぁこれはあたし一人で遊ぶ物なの?」
「一人でも良いし、僕と一緒に遊ぶでも良いし」
「何処で使う物なの?」
「僕とか君の部屋の中でじゃない? 外でも希望するならそれも良いけど」
「必需品的存在なの?」
「そんな事は無いよ、でもたまには違う感じで遊んでみたいじゃん?」
「ちなみに使い捨て?」
「いや、何度も使えるよ」
「皆持ってる物?」
「持ってる人は持ってると思うよ? 誰がだなんて僕には分からないけど」
「三つ箱はあるみたいだけど、全部同じなの?」
「ジャンルは同じだけど、用途はちょっとずつ違う」
「これをプレゼントに起用した理由は?」
「ユズと一緒にこれで遊びたかったから」
「仮にあたしとそれで遊ぶとして、どうやって使うの?」
「僕が君に使ってあげるよ」
「…ちなみにさっきから会話に上がってるその「遊び」というのは、あたしじゃない他の人とはしないの?」
「しないよ。僕はユズだけだし、ユズも僕だけだと思う」
サクサクっとそれっぽい質問をしてみたけど、もうアレにしか思えないわ…。
あたしの長ーい質問に全く不満を言う事無く笑顔で答えてくれたけど、もうそれが怖すぎる…。
「それじゃぁこれは大事に使うね」
そうしらばっくれて紙袋に箱と電池を戻そうとすると、こらこらとロイは止めてきた
「もう分かってるだろ? 全部正直に言ったんだから。
早く遊びたいから早く開けてよ」
「いやいや…!
一人のレディとして、「分かったよー」とホイホイ開けてはならない気がする…!」
「はは、何それ!」
あたしの断固たる意志を汲んだらしいロイ
紙袋と箱を奪い取られると、そのままベッドの方へ押し倒され、軽く口付けされた
「君の誕生日じゃん? だから今日はちゃんと感じさせてあげたいんだよね
僕から見ると何時もはそこそこ良い感じに見えるけど、もしかしたら気を使わせてるかもしれないし」
「そ、そんな事ないのに…。」
身体を起こして、黙って何をしだすのかと思えば
置いてけぼりの小さい箱の包装を剥がしている…。
奴が自分でプレゼントを開けてるじゃないですか…!!
これはもう逃げられないな。
いったん現実逃避をするために、近くにあったタオルケットを頭からかぶって引きこもった
もうここまで来てしまったのだから引き返せないんだよ。諦めて受け入れるべきだ。
別に殺されてしまうわけではないし
そもそもあのプレゼントは今言っていた様に、ロイの優しさであり気遣いからである。
それを恥ずかしいから却下だって蹴飛ばすのは、それは彼に対して失礼ではないのか?
もしかしたら恥を忍んで買って来たかもしれないじゃないか。
今までの感じの流れの中にそれが組み込まれるだけであり、全然苦に思うような事ではない。
結果はどうなろうとも、その心遣いはありがたく受け取るべきである。
そう! 今日はあたしの誕生日であって
祝ってもらう立場の者として、どんなプレゼントでも受け入れるべきなのだ!
でなければ祝ってもらう資格など無いだろう!!
そう自分に言い聞かすように語り、気合いを入れる。
「よっしゃー! 掛かって来い!」
そうタオルケットを遠くへ吹き飛ばして、さっきロイの居た所を見る。
用意はとっくに終わってたみたいで、大きな呟きを聞いていたらしい彼が大笑いしながらこちらにやってきた
勿論その手には、あたしが思ってたのと全く同じものがありました。
誕生日プレゼント
その後の話はノーコメントで。
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