たった一言で変わるのです
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マスターハンドに連れられて、あたしはMiiファイターとしてここにやってきました
どんな人達に迎えられるかドキドキしてたけど
館内のレディース皆さんが歓迎会みたいな物をしてくれました
ここに居る女性はどこかの姫も居るし、バウンティーハンターも居るし
剣士も居る、子供も居る、神様も居る、魔女も居る
その中で仲良くなったのはプリンとナナのコンビ
強烈なボケ役で言葉がイカれたプリンと、揺ぎ無い善人で優しいの固まりのナナ
二人とも来るもの拒まずな性格で社交的なのですぐに仲良く出来ました。
「ユズちゃん、Miiファイターでも色んな形があって良いな
相手によって変えられるし、相手と同じタイプで戦う事も出来るし」
「そうだね」
色んな人達と交流と大乱闘をして数日
ごちゃ混ぜでストック戦大乱闘していると
一緒に大乱闘していたルキナと残されて一騎打ちになった
「くっ…! ユズ、強いな…!」
「そうかなっ?!」
互いにダメージ100越えで勝負は早々に着いた
転送部屋に戻るとルキナがルフレの所に駆け寄り、何かを話し込んでいる
この試合には参加していなかったプリンとナナが
お疲れさんとこちらにやってきた
「それにしてもユズちゃんは強いな、一騎打ちになったらプリンじゃ手に負えないな
動きも気持ち悪いし…。」
「本当だね、大乱闘で混戦中を叩くしか出来ないよね…
残されて一騎打ちになったらもう終わりだよね」
「そんな事無いよ、あたしだって負ける時は負けるよ」
「それは大乱闘してる時であって、一騎打ちでは無敗だー。
…そういえばロイは一騎打ちの神だが、ユズちゃんと戦ったらどっちが勝つんだろうな?」
「そういえばロイさんも一騎打ち凄い強いよね」
「そうなの?」
ロイとは? 今まで何回も色んな人と大乱闘をしたけどそんな名前を見た事ない。
確か剣士の中にそんな人が居た気がするけど、そういえばその中で大乱闘してるのを見た事無い人がいるのを思い付いた
その人は転送部屋で見た事無い。…館内で会った事はあるけど。
プリンとナナから、いかにロイという人が強いか説明を受けていると
ルキナとルフレがこちらにやってきた
「ユズ、折り入ってお願いがある」
「えっ? そんな畏まらなくても、なんですか?」
「ロイと一騎打ちをしてほしいんだ」
「?」
「噂をしてたら早速戦えそうだな
でもどうして急にユズちゃんと一騎打ちを?」
「実はな…」
そうルキナは淡々と語り始めた
ロイという人はプリン達が言う通り、一騎打ちではここのところ無敗
今のあたしと全く同じく、よっぽどの差がなければ大乱闘で彼と誰かが残ったらもう彼の勝ちというパターン
大乱闘でなら負ける事もあるから皆は彼と大乱闘はするけど、ほぼ負ける一騎打ちはどんどんしなくなってしまった
しかし彼は大乱闘よりも一騎打ちの方が好きで、最初はルキナもルフレも他の人達とも一騎打ちや大乱闘をしていたけど
皆が彼との一騎打ちを避け始めた頃から、大乱闘する回数が減り、いつの間にか彼は一騎打ちも大乱闘もしなくなってしまったという
多分、大乱闘が面白くなくなったんだろうという予想だ
あたしがここに来る前にはもう大乱闘しなくなってしまっていたらしい
「あぁ、だから最近ロイさんをここで見ないんですね」
「確かに僕達は一騎打ちを避けてたけど、大乱闘だったら勝てる事もあるからそれは歓迎なんだけどね」
「もしかしたらお前も強すぎるから、ロイの良い相手になるんじゃないかって」
「確かにユズちゃんならロイさんとまともな試合出来そう
私達じゃ手も足も出なくてね…」
「本当だな、ユズちゃんと同じく動きが気持ち悪くてな…。
あ、これは誉め言葉だからな」
「分かってるよ。
でも興味が沸いたね、そんなに強いんだ」
「あぁ、相当強いぞ。
私もカウンター多用でなんとか相手になった事があるが、他の部分じゃ勝てそうにないな」
よく分からないけど戦うくらいなら何も損はないからお願いを引き受ける事にした。
それに今まで戦って来た人達がとても強いと言うのだから、相当強いんでしょうね
ちょっと強い人と一対一をしたいと思ってたし、とても気になった。
ちょっと呼んでくると、部屋を後にした二人
帰ってくるまでプリン達と他の人達の大乱闘にお邪魔した
数回大乱闘をして、剣士タイプの肩慣らしをする
とある試合を終えて部屋に戻ると、ルキナとルフレと、あとわんさか剣士が集まっていた
その先頭中央にはまだ戦った事の無い、例の赤髪イケメンが居た
その隣にいたルキナがこちらに駆け寄る
「お待たせユズ
もしかして剣士タイプで戦ってたという事はそれで戦ってくれるのか?」
「えぇまぁ、剣士同士の方が面白そうだし
…なんで剣士軍団が集まっているのかは分からないけど」
「ま、まぁ皆久しぶりにロイの試合が見たいらしくてな」
そんなに凄い人なんだ、とロイの方を見てみると無表情と笑顔の間の表情をしている
あんまり乗り気じゃないのかな?
「よろしく最強さん」
「うん、よろしく」
笑顔で話しかけると、やっと笑ってくれた
久しぶりだから最初に肩慣らしするか? と、彼に周りの人達が尋ねていたけど
何故かそれは断っていた。
どれくらい強いのか知らないけど、ブランクがあるのでは?
そう思いながらも彼の言うルールを用意して、終点に降り立った
まずは様子見かなって、攻撃を仕掛ける形だけ取る。
彼はあんまり激しい動きはない
ブランクで感覚が掴めてないのか、はたまたただの期待外れなのか…。
まぁ仕方ないのかなって、暫く攻撃を加えていたのだけど
徐々に、でも明らかに動きが変わっていく彼
最初の方はサクサク攻撃を当てられていたけど、徐々に彼の動きが速くなって当て辛くなる
途中から攻撃を止めて様子見をすると、初めての感覚がやってきた
この人は真面目に相手しないと、すぐにやられる!
暫くは攻撃がてら目を慣らさないと、彼の動きに追いつけそうにないわ
あたしもこんな真面目な試合は初めてで
崖外に吹っ飛ばされたら全然帰してくれないし、攻撃を繰り出すタイミング場所も見事だし
ブランクしてるというわりには、他の人ではしないような動きするもんだから
どんどん楽しくなってきたのだった
「あー、楽しかったー!」
今まで皆とやってきた大乱闘とは、比べ物にならないくらいの満足感、気分も晴れ晴れ
「それにしても兄さん動きわちゃわちゃしてて凄かったね、吃驚しちゃったよ!
全然攻撃当たらないの! こんな真面目な試合は今までに無い!」
部屋に戻ってきて、後から出てきたロイに駆け寄って勢い良く握手をする
…彼は「あ、あぁ」と苦笑いをしていた。
「やっぱり強い人と戦うのって楽しいよね! 読み合いが一騎打ちの醍醐味!
全然ステージに帰してくれないし、面白かったよー!」
「ユズちゃんが勝った癖にな…。」
「自分じゃ気付かないんだろうけど、お前も大概な動きだぞ」
さっきの試合を見ていたのか、こちらを見てブツブツ呟いているプリンやルキナだった
「それにしてもお兄さん勿体無い! こんなに強いのに勿体ない!
どうして大乱闘をしないの!?」
「ユズちゃん興奮し過ぎだぞ…。
アドレナリンかドーパミンがドパーしてるのか?」
「だって強い人と戦ってるんだよ!? こんなの初めて!」
「「「…。」」」
「ごめんお兄さんもう一回! あと一回だけ一騎打ちを!」
「あ、あぁ…、僕は良いけど…」
自分と同等、もしくはやや上の人と戦うって凄い楽しい!
大乱闘は大乱闘で楽しいけど
一対一は一対一でしか叶わない、全力を相手一人にぶつけるルールだ
相手に攻撃を当てる為にどうすれば良いか、次はどんな攻撃が来るか、考えて繰り出すだけなのだが
これがとても楽しい! 多数大乱闘では得られない物だ!
「…あぁ、ちょっと懐かしい」
喜びも興奮も隠し切れないあたしと違って、集中してたのか全く喋ってなかった彼だけど
途中、少し距離があった時にそうボソッと呟いた
「何が懐かしいの?!」
「ん? …いや、こっちの話だよ」
再びやらしい絶妙な動きで攻撃を仕掛けに来た彼に、意識を集中させた
「くそー! 負けてしまったー!」
「負けても嬉しそうだねユズちゃん」
今度はギリギリで負けてしまったが、何故か楽しかったという感情しか残っていない。
…やっぱり良い試合ってのは勝ち負け気にしなくなるよね
転送部屋に戻って、相変わらず微妙な眼差しを向けてくる観覧者達の元へ向かう
「ルキナ、これで大丈夫?」
「あ、あぁ…、そうだな、ありがとう…」
「ねぇ」
後ろから声が聞こえてきたのと同時に、ポンポンと肩に何かが乗った
声の主は後からやってきていたロイ
なんだろうと後ろを振り返ると、どうやらあたしに言っているみたいだった
「名前はユズだよね?
君は凄く強いね、また一騎打ちしてもらってもいい?」
「勿論ですよ! お兄さんなら大歓迎ですよ!」
「はは、ありがとう」
その日以降、ルキナ達が言うには
ロイはまた転送部屋に現れるようになったそうな。
「ユズ、本当にありがとう」
「え、えぇ。」
ある日の夜
お風呂を目指して二階の渡り廊下を歩いていた所、ルキナとルフレがやってきた
急にお礼を言われたものだから思い当たる事もなく適当な返事が出る
「君のお陰で引きこもりだったロイが、前みたいに皆と大乱闘するようになったよ」
「そうですか、それは良かった」
まぁあたし自身は彼が言った通り、大体一騎打ちしてもらってますが。
まれに大乱闘で一緒になったりするけど、大乱闘になると普通に負けたりするあたし達である。
「ユズが来なかったら微妙な罪悪感を負ったまま過ごしていたかもしれない
薄々私達のせいで大乱闘しなくなったと思っていたから」
「そんな事は無いと思うよ? でもお役に立てて良かったよ」
まぁあたしも楽しい一騎打ちさせて貰ってるので大満足です。
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