犯人はこの私っ!
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お風呂に向かう為に歩いていると、途中通る中庭から話声が聞こえてきた
あの広い中庭で、これだけ外に声が漏れてるというのは
相当大きな声で話してるという事なんだけど
何だろうと、チラッと覗いてみると
凄い困ったような面倒臭そうな表情をして黙ったミュウツーと
ミュウツーに凄い勢いで詰め寄っているロイだった
まだやってるのか、と思いながらもそのまま通り過ぎた。
事はつい最近の話
その日は沢山昼寝をしてしまったので、全然夜は眠れませんでした。
という事で、あたしは一人で誰もいない転送室に向かい
朝ご飯の準備をする時間までCPと時間を潰す事にしたのです。
普段皆との大乱闘とかではMiiファイターで戦ってるけど、この時はミュウツースタイルで潜っていた。
理由はある日使ってみたら動きやすい、使いやすかったからです。
ミュウツーは知ってるだろうけど、これは誰も知らない話で
一人でこっそりと大乱闘する時にミュウツーでやってる感じです…。
だからか最近Miiファイターで戦うと違和感凄いし、前より下手糞になったと思う。
…自分のオリジナルスタイルだというのにね。
プリンに「お前はどんどん弱くなってるな」と言われたくらいです。
それに代わってミュウツースタイルでの腕は、自分で言うのはあれだけど中々なレベルになったと思います。
もう皆との大乱闘はミュウツーで良いんじゃないか? って思い始めたくらいだ。
それでその日はランダムのCPと一騎打ちをしていたのだけど
ルールを変えるつもりは無いから、部屋に潜ったまま再開再開と繰り返していた所
何時まで経っても始まらない試合
なんだ? 故障か? と思っていたら、今度はロイがやって来た
CPでも本人の動きを真似て作ったマスター特製のCPなので
コイツはマジで気合いを入れようと意気込んでいた所、そのロイはCPのくせに喋り出したのだ
「眠れなかったの?
それともミュウツーは睡眠が要らないのかな?」
「…。」
「僕は眠れなかったからCPと一騎打ちしようと思ってたんだけど…、丁度良いよね?」
あぁこいつはCPじゃなくて「本物」だと。
何が丁度良いのか知らないけど一騎打ち大好きな彼が、他に何も連れないで一人で来たという事は
あたしと一騎打ちしにここにお邪魔したんだなと理解した
まぁノーコンテストする理由も無いので相手してあげようと思い
何も言わないで、ロイに片手を向けて「かかって来い」の挑発をする。
ちなみにこれをしたのは単に声を出したくなかったからであり、馬鹿にしてるわけではありません。
ロイはあたしを本物のミュウツーだと思ってるみたいだから、そのままにしようと思ったのだ。今後がなんか面白そうだったから。
試合中は極力声を出さない様に、息や呼吸で何とかやり過ごしましたよ。
試合は日々のトレーニングのお陰もあってか、初戦はかなり優勢で勝てました
ロイは「何時もと違うじゃん! 強いじゃん!」と今までに見た事無いくらい興奮していたのをよく覚えてます。
…何時ものMiiファイターでやったら多分ボコボコにされたと思うけど。
俄然やる気の上がったロイと、その夜は彼の気が済むまで一騎打ちをしてあげました
因みに勝率は本当に五分五分と言った所。
正直あたしもとっても楽しかった。
楽しい時間とはあっという間で、何度も潜ったまま一騎打ちをやっていたら気付けばもう朝の四時くらいになっていた
流石に疲れたし、彼も眠くなってきたと言ったのでその場でお開きにしました
「ミュウツーは寝ないの?」
そう言われたけど、何も言わずに首を横に振る
「そうなんだ、それじゃぁ僕は寝るけど
またこういう一騎打ちの相手をしてね。何時もみたいに手抜きした感じじゃなくて」
そう言い残してロイは転送室に戻っていった。
別に彼は本物のミュウツーが弱いって事を言ったわけじゃないんだけど
真相を知ってるあたしからすると、なんかそういう感じに聞こえてしまったのだった…。
本当にごめんミュウツー…。
それで翌日、ロイは本物のミュウツーの所に向かって話をしようとするけど
勿論当人ではないから「知らん、ユズに言え」と言う
でも全く信じないロイはミュウツーを問い詰めるばかり。
…この状況がここ数日続いてます。
確かにあの時のミュウツーはあたしだけど
「ユズなわけがない、全然強くないから!」(Miiファイター時)
とロイの訴えを聞いた時は、何とも言えない感情が沸きましたよ、ハイ。
浴場にはあたしただ一人
過去話を思い返し、楽しい試合だったなーとしみじみ湯船に使っていると
突然脱衣所との扉が勢いよく開く音が聞こえてきた
誰か来たのはまぁ良いけど、その勢いたるや。
驚いてそちらに顔を向けると、ミュウツーがこちらに向かってきていた
「ユズ、いい加減ロイの相手をしてやれ。
でないとその姿のまま館内を引きずり回すぞ。」
「スミマセンでした…。」
ミュウツーの言われた通り、お風呂が済んだ後すぐに転送室に向かった。
…これでも反省はしている。
この数日間で凄いミュウツーには迷惑をかけたとね。
ポカポカ状態で部屋に入ると、そこにはロイだけが居た
「あれ? ロイだけなの? 他の皆は?」
「…。」
自分的には当たり前な普通な話題を振ったのだけど
彼はなんか凄い疑っている様な表情でこっちを見ておられる…。
勿論裸体で館内を引きずり回されるのは嫌なので、とっととネタ晴らしをしよう。
それは言葉で言っても分からないと思うから、早く戦ってあげようと思う。
空いていた部屋で、前の一騎打ちした時の設定を作って
「早くおいでよ」とロイを呼んで、早々に部屋に潜った
…お風呂入ったばかりなんだけど、こればかりは仕方ないな
前回と全く同じように青いミュウツーで降り立ち、あたしを見たロイは一瞬目を見開く
その後無言で「かかって来い」とあの挑発をすると、彼は相当驚いたのか少しの間呆然としていた。
…そんなに意外だったのかね。
彼は動かないものだから、その間にシャドーボールを溜めると
何処からか意識が戻って来たロイは笑い出した
「ごめんねユズ、先入観って怖いね。ミュウツーにも悪い事をしたよ。
それにしても君はどうして自分だって事を隠すような事をしたの? 君のミュウツーは本当に強いよ?」
「…。」
それは後々面白い事になりそうだと思ったからで…。
結果はミュウツーに多大なるご迷惑をおかけしたのだけど
「そうそう、あのミュウツーは全然喋らなかったね」
そうまた笑うと、やっとロイは動き出したのだった
ちょっとでも気を抜けば攻撃を加えられるし
ちゃんと動きを読まないと攻撃を当てられない
相手も気合いが入っているのか、前回みたいに上手くいかなくて手強くなっている。
…でもそれがまた、あたしを燃え上がらせるのですがね
気が付けば、互いにダメージが溜まりバースト圏内
変なコンボも怖いし、単発攻撃でも楽々即死なので懐に潜りこまれぬようにするが
彼はそこが得意間合いなので勿論狙いにくる
その合間合間に決め攻撃を互いに繰り出していくけど、中々決まらない
どんどんと高ぶってくこの熱い感覚は
今、この時だけの物なのが悲しいくらいにとても素晴らしいものだった
偶然とも言える読み当てで、攻撃弾き追撃で掴みに入る
ちゃんと捕まえてそのまま掴み攻撃をしてると、やっと現実に戻った感じに襲われた
そのままぐるぐる回して上投げを繰り出すと、ちゃんとバーストして試合は終了した。
あたしの気は済んだので、転送室に戻ると
こちらを見た他のエムブレム組の皆さん
その瞬間、皆が驚いた様な表情になった
「お前! ミュウツーじゃなかったのかっ?!」
「え? あたしはユズだけど…。」
「ユズちゃんってあんなに強かったの?!」
「正直大乱闘とかで戦った時は、ポンコツだなぁって思ってたのに…!」
驚いてるのか興奮してるのか、さらっと酷い事を言うルキナ…。
多分彼らはあたし達の一騎打ちを見て、「ミュウツー強くね?」って思ってたけど
帰って来たのがあたしで「お前かよ?!」ってなったんだろうね。
後でやってきたロイも、こちらにやって来た
「ロイがミュウツーと戦って凄い強かったって言ってて、どうしても戦いたがっていたんだ
でもミュウツーは「ユズに言ってくれ」としか言わなくて、でもそれは本当だったんだね。」
「お前は普段Miiファイターで戦ってる時は、手を抜いていたのか?」
「違う違う…! あれも本当のあたし…!
なんかミュウツーの方が戦いやすくて、本家はどんどん下手になってるだけだよ…。」
「えぇ…?! そういう事ってあるの…?!」
皆もやろうと思えば他のキャラとして大乱闘に出れるのだけど、滅多にそんな事はしないらしい。ネタ的な大乱闘する時ぐらいだ。
それは勿論、自分の形が一番動きやすいからに決まってるからね
「まぁ元々Miiファイターも三種類あって、その中でも色んな型がある。
それらを使い分けて来たから、俺達には無い「適応力」があるんだろう」
「良かったねロイ、ミュウツーよりもユズちゃんの方が一騎打ち引き受けてくれそうだね」
さっきから話していないロイの方を見ると
皆の話を聞いてるのか聞いてないのか分からない、凄い明るい表情でこちらを見ていた。
…一体どうしたというのか?
何か顔に付いてるのかと、思わず触って確認する。
「あはは、ロイってば凄い喜んでるんだね。分かりやすい」
「まぁ正直、まともに相手出来る人って今まで居なかったからな。
唯一相手になったのは自分自身のCPくらいか?」
「本当にそうなんだよ…!
何時も僕自身と戦っていたんだけど、やっぱり自分だから戦い方とか分かるんだよね…。
本当に君の強さを見つけられて良かった…!」
「お前本当に嬉しそうだな、そこまではしゃいでるの見た事無いぞ」
それはもう誰が見ても喜んでると分かる、明るく力の入った発言にルキナ達は笑う
あんまりイメージに無い状態だけど、相当嬉しかったんだろうなぁ…
それにちょっとあたしも嬉しくなった。
「今は暇なの?」
「うーん…、この後プリンとナナと約束があって…」
「そう…。それじゃあ今日は諦めるよ…。
でも明日は絶対に一騎打ちしようね!」
そうパッと明るい笑顔を向けるロイは
何だか面白いおもちゃを見つけた子どもみたいに見えた。
…あ、悪い意味じゃないですよ?
転送室を後にしてプリン達の居るであろうあたしの部屋を目指す
けど、途中に中庭があるのでついでにミュウツーに謝りに行こうと思う。
「ミュウツー」
部屋を覗くとミュウツーは本を読んでいた
お邪魔しまーすと、ミュウツーの所まで向かう
「ミュウツー本当に申し訳ない事をしたよ…。
あたしはロイに詰められるミュウツーを横目に何度もここを通り過ぎた」
「本当だな。」
「それにしてもロイは全然信じて無かったね…。
あのミュウツーはあたしだって何度言っても疑ってた…。切ない…。」
「まぁ本当に本家はポンコツだから仕方ない。」
「ポンコツと言うなって…! あれでもあたしは必死に戦ってるんだよ…!
…それにしてもなんであたし、本家は下手なんだ
このままだといずれ、使う事すら止めそうだよ…。」
「別に良いのではないか? 私は特に使われる事は気にしてないぞ。」
「え? そうなの? じゃぁこれからはミュウツーで頑張ろ。」
「…ちなみに数日間は、ロイに一騎打ちで拘束されるのを覚悟した方が良いぞ。
勿論お前の用事が優先思考だが、暇な時間は全部食い尽くすレベルで挑んでくると思う。」
「え”ぇーっ!?」
犯人はこの私っ!
「それは大変困る…。ど、どうにかならない?」
「どうにもならない。実際奴の相手が務まるのはお前だけだろう」
「そんなー!」
「少なくとも私が迷惑した日数分は苦しめ。」
「す、すみませんでした…。」
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