どうしても倒せない人
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「カッコいいなぁ…」
そんなあたしの呟きをいろんな意味で面倒臭い彼女が聞き逃しているわけが無かった
「何!? ユズちゃん! それは誰の事だ!?」
「うわ…、聞いてたのね…」
現在大乱闘中
四人でワイワイ大乱闘なのだが、たまに起こる現象がある
いつの間にか一対一が二つ完成しているという事だ
普通なら三人平等に攻撃を加える所
何処かで因縁付いたのか一人にしか狙わなくなり、その相手もこちらしか狙わなくなって生まれる一対一
そして取り残されて相手にされなくなった二人は、二人でサシるのです。
今回はそのパターン…。
あたしは取り残された組、同じく取り残されたプリンと緩い大乱闘中
プリンをKOしたので、こんな状況になった元凶二人の方をちょっと観覧してました
そしたら、まぁ、あの強い彼が少しカッコよく見えたのです
プリンが居ない時に呟いたから聞いていないはずなのだが
復活台に乗っているプリンは大興奮している。
彼女は変な所で地獄耳なのです…
「それでー、どっちだよー、どっちだよー♪」
「どっちだよー、って、言わなくても分かるでしょ…」
何故ならその元凶二人と言うのはファルコとカービィなのです
これでカービィだなんて言ったら、ちょっとあたしとは思考がずれてるなぁ
カービィは「カッコいい」ではなく「可愛い」部類だと思うから
「なるほど…、ユズちゃんは鳥が好みと…」
「好きとかじゃなくて、カッコいいだってば…!」
「その「カッコいい」はいずれ「好きだ」に変わるの物だ…、覚えておけ…!!」
「そうやって言うからそうなるんでしょ…!」
大乱闘を忘れ、ステージの端でプリンとカービィVSファルコの試合を観覧する…
途中カービィやファルコが飛んできたりするけど
すぐに相手の所に戻るので問題無い
ステージ外まで飛ばされた場合は反対側の端まで移動と
「…あの球体ふわふわして攻撃当て難いな。」
「あんたも球体でしょ…。」
「それで、あの鳥の何処がカッコいいんだ…?」
「なんか動きがメリハリがあって鋭くって、プリンとは真逆だね」
「それは仕方ないだろ…、ふわふわがプリンの長所だ。」
「そうだね、とりあえず強いからカッコいいと思った」
「それを鳥が聞いたら「…フン」って吐き捨てるだけだな…。」
「うん、そういう甘ったれた馴れ合いは好きじゃないって感じだからね…、我道まっしぐらだもんね…」
「だが内心は心臓バックバクだぞ…、嬉しさのあまりな…」
「あはは、それはそれで面白いね」
喋っている途中にタイムアップを迎えた
なんとカービィとファルコの戦いはサドンデスにまで及んだ
ステージ左からプリン、あたし、カービィ、ファルコという位置スタート
もちろんあたしはプリンと緊急回避で左の端へ避けるに限る
そして二人にステージをやや貸切するのです。
結果はファルコビジョンでカービィはお星様になった…
無言でこっちに振り返るファルコ…
「おいユズちゃん! あの目は完全にプリン達にビジョンをする目だぞ!
あんな反則技どうすりゃいいんだよ!」
「落ち着いてプリン。」
「てめぇら何してんだ…。」
そう哀れんでるのか馬鹿にしてるのか、よく分からない目でこっちに歩み寄って来る鳥さん
「お前達の為にステージを貸切にしてたんだよ! 分かれ!」
そうプリンが勢い良くファルコを指差すと、プリンもファルコビジョンでお星様となった
あたしは反射的にガードをしていたので無事ですが
彼は突っ切ってすぐ後ろに居るのですぐに離れる
…まぁサドンデスだからすぐ終わるよね
ちょっとくらい相手してみようかな
「あたしはちゃんと戦ってあげるよ」
「…」
今回はランダムで選んだヨッシースタイル
空中蹴りを加えれば一撃なので、これを狙おう。
…それにしてもブラスターのせいで近寄れない。
辛うじて遠くに居たから直ぐに蹴られたりビジョンされたりは無いけど
小ジャンプブラスター…、しかも少しずつ近寄ってきながらと言う器用な攻撃
さすがあたしがカッコいいと思った奴だわ…! 侮れん…!
何とか攻撃を受けながら崖の方まで移動して崖捕まりをする
一時的にブラスターからの解放、登れば再開ですが
此処は回避しながらのジャンプか…
崖捕まりからの回避しながらの空中ジャンプ
着地狙いか、ファルコが駆け寄ってきた
回避しながら着地して直ぐにその場緊急回避すると
なんとか上スマッシュから逃れられた
目の前に敵。
反射的に蹴りを繰り出すと、少し吹っ飛ぶ鳥さん
彼はステージ内には着地出来そう。
何もしないで地面に落ちそうになった彼を見て、咄嗟にその場緊急回避をすると
隣をファルコがすり抜けて行った
…ビジョン来そうと思ったら本当にきた!
チャンスとダッシュ攻撃を繰り出すと、その場緊急回避で避けられた
危ないと回避しながら空中逃げると、ちょうどそこに降って来たボム兵
あたしはお星様となった。
「あぁー!! あたしいけると思ったのにー!!」
「あんたは良く頑張った…! 悔いることは無い…! 運が無かっただけだ…!」
転送部屋に戻ってプリンをこれでもかと押し潰したり引き伸ばしたりする
「でもユズちゃん、よくビジョンをかわしたね。私だったら絶対当たってるよ」
「なんとなくだよ…
あたしだったらビジョンするなって回避したら本当になったと言うか…」
今の大乱闘を見ていたナナは凄かったよと褒めてくれるが
理由は何であれ負けは負けなので悔しい。
「サドンデスで初めて避けられた」
「はっは、残念だったなファルコ」
「まぁ…、あれは俺が悪いか…、甘く見過ぎてた」
「まぁ良いじゃないか、勝ったんだから」
「…」
「とーりー!」
突然部屋にカービィの大声が響き渡る
「もう一回勝負だぁー! 今度はストック制でぇー!」
「悪いが先客が居る、その後で良いか?」
「えぇ?! …友達少ない癖して嘘を付くなぁ!」
「うるせぇよ! 友達くらい居るわ!」
「落ち着けファルコ、俺は友達だと思ってるぞ」
「分かってるわ!」
変な感じで友情を確認したフォックスとファルコ
その様子を寂しく見ていると、ファルコはこっちを見た
「おいお前、もう一度俺とサドンデスをしろ」
「えぇ!? あたし!?」
「あぁ。終点・ノーアイテム・ストック1・ハンデ300でだ
ボム兵が無かったら俺が負けてたかもしれねぇだろ」
「…。」
なんかあたしの中では凄い事になってしまった…。
プリンとナナと三人で顔を見合わせる
再びファルコの方を見るが
それよりも目に入るのはとっても悔しそうにこっちを見るカービィ
…あれは可哀想だ。
「別に良いけど、その前にカービィと戦ってあげてよ」
「あ?」
「良いの!?」
「カービィに勝てたら相手してあげるよ」
「…」
「ありがとうユズちゃん!」
「なるほど…
「カービィも倒せない様じゃあたしも倒せん」という意味だなユズちゃん」
「違うよ! 何でプリンを通すとそうなるのよ!
カービィ優先でしょ、カービィには勝って欲しいし」
「ありがと! ユズちゃーん!」
よっぽど嬉しかったのか泣き付いてきたカービィ
よしよしと頭を撫でてあげる
「そうかい、まぁ俺は別に良いけどよ
その球体もお前もぶっ潰してやるとするさ」
「ファルコ、お前心が広くなったな。」
「わざわざそういう条件つけてくるって事は、球体よりも手応えあるって事だろうな?
俺をガッカリさせるんじゃねぇぞ」
「あたし負けたよねさっき…。」
「行くぞハゲ玉、とっとと終わらせてやる」
「ハゲじゃないよー!!」
先に歩いて転送扉に入るファルコ
カービィは慌てて追いかけて行った
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