今日は何の日?
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「何時も悪いな…
俺もお前の事嫌いじゃねぇよ、付き合ってみるか?」
突然、ファルコに呼び出されたと思ったら、いきなりそう言われた
嬉しさのあまり返事を返すのを忘れてプリンとナナの所に駆けて向かった
「マジか!?」
「うん!」
「良かったね、ユズちゃん!」
リビングに居た二人に喜んで報告をした所、二人も飛び跳ねて喜んでくれました
「今までの努力が報われたなユズちゃーん!」
大乱闘中にファルコに惚れた、とある日
その日から嗅ぎ付けたらしいプリンやピーチ達の協力の元
地味に地道にファルコに好意がありますアピールをしてきました
大乱闘に誘ったり、買い物のお手伝いを依頼したり
たまにお菓子作ってあげたり、ちょっとした話をしてみたり、いろいろやりました…。
そしたらいつの間にか皆に「あたしはファルコが好き」って伝わってた現象
…マスターも知ってましたし。
でも良いでしょう!
ふざけてる時はとことんふざけてるけど
真面目な時は本当に真面目に向き合ってくれるし
一緒に考えてくれたプリンやピーチのお陰であたしは夢を叶える事が出来ました!
凄く嬉しくてプリンとナナを強く抱き寄せた
「さっそくピーチに伝えてこないと!」
大興奮のプリンは物凄い速さで転がっていた…
「でもユズちゃん! ファルコさんに告白されたって本当?」
「本当だよ。「嫌いじゃないよ、付き合ってみる?」って言われたんだよ!」
「良かった、今まで凄い頑張ったもんね」
「ナナにも凄いお世話になったよ! お菓子作りの時とかね!」
ナナと今までの思い出話をしている途中
部屋にやってきた人…
「見つけた…!」
「「!」」
息を切らしながらこっちに駆け寄ってきたのはファルコ…
「あ、ファルコさん、どうしたんですか?」
とても急いでる様子ですが…
「あぁ、返事言ってなかったね」
「違う! 本当に悪いんだけど、お前、今日何の日か知ってるか?」
「え? 今日?」
落ち着いてるけど、焦りを隠せないファルコの表情
どうしたんだろうと考え始めると、間も無くナナが口を開いた
「まさか、エイプリルフールだから、告白は嘘だって…」
「えっ…」
「………あぁ。」
「!」
「ユズちゃん! 聞いたわよ!」
「おめでとう!」
静かな部屋に割って入ってきたワイワイとした声
扉の方を見るときゃっきゃしているレディース軍団が居た
「あらまぁ! 早速ファルコもいるじゃないの!」
「い、いや…」
「ピ、ピーチさん…、プリン…」
ぽつりと呟いたナナに、落ち着きを取り戻すレディース軍団
「どうしたの…?」
「ファルコさん…、嘘告白だったんだって…」
「「「…。」」」
ナナの発した現実に、一気に皆の顔から笑顔は消えた
「ちょっと…、本当…?」
「なにそれ…! 人の想いで遊んだの…?!」
「…」
「ユズちゃん!」
あまりの辛い現実に、あまりの大きな落差に耐えられず
ピーチ達を押しのけて部屋を走って後にした
「ちゃんと話を聞かずに浮かれていたあたしが馬鹿だった…!」
自分の部屋に戻ってベッドに勢いよく飛び込んで
これでもかと強く抱き枕を抱いて目を瞑った
悔しいのか、悲しいのか
騙されたわけじゃないんだけど騙された、なんだか良く分からない感情
純粋に好きというその想いを利用されたのが酷くこたえる
最高に幸せを感じたから、尚更辛い
暫く涙は止まりそうに無い…
「ユズちゃん…」
落ち着こうと息を整えていると
部屋の外からボソッと聞こえてきた声
扉を開くと、そこには目を潤ませているプリンが居た
部屋に招きいれて、プリンと一緒にベッドに乗っかる
「ごめんよユズちゃん…!
あの寸前までナナとエイプリルフールの話をしてたのに
なんで気が付かなかったのか…! 悔やまれる…!」
「プリンは悪く無いよ…」
「正直嘘の日だと分かっていても、それを覆すくらいの自信と希望があった。それが今回の敗因だ…
ユズちゃんは仕方ない…
第三者であるプリンがしっかりと見て判断しないといけなかったんだ…!」
「…」
「…ごめんよ! こんな目にあわせたくなったのに!」
そう泣きついてきたプリン
プリンのその優しい心にまた涙。
…本当にプリンは良い人、良い友達だ
プリンは何も悪い事をしてないのにね
「プリンを許してくれ…!
あいつの本性を見抜けなかったプリンを許してくれ…!」
「…あたしは怒って無いよ」
近くにハンドタオルで大号泣するプリンの涙を拭ってあげる
「もう良いのよ、終わった事だし…、ちょっと皆で夢見てただけだよ…」
「うぅ…、すまん、取り乱した…、あまりにも悲しくてな…
ユズちゃん…、今度はちゃんと見定めてやるからな…」
「…プリン、…あたしはまだファルコの事嫌いにはなってないよ」
「!? なんでだ…?!」
「そりゃぁ真実を知った瞬間は首はねたくなったけど
今は大丈夫…、ファルコの暇潰し相手になれただけでも良いよ…」
「心広過ぎるだろ…! あいつには勿体無いぞ…?!
もっと他に優しい人が居るだろ…!」
「平気…、これってあたしやプリン達やファルコが過ごす
普通の日常の中のたった一つの出来事じゃない?
それで大きくへこんでいたら、恋なんて出来やしないよ」
「うぅ…! 本当に勿体無いけど…!」
「これからも今まで通りに接するよ…、プリン達もお願い…」
「…分かった!
それを望むなら、これからもユズちゃんとファルコを見守る…!」
「ありがとうプリン! 愛してるよ!」
言い様もない悲しみからだいぶ復帰したので
プリンと一緒にさっきまでいたリビングに向かう
「もしもプリンが男だったら、間違いなくユズちゃんを狙う。」
「あはは」
リビングにはえらく沈んでいるナナや涙を拭っているピーチ達が居た
「ユズちゃん…!」
「ごめん皆、変な迷惑をかけて」
「良いのよ…! ユズちゃんは大丈夫…?」
何も言わずに心配そうに駆け寄ってきたナナの頭をぽんぽんと叩いてあげる
「大丈夫ですよ、日常の一ページとして捉えれば
プチイベントというか、ラブイベントというか」
「…ユズちゃんは心が強いわね」
「ですので…! これからも今まで通りに接してください…!
多分ファルコもこんな事して後悔してると思うんで」
「で、でも…、彼にはきっぱり言っちゃったわよ…」
「そうそう…」
あたしがリビングから出て行ったあの後、ファルコに何を言ったのかと思えば
「もう二度とユズちゃんに近付かないで!」ときっぱり言ってしまった様です。
ちなみにファルコはその後何も言わずに何処かへ行ってしまった様です…
…これは大変だ!
何とかファルコを見つけて謝っておかないと
あたしの望む「今まで通り」が二度と来ないかもしれない…!
「ちょっとファルコを探してきますね…」
「え? え?」
「謝っておかないと今まで通りが無くなってしまうかもしれないので…!
だから皆もファルコを許してあげてほしいんです」
「「「…」」」
手土産に呼び出される前までに作っていたクッキーを手に
急いでファルコの部屋に向かった
部屋までの途中で彼は見当たらなかった、アーウィンもあった
という事は多分部屋にいるでしょう。
声を聞かせた場合、居留守をする可能性があるのでノックだけで引きずり出そう
数回ノックして少しすると、中から「あぁ?」という声が聞こえてきた
またノックすると「誰だよ」という言葉に変わる
…でも出てこない。
仕方ないので「ピカ」とピカチュウの物真似をしてみた
…我ながら気持ち悪い。
でも騙されたらしいファルコは普通に顔を出した
「あぁ…? 電気鼠は…」
「今のはあたしだよ、それよりも話しがしたいんだけど」
「なんだよ…、お前も怒りにきたのか…?」
「違うよ、謝りにきたの」
そういうと辺りを見回すファルコ
その後入れよと、部屋に入れてくれた
ちなみに部屋に招かれたのは初めてだ。…また一歩前進?
無機質で少し散らかっている部屋…
適当に空いてる所に座ると、近くの椅子にファルコが座る
「で、何を謝るんだよ」
「さっきのね、ただの遊びがあんな大事にしてしまった事をね」
「…別に良い」
「それと! ピーチがビシッと言い捨てたらしいね」
「…。」
「ピーチ達には許してもらう様に言っておいたから、気にしないでいいよ」
手に持っていた箱を近くのテーブルの上に乗せる
「はい、何時もみたいにお土産」
「…」
何も言わずにお土産に目を落とすファルコ…
あの複雑な目…、可哀想に…
「後悔してるの?」
「…当たり前だろ」
「別に気にしないで良いよ、ただのからかいでしょ? なんで後悔するの?」
「…」
「みんなには今までどおりでお願いって言ってあるから大丈夫だと思うけど…
まぁいいや、じゃぁあたしは夕ご飯の準備があるからー、またねー」
まさかこんなに喋れるとは、今日はツイてるな。
あたしが立ち上がると同時にファルコは顔を上げる
「…悪かったと思ってるよ
分かってて、お前の気持ちを利用した事をな」
「そう言ってくれるだけでもありがたやですよ、あたしも悪かったよ」
「お前は悪くねぇよ…
…なんでお前そんなに優しいんだよ、お前は被害者だろ」
「さぁ? ファルコが大事だからじゃないの?
これからもよろしくねー」
「…」
手を振りながらファルコの部屋を後にした
早速食堂に行くと、なにやらピーチ達が紙を前に語り合っている
どうしたのかと確認しに行くと
どうやら皆さんで夕ご飯を作っているようです…
「ユズちゃん、今日は休憩日ね、私達が作るから」
「なんかすみません…」
「良いのよ、気にしないで、たまにはゴロゴロとテレビでも見ててちょうだい」
紙を見ると、なんと豪勢な料理の数々
まぁ人手も多いし、時間も早くから取り掛かるっぽいので大丈夫だと思いますけど
時々あれどここれどこという質問が飛んでくるので
とりあえず食堂でテレビ観賞
その途中、食堂の扉が開かれた
訪問者を確認した瞬間、コンロをセットしてたプリンの動きが止まる
「…なんだよ、今日はお前じゃないのかよ」
「お前、何しに来た」
「夕ご飯作るって、手伝ってやろうかと思ったけどだらけてるじゃねぇかよ…」
近寄ってきて隣の席に座ったファルコ
近くに居たプリンはうぅ、と何かを堪えながらこっちを見ている
「鳥ぃ! イチャるなよ? マスターに殺されるぞ…!」
「へいへい…」
吹っ切ってそう叫ぶプリン…
「いつも通り」と言われてそれを守った、プリンの頑張りは涙物です。
「あら…、ファルコじゃないの…」
「きっとユズちゃんに会いに来たのね…、優しいのね…」
調理室から顔を出していたピーチ達もそう言うと顔を引っ込めた…
レディース軍も今までの通りにしてくれてるようです
後はファルコが立ち直ってくれるのを祈るばかりですが
直ぐにじゃなくてもいずれ元に戻れば良いでしょう
「ユズ…」
「ん?」
「…これからもよろしくな」
「…。」
「な、なんと!」
やっぱり聞いていたらしいプリン
さっきまでの憂鬱悲しみシリアスモードは何処へやら
大興奮しながら「ナナ!ナナ!」と調理室に駆け込んでいった
「面倒臭いな、プリン…」
本当は良い子なんだけどね…
それよりもさっきのファルコの言葉…
…これは前のいつも通りよりもちょっと進んだ関係になりそうな予感!
それだったら嘘告白もあの涙も、結果論だけど悪くはなかった事になるでしょう…。
進展をもたらしたという事になるのならばね
今日は何の日?
「こ・ち・ら・こ・そ♪」
そう答えて、ファルコの頭を数回つついた
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