好き故に
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遊んでもらおうと彼の所に行ったのだけど、彼はえらい落ち込んでいた
見た目は何時も通りなんだけど、目は嘘吐かない
隠そうとしてもあたしには通じません
ファルコにしては珍しい、落ち込み状態に陥っていた
…ここで下手に励ましたりしたら、もしかしたら逆に怒らせるかもしれない
後でフォックスから話を聞いたけど、どうやらプリンに色々大敗北したらしい
大乱闘では負け、馬鹿にされた上に言い返せなかったとか
とりあえず彼の取り扱いは注意したい。
今ファルコ的には、いくら彼女であってもバリバリあたしを相手してられないと思うので
夜に部屋を訪問して、そこでいっぱい持ち上げたいと思います。
「そして現在、ファルコの部屋の前に居るわけですが…」
美味しそうな食べ物を作って持ってきました
ご飯は食べてしまったが少しは一緒に食べようと思った
しかし扉をノックしても出てこない返事もない
フォックス達と一緒ではなかったし、ミュウツーは部屋に居ると言っていたから間違いないと思うのだけど…
もしかしてなんか事故でも起こってるんじゃないのかと心配になって
ドアノブに手をかけるとすんなりと開いた
静かにお邪魔して扉を閉めて鍵をかける
例のファルコは机に沈んでいた
「ファルコ…?」
「…」
机の上には幾つものお酒の缶
彼は一つの缶を手に握ったまま机の上に伏せていた
…もしや自棄酒ですか?
「そんなのに頼った所でさ…」
机の上の缶を端の方へやって、空いた所に料理を置くと
目を瞑っていたファルコはゆっくりと目を開いた
「良かった…、急性アル中になってたらどうしようかと思った…」
「…」
「はーい、お酒もお終ーい、残りは後日分としてとっておくように!」
手付かずのお酒は部屋の冷蔵庫へ
空の缶と彼の持っていた缶は、別の場所へ避難させた
その場から彼の方を見ると、身体を起していたファルコはこっちを見ていた
「そもそも夕ご飯食べてないでしょ? 後でマスターに怒られるよ」
そう話しかけると、ゆっくりと席を立ったファルコ
そのままゆっくりとこっちにやってきた
…特に物凄い酔ってるわけでも無さそうだ
側までやってきた彼に押され、壁の方まで追い詰められると
そのまま上に顔を向かせて口付けされた
ほんのりお酒っぽい味がするなと思ったら、急に入ってきた彼の舌
「ちょっ…!」
急いで顔を反らしてファルコを見上げる
笑ってはないけど、なんという色っぽい表情…
危ない危ないと視線を反らすと、今度は服の上から体を弄られる…
…これはきっともう襲う気満々なのだろうなぁ
それも結構エゴ混じりな行為になりそうですが
彼的には良い気分転換になるんだろうな…
ならば仕方ない、ファルコの為。
相手してあげれば満足してくれるでしょう、良い気分転換になるでしょう。
再び彼の方を見ると、内情を分かっているからどうにかしてあげたくなる表情を見せてくる
「乱暴にしないでね?」
そう言ってどうぞお好きにと口を近づける
再び口が触れ、今度はすぐに舌は交じり合った
「…。」
テレビの雑音が耳に入る
ベッドの上で伏せたまま音の方を見ると、よくわからないニュースが流れてる
あたしが持ってきた料理を手に、こちらに来たファルコはベッドに腰かけた
「お前はご飯食ったのか?」
「当たり前じゃん、でないとマスターに怒られるし。
てかお酒を飲むなんて珍しいね…、あんまり見た事ないけど…」
「…まぁ」
「しかも机の上に出てた数の割にあんまり飲んでなかったという。
自棄酒っぽくみえたけど、全然なってなかったね」
「特別良いもんでもねぇな」
「何かあったの?」
「…聞くな」
「え、ごめん。」
確かにこうなってしまったからには
聞かれたくないくらいのプリン大勝利だったんだろう。
「それであたしでストレス解消…?」
「…。」
「いや、別に良いんだよ、それでファルコが少しでも楽になるなら
これは良い気晴らしになるよね、あたし相手にしか許されない行為だよ本当に。」
「馬鹿にポジティブだな」
「そんな事ないよー
ファルコはあたしに癒しを求めていたわけだよねー?」
「…」
「…。」
「…」
「…そうだと思ってなきゃ報われないと思わない?」
そうだと信じないと、自己的なさっきの痛い行為なんて耐えられたもんじゃないよ…
「…俺は幸せ者だな」
「どうしたの急に…。
あぁ、お酒が良い感じに頭をおかしくしたんだね、わかります。」
「違ぇよ。
お前は俺の事をよく分かってる、だから本当に俺の都合良い様に動くんだ」
「そうだね。自負しています」
「そのおかげで俺は良い生活を送れているわけだ」
「お、そう言ってくれるなんて、あたし嬉しいよ」
「だがそんなに俺に尽くさなくても良いんじゃねーのか?
お前はお前の人生や時間があるだろう」
「そんな事気にしなくても…。
あたし、ワガママなのでこれでも自分の一番楽しい人生を送ってるよ?
例えばファルコに飛びついてる所とか、しがみついてる所とか」
「そうだな、お前は俺にお構い無しだ」
「嫌?」
「嫌ではねーな。苦痛とかはねぇのか?」
「何に?」
「俺の為にという行動行為」
「いや、別に。」
「何で平気なんだよ、今さっきまで辛そうに沈んでたように見えたが?」
「だってファルコが好きなんだもん」
ファルコからの謎の質問攻め
面倒なのでそうまとめてやった
なんてシンプルで分かりやすくて、納得出来る理由なんだろうか
そして一番本当の答えだ
ファルコが好きでなかったら、ご飯を作って持ってきたりしない
大丈夫だよって慰める事もしない、さっきの気晴らしの行為も許しはしない
「心配無用。あたしは好きでファルコにこんな事してるから。嫌いになったら勝手に離れるから」
まぁ…、これはこれで厳しい一言ですね。
「お前を失いたくないな、…便利な人間だからな」
「はいはい。もっと優しい言い方だったらあたしは飛び跳ねて喜んでたよ
でもまぁ「何時もありがとう」っていう事だよね」
「…お前は本当に馬鹿にプラス思考だな」
「素直じゃない所もファルコらしいよ」
「へいへいどうもどうも」
そう呟いた後、あたしの頭をわしゃわしゃと撫でてきた
好き故に
「ねぇねぇ、明日お出かけしようよ。明日暇なんだよ」
「あぁ? 随分と急だな」
「あたしは今日ファルコの為に頑張ったんだ! 少しくらい報われたって良いじゃないか!」
「自分でそれを言うのか…?
そういう事を言うから別に何かを企んでる様に思えるんだよ…」
「だったら震えて眠れ、…何も企んでないけどね」
「…まぁ、…たまにはお前に振り回されるのも悪くねぇか。」
「それは何時もの事じゃないの?」
「自覚があんなら控えろよ…。」
「嫌だ!」
「…。」
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