クールですねー。
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「あー、良い湯だったー…。
それにしても今日は10勝9敗と危ない結果だった、危うく昨日みたいに焼き鳥に馬鹿にされる所だったな…」
「プリンも飽きないね…」
大乱闘も終わり、プリン達とお風呂に入りました
服を着る為に脱衣所に戻り、雑談をしていた所、近くの椅子の上に豪華なポーチが置いてあるのが目に入る
同じくポーチに気が付いたプリンは「なんだこれ」と言いながら、椅子に駆け寄った
「豪華なデザインだから、ピーチさんとかデイジーさんのかも」
「きっとお風呂上りセットだな。どれどれ」
と、プリンはポーチを手に取る
そして閉まっていたファスナーを開けると、手を滑らせたのかポーチがプリンの手から落ちる…
ポーチは床と激突してしまった
「や、やってしまった!」
「うわ、中身大丈夫かな?」
確認の為に駆け寄ると、中に液体の物があったのか
ポーチから良い香りの何かがどんどんと溢れて来た
「あ、何か壊したかも!」
「マズいぞ! きっと良い化粧水とかだ! 隠蔽だ!」
「隠蔽って…、正直に持ち主に言った方が良いよ…。」
部屋を見渡すと、「掃除用具」というプレートが付いてる扉があった
とりあえず香水か化粧水を綺麗にしなくちゃいけないから、モップみたいのを探そう
用具入れを開くと中には何も無い
ちょっとしたスペースにもう一つ扉がある感じ
さっきのは引いて開いたのに、今度のは引くと開かない
押すと動いたので、そのまま開けると目の前に人が居た
瞬間的に顔の方に目を向ける
多少なりとも横向きだったけど、それは全裸のアイクだった
「すみませんでしたーっ!!」
こちらに顔を向けたアイクとバッチリ目が合う
反射的にそう叫びながら勢いよく扉を閉めた
そして即行で最初の扉も閉めた
「ど、どうしたのユズちゃん…」
「…。」
み、見てしまったんだ…、彼の一糸纏わぬ姿…
そして見せてしまったんだよ、あたしのパンツオンリーの姿…
もう情けなくてどうしようもなくて、笑いが止まらなくなる
そのまま二人に今までの事情を説明した
「えっ…!? あの扉、掃除用具入れじゃないの?!」
「確かにお風呂場は隣り合ってると聞いていたが、まさか脱衣所まで隣り合ってるとは…。」
「大丈夫…、全部はちゃんと見てないから、あたしが見たのはムキムキな上半身だけだから…。下は視界の端っこだったから…。
凄い筋肉だったんだよ…、腕も肩も胸もお腹も…、信じられないくらい…。
あのがたいの良い男の人とナナみたいな幼女の組み合わせは、ギャップペアで最高だと思うんだ…。」
「え、わ、私…?! 急に…?! お、落ち着いてユズちゃん…!」
「そうだぞ、ユズちゃんに大ダメージだろうが、アイクにも大ダメージだぞ…!
お互い様だ…! おあいこだ…! Win-Winだ…!」
「…Win-Winはちょっと違う気がするけど。」
掃除用具は見つからなかったので、プリンのバスタオルで零れた液体を拭く事になりました
後でミュウツーの所に持っていって、誰のだか聞いてみよう…。
着替えも終わったから、部屋に戻りましょうとなった時
何か怖くなってきたので二人を止める
何が怖くなったのかって、さっきのアイクの件だ
女子風呂から部屋に戻る時、必ず男子風呂の入り口の前を通らなくてはならないのだ
そんな時にアイクと出会ったらどうですか? もう生きていけないです。
…という説明を二人にすると、プリンは大笑いをする
「大丈夫だってユズちゃん! 心配症だなー
そんなバッチリタイミング合うわけないだろー? 駆け足で通れば良いんだよ、駆け足で…!」
と、二人は先に進むので、あたしも渋々ついて行った…
確かに何時までもビビッて脱衣所に引きこもってたらダメだろう。
一旦寝れば心も回復するだろうから、早く部屋に戻るべきだ
先に歩いていたプリンとナナ、二人は何かを喋っている
そして例の男子風呂入り口の前に差し掛かると、二人が通り過ぎたあたり
丁度そこからマルスとロイが出て来た
もうそれを見たら、後はあの人ですよね!
二人の事は置いて、飛ぶように来た道を戻って脱衣所に飛び込む
そこからチラッと様子を確認すると、プリン達とマルス達が話をしていた。勿論例の人も居る。
何を話してるのか、プリンナナが上手く事情を説明してくれてるなら良いし、三人をどっかに追いやってくれれば尚良い。
…と思っていたのに、プリンナナがこちらを見ると、残りの三人もこちらに顔を向ける
もう堪らんと部屋に引っ込んだ
「ユズちゃん、気持ちは痛い程分かるぞ。
だからこそ! ここは腹を割って話そう。」
扉は鍵が無いので入ろうと思えば入れるプリン達だけど
気遣ってくれてるのか、扉越しから話し掛けてくれている
腹を割って話そうと言われても…、特に話す事なんて無いよ…
「落ち着いて話をしたい。」
と、まさかのアイクの声が聞こえて来た
まぁあたしもダメージを食らってるのと同時に、彼もダメージを食らったのに違いは無いからね。
だからってわざわざ話合いなんてしなくても互いに適当に流すというのも手だと思うんだけど…
「ほら、アイクさんもこう言ってるし、ちょっと話を聞いてあげても良いんじゃない…?」
「大体アイクは被害者でしょ…?! 気にしなくて良いって…!
時が経てば動揺和らぐから大丈夫だって…!」
「そうは言っても、怖がらせた事を大変申し訳ないだそうだぞ。」
「べ、別に怖いってわけじゃないんだよ…。」
「だぁー! じれったいなー…!」
そんなプリンの叫びが聞こえて来たと思ったら、プリンは扉を開け始める
内開きであたしが壁になっているので、こちらから押し返す形を取る
暫くはこちらの優勢だったのに、いきなり歯が立たなくなると目の前にアイクが現れた
………そりゃ彼との力比べじゃ勝てるわけないよね。
「ちゃんと互いが納得できるまで話し合う様に!」とプリンに言われ
「外に居るから何かあったら呼んでね」とナナに言われ。
何の為なのか分からないけど、腹を割って話す事になってしまった
とりあえず扉は開けっぱなしなので、気持ちは少し楽だけども…
「とりあえず申し訳ない…」
と、マジ真剣な表情で謝るアイクに、身体全体使って否定をする
「なんでそっちが謝るの…?! プリン達から詳細聞かなかった…?! あたしが勘違いして扉開けちゃったんだよ…!
というか誰があんな所にプレート貼り付けたんだ…!」
申し訳なさ過ぎて彼は見れません。
代わりにあの「掃除用具」と書いてあるプレートの所に駆け寄る
バシバシ叩く様に触ると接着されてるわけでもなく、磁石で付いていたのか微妙に動いた
剥がした後、それはゴミ箱へ投げ捨てた
「本当にごめん…、本当にこれが無かったらあんな事には…」
顔はどう頑張っても見れたものじゃないから、見ない様に元居た所に戻る
「あ、あのね…! 後…! あたし一瞬しか見てないからね…! 顔しか見てないから…!
アイクは何も気にしなくて良いからね…!」
「…そうは言われてもそうには思えないが」
「本当本当! ちょっとムキムキボディーを一瞬見ただけ…! 後は顔だから…!」
あたしはこんな事を言って、何を伝えたいのか…。
それにしてもあたしは身振り手振り使って喋ってるのに、何で彼はそんなにも平然としてられるんだ
視界の端にあるアイクの表情は何時も通りっぽいんだよね…
もしかして彼はあたしの残念ボディーは見てないのかな…?
それだったらそれはありがたい話なんだけど、聞くのも何だかな…。
見られてなかったら「やった」で終わるけど、見られてたら自分で自分の傷を抉るような物だ…。
「あ、あのさ、………アイクは何を見た?」
「…。」
彼の顔は直視しないよう視界の端のまま、表情を伺う…
「お前の裸を見た」
「…。」
か、彼はあたしみたいにオブラートに包もうとしたり、嘘を吐いたりはしないんですね…。
あの瞬間の感情が蘇って、また情けなくなって笑いが止まらなくなる
そりゃそうだよね、上から見下ろす感じで顔を見れば
おのずと下の身体も目に入るんだから
「ユズも気にする事は無い、俺以外の者は誰も見ていなかった。俺が黙ってれば良い話だ」
そんな事言っても大まかな話は、プリン達も知ってるし、マルスやロイも何となく分かってるでしょ…
まぁ「どうだった?」って聞かれて、何も答えなければ良いのか…
「フリフリのパンツを穿いていた」って答えなければ良いのか…。
「そ、そうだね…。黙っててね…」
「約束する」
優しいアイクは黙ってくれるって言ってるのに
あたしってば、アイクのムキムキボディーについてプリンとナナに話をしてしまったな…。申し訳ない…。
多少気分が落ち着いたかも…
彼は「落ち着いて話をしたい」って言ってたけど、あたし、ガタガタだったな…。
アイクは終始落ち着いてるから、そちらに引っ張られてあたしの感情も静まって来た
「ごめんねアイク、変な物見せちゃって…」
笑いも治まり改めて謝罪を入れる
すると突然、ガシッと両肩を掴まれた
「自分を下げて言うな。俺はとても良い物を見せて貰ったと思っている」
「…。」
…それが本心かは知らないし、結果が悪い方向に行こうが、やっぱりこの人は嘘を吐かないタイプなんだろうな。
また感情が揺れそうになったのだけど
それよりも咄嗟に彼の顔に目を向けたので、そちらの方に気が向かった
Tシャツ半ズボンのラフな格好…、髪が濡れてて微妙に色っぽいイケメン…。
咄嗟に視線を下げると、まぁなんて逞しい腕…
さっきの情けなくて笑える感情はなく、物凄く胸がキュンと痛くなった
「あ、ありがとう…。だいぶ落ち着いたよ…」
…我ながら何がありがとうなのかは分からないけど
今だ肩を掴むの腕をポンポンと叩くと、アイクは手を離してくれた
今回はこれくらいにして早めに切り上げた方が良いな…
あんまり二人っきりで居ると、別の意味で感情がガタガタになりそうだ…。
部屋を出ると、廊下には倒れているマルス・ロイと、こちらに気付いて顔を向けるプリン・ナナが居た
「な、なんで二人は倒れてるの…?!」
「あぁ、マルスさん達も気になるって盗み聞ぎしようしてたんだけど、プリンが眠らせたんだよ」
「全く、このバカタレ達は乙女の気持ちを分かってないな。」
眠っているマルスとロイを見てみれば、二人とも顔面に黒いペンで落書きされていた
その二人はアイクが持ち帰るとの事だったのでお任せします…。
あたし達はあの謎ポーチの為に中庭に向かう
ミュウツーに持ち主を聞いて、正直に謝罪をしなければならない
「どうだった? レディースの話だとアイクは意思疎通が難しいと評判だが」
廊下を歩いている途中、ポーチをぐるぐる巻きにしたバスタオルボールを持っているプリンがそう言う
「いや、そんな難しくなかったけど…。どちらかと言えば彼から見てあたしの方が難しかったと思う…。」
「ユズちゃん相当動揺してたもんね…、二人でちゃんと会話が成り立つのか心配してたんだよ…」
「彼マジで良い人だよ…、ずっと冷静だったし、被害者なのに悪く言わないし…。
色々素晴らし過ぎて最後の方なんて惚れかけたもん…」
「えぇー…!! なんで惚れなかったんだよー…!」
「あんたはうるさいよ…。
性格優しいし、めっちゃ腕逞しいし、お風呂上がりのイケメンに会うのはいけないね、勉強になった。」
「惚れるくらい無料なんだから良いだろ…!」
「彼にこれ以上迷惑を掛けるのはダメだ。今回の件で彼には多大なるご迷惑をお掛けしたんだ。」
「惚れる事自体は別に迷惑じゃないでしょ…、寧ろアイクさんにとっても良い事かもしれないし…。
これも吊り橋効果の親戚みたいな物なのかな…」
「仕方ないな、これからはプリンが積極的にエムブレム組に突っ掛かりに行くことにより
ユズちゃんとアイクの顔合わせを増やすしかないな…。そこで改めて想いを認識させるしか…。」
「要らないよ…っ!!」
そうバスタオルボールを叩き落とすと、それは先を転がっていく
声を上げながら追いかけるプリンはそれを拾うと、ムッとした表情でこちらに振り返った
途端、彼女はハッとした表情に変わる
「ど、どうしたのプリン」
明らかにあたし達の後方にあるその視線
後ろに振り返ると、楽々と眠ってる二人を抱え上げてるアイクが居た
そりゃ二人も連れるとなると、とても大変な事だ。
だからついてこれてるなんて思っていなかったんだ…! こんな近くにも彼が居るとは思っていなかったんだ…!
「すみませんでしたーっ!!」
さっきの話を聞かれてると理解した瞬間
爆発した様に言葉を言い捨てて、一人超特急で中庭に走った。
これじゃぁまた「落ち着いて話をしたい。」を繰り返すような未来しか見えない…。
クールですねー。
「あの反応を見せたら、「自分は惚れてます」って言ってる様なものなのに気が付かないのか」
取り残されたプリンはそうしみじみ呟くと、ナナは笑う
「…と、このようにユズちゃんはお前にホの字だ、ちゃんと責任を取る様に。
大丈夫だ、裸を見合ったお前等なら上手く行く。」
「プリン、言い方…。」
そうビシッとプリンが言い付けると、アイクは「あ、あぁ…」と濁した様な返事をする
その後立て続けにユズのプレゼンや、恋愛のススメを語るプリン
ナナは心配しながら二人の様子を見ていたが、どんどん顔を赤くするアイクを見て
「嫌がってないし、まぁ大丈夫かな」って、無理矢理自分を納得させるのだった。
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