ファルコの失言
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「ユズちゃん、やたらファルコさんを避けてるよね…」
「うむ、プリンにもそう見える」
夕飯時
それぞれのテーブルに料理を並べている時
ナナがそう言い出すと、プリンも乗ってきた
「そうかな…、あたしにはそうは思わないけど…」
「第三者の意見だ、自身で気が付くわけが無い。」
「でもちょっと分かるよ、ファルコさん結構酷いから…」
「でしょ!?」
ナナが言う「酷い」とは、まぁ色々ある。
奴は色々とあたしをプチいじめをしてくるのです!
大乱闘をすれば、あたししか狙わないわ
皆のご飯を作っていれば、つまみ食いするわ(あたしが一人で料理している場合に限る)
TVゲームしていれば、妨害してくるわ(あたしが一人でゲームしている場合に限る)
DVD見てれば、勝手に切ってくるわ(あたしが一人で見ている場合に限る)
そして悪口とまでは言わないが、プチ悪口を言ってくる
小学生のボウヤが同じクラスの女子をからかう様な、アレです
最初の内は「はいはい」って流してたんですが
最近は物凄い面倒臭くなってしまったのでファルコを避けるようにしてます
関らなければ、悩みの種を撒かれることも無いのですから
「だからってあんなに分かりやすく避けなくても」
「分かりやすく避けてるんだよ
「お前を避けてますよ」って態度で示してるんだから」
「ははは、それでファルコさんが納得するかどうか…」
「まぁ…、すぐには無理だろうけど
その内分かってもらえれば良いのです…」
夕ご飯後ナナとプリンと三人でお片付けしていた所
食堂に入ってきたのはファルコとフォックス
「ユズー、片付けの手伝いに来たぜー」
「えぇ…?」
「ユズちゃん…、例の鳥が居るぞ…」
あたしの後ろにいたプリンは小声でそう呟いた
確かに堪らん人達が来たものだ…
「大丈夫だよ、三人で出来るから」
「そんな事言うな、人数多い方が良いに決まってるだろ」
という事で二人も無理矢理片付けに参加する事になりました
とりあえずファルコとは距離を取る為、ナナとプリンに楯になってもらう
二人の許可は得ています。
「フォックスさん、ファルコさん、邪魔はしないでくださいね」
「分かってるさ、なんで邪魔をするんだよ」
皆で皿を片付けて洗う作業
流しで皿を洗っている途中、例の鳥はやってきた
「ユズー、皿洗い手伝ってやろうかー?」
「えぇ? 大丈夫だよ…」
「んだよ、手伝ってやるって言ってr…「ファルコさん、ちょっとこっち手伝ってくれますか?」
「あぁ?」
ぬっとあたし達の間に割って入るナナ
流石です、空気読んでます。
「机の上を拭くんですよ、数が多いから手伝ってくださいよ」
「はぁ? 三人も居れば十分だろ
それよりも一人で皿洗いの方が大変だろうが」
「「「…。」」」
…空気読めない鳥め
正論を述べたとしても、それはまかり通さぬ。
「じゃぁプリン達が皿洗うから、狐と鳥はテーブル拭きだ」
ナナの隣にひょいと現れたプリン
中々良いアイディアです。
「餓鬼共がテーブル拭け、俺とフォックスでユズの手伝いをするから」
「ファルコさんは絶対に皿を割るでしょう」
「割るか、馬鹿にするな」
「何時もユズちゃんの邪魔してるじゃないか。
皿割らないとしたら、洗った皿を汚すとか」
「汚すか、馬鹿にするな」
「そうだよ、何時もユズちゃんの邪魔をするから
きっとスポンジを奪うんだよ」
「奪うか、馬鹿にするな」
「分かった、ユズちゃんが嫌いだから
両手が使えない隙に首を絞めて殺すんだ…」
「殺すか! てめぇら俺をなんだと思ってる!」
「「ユズちゃんの敵」」
「…。」
結局テーブルを拭きに行ったファルコだった
「ありがとうプリン、ナナ」
「大丈夫、これくらいお茶の子さいさい!」
「ファルコさん、ちょっかいを出すのを早く止めてほしいね…」
「全くだよ…」
三人で仲良く皿洗いをしている途中
調理室に戻ってきたフォックスとファルコ
持っていた布巾とアルコールスプレーを定位置に置くと、やっぱりこっちにやってきた
「まだ皿洗い終わってないんだろ? 皿拭くくらいなら手伝ってやるよ」
「あー、大丈夫大丈夫、プリン達三人は最強だから」
「え? 最強…?」
「もうプリン…、分かり辛くしなくても…
私達で出来ますから大丈夫ですよ、それに結構手伝ってくれたじゃないですか」
「別に気にするな、俺達も暇なんだ」
そう無理矢理皿拭きに参加するフォックスとファルコだった
あたしとナナが皿洗いでプリンと乱入者が皿拭き
…あたしが動けないのを良い事に
やっぱりというべきか、側までやってきたファルコ
くそっ、またプリン達のお世話になりそうだ…。
「お前、毎日コレやってんのか?」
「…そうですね」
「おーい、鳥さーん、お前の居場所はそこじゃないぞー」
「うるせぇ、ちゃんと皿拭いてんだから何処に居ても良いだろ」
「皿洗い班と皿拭き班は違うぞ、プリン達三人は皿拭きを極めるんだ…」
「…前々から思ってたけど、お前って変わってるよな。」
そうなんともいえない目でプリンを見るフォックスだった…
「…おいユズ、…お前明らかに俺を避けてるだろ」
「!!」
「「!」」
出来れば言って欲しくなかった言葉に
答えを懸命に探すユズと、どうやって援護しようか悩むナナとプリン
「…まぁ、プリンから言わせて貰うと、それはお前の考えすぎだと思うが。」
「俺の考えすぎか?
…あからさまてめぇらは俺を遠くにやろうとしてる様に見えるけどな」
「お前の距離感とプリンの距離感は違う。
大体ユズちゃんだぞユズちゃん。気安く触れる様な存在じゃないぞ」
「てめぇも俺もフォックスも同じだ、何で俺だけが駄目なんだよ」
「…」
「…」
「…」
「答えられないって事は、俺に理不尽を押し付けてるって事だな?」
「違うぞ! 理不尽なんかじゃない!」
バーンと机に皿と布巾を置くプリン
吃驚して飛び跳ねると、隣に居たナナも同じく吃驚したのかスポンジを落とした
「決して不正ではない、正当な理由をもって行動をしている!」
「だったら言ってみろ、正しいなら言えるだろ」
「無理だ! 約束したからな!」
「はぁ?!」
実はプリン達と「ファルコがあたしを苛めてるっぽい」という事は
ファルコには言わないという約束をしました
何故なら「被害妄想か。」と言われるのが目に見えてるのです。
それとその後の対処が面倒くさいので言わない様にしたのですよ
しかし納得のいくわけのないファルコは急に不機嫌な声をあげると
そのまま皿拭き班の所に向かう
「風船がぁ、偉そうにして気にいらねぇな」
「フン、だったらどっちが正しいかナナに聞いてみろ」
「えっ!? 私!?」
最悪なパスが飛んで来ましたね…、ナナちゃん…
ちょっとあまりにも酷いパスなので、ここはあたしがキャッチしてあげましょう
「確かにファルコの事避けてますよ」
「!!」
「ユズちゃん…!」
「え? ユズ、お前ファルコを避けてたのか?」
「あたしがあんたを避けたって別に良いじゃない
あたしが何をしようとあたしの勝手だもの」
「やっぱり避けてたじゃねぇか風船!」
「だったら理由を聞け!
それは貴様がユズをいじめてるからだ!」
「えぇ!? ファルコ、お前ユズをいじめてたのか!?」
「いじめてねぇよ!」
「そう言うと思ったよ」
という事で再びシンクに積まれた皿と向き合う
「さっきも言ったはずだ、お前はユズちゃんの敵だと」
「うるせぇ、てめぇはもう良い」
皿と布巾をテーブルに置いたファルコ
そのまま此方にやってきた
「俺が何時テメェをいじめた」
「大乱闘でのあたしへの集中攻撃、つまみ食い、ゲーム妨害、DVDの強制終了
小学生の様な悪態、掃除中の掃除完了部汚し、あたしの私物の神隠し&破壊
部屋のコンコンダッシュ、いたる部屋の鍵の盗難、食材のすり替え等…」
「「「…。」」」
「…ファルコ、…お前やり過ぎだろ。」
「うるせぇ! フォックスには関係ねぇ!」
「最初は我慢したり適当に流したり出来てたけど、最近は面倒くさくて避けてたんだよ
だからあっち行ってよ」
「んだと!?」
「反抗期の鳥め! あたしが嫌いなら向こうへ行ってよ!」
そう奴の方を見ないでしっしと追い払う
「嫌いじゃねぇよ!! 俺がお前の事好きだって気付け!!」
「「「…」」」
急にそう叫んだファルコに吃驚して目を向ける
同じくナナもプリンもフォックスも、ファルコの方に振り向いた
それにしても身を乗り出した体勢の彼
その体勢…
相当本気で叫んだという事が伺えます…。
暫くその状態のまま無言状態が続くと、はっとしたファルコ
「…今の前言撤回」
そうボソッと呟いた。
しかしそんなんで納得するとは思えない奴がこの部屋には二人も居ます…。
「お前! ユズちゃんの事が好きだったのか!?」
「ファルコ! そうだったのか!?
なんで俺に言わなかったんだ! 水臭いな!」
「違ぇよ! 前言撤回って言ったろ!」
目を輝かせるプリンと急に尻尾を振り始めたフォックス
…こうなったら簡単には元に戻せません。
「なるほど! 構って欲しくてユズちゃんをいじめてたのか!」
「そうか! 確かにファルコらしいぞ!」
「うるせぇ!! 違うって言ってるだろうが!」
「それにしても手段が幼い!
男なら! もっとドーンと当たっていけ!」
「風船コラァ!! ぶっ殺すぞ!」
荒れ始めた皿拭き班
皿洗い班は何事も無かったかのように皿洗いを再開した
「…ユズちゃん、まさかあんな事を言われるなんてね」
「うん…、あんなに勢い良く言わなくても…」
「それで、どうするの?」
「別にどうもしないけど…、とりあえず今までと同じ様子見かな…」
「可哀想にファルコさん…
素直になれずユズちゃんにやってきた事のせいで、良い反応は得られなかったと」
「あたしはもっと大人な性格の奴が良いわ…」
「聞いたか焼き鳥! ユズちゃんが直々に好みを言ったぞ!
これはもうそれを目指して頑張るしかないな!」
「そうだぞファルコ! 名誉挽回のチャンスだ!」
「分かってるわ!」
いつの間にか和解していた皿拭き班の三人
プリンとフォックスはファルコの手を取って思いっきり振っている
「というかファルコさん、「わかってるわ!」って、前言撤回したんじゃないのかな…」
「もう知らん。あたしは知らん。」
ファルコの失言
「というかプリン裏切りかよ…。」
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