練乳とバナナ
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「なんか買い物したら、ガラガラくじのチケットを貰ってな
三回やったら全部5等だった。」
そうマスターはバナナ3房を調理台の上に置いた
これはカービィやヨッシーにあげればあっという間だけど、それは勿体無いなぁ
これはあたしのおやつにしよう。
マスターには「イチゴが食べたい」とイチゴのおつかいをお願いしました
でもイチゴとバナナを手に入れる事が出来ました。これはラッキーです。
イチゴを食べながら夕ご飯を作っていた所
お手伝いを依頼していたプリンとナナが調理室やってきた
「ユズちゃーん、お手伝いに来たよー」
「む? イチゴを食べているのか?」
パックのまま曝されているイチゴと練乳を見つけたプリンは
早速駆け寄ってきてイチゴを食べた
「つまみ食いとはけしからんな。」
「プリンも食べたじゃない…。」
「ん? バナナがこんなにも」
勿論、調理器具と一緒にぶら下げられているバナナ3房にも気付いた
「ユズちゃんはダイエット中なのか?」
「違うよ、マスターがガラガラくじで当てたんだって」
「三つも!?」
「そうらしい」
という事でプリンとナナもイチゴとバナナをつまみながら、夕ご飯作りに参戦した。
あたし担当のスープを作りながら、目を向けずにパックに手を突っ込んでイチゴを探す
…しかし見つからない。
目を向けるとイチゴは無くなっていた
「イチゴが無くなってしまった…」
「夕ご飯前にイチゴを食べすぎだろ。」
「でも果物だったら良いじゃない、お菓子じゃないんだから」
「そうかもしれないね…」
仕方ないので代用のバナナを食べる事にしよう…
これは何本も食べたら、いよいよ夕ご飯が食べられなくなるよ。
だから一つで我慢です…。
バナナを一本、むしり取ると同時に調理室の扉が開いた
「ユズー、今日の夕ご飯はなんだー?」
声を聞いてそっちに顔を向けると
そこに居たのはフォックスとファルコとウルフだった
暇なフォックスとファルコ、それと珍しいウルフ
何しに来たのかと思えば、とっても暇らしい
「暇なら手伝えニート共。」
「誰がニートだっ!」
「別に良いぞ、本当に暇だからな」
プリンのお願い(?)により動物三人組も夕飯準備に参戦。
分担制によりフォックスはナナと一緒に大鍋カレー作り
ファルコはプリンと一緒に大量のサラダ作り
ウルフはあたしと一緒にスープ作りです
でもスープは煮込むだけで終わりなので、ウルフには福神漬けの準備をお任せしてます
その途中、イチゴを確保するという汚い事をしていたプリンは、練乳を付けにやってきた
「鳥もイチゴ食べるかー?」
「お前夕飯前にイチゴ食ってんのか。」
「呆れながらも一緒にイチゴを食べてるんだから、プリンになんやかんや言えないぞ。」
「お前が渡したんだろ…」
「結局仲良いね、プリンとファルコさん」
「そうだな、見てて微笑ましい。」
「「うるさい。」」
シンクロ突っ込みを確認した後、むしり取ったバナナを思い出す
それを手に、次に目に入ったのは練乳
「そういえばバナナと練乳って合うのかな?」
「バナナ? 聞いた事ねぇな。」
「同じフルーツだから合うんじゃない?
イチゴもバナナも大分同じだよね。」
「…どうだかな。」
ウルフに尋ねてみたけど、彼も分からないそうです。
物は試しだ。と、早速バナナを剥いて練乳を手に取る
あんまり沢山つけるつもりは無かったから、ほんのちょっとだけ絞りだした所
突然ウルフに練乳を持つ手を握り締められ、そのせいで大量の練乳がバナナに降りかかった
「うわっ! ヤバイヤバイ!」
「早く舐めりゃぁいいじゃねぇか」
そう言われるよりも先に、練乳が零れ落ちないように口に含んだ
危なかった…。
危うく沢山の練乳を無駄にする所でした…。
しかし今度は間髪入れずにバナナを引き抜かれて、バナナをウルフに奪われた。
「美味いか?」
「分かるわけないでしょ、練乳しか味しないよ…。…ぶっ!」
今度はバナナを口に押し付けられた。
慌てて顔を反らすが口の周りは練乳だらけでベトベトする…
「あーもう! 何をするんだよー!」
「…。」
遠くに置いてあった使い捨てティッシュでそれを拭いている途中
「大丈夫?」と声を掛けてくれたナナ、とっても優しい子です。
その後、呆然とこっちを見ているプリンとフォックスに気がついた
ファルコはほっそい眼差しである。
「どうした?」
「…ユズちゃん、…ウルフと卑猥ごっこか。
よくも練乳とバナナで戯れられるな、プリンは感心するぞ。」
「…。」
その後、「言うんじゃねぇよ!心の中にしまっとけ!」と、ファルコはプリンを掴んで大きく揺らす
ナナはよく意味が分かってない様な表情をしていたが
フォックスが慌てて連れて行って「カレーは辛党の人も居るから…」なんたらかんたらと
ナナの隣について何も無かったふり…。
無言で自分の居た場所に戻ると、ウルフは面白そうに笑い出した
「うるさいよ…! 遠くへ行って…!」
「はん、別にいいじゃねぇかよ、こんぐらいのお遊び」
「他の四人を見た…? 酷い話だよ…」
「気付かず仕舞いだったお前が凄い良いわ」
気を紛らわせるためにスープをかき混ぜていると
福神漬け準備を済ませたらしいウルフが、例のバナナを持ってやってきた
「ほら舐めろ」
「誰が!」
「なんでだ、お前の好物だろ。
気の済むまで付いた汁を舐めりゃぁ良いじゃねぇか」
「嫌だって!」
「仕方ねぇ奴だな。じゃぁ俺様が直々に入れてやるよ」
「だー…っ! 静かにしててー…!」
なんかウルフが言うとサラッとしてて「下品だ!」って感じが無い
「上から」という感じもウルフと合ってて、より違和感も抵抗感も無い
…それがとても恐ろしい。
でもありがたい事に調理室には他人が居ます。それも四人。
それもあってあたしは呑まれる事も無いし
おっさんも畳み掛ける事をしないんでしょう。
ありがたや。
四人の存在がありがたや。
黙ってそのバナナを奪い、ラップに包んで冷蔵庫へしまった
「おいおい、何一人で楽しもうとしてるんだよ」
「おっさんはあたしをいじめ過ぎだ…!」
「はは、別にいじめてるつもりは無ぇけどな」
「笑ってる時点で絶対いじめてると思ってるし…。」
「というかお前が人目を気にせず練乳バナナの話をするのが悪い。
天然だか気にしない性格だか知らねぇが、今後は気を付けるこったな」
「…」
誰もそういうつもりで練乳バナナの話をしたんじゃないのに。
イチゴを全部プリンに奪われたから
バナナを食べようとして、たまたま練乳があったから合う合わないの話をしたのに…。
こんなんだったら気軽に話しかける事も出来ないよ
自分じゃ気付かないだろうし
どんな小さな事も卑猥方面に探し捉えてしまいそうだ。このおっさん。
練乳とバナナ
「という事であたしはウルフに話しかけるのを止めました
そうすればこういうつまんない事にならない!」
「早速話しかけてるじゃねぇかよ」
「…。」
その言葉になんの反論も出来ずにただスープをかき混ぜ続けた
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