あけおめ
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「そば美味しいー」
「おかわりあるからねー」
今現在は23:30
でも皆は食堂に集まっていた
そうです、今日は12月31日
この日に限っては何時まで起きてても許されるのです。
年越しそば作るから食べたい人は好きな時に食堂に来てねと
プリン達と食堂のテレビを見ながら過ごしてたら、どんどん集まってきた
そばを用意した時は、半分くらい余るのでは? と思っていたけど
おかわりする人が多々居るので、思ったより無くなっていってます
そしてまた三人、あたし達の蕎麦屋にやってきた
「蕎麦はまだあるー?」
「いらっしゃーい! まだやってるよー!」
「冷たい蕎麦と温かい蕎麦があるけど」
そう手書きのメニューを取り出して動物三人組に見せる
「随分と本気で作ってるな…」
「今日のプリン達は蕎麦屋だよー」
「ちょいちょいうどんっぽいメニューがあるのが気になる…」
「食べたい物を見つけてもらいたいから、品は多い方が良いと思って」
「…ちなみに値段が書いてあるって事は、お金を取ってるのか?」
「今日はサービスで無料だよ!」
「だったら値段なんて書くなよ…。」
あたし達お手製のメニュー表は、お店のお品書きに負けず劣らず真面目に作ってあります。
しかもラミネート済み。
「じゃぁ俺は狐蕎麦―、温かいので」
「狸蕎麦、俺も温かいので」
「俺様は温かい肉蕎麦」
「かしこまり! 大体5分から10分待ってろよー」
やたら元気なプリンは、ナナに「店番を頼む」と言って調理室に飛び込んでいった
何時まで経っても調理室に向かわないあたしとナナを見たフォックスは首を傾げる
「あいつだけで大丈夫なのか?」
「うん、三杯くらいだったら大丈夫」
宣言通り五分くらいで帰ってきたプリンは
三つの温かい蕎麦が乗ったトレーを持っていた
「へいお待ち! これは糞鳥の狸そば」
席についた動物三人組
プリンはファルコの席に狸蕎麦を置いた
「へいどうも。」
「ファルコ、お前糞鳥と言われてキレないとは…」
「はい狐蕎麦と、肉蕎麦」
「サンキュー」
「ありがとう」
実は最後のご来店客だった動物三人組。
他の方々はそれぞれ思い思いの席に座り
食べている者あれば、食べ終わって仲間と喋っている者も居る
最初に此処にやってきたあたし達が何時もと違う席に付いた所、流れで皆は何時もの席とは違う席に座り
その結果あたし達の使っていたテーブルに動物三人組が仲間入りした
あたし達三人は冷たい蕎麦を食べる
途中プリンがゲップした…。
「何でゲップすんだよ…!」
「だってお腹いっぱいで…」
「プリンは既に温かい蕎麦二杯食べたからね…」
「球体の癖によくそんなに食えるな…」
「うるさい。カービィだって同じ球体だろうが。」
向かい合う様に座っていたプリンとファルコ
糞鳥の件では喧嘩をしなかった
更にこの口論も喧嘩に発展しない…
「犬猿の仲と言われたこの二人に一体何があったのか。」
「大人になったんだなファルコ。」
「大人になったんだねプリン。」
「「うるさいっ!」」
漫才臭い四人の馴れ合いを見ながら冷蕎麦を啜る
するとブルッと身体が震えた
「うぅ冷たい…」
そう隣のウルフの肉蕎麦をこっちに寄せる
「おい…。」
「スープだけ…、スープだけ…」
自分のレンゲで美味しいスープを啜る
流石三人特製のかけ汁だ…、我ながら美味しい。
何杯も何杯もスープを飲んで、口の中を温めていると
食べ物を奪われていたウルフは、あたしの冷たいつけ汁を取ると冷蕎麦を食べ始めた
「…蕎麦はやっぱり冷たい方が良いな」
「やっぱりそう思う? あたしも蕎麦は冷たい方が好き
でもさっきは寒くなった…。」
「何でだよ…、この部屋温けぇだろ…」
「あたし今日冷そばしか食べてないんだよ、二杯とも。」
「食い過ぎだろ…。」
ついでに美味しそうな肉も食べて、ウルフにどんぶりを返した
「おいおい、俺様の肉」
「持ってくるよ、ちょっと待ってて」
あたしとウルフの分という事で
お茶碗にたっぷりと肉を入れて席に戻る
あたしはついでにかけ汁も持ってきた
「ほら肉。」
そうウルフの蕎麦の上に肉を半分くらい乗せる
それでも残されたあたしの分の肉は、中々の量である。
「お前、残りの肉本当に食えるのか…?」
「大丈夫大丈夫。
あたしも温かい蕎麦を食べる事にしました。」
冷たい蕎麦を温かいかけ汁の中に投入して、残りの肉を乗せる
…しかしウルフの言う通り、なんだかどんどん食べきれない様な気がしてきた。
「やっぱりウルフに少しあげよう。」
「あぁ?」
蕎麦食ってる途中だが、ウルフのどんぶりに肉を投入する
「だから食えるかって聞いたんだよ」
「すまんすまん、じゃんじゃん食べてくれい」
「しょうがねぇ奴だな…」
「流石ウルフ、優しい」
「おーい! 何いちゃいちゃしてるんだー!」
突然隣に座っていたプリンが怒り狂うと
空っぽになったどんぶりを引っくり返した
大丈夫、どんぶりは割れてない。
「うわっ、どうしたプリン」
「年越しという大事な日に! お前等は何イチャイチャしてんだ!」
「イチャイチャしてないし…、ねぇウルフ?」
ウルフの方を見ると、彼は無言でプリンの方を見ていた
それもなんとも言えない、鋭く刺す様な眼差しで。
「正直すまんかった…。」
プリンはそう呟くと、ひっくり返したどんぶりを戻した
テレビに映った番組で、来年へのカウントダウンが始まる
一緒にカウントダウンを楽しむヤンガーズやおっさん・怪獣組
微笑みながらテレビを見ている美女ーズ、剣士ーズ
変わってユズとウルフはカウントダウンに参加しないで
仲良く蕎麦の肉を分け合っている
「うわーん! リア充なんて爆発すれば良いんだー!」
それを見たプリンは泣きながら隣のナナに飛びついた
「まぁまぁ、ユズちゃんはユズちゃんで自由にさせてあげれば良いじゃない」
「こんなの見せ付けられて、プリンはどうすれば良いのか…!」
「おいおい…、わーわー言ってる間に年越したぞ」
「わーい! あけましておめでとうー!」
「切り替えが早いねプリン…。」
「昨日の事は昨日の事、今日は今日だ。」
そうプリンはナナの手を取って握手した
皆があけおめ、あけおめと騒いでいる
それに気付いて時計を確認すると、0:00を過ぎていた
「あら、年を越したっぽい」
「あぁ?」
ウルフが時計を見ている隙に肉を自分のどんぶりに移す
意外とまだ食べれそうなのです。
すぐに気付いたらしいウルフは自分のどんぶりに目を戻す
「おいてめぇ、肉取っただろ」
「まさか」
「明らかにお前の肉増えてるだろ」
「そんな事はどうでも良いんだよ。それよりあけおめ、今年もよろしく」
「あぁあぁ、よろしくよろしく」
そうウルフはあたしの頭をバシバシ叩いた
「だー! やっぱりリア充なんて嫌いだー!」
「あ、プリン、何処へ行くの」
別に大した事なんてしてないとあたしは思うけど
見てられないとプリンは何処かへ走り去っていた。
彼女もまだまだ子どもですね
あけおめ
「よしファルコ、プリンと付き合え。そうすればプリンもファルコも安泰だ。」
「何でだよ!」
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