それはきっと蜂蜜味
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現在は数少ないで女性陣集まって女子会っぽいものを開いています。真夜中0時を迎えそうな時間の事です
時々此処を覗き込む輩を確認しながら、皆の話の聞き役だったぽいナナとお喋りを開始
プリンやピーチやデイジーはヒートアップしているので放置で構わないでしょう
「あたし唇カサカサなんだよね…」
「何かあったの?」
「いや…、ただ手入れを怠ってるだけだね」
食べ物飲み物と一緒に無造作に置かれていた持ち主不明の鏡を借りる
自分の唇を確認するとまぁまぁ乾燥している
「それに代わってピーチとかロゼッタとか…、プルプルじゃないですか…。」
止め処無く汚い言葉を発しているあの唇はとても美しい。
「なんか良いアイテムは無い物かなー」
「とりあえずリップクリームとかグロスとか、なんでも良いから長く頻繁に付け続ければ良いんじゃない?
手入れに間隔を置くのがダメな気がするけど…」
「そうかな…?」
そう言われたら否定出来ません
気合入ってない所か、あんまり気を使ってないものです
「あぁ、だからおっさんはチューをしてくれないんだろうな…。なるほどあたしに非があったのか…」
「いや…、それはちょっと違う気もする…」
「そりゃぁカサカサな唇にチューをしようなんて、そう思う男なんて居やしませんよ。」
「うーん…。
(カサカサなのもあると思うけど、そういう良い雰囲気の時にユズちゃんは気付かず普段みたいな接し方をしちゃうから、ウルフさんは手を出せずに居るんだと思うよ。
彼は「空気読めよ!」って思ってると思うよ。)」
「まぁ良いや、あたし明日ちゃんとした物を薬局で買ってこよう」
「まぁそうだね。ちゃんとつけるんだよ? 渇いてからじゃ遅いんだから」
という事で翌日、早速マスターと一緒に薬局に飛び込んだ
まぁまぁ値段の良いハニーリップ美容液という物
それとこれもまぁまぁ値段の良いリップグロス
店一押しの二つでしたので、二つとも買ってしまいました
早速リビングでナナとプリン、二人同伴の元で使ってみる。
先に使ったのはハニーリップ美容液…
するとどうでしょう…!
すっと馴染んだ蜂蜜風味のそれは、唇に何故か突っ張り感をくれた
「蜂蜜を塗ってる様にしか見えない…」
「なんか唇が変だわ…」
「どうした? 合わないのか?」
「いや…、初めての感覚だ…」
でもすぐにその突っ張り感も無くなった
鏡を見ても、流石にすぐにはプルプルにはなっていない
「なんかもう無くなった感じ。」
「ユズちゃんの唇が餓えてて、素晴しい栄養が来たから
あっという間に吸収されたんじゃないのか?」
「そうなのかな…? 使った感じは悪くは無いけどね…」
プルプルではないが、しっとり感はあるので
効果が無いというわけではないな
これは夜、たっぷり塗ってお休み係りになるかもしれない。
「それに美味しい。」
「食べ物じゃないぞ。」
一つ目のものをテーブルの上に置いて
今度はもう一つのグロスを手に取る
鏡を見ながらそれを使用
「二つ共香りが似ているな…。」
「同じ匂いなら重ねても大丈夫でしょ?」
「重ねる前提なのか。」
「早く乾燥唇からさよならしたくて」
付け終わって唇を合わせる
馴染ませた後に再度確認…
「これは良いな」
「良いのか?」
「なんか全然ベタベタしないし、でもツヤはあるし」
でもさっきのと比べると、浸透感は無いな
でも使い心地は文句無いし
塗った後の唇はぱっと見プルプルだ
「全然見違えたよ…!」
「後はちゃんと毎日、手入れをする様にな」
「あたしは素晴しい二つを手に入れた気がします
ベースは蜂蜜、その上にグロスパターンだな」
「贅沢だ、全く持って贅沢だ。」
「それに両方とも食べても大丈夫だし。
それにしてもあの蜂蜜の方はずっと塗ってたいわ…、美味しいんだもん…」
「食べる前提で塗るんじゃない。」
ナナが「ちょっと私も塗ってくる」と、プリンと一緒にリビングを出て行きました
二人のお帰りを待っている間、鏡を前に蜂蜜を塗りたくる
幾ら塗ってもすぐになくなる不思議。
そして仕上げにもう一つのグロス
このしっとり感とツヤ、そしてプルプル感
誰が見ても良い唇と言うだろう。
まぁそれは毎日繰り返して、手入れの努力をしたら得られる物だって分かっていますがね
今日のこの素晴しい唇は一時的な物でしょう
リビングの扉が開いたのでそっちを見ると
プリンナナではなくおっさんだった
「お前、こんな所で一人何してるんだ?」
「あぁウルフ…」
二人じゃなかったけど、まぁ問題は無い
早速、側に座り込んだウルフに唇をアピールした
「実は昨日ナナに唇がカサカサ問題を話してさ、唇正常化を始めました」
「…ふーん」
「さっき買い物行って買ってきたんだけど、二つ共素晴しい物でして…」
「…良い匂いがするな」
「でしょ? ハニーで統一したの
だから二つ重ねても違和感ないし、美味しいし」
「食べれるのか?」
「うん…、両方ともうっかり食べても大丈夫って書いてあったから…」
話し込む二人の部屋の外
戻ってきたプリンとナナはリビングに入ろうとしたが
ガラス越しに見える部屋の中、ウルフとユズが蜂蜜とグロスを前に仲良く話しているのを発見して、ナナは取っ手から手を離す
そして気付かれない様に左右に別れて隠れる
「おいおい…、何時の間に良い感じになってるんだよ」
「吃驚した…、本当、何時ウルフさん来たんだろう…」
二人は耳を済ませると、聞こえてくるのはやはり二つのアイテムと唇の話
「これはおっさん…、念願のチューのチャンスだな…」
「ウルフさんは今まで、何回チャンスをユズちゃんに踏み躙られたか…」
「頑張れ狼…、プリンは応援してるぞ…」
鏡で自分の素晴しい唇に見入る
これは二つとも手放せないですね
鏡越しに確認できたウルフも、あたしの唇を見ているっぽい
「…その唇美味しそうだな」
「でしょ? ウルフにも貸してあげるよ」
そうテーブルの上にあった二つのアイテムをウルフの側まで近づけた
「違うだろ…!
そこは無言でおっさんの方を向いて、見つめるだけだろ…!」
「本当…、それだけで良いのにね…」
二人の会話とやり取りを見ながら悶々とするプリン…
それと寂しい目で二人を見守るナナ…
「…いや、…いい」
「そう? 美味しいのに。」
「俺様が塗っても良いか?」
「ん? まぁ良いけど…」
「おぉ…! 諦めず果敢に攻めるおっさんに乾杯…!」
「これは流石にユズちゃんも悟るでしょう…」
「…」
「…」
ウルフに言われて、早速グロスの方を塗ってもらう
なんかこんなに近くでウルフの顔を見るの初めてかも。
…そして顔に触ってもらうのも初めてかも。
ちゃんと塗ってくれてる様で、またあのグロスのカバー感が戻ってきた
静かな中、ゆっくりとグロスは唇から離された
早速ウルフから離れて鏡で出来を確認する
相変わらず素晴しい唇だ。
「何故すぐに鏡に飛びつくー…!
確かに良く出来た唇だから見とれるのは分かるけどー…!」
「置いてけぼりのウルフさん…、可哀想…」
「お前…、真面目に怒るぞ…。」
「えっ!? なんで?!」
鏡を見ていた中、突然のウルフの発言に吃驚。
「怒るって…、あたしが何かした…?」
慌ててウルフに飛びついて事情を聞こうとしたが
ウルフは口を閉じたまま…
「ユズちゃんは馬鹿なのか…。本当に分かっていないのか…?
紳士にユズちゃんの了承を得てからと、機を窺ってるおっさんが可哀想だ…」
「ウルフさん、もう襲っちゃえば良いのに…。」
「…ナナがそう言うんだから、事態はとても深刻だ。」
呟きあうプリンとナナの目の前
ナナの言葉が届いたのか
ウルフは一瞬でユズの首を掴んで床に沈めると、そのまま身体を重ねた
「うわっ…! マジで襲った…!
クソッ…! おっさんの背中しか確認できないなんて…!」
「何をしているかは見れなくても良いんじゃない…?」
「いやいやいや…! 見たいじゃないか…! 興奮したいじゃないか…!
あの動き…! 生々しい…! きっと激しいキスをしているに違いない…!」
「ハイハイ。
とりあえず見つかったら怒られるよ…、図書室に行こう…」
「いやだー…!もっと見たいー…!」
大興奮で扉の中をガン見するプリンの手を引いて歩き出すナナ
引きずられている感じのプリンは駄々を捏ね始めた
「後でユズちゃんに聞けば良いじゃない、ついでに感想も」
そうナナが振り返り、暴れるプリンを諭す
するとプリンはスタッと立ち上がり、美しい歩みを始めた
「そうだな。その通りだ。」
「あっさりだね…。」
そしてナナの言う通りに図書室に向かう二人だった
それはきっと蜂蜜味
「ユズちゃん! 血まみれじゃないか!?」
「いやね、ウルフが「今までの気持ちを全部ぶつけてやるよ」って
めちゃくちゃ噛みついてきてさ、ははは」
「笑い事じゃないよ、それ。」
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