ウルフとお友達
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「ねぇねぇ、好きな人に言われたら堪らんって言葉ある?」
「うーん…、そうだなー…」
プリンとナナとあたし、三人で図書室で本を読んでいた所
突然プリンがそう言った
「私は無いかな」
「えぇ? 無いとかありえないだろ
例えば「君の瞳に恋してる」とか。」
「なんとも思わないかな…」
「いやいや多少は思うだろ!
「キモい」だとか! 「ウザい」だとか! 「つまらない」だとか!」
「マイナスの思いで良いの…?」
「ユズちゃんは無いのか?
ウルフに言われたらぶっ飛ぶ様な言葉」
「なんでウルフなんだよ…」
「だってウルフの事が好きじゃん」
「うぅ…」
反論出来ぬ己が許せない感じですが、事実は事実
プリンとナナは知っていますが、他の方は知らないこの話
遠くからあたしはウルフの事を好いてるわけです
プリンは「もっと近寄れ!」とうるさいわけですが
「自分で何とかするから」と叩き潰してます
こんな残念なプリンですが
「絶対に秘密にしてね」と言った所、マジで秘密にしてくれてる様子
一回プリンがピーチにあたしの話の事情聴取をされたらしいが
「ユズちゃんの好きな人は二次元のキャラだ、目を覚ませと言っても駄目だ」と言って流したらしい。
ちゃんとやる時はやるプリンだったりする
「むやみにそういう事言わないでよ…、誰か聞いてたらどうするの…」
「スマン…、怒らせるつもりは無かった…」
「でも確かに誰か聞いてたらまずいよね…」
ナナは音も無く図書室を回ると「誰も居ないみたいだけど」と言った
「でも例えばユズちゃん、奴になんて言われたら堪らんってなる?」
「堪らんって…」
「ドキがムネムネする事だよー!
例えば「俺から逃げられると思うなよ?」とかさー!」
なんであんたが興奮してるんだよ…
テンション急上昇したらしいプリンは物凄い張った声で叫んでいた
「だーかーらー、そんな大声で叫んだら、誰が聞いてるか分からんでしょう…!」
「す、すまん…」
その瞬間、ガラガラと図書室の扉の開く音がした
「危なかったじゃないかプリン…」
「うむ…、なんとかタイミングがずれて良かったな」
とりあえず訪問者は誰だろうと様子を伺うと、なんとウルフさんじゃありませんか!
「うわ、噂をすれば」
「こら、プリン」
「あぁ? 俺の何の話をしてたんだ?」
「しっかりと聞かれてるじゃないか…」
「大した内容ではない!
ウルフはおっさんだが、イケメンだという話をしていたんだ!」
「嘘言うんじゃねぇよ、んなの信じられるか」
そう言いながらも大して興味が無いのか、雑誌が並べられている所に向かうウルフ
そこの雑誌を手に取るとそのまま図書室を後にした
扉の閉まる音を聞いて、三人で顔を合わせて頷く
「ふぃ…、ちょっと吃驚したなー…」
「まさか本当にウルフさんが来るなんてね…」
「まぁ別に悪口言ってたわけじゃないけども」
「うむ、ユズちゃんが狼氏に言われたら堪らん言葉の研究だ」
「そんな研究してないでしょ…」
「それにしてもユズちゃんって好きな人の前でもいつも通りだよね」
「ん? どういう事?」
「え、だからウルフさんの前でも緊張しないというか…」
「いやいやところがナナちゃん、そうでもないのよ」
とりあえずウルフを目の前にしたあたしは緊張にまみれている。
「嘘、全然余裕そうだったけど。」
「そりゃさっきはね、別に会話するわけじゃなかったんだから
面と向かってなければ大丈夫さ」
「まぁ確かに。でも心は強いよユズちゃん」
「おいおい、話がずれてるぞ
本題は「なんて言われたらムネがキュンキュンする」かだろ」
「それはプリンだけでしょ」
「今すぐ狼野郎を呼び戻して色んな言葉を言わせてやろう」
「いいよいいよ、あんたウルフに引き裂かれるよ…」
というかあたしの事を知らないウルフにそんな事しろって
ウルフからしてみればわけわかんないでしょ…
「確かにわけわからんな。
だがユズちゃんをからかうのは意外と楽しいと思うかもしれんぞ」
「ウルフ主観の事がなんであんたに分かる。」
「わからん…」
「…まぁどうでもいいけど、この事は内密にお願いしますよ
なんか誰かに知られたら周りの野郎共の取り扱いが面倒臭くなるし、ウルフにも申し訳ない」
「ただ好きになったというのに迷惑をかけるとは…、恋愛とは難しい…」
「正直プリンみたいに無駄に熱を入れる人がいるから、そうならざる得ない感じだと思う。
皆優しく温かい目で見て、放って置くのが一番良いと私は思う」
「ナナ、よく言ったよ」
まったく持ってナナの言う通りだ
プリンの様な騒ぎ立てる人が居るから、恋愛がし辛くなるんだよ
そういう奴がいなくなれば、皆自由にのびのびと恋愛が出来るのにさ
…って別に自由にのびのび恋愛する気は無いんですが
「まぁどうでもいいけど騒ぎを起こすな、あたしはのんびり過ごしたいんで」
「でももしも狼野郎がこの話を聞いていたら、なんて言うんだろうな…」
「やめてよ…、今までの遠い距離が一番心地良かったのに…」
「分かる。分かるぞ。遠い距離が一番楽なんだよな
だがそれが幸せかどうか疑問だな。やっぱり告白しろ、今すぐ」
「無茶言うなよ…、ウルフにご迷惑が…」
「何を言う! 告白されて迷惑に思う奴がいるか!?」
「それは人それぞれ…」
「やはりプリンからウルフに伝えるしかないな」
「おいおい、止めてくれよ」
その瞬間、図書室の扉が開く音が聞こえた
「あら? ウルフ、こんn…
聞こえて来たのはピーチの声
しかしピーチの声は途中で途切れた
「ピーチ? …ウルフがどうって?」
ナナの呟きを聞いて、なんかドキドキしてきた
…もしかしてピーチの目の前にウルフが居るって事ではないよね?
「おおk…
プリンが扉の方へ向かって少ししたら
プリンの謎の声が聞こえてきた
これも途中で途切れているわけです…。
…これはもうそこにウルフが居るという事に違いは無い
ナナと一緒に図書室入り口に向かうと
今まさに、ピーチとプリンと雑誌を抱えて勢い良く部屋を出て行くウルフを目撃した
「…。」
「…。」
「…ナナ。」
「…ユズちゃん。」
しょんぼり状態でナナと二人きり、図書室に引きこもる
「まさか本当にウルフさんが図書室に残って私達の話を盗み聞きしていたなんて…」
「あぁ…、あたしもうウルフさんと付き合っていけないよ…」
「大丈夫でしょ…
これでウルフさんの方が避けてきたら、願い下げという事で」
「流石ナナ! 頭良い!
でも問題はウルフじゃないんだよ…」
「?」
「ピーチとプリンだよ…」
「…あぁ、…大問題だね。」
ウルフとの今後はどうとでもなるんだけど
あのピーチとうるさいプリンが、あたしがウルフを好きという事を聞いたウルフに誘拐された
プリンはあたしがウルフが好きだという事を知っているし
ウルフがそれを盗み聞いた事も知った。
それであの風船が何か仕出かさないわけが無い
そして更にピーチも事情を知るだろうという、最悪の展開…
「桃色ハーモニーがあたしを苦しめるんだ…」
「大丈夫大丈夫…、マスターになんとかしてもらえば…」
「それはあくまでも最終手段だよ…」
「どうしても今までの遠い距離が良いなら、面倒くさそうになった時
「これからも今までの様に遠くで好きで居てもいいですか?」ってウルフに聞いてみたら?」
「うわ…、あたしには出来ない…」
「そうじゃないとプリンとピーチのハーモニーにやられるよ…。
遅かれ早かれフォックスさんも参加する事になりそうだし…」
「被害は最小限に抑えたいあたしには痛い話しだな」
「だからプリンに何を言われようとも、ピーチに何を言われようとも
ウルフに何を言われようとも、答えはこれにして防御を取らないと…」
「…本当にあたしの味方はナナだけだよー!!」
愛すべきナナの為に、あとでお菓子を買ってあげよう。
…本当にあたしの事を理解してくれてる子だよ、まったく。
「あ、でもウルフさんも満更じゃなかったら、付き合ってみても良いと思うよ」
「あぁー! そういう刺激の強い事言わないでー!」
「えぇ…? そこまで私凄い事言った…?」
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