vsランニングチョコレート
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「ぎゃぁあ!!」
出たぁあ!調理室に出たぁあ!
あまりの衝撃に料理そっちのけで調理室を飛び出した
食堂には誰も居ないので隣のリビングに飛び込むと
丁度良く沢山の人がマリオパーティをしていた…
「ん?ユズさん、如何したんですか?」
「うぉっちぃぃ~…、出たんだよ~…」
一番近くに居た(平面だが)ゲームウォッチに飛びつく
「騒がしい奴だな…、何が出たんだ?」
「ら、ランニングチョコレートが…」
「は?ランニングチョコレート?」
「お前、頭おかしいんじゃないのか?」
「うるさいなぁ!鳥の分際で!」
「なっ…!」
よく突っ掛かってくる鳥は無視。
今は相手をしている場合ではない。
「どうしようウォッチ…!みんなのご飯が狙われてんだよ!ゼッタイ…!」
「誰にですか?」
「『G』だよ!『G』!
あの虫なのかよくわからんやつ…!」
「あ、あぁ…、ゴキブリの事ですね…」
「ランニングチョコレートとか、分かりづらくするな…、お前」
「ウォッチ~…、撃退してよ~…
今度見たら鍋に浮いてましただなんて耐えられないですよ…」
「…そんな事言わないで下さいよ、夕ご飯食べられなくなっちゃいますよ…」
と、いう事でウォッチを連れて調理室に向かう
「何処に出たんですか?ゴキブリは」
「そこの棚の前だよ~…」
「えぇ…?」
暫くその棚の前や隙間を行き来して存在を確認するウォッチ…
「居ませんね…」
「嘘ぉ…!?」
「一応此処らへん確認したけど…、居ませんでしたね~…」
「…。」
という事で再び、1人で調理開始…
さっきのGの件があるのでずっと緊張モードです
もしも皿を取ろうと棚に近づいた時、目の前に現れたら…
もしもスープかき混ぜてる時、Gが浮いてきたら…
もしもお玉落として拾おうとした時、手に乗ってきたら…
…震えが止まらん。
「もう今日の夕ご飯は諦めて、出前にしようかな…」
素晴しい案だな、とそっちにしようか真剣に悩む。
使い終わった調理具を水道の方へ持っていく途中
床に居たあのランニングチョコレート…
「ぎゃあぁああぁ!」
そして皆の居るリビングに飛び込んだ
「またですか?」
「居たんだって!あの大きさは大人のランチョコですよ!」
「本当に騒がしい奴だな…」
「むっ…!ご飯作ってやってんだから文句言うな!
そんなに文句言うんだったらあんた達のご飯に捕まえたGを粉々にして混ぜてやるから。」
正直お亡くなりになったGですら、ろくに見れたもんじゃないですが…
「止めろよ!」
「じゃぁランチョコを何とかしてよ~!!」
そうウォッチの首を掴んでブンブン振った
「本当に居たのか…?」
「今度は水道付近ですよ…」
1人よりも皆で探した方が早いという結論に至ったらしいので
皆で探してくれています
あたしは部屋の隅っこの方で見守る
暫くするとファルコは声を上げた
「見つけたぞ、こいつだな」
するとブラスターを乱射する…
「そんなにしなくても…」
「別に良いだろ、タフなんだから、こいつ等は」
「本当だ…、あんなに撃ったのに粉々になってないですね…」
集まって固まる皆の中で、しゃがむファルコ
再び立ち上がるとその手には何やら黒い物体…
それに気付いた瞬間、無意識に目は他の方へ向く
…まったく、男ってのはよくまぁあんなのを素手で掴めますな
感心するよ…、強いですね、本当に。
いや、でも分かってるんだよ
あのランチョコにも命という物はある
汚いからって怖いからってそれだけの都合で殺すのは良くないってのは分かってる
でも!どうしても彼らだけは無理なんです…
「ユズ、ユズ」
「ん?」
視線は反らしているが、視界の端の方で近寄ってくるファルコを確認した
なにやら腕を前に出して近寄っている所を考えると
絶対ランチョコを持っているに違いない。
急いで逃げてクッパの後ろに隠れる
「待て、逃げるんじゃね~よ」
「何で追いかけてくるのさ!」
「ほら見てみろよ、お前の言ってたランチョコ捕まえたぞ」
「分かったから外に捨ててよ~!」
どうしても奴を見せ付けたいらしく、しつこく視界に入ろうとする鳥…
視界に入れるのも避けたいのに何で見せ付けようとするんだ!
「ファルコ、その辺にしとけよ…」
「そうですよ…、ゴキが可哀想ですよ」
「あたしじゃないのかよ!可哀想なのは!」
皆の間を駆け回って何とか奴との距離を保つ しかし隙を付かれて捕まった
「よし捕まえた~!ほら見てみろよ~!」
「ぎゃぁあ!!離してよ~!」
捕まっても目を瞑って逃げる勢いで走り続ける
「騒がしい奴だな、ほら」
「!!」
グイッと後ろに引き寄せられると、頬に何か当たった
その大きさ、温度、刺々しさ…、それはまさしく奴の手に持ってたやつ
「やあぁああ!!」
「うっ…!」
勢い良くファルコを押し返すと視界に入ったランチョコ
押されて倒れるファルコの手から離れると、そいつはあたしの服の中へ入っていった
『!!』
「ユズちゃん!」
「これは流石にまずいぞ!」
「うわあぁあ!!」
恐怖に一気に涙が溢れてきた
服の中違和感、我を忘れて壁に体当たりをする
「マスター!!助けてぇえ!!」
「どうした!」
扉を破壊して調理室に入ってきたマスター
「服の中にゴキブリがぁ!!」
「任せろ!」
マスターが指パッチンをすると、一瞬にしてユズの服が変わった
まだ必死に暴れるユズの前で
マスターは掌の上のさっきまでユズが着ていた服を見せる
服の隣にはひっくり返ったゴキブリが居た
「はぁ…、はぁ…」
「これでOKだな、違和感は無いだろ?」
「うん…」
やっと暴れるのを止めて肩で息をするユズ
「ありがとうマスター…、本当にありがとう」
「気にするな、…本当にピンチだったお前を見た気がする。」
「うん…」
涙を拭うとマスターに頭をツンツンと突かれる
その後マスターは壊れた扉から出て行った
「…」
「だ、大丈夫ですか?ユズさん…」
心配してくれてるのか、ウォッチが歩み寄ってきてくれた
でも、あたしの爆発的に湧き上がった怒りは治まらない…
皆の方を振り返らず、何にも答えず、そのまま調理室を後にした…
ウォッチは悪くない、クッパも悪くない、フォックスも皆悪くない
…悪いのはあいつ1人だけだ
あの後マスターと一緒に買い物に行った、夕ご飯の買出しです
ちょっと欲しい食材があったので
夕飯前、わらわらと集まってきた皆
集まる前に準備は終わっているのが殆どなので大体皆は来た順で食べ始めます
そして例の奴が来た…
「…俺のご飯がねぇぞ。」
「…」
後の方にやってきたフォックスとファルコ…
フォックスを含める他の方の席にはご飯を用意しましたが、ファルコの所には何も無い…
「ユズちゃん、どうしてファルコさんのご飯は無いの?
…まさか喧嘩したの?」
「…」
あたしの近くに座っていたナナは心配そうにあたしに尋ねてきた
別に用意してない事は無いです
ちゃんと彼のご飯も用意しましたよ、もちろん
何にも言わないで近くにおいて置いたパーティ用の大きな皿を抱えて奴の席に運ぶ
この皿には蓋が掛かってるので中は見えない様になってます
「どうぞ!」
勢い良くファルコの前にその大皿を置く
「…。」
その後すぐ蓋を乱暴に取り去ってやると
隣に座っていたフォックスの息が止まった
「どうぞ召し上がれ!」
そう機械的に言い捨てて、フォークが大量に刺さった殆ど生前の形が残っている
こんがり茶色の七面鳥の首にナイフをぶっ刺した
「…。」
蓋は洗い場行きの箱に入れてから自分の席に付く
「…ユズちゃん、やっぱり喧嘩したの?」
「してないよ」
「じゃ、じゃぁなんでいかにも恐怖込みな物を…」
「まぁ…、どうでもいいじゃない」
フォークまみれの鶏肉をただじっと見ているファルコに
「俺のご飯と交換してやるよ」と皿を交換するフォックス
事情を知ってる人は気まずそうに
事情を知らない人は半分恐怖半分疑問そうにご飯を食べていたそうだ
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