濡れる女達
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とある夜、ピーチに大乱闘を誘われた
男性VS女性で大乱闘するのが最近ブームらしくて、あたしを誘ってきたらしい
ちなみに対戦相手は「お相手」だというので、あたしの場合はウルフが敵に居る事になりますね
ピーチ、ゼルダ、サムス、あたしvsマリオ、リンク、ファルコン、ウルフという感じだ
「というかどうしてあたしなの?」
「何時も同じメンバーでやってたけど、たまには違う人をってね」
ウルフは快く引き受けてくれたので、ピーチの希望は叶いました
大戦場での4対4ですが、ちょっと気になる事がありまして
あたしは近くの敵に攻撃をしてるのですけど、明らかにピーチ達はウルフを避けている。
これはあれですね、ウルフが嫌いとかじゃなくて
クローブラスターのせいで近寄れないから、他の人を狙いに行ってるんだと思う。
群衆を追いかけてるウルフが、それはそれは可哀想で笑える…。
今回はベヨネッタスタイルで来ていたのでヒールスライドで、飛び込んできていたウルフを遠くへ追いやった
「退屈だわー、貴方なら私を楽しませてくれるかしらー?」
ちなみにこういうのはそのキャラのイメージを守る為にやってます
今回で言うとあたしはベヨネッタなので、大乱闘中はベヨネッタになりきるのです!
…顔はそのままのだけども。
軽く吹っ飛んだウルフは笑っている
ぶっちゃけピーチ達がウルフに突っ込んでいく事はないだろうから
邪魔はしてこないでしょう。
「ははっ、なんだよ折角の交流戦じゃねーのか?
これじゃ何時もと同じじゃねーか」
「貴方が可哀想だからよ、ウフフ」
振るってきた爪攻撃を蹴りで弾き、追撃の蹴りを入れたけどかわされる
捕まれそうになったけど緊急回避して、足払いをしたけど空中に逃げられた
「それにしてもお前はなんで、キャラ変すると口調も変わんだろうな」
「一番はイメージを守る為よ、顔はそのままだけども。
その人になりきってやった方が、その時は変な感情に流されないのよー」
「へぇ…、そうかい」
終わった後は恥ずかしくなったり後悔したりしてますけどね。特にベヨネッタなんかは。
一騎打ちをして暫く、互いにダメージが100%を越えた
基本打撃攻撃メインなベヨネッタは近寄って戦いたいタイプ。
でもウルフはクローブラスターを主にしているので、サクサクと近寄れない
「なぁ、この試合で賭けをしねぇか?
一回命令権だ。俺達の勝ち負けじゃなくてチームでの勝ち負けだ」
「あら面白そうねー
自分の力じゃどうにもならない不条理、興奮するじゃなーい?」
「俺様が負けたら、俺様の全てを掛けてお前の願いを叶えてやるよ。遠慮する必要はねぇぞ」
「えぇ勿論。」
「所で「俺様から言い出した」って意味、お前に分かるか?」
「…何か叶えたい事でもあるのかしら?」
「ははっ、その通り!」
楽しそうに繰り出した横スマッシュ、サクッと攻撃をかわして距離を取る
そこからなんて言うか待っていると
腕をひっこめたウルフは構えの体勢をした
「今夜、ゆっくりとその身体を堪能させてもらおうか?
俺様の気が済むまでな」
「…あっはは!」
何時ものあたしなら、恥ずかしがるなりスルーするなりレディの見本的対応をするけど
大乱闘中で頭が興奮状態な上に、「自分はベヨネッタ」という思考なので、全く恥ずかしさが沸かない
寧ろ楽しみですらある
「それは楽しみねー、何をしてくれるのかしら?」
「深ーく俺様を刻み込んでやるよ」
偶然掴めたので場外に向かって投げる。
距離を取る為に崖から離れると、反対側に居る人達が目に入った
見た感じ、ついさっきまで戦っていたけど突然止めたようなポジショニング
六人は大乱闘をしてなくて、ピーチとゼルダはヒソヒソ話をしている
「…どうしたのかしら?」
「「「!!」」」
六人の方へ銃口を向けると、彼らはハッとして顔を見合わせる
そして大乱闘の続きへ移った
「子猫ちゃん達には勝ってもらわないと困るのよー」
「わ、分かってるって!」
「ユズちゃんに言われると違和感が凄いけど、不自然さは無いのがまた凄いわ…。」
復帰しただろうウルフの方を見ると、丁度崖を飛んで登ってる所だった
ジャンプをして迎撃を目指す
「お帰りなさーい。
…私の考え過ぎならそれで良いのだけど、貴方が言い出した賭けはそんな事をしなくても叶う話でしょう?
どうしてわざわざ賭けに出したのかしら?」
「………なんでだと思う?」
一回突き攻撃を当てたので、続けて攻撃を加えようとしたけど
思ってたよりも素早く逃げられてしまった。
「そうねー、…普段じゃあり得ないハードな要求があるのかしらー?
そこで「賭けの勝ち負け」を使って完璧に退路を断つと。
自信家の癖して心配性? それとも念入りに、かしら?」
「まぁな。
一回見てみてぇんだ、我を忘れるくらいに溺れてるお前を。…凄ぇ可愛いんだろうなぁ」
場外へ投げ飛ばされて復帰を目指す
珍しく追撃してこなかったので楽々崖に捕まった
ジャンプ崖上がりをしてウィッチタイムを繰り出すと、見事に掛かった
着陸後、即座にバタフライアッパーを繰り出すと、凄い勢いで彼はお星様となった
全然ウィッチタイムを繰り出してなかったから、頭に無かったんだろう。あたしの作戦勝ちだ。
他の六人は? とピーチ達の方を見ると
三人共足場外で帰れず苦戦している様子
少し近づいてチャージバレットを打ち込み、崖際を綺麗にする。
そしたら彼女達はやっと戻ってきた
戻ってきたウルフに出会い頭一発入れられると
これも物凄い速さで場外送りにされた
「焦ってるのかしら?」
「まさか」
「そりゃそうよね、勝とうが負けようがその先は貴方の気分次第。これが真実。
勝てば良し、負けたなら力ずく。あー、なんて悲しいのかしらー」
「悲しそうには見えねーなぁ」
「でも残念、力づくなんかで私は支配出来ないわ?
まぁ私が負けたら約束は約束だから守るけどー」
復帰台から急降下かかと落としを繰り出して、下に居たウルフに牽制する
早速攻撃を仕掛けてきた彼を、後ろにかわしダッシュ攻撃を繰り出す
ジャストシールドされたら掴まれた
でも攻撃もされないし、投げられる事も無い
「どうした?」とウルフの方を見ると、彼はこちらを見たまま切なそうにため息を吐いた
「本当に可愛いなぁ…」
「えぇありがとう。」
「皆に限らずお前にも分からないさ、俺様がどれだけ愛してるのか、大切に思っているのか。
お前は誰よりも優しくてたおやかで、誰よりも強くて真っ直ぐだ」
サクッと掴みから脱出すると、間髪入れず横スマッシュをぶつけられた
ちょっと飛んだ所で受け身を取り、距離を取る
「どうしたの? 随分と熱いわね」
「完璧なお前を甘く優しく自由に壊す事
俺様だけが許される、俺様だけが出来る事だと思わないか?」
「…ウフフ、…本当に面白いわね」
「勿論約束は守るさ。お前が勝てば今回は諦める、お前が勝てればな。
だが俺様が勝ったら…」
「…勝ったら? 私はどうなるのかしら?」
「…さぁな」
やってきたウルフをヒールスライドで迎え撃つ
連続蹴りを繰り出すと、読まれていたのか彼はあたしの後ろへ緊急回避した
何か攻撃されるかと思いウィッチタイムを繰り出したけど、掴みだった
「どんな声で鳴くんだろうな…」
「…気が早いのね」
「前戯のようなものだろう? 今から気分を作ってやんねーと。」
「優しいのね、素直に受け取っておくわ」
また楽々掴みから脱出して、空中に退避した
そういえば今回はストック戦なのだけど、勝負はどんな感じなのだろうか?
チラッと皆の残りを確認すると、なんとこちらが押されてるではないですか!
再びウルフと向かい合い銃を構える
「どうした? 負けるかもって焦ってきたか?」
「ぜんぜーん、終わるまで分からないでしょう?」
「手助けに行くなら構わねぇぞ? 俺様はお前に攻撃するのを止めないがな」
「折角貴方と楽しんでるのに、それは無いわー
…だから私をがっかりさせないでよね」
「ははっ、しっかりと満足させてやるさ」
また暫く会話無くやり合っていると、ポツポツとストックゼロのアナウンスが耳に入る
自分のストックはまだ2つ
どうやらサムスは居なくなったみたいだけど、戻ってくる様子は無い
…あたし達の真剣勝負に水を差したくないのかもしれない。
「はあぁヤバーい、このままじゃ負けちゃうわー」
「ははっ、そういうわりには嬉しそうだな」
「この状況興奮するわー、このまま私は負けちゃうのかしらー?」
「それで良いんじゃねぇの?
早く呑まれちまえよ、いっぱい気持ち良くしてやるからよ」
「そんな事言われたら濡れちゃうでしょう? あっはは、本当意地悪な人ねー」
感情のまま勢い良く百裂攻撃を叩きこんで殴り飛ばした
気が付くとピーチ達が戦っているだろう後方が静かになっているのに気が付く
ウルフがちょっと場外にいる間、振り返ると
こちらを見ていたマリオとリンクが驚いた様な表情をした
「あらー? 子猫ちゃん達はやられちゃったのー?」
確認してみれば、残ってるのはあたし達四人だけだ
正直勝ち負けあまり気にしてないから、二人は突っ込んで来れば良いのだけど
躊躇ってるのか端でこちらを観覧している。
三対一ならそちらの勝ち確定だけど、彼等は一体何をしてるのか
「ボウヤ達は何をしてるのかしら?」
「あ、あぁいや…、二人の世界を邪魔するのは悪いなーって…。」
「だったら後で相手してあげるから、そこで待ってなさい。
すぐにそっち行ってあげるから」
「い、いや…、大丈夫…。そろそろ僕達も消えるから…」
そう言葉は穏やかでも、凄いスピードで二人は場外に飛び込んでいった
まるで逃げたみたいなその様子を見ていたらしいウルフは、大きく笑い出した
「なんだよ、あいつらも手伝ってくれりゃ良かったのになぁ」
「私にもチャンスをくれたんでしょう? 紳士じゃなーい」
「まぁ俺様は遠慮しねぇけどな」
「どうぞ遠慮しないで」
そう笑いながらベヨネッタの決めポーズをした
ちなみに結果はあたしが負けてしまいました。
あたしはどうとも思わないのだけど、皆は思う事があるようです。
転送室に戻ると、戦いを覗いていたらしい群衆の視線を浴びる
それはなんとも言えないこの世の物ではないというような眼だ
そんな中、真顔のプリンと苦笑いのナナがやってきた
「お、お帰りユズちゃん、ウルフさんと楽しそうだったね…」
「しーっ…!!」
何か言おうとしたナナに、それ以上言うなと言わんばかりに口を押える
試合が終わった後なので、さっきまでの事は考えたくもない…。
「幾らベヨネッタになりきってたって言っても、あたしもやり過ぎた…、調子に乗った…。」
「そうだよね…、幾らウルフさんからでもあんな事言われたら恥ずかしいよね…。」
「セクハラを言われた事は別に良いんだよ…、何時もみたいな乗りだから…
それよりも乱れてたあたしの方が恥ずかしいわ…」
「セクハラは大丈夫で、そっちはダメなの…?!
どっちかと言うと普通逆じゃない…?」
戻って来たウルフはあたしを馬鹿にしてるのか、凄い楽しそうな笑顔でこちらにやってきた
それを見たのか、今度はプリンがしんみりとした表情で口を開いた
「ユズちゃん、こっちが濡れたぞ」
「お前のどこが濡れたんだよ…。」
「!!、それはレディーの口からは言えないぞ!!
大体官能小説みたいな会話しながら大乱闘するやつが居るか! 二人きりの時にやれー…! 一般的な世論ではこうだからな…!」
そうプリンが部屋の中を一周して指さすと
凄い興奮した様子のピーチ達をはじめ、こちらを見ながらコソコソ話し合っている怪獣組
目を向けた瞬間、気まずそうにこちらから目を反らす剣士組等々…
「皆にあのベヨネッタスタイルを見られたの…!? あたしもうお嫁に行けない…!!」
もう堪らなく恥ずかしくなって顔を手で覆うと
プリンから「そうじゃないだろう!」とデカい突っ込みが入れられた
「皆の気持ちを考えろー…!
誰もが「あぁこの後この二人はあんな事やこんな事を…。」って、妄想する羽目になるんだぞ…!」
「別に本気で言ってるわけじゃねーから。ただの遊びだ。」
「そうそう、何時もの事なんだよこれ」
そう二人で否定すると、周りからよく分からない声が上がる
「あぁ…。」と安心のため息なのかよく分からない声もあれば
「えぇー…?!」と期待外れの声を上げるピーチやゼルダ…。
そちらに顔を向けると、ピーチ達は顔を反らした
「ただこいつの反応が魔女を真似て積極的になってて、変に見えただけだ。」
「黙ってて! あれは黒歴史…!」
「そ、そうなのか…、それなら良いんだが…。
というか普段の会話でそんな事話すのかお前等…」
「お互いに隠し事はしないし、してほしくない性格でね。
言いたい事あるならちゃんと言うという約束をしてるの。これでも大分オブラートに包んでくれてるよ」
「オブラートに包んでたとしても過激だけどね…。」
「考え過ぎだよ、あはは」
プリンやナナはピカチュウ達と大乱闘をするそうなので
あたしは明日の朝ご飯の献立を考えてから先に寝ると伝え、ウルフと一緒に部屋を後にした
ちょっと進んだ所にて、いきなりウルフに壁に押さえつけられると
ニヤニヤしながらこちらの顔を覗き込んできた
言いたい事はよく分かっているので、「はいはい」と適当に宥めて流す…
「まだ誰かに見られるかもしれないでしょうが…。」
「へいへい」
適当にそのモヒカンをわしゃわしゃ撫でてやって、再度足を進める
「献立は?」
「もう決まってる。」
「…ほーう。
…それはつまりお前も楽しみにしてくれてたって事だな?」
「約束は約束だからだってば…。」
献立がとっくに決まってるのは本当。
ベヨネッタスタイル後に恥ずかしくて後悔するのも本当。
プリン達に言った、何時もこんな感じな会話をしてるのも本当。
…でもあの会話を遊びでやってたというのは嘘。
たまにああいう感じで勝負して、勝ったら負けたらって賭けをしてるので。
あの大乱闘中の会話や、ウルフから「これは遊びだ」と嘘吐いたのを考えると
まぁ公に出来ない内容なんだろうな…。
というか殆ど答え喋ってたけど…。
歩いてる途中だってのに、腰に手を回されたかと思えば、更に首筋の所を甘噛みされる
「誰か居たらどうするんだ…!」とウルフの頭を叩いてやった
転送室からこっそりと、その様子を見ていたピーチ達やプリン達
二人の姿が見えなくなると互いに顔を見合わせる
「…あれ、絶対に部屋行ったらやるわよね。」
「二人揃って冗談って言ってたけど、やっぱり本当だったのね…。」
「私もあんな事言われてみたいわー…!」
「気持ちを抑えきれないのか、もう手を出してたしな…。」
「きっとこの後、大乱闘の時に言っていたようにユズちゃんの身体をゆっくりと…!」
「「「きゃぁー…!」」」
「熱い夜だー…! ハードなプレイを要求されるんだー…!
きっとあんな事やこんな事…!!」
「あんまり言わないで…っ! こっちが興奮するじゃない…!」
「「「…。」」」
ピーチ達は確認するかのように再び廊下の方を見る
そして誰も居ない暗い廊下の遠くを見ながら唾を飲み込んだ
濡れる女達
「あいつら廊下をずっと見てるけど何してんだ?」
「僕にも分からない…、お化けでもいるのかな…」
ずっと一点を見ている女性陣に、首を傾げるマリオとルイージだった
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