たった一目見ただけで
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マスターハンドに連れられて、あたしはMiiファイターとしてここにやってきました
どんな人達に迎えられるかドキドキしてたけど
見かけによらず皆フレンドリーで、面白い人ばかりで楽しそうな所だと、よく分かりました。
紹介も終わって解散した後、あたしはどの人に話し掛けようか色んな女性の方々の様子を見ていると
まったく関係無い人が凄い勢いでこちらに向かって来たのが目に入った
その犬っぽい顔をした人は、いきなりあたしの腕を掴むとグッと顔を近づけて来た
「俺様はウルフってんだ、よろしくな新人さんよ」
「よ、よろしくお願いします…。」
見るからに悪そうな人で、凄い威圧感がある…!
思わず細々とした返事を返すと
視界の端に居た凄いスタイルの良い金髪のお姉さんが、驚いた様子でこちらに駆け寄って来た
「ちょ、ちょっと怖いじゃないのよ、見てるこっちが驚いたわよ」
「あぁ? お前には関係ねーだろ。
そうだ、折角だからお前も大乱闘するか? ファルコン呼んでやるぜ」
「はぁっ?! アイツは呼ばなくても良いからっ!」
「お前は何時までツンデレしてんだよ」
美女と野獣が何か言い争った後、野獣がこちらを向く
「おら、お前も大乱闘するぞ」
「あ、あぁ、はい…」
よく分からないけど、大乱闘をするという事なのであたしも参加するとしよう
大乱闘はあたし達の良いコミュニケーションになるだろうし
二人の後をついていってたどり着いたのは大きな部屋
中には色んな人達が集まっててお喋りをしたり、機械を前に立っていたと思えば、そこの扉が開いて中に入っていく人も居た
「ここで皆大乱闘してるんだ
部屋が何個かあって、何グループかで戦ったりしてんだよ」
「へぇー…」
早速狼さんは、部屋の端の方で喋っていたおじさんばかりのグループの方へ歩いていくと
美女さんが「あ”ぁー…っ!」と顔を赤くして止めに向かった
「おいファルコン、サムスがお前と大乱闘したいってよ」
「そんな事言ってないでしょー…っ!!」
美女と野獣の後をついて、おっさんグループの所に向かうと
凄い優しそうなLの緑の帽子をかぶった人がこちらに気が付いた
「あれ? 新入りの子だよね? ウルフ達と大乱闘をするの?」
「は、はい…、誘われたので」
「そうなんだ、サムスとウルフってチーム戦のイメージがあるけどチームじゃない大乱闘なのかな?
それなら珍しい組み合わせだね」
「そんなに珍しいんですか?」
「うん、サムスとウルフのペアはチーム戦だと物凄く強いんだよ。
サムスの超援護砲も中々なのに、クローブラスター入ったら全然近寄れないから。…やっぱり二人のイメージはチーム戦かなぁ」
「…??」
詳しい事はよく分からないけど、この美女と野獣はとても仲良しだという事が分かった。
当の二人は? と見てみると、狼さんは何とも渋いダンディなおじさんと話をしている
美女さんは凄い顔を真っ赤にしておじさん達を背にしていた
心配になったから、一応話しかけておこう…。
「ど、どうしたんですか…?」
「えっ!? な、なんでもないわよ…。
本当にウルフったら余計な事をするんだから…っ!」
そうお姉さんは手で顔を覆った。
それを見て、あぁこの赤面は「照れ」だという事を理解した。
ここにきての初大乱闘は、美女と野獣とその他おっさん五人になりました。
頑張ってねーと、緑の人に言われたので手を振り返す
スタートの試合ですから恥の無い、悔いの無い戦いにしたいですね!
「時間は三分、アイテムあり、チャージ切り札もありだ。
切り替えもあるからステージ二つはお前が決めて良いぞ」
「!、あたしですか?」
機械を前に何かいじってた狼さんが、そう呟きながらあたしの方を見た
どうやら初めての試合だからステージは好きな所をどうぞとの事らしい
美女さんにもおっさんにも好きな所で良いよと言われたので
早速どんなステージがあるのか覗いてみた
「数が多いですね…。」
「ステージつっても、オリジナル・戦場型・終点型ってあんだ
オリジナルは形もバラバラでギミック満載だ、戦場型はシンプルな形で足場が三つ
終点型は大きな足場一つの正々堂々なステージだな」
「そうなんだ…。」
ってまぁ、全部のステージを詳しく知ってるわけではないし、その戦場と終点で良いかな
パッと見は余計な物も無くて戦いやすそうだし
その二つを選んでもらった後、開かれた機械の扉
そこにぞろぞろと入ってくおっさん達
後から扉を潜ろうとした時、隣に居た美女さんがさらっと笑った
「ユズちゃんはMiiファイターと言っても、色々な形があるんでしょう?
気分変えも出来て楽しそうね」
「そうですね、皆に申し訳ないくらいです。」
「お前もスーツ有り無しあんだろ」
「そ、そうなんだけど…」
話を聞いていたらしい狼さんがそう言ったのだけど
このお姉さんも、何種類かスタイルがあるって事なのですかね?
やって来た戦場とやらでの大乱闘
とりあえず悪い思い出だけは作らない様に頑張ろう
マスターの話だとアイテムは使いまくった方が良いとの事だから、その言葉を信じて戦います
格闘スタイルでやってきたので、各おっさんとの拳でのやり取りです。
まぁ拳でのと言っても、相手は火の玉飛ばして来たり、鎖鞭使ったり、重火器使ったりしてるおっさんも居るのですが…。
アイテム重視での立ち回りで戦っていたのだけど、それが良かったのか
さっき狼さんが話しかけていたダンディな人とサドンデスになった
体感的には順位はもっと下だと思ってたのだけど…。
急に緊張してきたけど、倒せるように頑張ろう
飛び蹴りやダッシュ攻撃を仕掛けたけど、ちゃんとかわされて、その隙に食らわされたタックル
凄い速さであたしはバーストしてしまった。
結果を見てみると、あたしとダンディな人が+1だったのだけど
あたしは途中でアイテムに執着して変な自滅をしたから、それが無かったら一位だったのだ
「これは勿体無い事をしたよ…」
「はは、悪かったな。私もサドンデスになるとは思って無かったさ」
例のダンディな人は、これまた爽やかに笑った。
それにしても驚いたよ、まさかこの見た目で自分を「私」と呼ぶなんて…
絶対「俺」だと思ってたわ…。
ぞろぞろと部屋に戻ってくると、狼さんがあたしの頭をわしゃわしゃと撫でてきた
「お前面白いな、必死にアイテム取りに行ってんの」
「う、うるさいですよ…。」
「でも勿体無かったわね、あの変な自滅。
殆どの人が見てたけど皆「何で?!」って呟いたわよ」
そうです、何か大きな攻撃であたしもろとも六人くらいバーストしてまとめて帰って来た時の事
誰よりも先に復帰台から降りて、アイテムの場所目がけて燃焼ドロップキックを繰り出したら
ステージからはみ出て、しかも帰り切れずに自滅したのです…!
皆の驚きの声はよく聞こえました…。
「それは黒歴史…。」
「初戦で黒歴史たぁ、お前も可哀想だな」
と、全くそうは思って無いだろう的な笑いをする狼さんだった…。
その後、同じグループで何回かメンバーを変えて大乱闘をしました
…やっぱり大乱闘って楽しいですね。
誰よりも先にバテてしまったので、今日はこれくらいにしておこうと美女さんに話掛けた所
話しが聞こえてたらしい狼さんがやってきた。
「お前、バテんの早いな」
「それは仕方ないでしょ…
彼女は今日デビューしたばかりなんだし、これからスタミナつくわよ」
「まぁ良いや、ついでだから俺様がさらっと館内の案内してやるよ。」
「そうね、ユズちゃんは自分個人の部屋は何処だか分かるのかしら?」
「あぁ、その部屋の所まで行けばなんとなくは」
「空き部屋なんてそうは無ぇから大体は分かるな。
それじゃぁお前はファルコンとのデートを楽しんでくれ」
「!!、うるさいっ、大きなお世話よっ!!」
またまた突然、過剰に反応したかと思えば顔を真っ赤にしたお姉さん…。
…何がそんなに恥ずかしいのやら。
狼さんに行くぞと言われて、後を追いかける
「す、すみませんウルフさん、さっきのお姉さんの名前はなんでしたっけ…」
「「さん」付けしなくて良いぞ。…さっきの女はサムスだな」
「そ、そうですか…。あのお姉さんは何にあんなに急に照れてたりしてるんですか…?」
「あぁ? あれはツンデレだな。
ファルコンってお前が初戦でサドンデスした奴が居ただろ? そいつの事が好きなんだよ」
「へぇー…、ツンデレ…。」
初日にて随分濃い話を聞いたわ…。
まぁ確かに同じ館で長く暮らしてれば、恋愛事が起こっても不思議じゃないのだろうけど。
それと、その話の感じだと、サムスとファルコンは付き合ったりはしてないみたいだな…
ウルフと一緒にまずは大乱闘転送室のあった一階を回る
ジムみたいな所や図書室、中庭、お風呂、食堂等
やっぱり一軒家と言うよりは、大人数で過ごすような部屋の形をしている。
特に食堂とか、お風呂とかは
「マスターの方針で、朝ご飯と夕ご飯は絶対にここで食べる事になってんだ。でないとめっちゃ怒られるぞ。
時間はこれと決まってねーけど」
「そうなんだ…」
「そんでこの先は調理室。
おやつ用の冷蔵庫の中なら好きなだけ持ってって良い事になってる、マスターが勝手に補充してるからな」
「自由ですねー」
「子どもや女どもはおやつ食いまくってるな
自分のおやつをここに置いとくのも良いが、誰かに盗られるからお勧めしねぇな」
「おやつ戦争ですか…」
次にウルフが向かったのは、大きな扉のある場所
パッと見の印象だと玄関っぽい。
扉の向こうは暗いので、今は夜なのかもしれない
「ここから外に出ようと思えば出れる。
外はマスターが気まぐれで作った世界だが、女どもの為に買い物できる街もあるし、子どもの為に遊べるテーマパークもあるんだ」
「へぇ! マスターって凄いなぁー…」
「なんか出掛けたくなったら俺様言えば、連れてってやるから」
「えっ? …何か悪いですね」
「気にすんな、次は自慢の戦闘機見せてやるよ」
「せ、戦闘機…!?」
「戦闘機とは? 戦車とかなのか?」と思いながらやってきたのは大きな倉庫みたいな所
その部屋の中には本当に色々な乗り物が置いてあった
その中にあった赤白の飛行機擬き
その前でウルフは立ち止まった
「これは俺様の愛機、ウルフェンだ」
「そうなんですか…!? ウルフの私物…!?」
なんでまたこんな凄いの持ってるんだ、普通私物で飛行機なんて持ってる物じゃないよね。
この人はとんだお金持ちとでも言うのか?
「そんな驚くこたぁねーだろ。サムスの飛行船だってあるぞ。」
そうウルフが指さす先にあったのはオレンジ色の飛行船。
それを見て思い出したけど
そう言えばウルフもサムスも大乱闘中の最後の切り札でこれっぽいのに乗ってたわ。
「ウルフェンならひとっ飛びだ、分かったろ。
まぁ行きたい所がったら遠慮無く言ってくれよ」
「あ、ありがとう…。」
続いて向かったのは二階
前もって軽くマスターと回った時に、この階の何処かがあたしの部屋だという事を教えてもらいました
大体の方角は分かるけど、今一人で回ったら迷子になりそう…。
綺麗な星空の見える渡り廊下を過ぎると、なんとなくだけど部屋のある方向を思い出した
「あっちの方向なんですよ、あたしの部屋」
「そうか、なら大体思い当たるわ」
その言葉通り、ウルフの後をついて行くと見覚えのある場所にたどり着いた
それっぽい部屋の扉に貰った鍵を使ってみると、合っていた様で鍵が開いた
「あぁ此処ですね! よくわかりましたね!」
「何個か空き部屋があったからな、そこだろうと思っただけだ」
勿論今日来たばかりなので部屋の中には何もありません
マスターの気遣いなのか、あたし好みのベッドと洋服数着、消耗品の山は置いてあるんだけども…。
「…なんもねぇな。…まぁそりゃそうか。」
「何か欲しい物があったら自分で買うなり、言ってくれれば用意するってマスターに言われましたね。」
「そうか、それじゃぁ明日街の方にでも出掛けてみるか?
そこで気に入った物があればマスターに言うでも良いし」
「あぁー…」
これまた急に、ウルフを使う事になるとは…
なんか出会ったばかりなのにこんなに良くしてもらって、凄い悪い事してる気分になるなぁ…。
まぁでもせっかく向こうから誘ってくれたのだから、乗ってあげるのも良いのかもしれない。断る理由も無いし。
「じゃぁお願いします」
「おう、任せろ」
明日は朝食の時間に起こしに来てくれると言ったので、それも甘える事にします。
…大体の時間は決まってるのですが、正確に決まってるわけでもないそうです。
おやすみなさいと挨拶をした後に、新品のベッドの上に乗っかる。
明日は色々買い物して、自分の部屋を完成させようかな
そして少しずつ色んな人達と交流を持つと…。
そう色々なプランを考えながら目を瞑った
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