イメージチェンジ
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館内を徘徊していたら、あたしには縁遠いドレスルームにやって来た
ここはピーチやデイジーなど普段からドレスを着てる人達に限らず、ルキナやパルテナの正装も置いてあり、ここも共用みたいだった
いわゆる女優ミラー付きドレッサーもあり、ピーチ達はここで毎日変身しているという事ですね。
あたしはピーチ達程気合いを入れてお洒落はしてないけど、たまにはこういうちゃんとした服を着た方が良いのだろうか?
まぁここにあるのは、全部他人の物なのですが…。
ちょっと部屋の中を回って色んなドレスを見ていると、中にハロウィンで使ったであろうコスプレの服も出て来た。それも凄い種類。
驚きながら見てると凄く可愛い黒いドレスが出て来た
スカートの後ろ側が少々長めなので、ウェディングドレスみたいだ…
ハロウィンのエリアにあったからこれもコスプレ用だと思うけど、こんなの誰か着てたかな?
ドレスを手に取って鏡の前で自分に当ててみたけど、あたしのサイズより少し大きいみたいだ
「…暇だから着てみようかな」
どうせコスプレ用だから、今あたしが着たってどうもないよね
もし何かあったらマスターに直してもらえば良いし
という事で自分の部屋から自分の化粧品を持ってきて、本格的に変身する事にしました。
最初は普通にドレス着るだけでも良いと思ってたけど、それなら思いっきり変身して、プリン達を驚かしてやった方が楽しそうだと思ったのです!
これは派手なイメージチェンジだ。
皆どんな反応するかなー
やたらデカいドレッサーに化粧品を置いて、近くにあった誰のか分からない大量の化粧品も借りようと思います。
途中で誰かに見つかったらつまらないから部屋の鍵をかける
スマホで調べたお手本メイクを参考にしながらメイクをしよう
しっかりとしたゴスロリ色、でもダーク過ぎない可愛い感じを目指します
試行錯誤をしながらもとりあえずメイクは完成
カラーコンタクトで瞳も赤色にしたので、だいぶ元が無くなっている
本物っぽいコスプレ用のかつらも発掘したのでこれも説明書を読みながら装着する
そうするといよいよ自分でも自分が誰だか分からなくなってきた…
ドレスを着てみたんだけど、流石コスプレ用。何とか自分一人でも着る事ができました…
ドレスとセットっぽいアクセサリーやら黒い傘やら鞄やら、集めてそれっぽく装備する
そして部屋の大きな姿見に向かうのだけども…
…誰だお前は。
ハロウィン顔負けの、謎の変身である
とりあえず記念に何枚か自撮り写真を撮った
「さてさて、プリン達は何処でしょう…?」
室内だと言うのに傘を開いたまま、再び館内を徘徊する
いやー、あの二人がこの姿を見たら凄い驚くだろうなー
どんな反応をするのかと、ニヤニヤしながら歩いていると
曲がり角でばったりと数人と遭遇した
あたしも突然の事で驚いたけど
相手は分かりやすく、二度驚いていた
「えっ?! えっ?! 誰!?」
「…。」
最初に顔を合わせたのはドンキーと、ドンキーの上に乗っていたディディー
彼らは人が現れたのに驚いた後、あたしを二度見した。
「どうしたのか?」と後ろにいたヨッシーやデデデが前に来ると
彼等もあたしを見て動きを止めた。
「だ、誰ですかあなたはっ!?」
「こんな悪キャラ居たか?」
「吾輩は知らん…。」
「もしかしたら新しいファイターかも!」
「こんにちはー…」
「…。」
あたしを置いて会話を始める怪獣組。
面白い結論に至って、クッパJrは挨拶もしてくれた
彼等から見るとあたしは「悪キャラ」なのか
まぁ色は黒だし、パッと見じゃ敵っぽいわな。
とりあえず面白い反応が見れたので、何も言わずに軍団の横を通る
すると何人かが「えぇー!?」と声を揃えていた
更に進むと、階段の近くでお喋りしているパルテナとベヨネッタが居た
通りたい道なので、仕方なく二人の前を通るのだけど
やっぱり二人も凄い驚いた顔をする。
「えぇ?! どなたですか?!」
「こんな子、ファイターに居たかしらー?」
「もしかしたら新しい女性のファイターかも! よろしくお願いしますね」
優しく微笑みかけて来たパルテナと、凄い疑ってる様な表情をするベヨネッタ
多分この二人にあたしの声を聞かせたら、一発であたしだとばれてしまいそうなので
とりあえず無言で姫様っぽいお辞儀を返した
実は皆からは見えないけど
中々厚底な靴を履いていて身長も伸びてしまったから、誰もあたしだとは分からないみたいだ。
慣れない靴に気を付けながら更に進む
そろそろ声を出したいのだけど、やっぱりサクッとあたしだと気付かれるのはつまらない。
だから何時もと違う感じの声を出したいなぁ…
小声で何時もより低い声を練習しながら、やってきたリビングを覗き込む
部屋の中にプリン達は居らず、代わりにテレビを見ていたゲームウォッチとロボが居た
丁度正面に座っていたロボは、すぐにあたしに気が付くと
横向きのゲームウォッチの肩を凄い速さで叩く
間もなくウォッチもこちらを向いたのか、姿が見えなくなると
ロボがソファーを降りてこちらにやって来た
「こ、こんにちは…、どなたですか…?」
「これをお二人に。」
「「!!」」
声の練習の甲斐があったのか、二人はあたしだと気付いてはいない様子。
たまたま鞄に入っていた黒いキャンディーを手渡すと、二人は恐る恐るそれを受け取った
「新しいファイターデショウカ?!」
「す、凄い方ですね…! 何処出身なのでしょうか…!」
「さぁね…」
二人との遊びはこれくらいにしておいて、次を目指しましょう。
皆こんなに面白い反応してくれるなら、もう一人ずつ面接したいくらいだわ。
大乱闘転送室を目指して足を進めるのだけど
何時までもリビングの扉の閉まる音が聞こえないのは、多分呆然とロボ達があたしを見送ってるのだと思う…。
やっとたどり着いた転送部屋
覗く事もしないで、堂々と部屋に入ると
途端に部屋中のお喋りの声が消えた。
凄い驚いた表情をしている剣士組と、ソファーの所には動物三人組が居た
…ここにもプリン達は居ないのかい。
「誰?」「誰?」と小声で話している輩達は放っておいて、使われている大乱闘の部屋を覗いてみると
子ども達に交じって、大乱闘をしてる二人を見つけた。
やっと見つけた、ここまで長かった…。
「あ、あのー…」
「!」
突然後ろから呼ばれて振り返ると、遠慮がちに話し掛けて来たのはゼルダとルキナだった
何も答えずに二人に身体を向ける
…のだけど、この身長でこの二人を見るのは新鮮な感じ
「あ、新しいファイター…、かしら…?」
「そうだと言ったら?」
「そ、そうなんだ! 良かった…!
も、もしも敵襲に遭ったとかだったらどうしようかと思った…!」
そう安堵の表情を浮かべる二人だけど、「敵襲」ってなんだよ
ここにそんな物騒なものなんて来ないでしょ…。
やっぱり黒だと敵に見えるのかな?
「私はゼルダって言うの、よろしく」
「私はルキナだ、よろしくな」
「どうぞよろしく」
と、パルテナ達の時みたいに深々と姫っぽいお辞儀をすると
二人も慌てて頭を下げた
「そ、それで貴女の名前は…?」
「…無い。」
「「えっ!?」」
もちろん無いわけが無いけど、咄嗟に偽名が出てこなかったので適当に「無い」と答えました。
そしたら大変驚いて顔を見合わせる二人…。そりゃそうだ。
「折角ですからお二人が考えなさって? ワタクシの名前。お近づきの印に。」
「「!!」」
そう無茶振りをすると、二人は顔を見合わせて
「皆で考えるからちょっと待ってて」と剣士軍団の所に戻っていった
…そんな事言われても、輩達は困るだろうなぁ。
今度は動物三人組の方を見ると
まさか自分達の方を見るとは思って無かったらしいフォックスとファルコは、飛び跳ねて驚いていた
別に話し掛けたつもりではないのだけど、気まずそうにフォックスが「やぁ」と声を掛けて来た
「失礼承知で貴方はどの種族なのかしら?」
「あ、あぁ…、俺はフォックス、犬ってよく言われるけど狐さ。
こっちがファルコで、こっちがウルフ」
「そう、よろしく」
相変わらず戸惑ってるフォックスとファルコだけど
対してウルフは何も言わず足組んだまま座り、ソファーの背に肘ついて頭を支えている
…もしかしたらウルフは、匂いとかであたしが変装してるって見抜いてるのかも。
「こいつは何やってんだ」って思ってるんだろうな…。
「お、お前もファイターなのか…?」
「えぇ勿論。」
「そ、そうなのか…、その格好だと戦い難そうだな…」
「ワタクシは派手に動きませんの、重火器がメインで」
「「そうなのか!?」」
そんなわけないだろう、と心の中で笑う。
「それなら納得だ」と口を揃えてるフォックス達だけど、二人は本当に信じているのか?
だとすれば傑作なんだけど…。
「と、というかどうして傘を差してるんだ…? 何か理由があるのか?」
「いいえ、特には」
「そ、そうなんだ…。」
そんなにおかしいなら別に差す必要も無いかと傘を閉じる
改めて姿勢を正してフォックス達と向き合うと、再び二人は飛び跳ねて口を閉じた
「どうしたのかしら?」
「あ、あぁ…、目が赤くて…、驚いたというか…。」
「そちらの方も目が赤いじゃない」
「ウルフは見慣れたし、君のはさっきの傘で瞳までよく見えなかったんだよ…。
まさかそこまで真っ赤だとは思って無くて…」
まぁそりゃぁ作り物だからね…
それにしてもウルフは余裕そうだな…。
やっぱりこういうベテランっぽい人の目を欺くのは難しいのかなぁ…
という事でバレるの覚悟で話し掛けてみようと思う。
ぶっちゃけ、残りで騙したいはプリン達だけなので
「貴方はどうして何も喋らないのかしら?」
と、ウルフを見ながらそう語ると、フォックスとファルコはウルフの方に振り返った
「なんかウルフに感じが似てるよな…、黒いし、赤いし」
「…女、てめぇは何処出身なんだ」
「…さぁね、マスターハンドにでも聞いて下さる?」
「…。」
適当に話を流してあげると、ウルフはソファーから立ちあがり、こちらにやって来た
いよいよバレたか? と思ってたんだけど
ウルフはあたしの容姿を入念に確認するだけ
…髪の毛も偽物だし、目の色だって偽物、洋服だって他人のですよ?
何時もみたいにスカートめくってパンツ見ようとすれば、身長詐欺にも気付くでしょ。
「お前、めっちゃタイプだわ」
「えっ…。」
まさかの宣言に、フォックスファルコ共々驚いた。
頭の中が無になって呆然としていると、何も言わずに腕を上げるウルフ
その手はあたしの顔の方に伸びる…
「びえー!!」
「「「!!」」」
突然聞こえて来たのはカービィの鳴き声だった。
ので咄嗟にそちらへ身体を向ける
カービィはプリン達と大乱闘をしていたはず
大泣きしているカービィの後を、ぞろぞろとヤンガーズが帰ってきていた
先頭に居たカービィがあたしの存在に気が付くと、ピタリと泣き止んで「誰?」と呟いた
後から続くピカチュウ達も、驚きながら「誰!?」と声を上げる
そして目的の二人も、あたしを見るや否や「誰!?」と声を合わせた
「可哀想な球体ちゃん、貴方にこれを」
そう鞄から黒いキャンディーを取り出して見せると
「ありがとう!」と嬉しそうにそれを受け取った
「は、初めましてー…! どちら様でしょーかっ…!?」
「…。」
怯えた様子を見せるナナと、汗をだらだら流しているプリン…
まさか本当に二人も気付かないとは…。
「目は怖いけどお姉さんはボクに飴をくれたから良い人だよ!」
「それはお前の感覚であって、プリン達はそうではない!」
「あ、新しいファイターかもっ!
こ、こんにちは、よろしくお願いします…っ!」
「こちらこそ」
「「「!」」」
そう例のお辞儀をすると、ヤンガーズ皆がつられてお辞儀をした。
…というか気付け。誰でも良いから。
「それじゃぁプリン、ナナ、ご飯準備のお手伝いお願いします」
「「「!!」」」
さっきの低い声は止めて、何時ものテンションと何時もの声色
それで何時もの様な話を振ると、またまた子ども達は驚いて声を上げた
「お、お前ユズちゃんなのかー!!?」
そうプリンが叫ぶと、遠くから「えっ!?」というゼルダ達の声が聞こえて来た
「そうだよ! なんで誰も気付かないの…! あたしショックだよ!
あ、ウルフは気付いたんじゃなかったっけ?」
そうウルフの方を見たけど、ウルフは何も言わずに首を横に振る
「えぇ!? き、気付いてなかったの…。」
「誰もこの姿を見てユズちゃんとは思わんから!
一体どうしたんだ?! トチ狂ったか?!」
「失礼な! 暇だったからコスプレしたんだよ…。
服は誰のか知らないけど、全部自分でやったんだー」
「え、ほ、本当にユズちゃんなの…?!」
相変わらず怯えているナナちゃん
何も言わずスカートをまくって凄い厚底靴を見せると、納得なのかよくわからない声を上げた…
「お、お前ユズだったのか!」
ルキナの声が聞こえたので、声の方へ振り返ると
ルキナもゼルダも驚いた表情になる。…多分赤い目のせいだろう。
「も、もう! それよりも一生懸命名前を考えたじゃないのよ!
責任重大だって皆真剣に考えてたのよ! どんな神様の名前を付けようかって!」
「それはごめん…。でもなんで神様の名前なの…。」
とりあえず皆を騙したに変わりはないので、よーくお詫びをする事にします。
怪獣組やパルテナ達、ロボ達には会ったらその都度説明しようと思う
皆との会話の後、改めてプリンとナナを探してみると
知らない間に二人は後ろに居て、ドレスのロングトレーンを持ち上げていた
「何やってるの二人とも…」
「ドレスの後ろってこういう感じで持つんだろ?」
「そうそう。花嫁さんが入場する時ね」
「だからって今しなくて良いから…! ご飯作るからもう着替えるし。」
「「えぇー!」」
「何でよ…、何が駄目なのよ…。料理するにはドレスは邪魔だってば…。」
そう諭すように説明したけど
不満爆発したプリンは「嫌だー!」と、床の上を喚きのたうち回った
やってる事何歳児だよ…。
「勿体無いだろー! 折角コスプレしてるのにー! 普段色気無いのにー!」
「一言余計だ。」
「そう言えばユズちゃん、miiファイターでは色んな服装が選べるじゃない?
マスターにお願いしたらそのコスプレ衣装も用意してくれるかも」
「え、そうかな?」
「マスターに頼んで来い! なーんで何時もどのスタイルでもスマブラTシャツなんだよ。
もっと服チェンジを楽しめよ! それにその姿で戦うの、凄いカッコ良いと思うぞ!」
「わ、分かったよ…、マスターに言ってみるから…。」
それじゃぁ先にマスターの所へ行こうかと、部屋の外へ向かうと
相変わらず二人はロングトレーンを持ったまま後ろを歩いている
別にそういう場面ではないから、なんだか気まずいような恥ずかしい様な…
まぁ止めてくれと言っても、聞かないかもしれないけど…。
「それにしてもこのドレス凄いカッコ良いね。カッコ可愛いね。」
「そうだなー、普通の花嫁じゃなくて悪の花嫁って感じだ」
「それってカッコ良いの…?」
「カッコ良いに決まってるだろ!
例えばウルフみたいな人と結婚するような時は、こういう感じになるだろう!」
「それは言えるかも。」
「ウルフだって随分ユズちゃんの事見入ってただろ?
だから悪い奴はこういうのが好きなんだと思う。」
「そ、そうなのかな?」
「ウルフに聞いてみても良いぞ、多分この姿にホの字だ。
さっきユズちゃんのめっちゃ近くに居たじゃんか。なぁユズちゃん」
黙って聞いていれば聞き捨てならない会話をしやがって
立ち止まって睨むように振り返ると、二人同時に「ひえっ」と声を上げた
確かにプリンの言う通り、ウルフから変な事言われたけど…
でもあれはこのコスプレ時の人に対してであって、あたし自身の事ではない!
だから気にしない気にしない…。
と、思いながら再び足を進めた
イメージチェンジ
プリン達の熱い要望で、本当にあの姿で大乱闘出来る様になりました。
勿論殆どあのままなので動きにくい事この上ない。
多少スカートは短くなってるけど、とてもじゃないけど格闘タイプでは戦えません。
「興味があって」と何人かの人と大乱闘した後、同じようにフォックス達もやってきた
マスター特注の「服に似合う」アームバスターを手に、今回は射撃タイプで参ります
途中、一緒に大乱闘していたプリンはウルフの方へ飛んでいく
「なぁおっさん、あのユズちゃんのコスプレどう思う? 良くないか?」
「凄ぇ良いと思う。」
「なんかウルフ、「凄いタイプ」って言ってたよな」
「そうなのか!? やっぱりか?! いやー、プリンもそう思ってた所なんだよ!
ウルフに凄いお似合いだと思ってなー、色といい雰囲気といい。ピッタリだー!」
「プリン、盛り上がってる所申し訳ないんだけどさ
あたしはこのコスプレ時が日常でなくて、スマブラTシャツ着て色気無いのが普段のあたしであって…」
「別に良いんじゃねぇの? それも紛れもなくお前だし、ギャップがあって良いと思う。」
またまたまさかのウルフからの言葉に唖然とする。
「ほら見ろー!」と大興奮しているプリンは、ウルフの周りを緊急回避しながらぐるぐる回っている。
タイミングを見てチャージショットを放つと、狙い通りプリンを打ち抜いて彼女はバーストした
少しだけ気分がスッキリした。
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