コーヒーと劇物
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「ウルフー、襲って良い?」
「あ”ぁ?」
ウルフの部屋で映画鑑賞中、部屋にあった何時ものやつで「コーヒーを作ってくれ」と言われたので作ってあげました
椅子に座っていた彼にカップを渡し、あたしはポットの近くで立ち飲みです
これは面白そうな冗談だなって思い付き、襲う宣言をすると、ウルフは今までに見た事ない表情をこちらに見せた
驚き呆れよくわからない、でも面白い表情だ
「面白い冗談を言うじゃねぇか、いつもはガード固てぇのに」
そう言ってウルフは再びコーヒーを口にする
「でもそのコーヒーに薬盛ったけど」
「ぶーっ!!」
今度は驚き通り越して派手にコーヒーを吹き散らかした
相手は愛して止まないウルフだけど、汚いもんは汚いですよ…。あたしの部屋じゃなくて良かったわ
近くにあった適当なタオルを投げつけると、彼は至る所を拭き始めた
「ウルフって思ってた以上に感情豊かだね。ファニーだね」
「勝手に何してんだよ…」
「だから言ってるじゃない、コーヒーにたんまりと薬を入れたと。」
「嘘言うんじゃねぇ、そんなガラじゃねぇだろ」
「そう見えてただけでしょ?」
「…」
笑いながらそう告げると、ウルフは驚き半分焦り半分の表情を浮かべた。
…それにしても、本当の本当に信じてるのかな?
薬入れたなんて嘘だけど、どうやら彼は信じている模様
でも面白そうだからそのまま様子を見ていましょう
暫くあたしは何もないコーヒーを飲む
変わってウルフは物凄い目つきで自分のコーヒーを睨み付けている
「じゃぁそろそろ」
コーヒーも飲み終わったのでカップをテーブルの上に置く
そこからウルフの様子を確認すると、これまた凄い驚いた表情をこちらに向けた
それに思わず笑いそうになった瞬間、クラっと軽いめまいが起こった
なんだなんだと辺りを見回す
「…驚いたわ、凄ぇタイミングじゃねぇかよ
まさかお前がそんな嘘を吐くとは思ってなかったわ、気付かれたのかと思ったぞ」
「え?」
コーヒーを飲み干したウルフはカップをテーブルに置き立ち上がると、こちらに歩み寄る
「お前は俺様に薬を盛ったと嘘を吐いたが、そんな俺様はお前に薬を盛った事を秘密にしてたんだ。…面白い話だな」
「そ、そんな…。い、何時そんな事を…、コーヒー作ったのはあたしなのに…」
ウルフは遠くで映画を見てて…
そんな事する隙なんて無かったのに
「コーヒーに薬を入れるなんてしてねぇよ。それより直に立てなくなるからこっちに来いよ、危ねぇから」
無理矢理腕を引っ張られてやって来たベッド、押し倒されるとそのまま押えられた
「お前はこの部屋にいろいろと持ち込んでいるな」
「…嫌なら、…そう言ってくれれば」
「それは別に良い。お前がさっき使っていたマイカップとやらもここに放置だ
まさかそれがこういう事に使われるとは、思っても無かっただろうな」
「…マグカップに」
「あぁそうだ、…まぁ、もう遅いがな」
瞼が重くなって、視界も歪んで、頭もボーっとする
目の前に薄っすらと写るウルフは顔を近づけてきた
「お休みユズ…」
ウルフはそう優しく囁いて、無抵抗なユズの首に噛み付いた
コーヒーと劇物
薬はダメ! ゼッタイ!
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