まともじゃないの
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「ユズちゃんはなんで悪役と仲良くするんだ?」
「え? 悪い人だからじゃない?」
「そんな理由で仲良くする人聞いた事ないけど…」
「分からないと思うけど、悪役の人ってなんか頭が良い意味でおかしい…」
「それはちょっと分かるかも…
あと悪役系の人って、他の人と同じように対応すると案外喜んでくれるよね」
「ナナの精神力もおかしいな」
とある夜ご飯作り中、調理室でガールズトーク中
プリンの言う悪役とは文字通りの悪党系ファイターの事だけども、大概彼らは一部のヤンガーズやレディースから敬遠されている。
中には傍若無人な人も居るし、口も悪い人も居るし、見た目もいろんな意味で痛い
皆が「触らぬ神に祟りなし」と言わんばかりに避けている
対してあたし、いろんな人と関わるのが好きで楽しいと思っているタイプ
無難な人達とはとりあえず交流は済ませたので、いよいよ悪役達にも手を出し始めました
最初はミュウツー
あたし的にはミュウツーは全く悪役と思ってないけど、とりあえずそれっぽいのでその枠で考えるとして
ただ純粋に良デザインでカッコいい・頭良くて憧れる・超能力で蹂躙されたいと大好きの一心で向かった所、案外ウェルカムな感じでした。
ミュウツーが言うには悪意を感じないし、圧倒的にミュウツーの方が強いのでいざとなったらどうにでも出来るとの事です。弱いあたしで良かったと思う今日この頃。
このミュウツーを起点に、凄い穏やかだったクッパとめっちゃ紳士だったガノン、性悪だがノリの良いリドリーや、ミュウツー味を感じるセフィロスなどなど、色んな悪役にも話しかけました
「プリンはユズちゃんがリドリーの背中に乗ってるの見てひっくり返ったぞ」
「サムスさんも初めて見た時目をまん丸にして固まってたよね…」
「リドリーは扱い面倒くさいよ、沸点低くて結構わがままだもん。ボケツッコミはしっかりしてるから会話は楽しいけどね。あとあたしは給食当番だから良いご飯配っとけばなんとかなる」
「なんとかなるのかなぁ…、本当に…」
「リドリーには良いご飯は効果抜群だったね、あはは」
「あぁ、確かに前におまけおまけって肉乗せてたもんな…」
「ピーチ達がな、ユズちゃんが手当たり次第に友達になろうとするものだから「誰が本命なの?」って疑問に思ってたんだ。皆にはミュウツーが本命と言っておけば良いのか?」
「ダメだって! 別にそういう目で見てないんだから! ミュウツーは異次元過ぎて面白い人!」
「わかんねーよ…」
苦笑いしてる二人だったけど、とりあえずトラブルを招きそうな報告は止めさせた
「うわー! 早いよ! 落ちるよ! ちょっとスピード押さえて!」
「あぁー?! グダグダうるせーな! 付き合ってやってるだけありがたいと思え!」
「ありがとう! ドラゴンみたいでカッコいいよ!」
「そりゃそうだろ! 当たり前だろ!」
夜遅い時間、街へのお出掛けにリドリーを使いました
彼は結構大きいので本当にドラゴンに乗ってるみたいだ
欲しい物必要な物を揃えて館に帰還中、屋上に誰かが居るのが目に入った
「あれ? 誰か居ない?」
「はぁ? あぁ屋上か? 本当だ」
別に頼んでも無いのに勝手にそちらの方へ飛んでいく
まぁお礼の良いお肉が早めに渡せるだろうから結果は良いかもしれないけど
近寄って確認すると、屋上に居たのはたばこを吸ってるウルフだった
広い所に着陸し、早速良いお肉をあげる為荷物を漁る
「運んでくれてありがとう」
「はっは!」
「………ペットか?」
「あ"ぁ?!」
こちらのやり取りを見ていたらしいウルフの発言
多分良いお肉を渡しながらやり取りしていたからでしょうね、さっきまで背中に乗せてもらってたし
もちろん聞こえていたリドリーは不満そうに否定をする
「ペットじゃないよ、対等に思ってるよ」
「はぁ?! 対等? お前は下僕だろ!」
「下僕を背中に乗せて飛ぶ主人居ないでしょ。それにリトルバード時の恩を忘れたわけじゃないよね」
「うっ…」
あたし達のやり取りを見てウルフは笑った
「弱み握られてんのかよ…」
「違ぇよ!」
「前にミュウツーと大戦をしていた時のマスターからの罰だね
数日間らしからぬ可愛さの幼児期にさせられた結果、リドリーだと知らないヤンガーズやレディースにたらい回しにさせられるという…。あたしが保護して匿いました」
話を聞いたウルフは更に大笑いをした
今思い返しても信じられないくらい可愛いデザインのリドリーの幼少の姿
モフモフだと皆から追い掛け回され・抱きしめられ・撫で回され、多分精神的ダメージを受けていたと思う。
元の姿に戻るまであたしの部屋で引きこもりをしていたのです。
「お前うるせぇな! 馬鹿にしてんのか?」
「自業自得じゃねぇかよ」
「あ"ぁ?!」
自業自得は全く持ってその通りですが、リドリーは笑われたのが気に入らないのかウルフの目の前で吠えた
あたしだったら物理的に飛んでいきそうな勢い
タバコは飛んで行ってしまうし相当うるさかったのだろう、空に顔を上げていた彼は鋭い目つきに変わると目だけリドリーの方を向く。あれは中々キレてるかもしれない。
「まぁまぁ落ち着いて、あれはミュウツーも悪いからね、ほら飛びっきりのお肉」
と、荷物から追加の美味しい骨付き肉を取り出してリドリーに手渡す
それとあたし用だったけどウルフにも出来立ての唐揚げを見せつけるように差し出した
「これはあたしのへそくり唐揚げだよ、こんな美味しい物はないよ」
「…」
暫くは厳しい目つきだったけど、彼はちゃんと唐揚げは受け取ってくれました。
「そういやお前、ミュウツーとも仲良いだろ?
よくあいつと仲良くなれたな。超能力で即行ぺちゃんこにされそうだが? あいつは食べ物じゃ釣られないだろうし」
むしゃむしゃと美味しいお肉を食べているリドリーだけど、そのコメントは自分は肉に釣られている自覚があるのか?
「なんか接触するあたしに悪意が無かったんだって
あと仮になんかあった時、あたしは雑魚だから即効で潰せるから良いやって」
「はっはっは! それはちょっと分かるわ! なんかあったら殴り飛ばしてやれば良いやって俺も思ってる」
「あはは。あと戦闘以外に楽しみを提供してあげようと思ったら上手く行った感じかな」
「そんな事あんの? 戦闘狂だろあいつ」
「ミュウツーが全く持ってない物の話をしたら興味を持ってくれたのよ。今結構熱心に勉強してるよ、本読んだり皆の感情読んだり。あとあたしを通して見てるものも見たいという事でね、あたしに危害を加えないみたい」
「あぁじゃぁ前に空から落として見殺しにしてやろうとした時に無事だったのは、ミュウツーのせいか」
「その通りだね、ミュウツーがそう言ったからそう。
あたし何回か空から落とされてるでしょ? その時も「脅かしだろうまた拾い上げるだろう」と思ってて余裕だったんだけど、衝突寸前でミュウツーに助けられました。あまりにもね、暴虐に慣れ過ぎててあたしの頭おかしいって言われたよ」
「実際そうだろ、頭おかしいだろ珍獣使いが」
「…それ自分にも跳ね返ってるみたいだけど大丈夫?」
ちまちまとウルフにあげた唐揚げを奪い取って美味しく頂く
やはり美味しいお肉を前に二人のご機嫌は良くなっている様だ。不機嫌そうな感じはしない
別に二人に仲良くしてくれとは思っていないが喧嘩は止めて欲しい。あたしじゃ暴力は止められないし、あとでマスターの事情聴取が始まるのです。
美味しいお肉をいっぱい食べて満足したらしいリドリー
お使いの足という役目は終わったので「じゃぁな」と言うと、何処かへ飛び立って行ってしまった
「…ごめんね変なの連れてきて、別にここには来るつもりじゃなかったけど」
「別に。お前あんなのよく相手出来るな、面倒臭いだろうに」
「そうだね、他の人と比べてちょっと大変だけど、強力なバックがあるから平気なんじゃない?」
「あぁ、ミュウツーか…。お前は偏食家だな、もっとまともな奴いっぱい居るだろうに」
「まともな人を経て、珍味に手を出しているのですよ」
「はっは、成程な、だとすればやっぱりお前は頭おかしいわ」
「それだとリドリーに限らずウルフも頭おかしい分類になっちゃうよ」
「そうなんじゃねーの?」
「そういう所なんだよねー、あたしがウルフの特に良いと思ってる所」
個人的に悪役の人って賢いとか頭良いと思ってる。
リドリーももちろん賢いんだけど、利口ではないよね
ミュウツーがリドリーと大戦してた時、マスターが来るの察して防戦一方に変えたらしい
理由はやり合っているとリドリーと同罪になるから。考えた通りミュウツーは殆どお咎め無し、対してリドリーはリトルバードの罰になりましたとさ。これはミュウツーが利口です
利口な人の方が関わりやすいのは言うまでもない。
「リドリーは賢いけど利口じゃない、ウルフは賢いし利口じゃない? 利口って悪口じゃないよ? 要領良いって事ね。
…まぁウルフは面倒臭い事に巻き込まれたくないのが強いと思うけど。その退廃的な感じはそれ故でしょ」
「…」
彼は唐揚げも完食したみたいで、いつの間にか新しいタバコを吸い始めていて空を見ているだけ
なので話を聞いているのかは不明
でもまぁあたしは嘘を言ってるわけでもないし、悪い事を言ってる訳でもないし
「…お前暇すぎて頭おかしくなったのか?」
「皆して頭おかしいって言うのは何でなの」
「自ら死地に突っ込んでいく奴がまともなワケねーだろ。」
「それ自体は否定しないけど、あたしそこまでバカみたいな事してるのか…?
ちなみにウルフよりは暇でないと自負してるよ、給食当番してるし」
「…それもそうだな」
今の発言を見るとウルフは毎日とっても暇なんだろうね。
何回か関わってみて思ったのが、普通のファイターと比べて悪役ファイターって退屈してそう
そりゃそうだろうね、暴れたらマスターの裁きが来るし、何か争う事も大乱闘くらいしかないし、平和過ぎるのよねここ
「ウルフも何か見つけた方が良いよ、暇潰しになれるような物ね。
ミュウツーは研究に夢中だし、リドリーもあの手この手で良いお肉を追求してるし、クッパやクルールは色んな動物怪獣ファイターと仲良くしてるし、なんでも良いと思うよ」
「…」
ウルフは多分まだここでタバコ吸ってるだろう
あたしは先に部屋に戻るのでゴミになった唐揚げの箱を拾う
「そんじゃあね、お休みー」
「…ちょっと待て」
「ん?」
呼び止められたので、足を止めて振り返る
彼は来いと手招いている
「暇潰し思いついたわ、ちょっとお喋り付き合えよ」
「お喋り? 良いね。 …なんからしくないけど」
本当らしくない内容の暇潰しだよ、お喋りってレディースみたいな事を言う
だがしかし、ウルフとそんなに話込んだ事はないので興味はある。
接触初期の頃はあたしを面倒臭い奴と思ってたらしく、ウルフはまともに相手してくれない感じだった。
けどリドリーみたいに良いお肉をご飯に出しつつ接触を繰り返していたら、ちゃんと会話をしてくれるようになりました。
このお喋りはきっとその次の段階だね。
あたしも座り込んでいるウルフの隣に座り込む
お喋りをしようって言った割にはウルフが何かを喋りたいわけではなさそうだ
それじゃぁあたしがと改めて自己紹介や、プリンナナ・ミュウツーリドリーとのやり取りのお話をする
当たり障りない内容だし、彼ら彼女らもちょっと個性的なタイプなのでウルフ的に新鮮な内容だと思う
これで「あぁファイターにもいろんなタイプが居て面白そうだ」って思ってくれれば良いかも分からん。誰かと仲良くなったらそれはそれで暇潰し要員になり得るでしょう
「…なぁ、ミュウツーの話をよく聞きたいんだが」
「え? ミュウツー?」
お喋りの途中、遮ってでも言ってきたウルフの希望
ミュウツーの話を聞きたい? ウルフはミュウツーに興味があるのかな?
「あぁまぁ良いけど。
あたしがリドリー大戦を見ておきながらもフランクに挑むのを見てね、こいつは他の人とは何が違うのか疑問に思ったらしい。ミュウツーは感情が無いらしいから好きだーとかの曖昧な感情はよく分からないだって。そこで館内の色んなファイターを覗いた結果、皆が皆違い過ぎて、どうしてそうなのかそうなるのか興味が湧いたとかなんとか」
「奴は他人の感情が分かるのか?」
「分かるんだって、感情もそうだし今何を考えてるのかも分かるらしいし。ふんわりでも多くの人を同時に見てるらしいから後々「この人はさっき何してた?」って聞くとほとんど答えてくれるよ」
「化け物だな」
「あたし達の分からない次元にいるんだよ」
「…そういやさっき、お前を通して見てるとかなんとか糞鳥と話してたろ、あれはどういう意味なんだ?」
「糞鳥ってリドリーの事…?
ミュウツー的に人を選ばず関わろうとするあたしが便利らしくてね、あたしと接触した相手の頭の状態を見たいらしい。
あたしが皆に同じように接して、それぞれ全く違う考えや反応を見せるから面白いんだって。ミュウツーからすると皆研究対象なんだろうね。
ウルフはあたしが話掛けまくってくるの不気味に思ってたって聞いたよ」
「…ハハッ」
「ミュウツーに興味あるの? お話するくらいなら確かに面白い人だと思うけど」
「いいや、別に」
そう素っ気ない返事をすると、こちらを見ていた顔は再び空を仰いだ
ミュウツーに興味があったわけではないのか? それともどれくらいにヤバイファイターか情報が欲しかったのかな?
正直ミュウツーに勝てそうな人はチート使うマスターくらいだろうし、変に突っかかってボコボコにされるとかそんなつまらない事したくないだろう。面倒臭がりなウルフならよりそうでしょう
こちらを見る事も無くずっと夜空を見上げているウルフ
何があったのかちょっと心配になったので名前を呼んだり声を掛けたりする。だけど答えは無い
何か思う事があるのか考え事なのか、邪魔したって仕方ないのであたしも夜空を見上げる事にした
「おい」
突然呼ばれて反射的にそちらに顔を向ける
それと同時に肩に腕を回されると、口の辺りに噛み付いてきた
何が起こったのか茫然としていると、タバコの香りで目を覚ます
口を舐めていた彼の舌が口内に割り込んで入ってくると、やってきたのはなんとも痺れるような感触と感情
とにかく体を離す為に押し返そうとしてもビクともしないし、どんどん何か浸食してくる感覚に襲われる
気持ち良いのか心地良いのか沈んだ感覚になったり、タバコの匂いで現実に戻ったりを繰り返す
理由も分からず長く濃厚な接吻を食らっていると、酸欠か気が遠くなってきた
「えぇー?! 何してるのかと思ったらこんな所でー!?」
突然の他者の声で頭が覚めた
止まってた押し返し抵抗を再度繰り出すと、今度はちゃんと体は離れた
声がした方を見るとそこに居たのはベヨネッタ
「ユズちゃーん、狼さんとそういうカンケーだったのー?」
「えっ?! ち、ちg…
否定しようとしたら咄嗟に飛んできたウルフの手
あたしの口を塞ぐと彼はベヨネッタの方を見る
「あぁ? 今仲良く交流中だ、邪魔すんな」
「言葉の割にはだいぶハードな事してたけどー?!」
「放っておけ。今忙しいからどっか消えろ、言いふらしてきても良い」
信じられない会話に思考停止していたけど、凄いルンルンで何処かへ飛んで行ったベヨネッタを見たら意識が戻った
慌てて口を覆う手を取っ払う
「はっは! あいつ特急で飛んで行ったけど何してくるんだろうな」
「ちょ、ちょっと何してくれてるの…!」
あのベヨネッタ絶対ピーチとかに今の件言いふらしてくるでしょ! ありもしない変な噂が立ってしまう!
胸倉を揺すったり叩いたりしたけど、何も思う事は無いのか彼は笑っているだけだった…
とりあえずこの件をどう片付けるか考えないといけない。
あたしだって突然の事で何が何だか分からないってのに、どうやったら良いんだ…?
いったんウルフから距離を取ろうと後ろに下がると、また飛んできた彼の手。凄い力で両肩を掴まれると真顔で顔を近づけてきた
「お前が暇潰しを勧めてきたんだろ? …だったら俺様の暇潰しに付き合ってくれるよな?」
「ちょっと待って…! あたしを巻き込まないでよ…! あたしに迷惑掛けるのが暇潰し?! あたしが困ってるのを見るのが暇潰し?!」
「違ぇよ。んな事したらマスターにチクられるだろ。俺様は俺様に優しい奴には優しいの」
「ほ、本当…?」
優しいという割に初撃のダメージが大きい…
実際ベヨネッタに勘違いさせているので迷惑掛けてきてるし、ベヨネッタの言いふらしは大変困るものだ
「本当本当。本当にお前には優しい暇潰し。
まずはそうだな、…お前、何人か良い感じの相手が居るらしいな。 …そいつらとの仲を全部潰してやるよ」
そう告げられると肩が解放された
多分脅かしっぽいんだけど、急な発言なので理解に時間が掛かる
もちろん脅かし自体は怖いんだけども
最初は何を言ってるのかと思ったけど、もしかして友達以上恋人未満的な人との仲を潰すと言っているのか? 思い当たるような人、居るような居ないような…。
…という事は、ベヨネッタはそれ故の利用だったのか? 「言いふらしても良い」なんて面倒臭がりが言うわけないもんね。
ベヨネッタは「屋上で二人がー」みたいな感じだろうけど、それはとても効果がある。ちゃんと周りへの牽制になってしまう…!
こ、これは生半可な対抗を考えてもまったく歯が立たない気が…
「…それ本当にあたしに優しい?」
「深い事は気にしなくて良いんだよ、まぁこれから仲良くしてくれや」
「…」
何事も無くまた空を見上げるウルフ
それを見ていたらなんか凄い怖い感覚に襲われた
この場所今の状態で考えてもまともな策も答えも出なそうだ、一旦ここから立ち去ってプリン達に会おう。話を聞いてもらって状況と思考の整理をしないと…
もしくは小さい希望だけど、ミュウツーにウルフがどうなってるのか聞いたら答えてくれるかも
「わ、分かった…、よろしく…」
とりあえず笑顔で答えて、足早に館内への扉へ向かう…
「…あ、ミュウツーは期待しない方が良いぜ。あいつは別にお前の味方じゃねぇのな。
さっきテレパシーで話をしたけど俺様の暇潰しに好意的だったからな。奴からすればお前は良い実験体で被検体だってさ」
「そ、そうなの…」
気が張ってるのか、発言の一つ一つが不穏にさせる
振り返らず適当に返事をして屋上を後にした
あの発言するという事は、あたしの知らない間に話をしていたんだな、そして二人の利害が一致したって事だろう
ウルフの暇潰しに好意的という事は、どちらかと言えばミュウツーはウルフの味方っぽい
これはマズイな、このままだとあたしはよく分からないまま彼の思い通り暇潰しに利用されそうだ
なんか怖いが抜けなくてプリンと一緒に寝た翌日、朝ご飯作り中に昨日の事件を二人に語った
眠ったり話したりしたら少しだけ気が楽になりました
「だからあれほど悪役には気を付けろって…」
やりきれないような声で悔しがるプリンだけど、平和主義なマスター管理下のこの世界で、こんな変なのに巻き込まれるとは思ってなかった…
「とりあえず分かってるのは、ウルフさんとユズちゃんの接触が皆に広まるだろうって事と、ユズちゃんと一部の仲良しさんの仲を裂こうとしてる事と、ウルフさんの発言だけどミュウツーさんはウルフさんに協力的だって事だね」
「…これどっちか分かんないな。
文字通りならユズちゃんを我が物にしようとしてるだけだが、おっさんだもんな、ユズちゃんを困らせて楽しんでいる可能性も全然ある」
「前者なら一生懸命噛めば飲み込める気がするけど、後者は本当に嫌だ…」
「口だけの可能性は無いよね…。ベヨネッタさんに見られて言いふらし推してるんだもんね…。
じゃぁ朝ご飯の後にマスターさんに相談しようよ、何か良い案くれたりとかウルフさんに注意とかしてくれるかも」
「なんかごめんね…、こんなしょうもない事になってしまって、話も聞いてもらって」
「別に構わんぞ。だからもう今後はヤバそうな奴に積極的に関わりに行くんじゃないぞ。 …多分これ以上の爆発物が現れる事は無いと思うけど」
確かにその通りだわ、あたしは暴君リドリーと仲良くなったので調子乗ってたかも。
やはり悪役は悪党だ。暫く大人しくしておこう
まともじゃないの
マスターに昨日の事件をお話した結果、ウルフとミュウツーの所に聞き込み調査兼注意へ行ってくれたようです。
その結果、ウルフは「楽しみの邪魔するな、怖がらせてるならそこは気を付ける」との事。ミュウツーは「私は見てるだけで中立だ」との事
「どっちかは私にも分からなかったが、まああの二人は比較的私と関わるのを避けるタイプだから過ぎた事はしないと思う。何かあったらまた言ってくれ」
「…確かにマスターの言う通り、マスターのリスクを負ってまで迷惑掛けまくりは無いと思う。ここはあえて仲良くしたい一点読みで行こう」
「そ、そうなの…?」
「でないと「やっぱり分からん」で終わってしまうだろ?! それに困らせならマスターで対処できるんだから、手荒なご好意だった場合の対応を真剣に考えよう。」
「うわぁ本当だ、二人やマスターに話して良かったかも…、わけわからなくなってたけどだいぶ落ち着いた、ありがとう」
本当危なかった、一人で抱えてたらおもちゃにされて終わってたかも。
とりあえずまだ暫く話し込みたいから調理室に引きこもろう。ベヨネッタの言いふらしの件や、楔を打たれそうな仲の人との付き合い方や、そもそもウルフがあたし達の所に来たらどうするか、話したい事がたくさんあるわ。
「誰も居ないね」とまるで泥棒の様にベルの部屋を後にする
本当、二人を変な私事に巻き込んで申し訳ない気持ちでいっぱいです…
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