まだまだ無理ゲー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日大乱闘をしてました
完全にミックスでランダムで、普段戦わないメンバーで。
その中に居たのはウルフ
めっちゃ強い、めっちゃ言葉クール、しかし攻撃行動はワイルド
そして勝利デモのあのハニカミ、すべてに胸キュンです
まぁそういう事で色々考えていたら、あたしはウルフに惚れてしまったという事です
まさかと自分でも驚きですよ
全く関わりないし、人間でもないし、ガキは向こう行ってろな人だし、勝手なイメージでまともな人じゃないと思ってる
今までまったく意識した事なかったのに、まさかこんな事になるなんて本当に恋というモノは分からない
…完全ランダム戦を企画してくれた誰かさんに感謝してます。
しかし、それ以上に問題もありまして。
惚れたばかりだからなのか、彼を見るとまともな状態で居られないのだ。
見えてなければまだましだけど、お話するとか心が持たない…
同じ部屋に居るってだけでもだいぶ穏やかじゃないのに、こんなんで恋愛は成り立つのか…?
暫くはあたしが遠くから見てるだけで、彼に慣れる時間になりそうだ
最近の朝ご飯、夕ご飯は調理室に引きこもりだ
ご飯もここで食べている
プリン・ナナによく聞かれるけれど、次のご飯の準備をするからと誤魔化しています
本当は視界に彼を入れないためですが…。
嘘を吐くわけにもいかないし、何かここに居る理由が必要なので本当に次のご飯の仕込みをする
長ーくここにいる物で、最近料理の手間がかけられる様になり豪華になりました
それはそれでいろんな人から褒められるので良い。自分の情緒も保たれるのも良い。
手間のかかるものってお肉系が多くて、お肉に偏りがちだけど誰も文句言わないので良し!
たくさんのお肉を相手にグループ分けしていると調理室の扉が開いた
プリン達なのか、はたまた飲み物や調味料を求めてきた他の人なのか
そっちに顔を向けると大きく心臓が脈を打ち始める
「…あぁ? もう次の料理してんのか?」
それはお一人でやってきたウルフ
反射的に顔が熱くなる。
こんなんでまともに会話出来る気がしない
ご飯の時間中は、時々いろんなファイターが冷蔵庫に何かを求めてやってくるのですが
なんてこった、今回はよりによっても彼なのかい…
冷蔵庫から何かを取ったらしい彼、そのまま出て行ってくれれば良いものを、大量のお肉につられたのかこちらに来てしまった…!
「おぉ良いな、大量のお肉」
「あ、あぁ…」
「最近めちゃくちゃ気合入ってるな、俺様は大歓迎だけど」
そんな言葉を聞いて、嬉しいのかまるで夢見心地
ただ、まだ平和に仲良く出来る時期じゃぁない…! 取り乱さないように慎重に…!
…その結果何も喋れず、手も動かせず
「邪魔したな、楽しみにしてるぜ」
さっぱりしてる性格なのか、あっさりとウルフは調理室を後にした
あたしの情緒は救われた…
「はぁ…、はぁ…」
堪えていたけど、荒がる呼吸を整える
ただ話しかけられただけでこれはもう病気でしょ…
こんなんじゃ何時まで経っても仲良くできないわ、慣れるまでどれくらいかかるのこれ…。
何か褒められた気がして良い気分、嬉しい気持ちでいっぱいだ
ご機嫌でお肉をバツバツ切り落としていると
いつの間にか調理室に居たピチューのか細い声が聞こえてきた
「お、おねぇちゃん…、だ、大丈夫でちか…?」
「えっ?! あ、あぁ大丈夫だよ、あはは」
確かにこんな楽しそうに肉叩き切ってたら怖いよね。
「ミュウツー…、お話しようよー…」
「いつもしているだろう…」
夕ご飯も終わり、結構な遅い時間になってしまった
なんか気分が昂ってすぐに寝れそうにない
こういう時はミュウツーとお喋りするに限ります
「ミュウツー、前に人の心の流れを見るのが好きって言ってたじゃん? あたしの心も見てるの?」
「もちろん」
「どう?」
「激動だな」
「あはは」
激動というか、彼に関わる事に触れると身も心も爆発します
「これは治るんですか?」
「治るというか…、まぁ時間が経てば治るだろうな、一般的には」
「早く治って欲しいー…!
好きとかはまぁ分かるし良いんだけど、感情操作が難しくなるのどうにかならないのか…?」
「興味深いからそのままでも良い」
「良くないよ…! 人の気も知らないで…! 本当辛いんだからさぁ…!」
「すまないすまない」
と、まったく申し訳ない感の無い返事が返ってきた
さっきの調理室の出来事をお話していると、中庭の扉の向こうで声が聞こえてきた
何だろうとそちらを見ると、プリンとナナ
二人はあたし達の所へやってきた
「おーい、居た居たー。
ユズちゃんいつもミュウツーと一緒だなー、プリン達よりも一緒に居るんじゃないのかー?」
「いや、そんな事はないよ。それよりどうしたのこんな時間に」
「なんか最近な、ピーチがユズちゃんの身辺捜査をしているんだ」
「えっ?! なんで!?」
「ミュウツーが好きなんじゃないかだってよ」
プリンはそうは思ってないのか、呆れながら言っていた
仮にあたしがミュウツーを好きだったとして、一体何なんだ…
「私から見ると、ミュウツーさんは仲良しさんだよね」
「分かってるね二人とも
それにしてもミュウツーにはご迷惑をお掛けしているね」
「別に良い、何も無いのは本当だ」
「これや普段の二人の様子を見ると、まったく恋情感じないんだよなぁ…
なんでピーチ達は盛り上がってるんだ?」
「いつもお喋りしてるからでしょ。安直だね」
「それでー、ユズちゃん好きな人は居ないのかー?」
急にニコニコし始めたプリン
…多分こっちの話がメインなんだよね。
なんでそんな話をするのかと思いきや
あたし達の仲を疑ってるピーチ達に「あり得ない」と二人は結論を出しているんだけど、じゃぁ実際に本命は居るのかどうなのかと、気づいてしまったそうです。
そんな事思いつかなくても良いよ…
思いつくにしても、あと数ヵ月待って欲しかった
今こうですって言って上手く皆が場や話を持ってきたとしても、あたしがまともじゃいられないので…
「居ないかな…、あたし子ども達やレディースとかと絡んでるしね」
「本当だな、ユズちゃんは恋愛のれの字も無い」
疑うかと思ってたけど、全くもってその通りと言わんばかりのプリンと笑っているナナ
日ごろの行動が功を奏したのか、何とか誤魔化せました
時間も時間なのでミュウツーとバイバイして、三人で自部屋へ向かった
「ユズちゃん、好きな人が出来たら即刻教えてくれな」
「なんでよ」
「何でって友達だろ! 協力するって!」
「だったら今荒ぶってるピーチ達を何とかしてほしい」
「それはちょっと厳しいな…」
プリン達はあたしに好きな人が居るわけがないと信じて疑っていない
都合も良いし、苦しい思いもしないし充実した毎日
まったく文句無かったのに、ある日突然それはやってきた
明日も早いしいつも通り寝ていた所、何者かに声を掛けられて目を覚ます
寝る前と打って変わって信じられない程明るい場所
寝ぼけ半分で身体を起こし視界に集中すると、ここは中庭でミュウツーが居た
「ミュウツー…? どうしたの…?」
「寝てる所申し訳ないが、お前に言っておかねばならない事がある」
「?」
寝てる所を起こす位だからよっぽどの事でしょう
渋々立ち上がり、ミュウツーの方へ向き直る
「先程もピーチ達がやってきて、お前との仲を詰められたのでな。もう正直に言った」
「えぇ!?」
とても眠気を吹き飛ばすような内容に頭がパッと覚醒した
「ちょ、ちょっと待って…! 本当に…?!」
「本当だ。一日三回くらい、毎日詰められている。流石に面倒くさい」
「そんなに!?」と思った一瞬、後ろから大笑いする声が聞こえた
「はっは! えらい迷惑こうむってるなぁ」
その声に一気に高まる緊張感…
確かに寝起きでボケッとしてたから全部は確認してなかったけど、まさかウルフが居たなんて
衝撃や緊張で全く身体や口が動かなくなってしまった
「ピーチ達の事はお前に言わないといけないと思っていたそのついでだな。
お前等に何かあれば奴らの目から私は逃れられる、「じゃぁ誰だ」という奴らからの面倒事が減る」
とにかく心の中で何故ウルフが居るのかミュウツーに問うと、数回した所で返事が返ってきた
ごもっともな意見だ。
大変というか、とてもとても面倒臭い思いをさせていたのですね…
あたしもミュウツーだったらそうするかもしれない。
「お前も大変だな、それでそれが俺様だったってわけか」
その言葉っきりあたしの頭が真っ白になり、二人の言葉を受け付けなくなった
もう知られてしまってるじゃないか…!
まだ心の準備出来てないんですがー…!!
もちろんこんな話をするんだから、前もってミュウツーが言ってるに決まってるだろうけども!
やらねばならない時もある。それが今。
もうこれ以上に無い気力を出し、意を決してチラっとウルフの方を確認する
想像以上に距離を詰められているが、ミュウツーの方を見て何か喋っているのでまだ心情的に大丈夫多分
注目してるのはあたしじゃない、注目してるのはあたしじゃないと何度も心の中で唱え、呼吸を整える
そうしたらやっと落ち着いてきたのか二人の会話が頭の中に入ってきた
「…じゃぁお前はなんだ?」
「私はこいつの感情の起伏を見て楽しんでいるだけだ」
「…あぁそう、随分な趣味なこった」
ミュウツーの言ってる意味分からないだろうなぁ…、あたしも分からないもん…
何考えてるのか分からないその表情
彼はミュウツーを見ていたのだけど、顔はそのまま目だけこちらに向けられた
見下ろされる感じなんだけど、反射的に感情が爆発してしまった
その行動は「次に会話するのはあたし」だという事
「だぁー!!」
「うっ!」
突発的に声を上げてウルフの身体を押す
流石の不意打ちと本気のつっぱりアタック、彼は吹っ飛んでいった
「もうダメだ…! 見てられない…!」
自分でも驚くほど泣きそうな声が出る
ミュウツーもウルフも置いて、超駆け足でその場を逃げ出した
無心で向かったのはプリンとナナの所
最初はプリンの部屋へ行ってねむねむプリンを無理矢理誘拐、その足でナナの部屋へ襲撃した
二人とも寝てる所を起こして本当に申し訳ないけど、あたし的に緊急事態なので本当に話を聞いてほしい
という事で今さっきの出来事と、それまでの経緯を包み隠さず感情第一で打ち明けた
「なるほど…、ウルフさんが好きだったんだ…。それは誰も気付かないね…」
「そ、それにしてもそんな感情爆発なんてしてたら、接する事出来なくないか?」
「無理だって…、だから慣れるまで待ってくれって思ってたのに…」
「ミュウツーさんの気持ちも分かるけどね、毎日数回ピーチさん達に詰められてたんでしょ? そりゃ面倒くさくなるよ」
「確かにミュウツーにはね、申し訳ないと思うけど、こんな急展開させなくても良いじゃない…!
慣れればね…! いくらでも皆に話したよ…!」
話しているだけでも感情が爆発しそう、泣いてしまいそう
締めるレベルで二人を抱きしめてるけど
それでもおーよしよしと頭を撫でてくれる二人には感謝しかない…
「それにしてもどうしよう…、あんなDVしたらウルフに嫌われたかも…」
「いや、流石にミュウツーさんの説明とユズちゃんのリアルを見たら信用するし、そんなので嫌いにならないでしょ」
「むしろ哀れに思うだろ」
「それだけならそれで良いけどさ…、どうしよう…、生きていけないよ…」
「考え過ぎ! 悩み過ぎだってがはは!」
「プリンは何時でも元気だね…」
喋りたい事は喋ったし、ある程度心も落ち着いたのでプリンと一緒に部屋に戻ろう
「ごめんね二人とも、夜遅くに、おやすみ」
「おやすみー」
ナナに手を振ってプリンと部屋の外に出る
薄暗い通路の先、何故かウルフが壁に寄りかかっていた。こちらを見ている
耐えられなくてナナの部屋に飛び込んだ
「ナナー! どうしようー!」
「どうしたの…?!」
堪らんとナナにしがみついたのだけど、とても驚いているナナちゃん…
「おいユズちゃん、もう大丈夫だぞ。プリンの歌で「すやぁ…」だ」
「ほ、本当?」
すぐに部屋に戻ってきたプリンはそう言うが、プリンはプリンだ嘘かもしれない。
大丈夫としか言わないプリンに不信感がある
しかし強く押すもので、震える手で恐る恐る扉を開けた
先程ウルフが居たら辺、確かにウルフがいびきをかいて寝ていた
「暫く起きないから今の内に見慣れとけば?」
「いや大丈夫、本当に申し訳ない」
あたしのせいで面倒くさい事になったし、廊下で寝させられるし彼にはごめんなさいしか言えない…
ごめんごめんとウルフに言いながら、何も無かったように歩いていくプリンを追った
翌日からあたしの事情を知ったプリンとナナはあたしの防衛の壁となってくれました
話を聞いたピーチ達が来ようもんならプリンの歌ですやぁ…
ウルフ所かフォックスやファルコが話掛けてこようもんなら、プリンの歌ですやぁ…です
最初は渋々だったけど、美味しいケーキやデザートを振りかざしたら喜んで引き受けてくれました。
プリンが耳を押さえたら歌う合図という、暗黙の了解みたいのも出来ました
現在、茶化しなのかなんなのか、恋愛話を振ってきた一部のおっさんが目の先で沈んでいます
その横を通りながら、夕ご飯作りの為に調理室へ向かった
「ユズちゃんも早く慣れろよ…、何時までもこんなの続けられるわけないんだから…」
「そうだね、その内ミュウツーさんやウルフさんの裁きが来るよ」
「怖い事言わないでよ…! あたしだって一生懸命心乱さないように練習してるんだから…!」
「思い切って丸一日おっさん密着取材してみたらどうだ? 新たな事知れるし慣れるし」
「そんな事言わないで! 桃のデザート没収するよ?!」
「申し訳ない! 口が過ぎました!」
「プリン簡単過ぎでしょ…
ユズちゃん、そんなに接触が無理なら手紙交換とかどう? それなら直接的じゃないし、私達が手紙運ぶから感情爆発しないでしょ?」
「あ、ありがとう…、でもウルフの手書きってだけで無理だ…、感動しちゃう…。そもそも内容見れないと思う…」
「え、えぇ…?」
「ここまでとは、もう末期だな」
前より調理室の引きこもりが増えたおかげで、料理の準備は前よりサクサクです
ずっとここで料理してるようなものなので
「また今日の料理は手が込んでるな…、ラーメンのスープを0から作る事ある?」
「時間有り余ってるからね、最近ラーメンのスープ作るのハマってるのよ。
柔らかチャーシューも大量にあるし、自慢の味玉もあるし、食べるの楽しみだなー」
「いつもこの部屋いい匂いするなぁって思ってたけど、ラーメンのスープなんだね」
「スープも麺もお好みで作って下さいってスタイルにしようかな、調理室で引きこもりもOKだしね」
「じゃぁ寧ろそれがメイン理由だろ…」
自慢の具材達を二人に紹介し終えても、時間は余っている…
つまらない雑談をしていたんだけど、途中プリンが閃いたと座っていた椅子から飛び降りた
「せっかくの暇時間だから、おっさんの練習時間にしないか?」
「え?! 何突然」
「ちょっと待ってろ」
と、多くを語らずプリンは調理室を飛び出して行った…
あんまりいい予感はしないのですが…
ナナと明日のご飯はああだどうだと話をして暫く、プリンが調理室に戻ってきた
「ユズちゃん、おっさん捕まえたから今の内に慣れておけ」
「えぇ?!」
話の感じ的に連れて来たのかと思ったのだけど、ウルフがここへ入って来る様子はない
「まぁこっち来いよ」というので食堂の方へついて行くと、扉ら辺でいびきをかいて寝ているウルフが居た
もちろん恥ずかしさか感動か、途端に心拍が上がっていくのだけど、相手は寝ているのでまだ穏やかかもしれない
「ど、どうしたのウルフさん」
「え? 「ユズちゃんが話したいらしい」って言って釣って、ここで眠らせた」
「もうおもちゃじゃんそれ…」
「おもちゃでも良いからユズちゃん、今の内にいっぱい慣れておきなさい。暫くは起きないから安心して触れ合いなさい」
「あ、ありがとう…」
起きてる状態はとてもじゃないけど無理
でもプリンの歌を聞いて寝てる状態ならまだどうにか…
せっかくのお気遣いなので、触れておこう…、ある程度抵抗力が付くかもしれないし
「失礼します…、本当に起きないよね…?!」
「起きないぞ、プリンの歌舐めんな」
「あぁー…! モフモフだ…!」
申し訳なく思いながら、まずは顔や頭からとりあえず撫でる
信じられない、頭撫でるとか仲良しさんみたいな扱いだ…!
実際モフモフなのか、好きだからなのかとても触り心地良く感じる
「本当、こんなんでしか接触できない事を許してほしい…」
「そんなんでおっさん怒らないだろ」
危なっかしい爪だけど、慎重に手も握る
「こんな爪して、不便じゃないのかな?」
「慣れてるから気にならないんじゃない?」
よくにぎにぎした後、その大きな手と恋人繋ぎをしてみた
相手は全く意識無いけど嬉しさ満点、とても感動した
「わぁー…!! あたしもう手洗えないよー…!!」
「いや…、手は洗おうや…」
「せっかくだから私も尻尾触っておこうかな…」
「お、そうだな、プリンも触ってみようかな、前に尻尾しがみ付いたら蹴飛ばされたんだよ」
「それは大胆な行動だね」
三人で尻尾をモフモフ、プリンの話ではろくに触らせようとしないらしいのでこの機会にでもね
三人で一つの尻尾を触ってるもんだから、流石に違和感があったのかいびきが止まる
起きるのかと思ったけど寝返りをするだけだった
「安心安全のプリンの歌だな。我ながら流石だ。ここまでして起きないならユズちゃんハグすれば?」
「それは無理…」
「絶対起きないって…! 大丈夫だって…!」
「それはウルフの意見を取り入れてからやる…!」
感情のままプリンを目潰しする
ハグはもう限度超えてる難易度だ。ウルフの許容範囲外だったらよりマズイし…
「あたしはちょっと触れるだけでも満足ですよ…」
「そういえばウルフさんここでこのまま寝かせておくの?
プリンに騙されたって事は理解したと思うけど」
「良いよ良いよ、ちゃんと正直に言うから、ユズちゃんのリハビリですって」
「寝てる時にどうこうされるのってあんまり良い気がしないかもしれないけど、ウルフさんは大丈夫かな?」
「大丈夫だ、怒ったら眠らせるから」
「睡眠エンドレスだね」
プリンには頭が上がりませんね
いつかプリンに大きな災難が来るかもしれないし、こんなこと続けてたらウルフに嫌われるかも…
早く彼に慣れなければならないと、時間が許すまでそのモフモフを堪能した
大体ご飯に一番乗りにやってくるのはミュウツー
なので三人でリハビリの説明をして、三人でお願いし倒して、寝ているウルフを自部屋まで飛ばしてもらいました。
「それで、今日の進捗は?」
「少し心に余裕が出来たかもしれない…」
「それは大きな進歩だね、今度は会話しなくても良いから起きてるウルフさんに近づけるようにね」
「それは難しい…」
「何で…、大丈夫だよそれくらい…」
夕ご飯中は調理室に引きこもり
プリンとナナにスープや麺・具材の残量の確認を任せました
二人が食堂に行っているのであたしは調理室で一人、もう食べ終わった人達の食器を片付けています
今ある分だけ片付け終わり、タオルで手の水分をふき取っている途中、突然居場所が変わる
ぱっと見、目の前にミュウツーと腕組んでるウルフが居た
周りの風景は中庭だ
事情は知らないがミュウツーに呼ばれてしまったんですね…
この堪らん状態に顔を伏せる…
「おい」
「!!」
ウルフに呼ばれたんだけど、いろんな感情が湧いてきて顔を上げられず、応える事も出来ず…
「どうした? 少し心に余裕が出来たんじゃないのか?」
とミュウツーが言うもんだから「余計な事を言うな」とミュウツーが居た気がする方向へ手中のタオルを投げつけた
「ミュウツーからいろいろ聞いた」
「す、すみません…」
自分でも笑ってしまう程細い声での謝罪の言葉
こちらに寄ってる様な影が見えて、それが目の前まで来ると足が止まる
「これやるから早く慣れろ」
と、あたしの手を取ると何かを握らせてきた
それだけして彼はそのまま中庭の扉の方へ向かう
「サンキューなミュウツー、また世話になるぜ」
そう言ってウルフは中庭を後にした
「………良かったではないか、それはウルフの私物だ」
「え?」
ミュウツーの言葉を聞いて顔を上げると、彼はあたしの方を指差している
握らせてきた物を確認すると、それは指輪だった
…ただちょっといかつくて、全くあたしの好みではない。
彼の私物という事らしいので多分彼の好みの物なのか
「話を聞きたいがロクに会話が出来ない、中々気を使われているぞ」
「分かってるって…!」
「早くまともに話が出来るよう、お守りとして身に着けておけば良い
私自身はお前の感情見れて面白いから今のままでも良いが」
「嫌だよ…! 皆に大変な思いさせてるの自覚してるんだから…!」
それにしてもウルフからのプレゼントだなんて、まるで夢みたいだ…
とりあえずピッタリはまった指に付けておいて、定期的に指輪から喜びややる気を補給しよう
形は好みでないとしてもこれは大切にしたい。見てるだけでも胸が躍る
…むしろ今後進展無くても、これだけで心豊かに生きていけるのでは?
「それはあまりお勧めしないな。奴はいわばお預けの状態だ
途中途中ガス抜きをするつもりとはいえ、お前の望み通り待てをしている。それで何も得られず仕舞いなど奴が許すわけないだろう」
「そ、そうですね…。」
これは皆の為にも、ウルフの為にも頑張らねばならない気がしました…。
ミュウツーに調理室まで戻してもらった所、部屋にはプリンとナナは居なかった
二人はまだラーメン屋で働いてるのかもしれない
ちらっと食堂の方を覗くと、ヤンガーズ相手に大盛況のプリンラーメン屋と皿を片付けているナナが居た
調理室に戻って流しを見ると、まぁまぁ皿が溜まっていたので皿洗いをしておこう
結局親指にはめた指輪なんだけど、中々違和感がある…
慣れてないから仕方ないと思うけど…
少ししたら皿を持って調理室にやってきたプリンとナナ
「あれ? ユズちゃん何処に居たの?」
「ミュウツーにね、呼ばれました」
「そうなのか? おっさん絡みか? 今さっきおっさん食堂に来たばかりでな」
「そうなんだよ…、実はね…」
と、二人にいかつい指輪を見せて、さっきの出来事を説明した
思い出すだけで最初の気まずさとプレゼント貰った喜びが蘇る
「なんだって…?! おっさんがプレゼント…?! もうハッピーエンドやないか…!」
「気が早いよプリン…」
「凄い使いにくいよ、ちくちく当たるし。でも貴重なプレゼントだから大切にしたい…!」
「プレゼントくれるんだったら、ウルフさん悪い気してないでしょ
ミュウツーさんも言ってるけど会話したがってるじゃん、文通したら?」
「手書きは無理だって…! 手紙は特別だよ、だったら会話の方が良い…」
「じゃぁ会話しろよ」
まったくもってその通りなプリンの発言です。
しかし、慣れるように手を尽くしてるが未だあたしには叶わぬ次元だ
しかも指輪のプレゼント貰った事でだいぶ満足してしまってる
早く慣れねばとは思っているけど、普通に会話出来るのはまだまだ先かもしれない
まだまだ無理ゲー
明らかに冗談というか茶化しというか、指輪を見たプリンが「ジャケット上着を借りたらハグされてる感じになるのでは?」と言いました。もちろん蹴飛ばしました。
しかしミュウツーがこの話を拾ってないわけも無く、数日後、指輪と同じパターンで本当にジャケットがやってきた。
他の人に見られたらたまったものじゃないのでナナの部屋、三人でお喋りしてます。
全く震えの止まらない手で、恐る恐る羽織ってそれに包まる
「ま、まぁ…、レンタルという形なんだけどね」
「わぁ、なんか彼女みたいだね」
「ナナちゃん静かにっ!!」
「え、な、なんで…」
「なるほどな、返品の時にも接する機会を作ろうという策か。
ユズちゃんも大変だが、おっさんも中々大変だな」
1/1ページ