2016(05)
■melted by cuteness!
++++
「やァー、気紛れで引いたら出たンで奈々にあげヤす」
「きゃーッ! いいんですかいいんですかッ! りっちゃん先輩いいんですかこんなかわいい物をッ!」
「自分が持っててもしャーないンで」
「きゃーッ! 大切にしますねーッ!」
奈々がきゃっきゃと喜んでいる。何が起きたのかにさほど興味はない。ただ、律が何かを渡していたようにも見える。ガチャガチャのケースだろうか。奈々が喜んでいるよりも律がガチャガチャをするというシュールさがヤバい。
今日はMMPの3年生追いコンで、ボウリングからの食事会(酒はない)に落ち着くことになった。ボウリングは3年生のムライズムと負けず嫌いを久々に見たし、何より菜月先輩と圭斗先輩のコンビネーションが素晴らしく眼福だった。
それからボウリング会場近くの鍋屋へやってきたのだ。確かに入り口にはガチャガチャが何台かあったような気がする。律の奴、いつの間にか回してやがったのか。どんなラインナップなんだろうか。後で見てみるか。
「おっ。奈々、りっちゃんからもらったのか」
「そうなんですよ菜月先輩ッ! ピー子ちゃんのお友達ですッ!」
「やァー、入り口んトコに鳥ガチャがあったンすよ。自分ペンギンが欲しかったンすけど、文鳥だったンで需要がありそうなところに流したまでス」
そう言って奈々が菜月先輩に見せびらかしているのは文鳥の小さなフィギュアだった。ガチャガチャはそれだったか。つーか律がペンギンとか言う柄かよ。もっと凶悪なヤツじゃないのか。
「えっうちもペンギン欲しい!」
「ペンギンかわいースよね」
「かわいいかわいい。アデリーかな、コウテイかな」
ナ、ナンダッテー!? 菜月先輩はペンギンがお好きでいらっしゃるのか! これは新しい情報じゃないか! そして、机の下で財布をじっと見る。小銭はあるだろうか。場合によっては菜月先輩にペンギンをだな。
「断固文鳥っすよ!」
「あー、鶏のお鍋が美味しそうだなあ」
「鶏の出汁も美味しそうやね」
「こーた先輩ヒロ先輩ぶち殺しますよ」
「まだ何も言ってないじゃないですか」
「そーやよ、別にピー子ちゃんの皮が剥かれたとかゆーとらんやん」
「それ以上言ったらマジコロっすよ」
お約束のヤツもしっかりとやっておく。学祭の焼き鳥の件にしてもそうだけど、今回は鶏団子鍋。ピー子ちゃんが出汁や具になっていないという保証はない。そんなことを繰り返していたら律を除く2年が奈々から鬼畜認定されてましたよね。
「大体鳥ガチャのピー子ちゃんが手元にあるのにどうして鶏ベースのお鍋なのか! センスを疑いますよッ!」
「うちが鶏団子鍋が食べたいと言ったばっかりに」
「あッ」
「やーいやーい、奈々が菜月先輩ディスったー」
「野坂、出番やよ。奈々が菜月先輩否定したよ」
「奈々、どうしてお前は菜月先輩を悲しませるようなことを」
「菜月先輩なら全肯定っす! 鶏のお鍋は美味しいっす! 神の言うことは絶対ですッ!」
そんなことをやっている間に、例の鍋がぐつぐつと煮えてきた。鶏の鍋が実に美味しそうだ。100分の食べ放題コース。やりたいようにやらせていただこう。戦闘態勢に入らなければ。
そして鍋をよそってくださるのが圭斗先輩だという辺りが気の利かない2年生以下なんだろうけれども、圭斗先輩と奉行という単語が似合いすぎるのでセーフだということにしよう。
「聞いてくださいよ圭斗先輩」
「ん、どうしたんだい?」
「今日ミーちゃんが雄平さんに会いに行くって朝から新幹線乗って光洋に行ってるんですけど、そのおみやげに文鳥まんじゅうを買ってきてもらえるんですッ! うちの誕生日だからって! 今からうきうきなんですッ!」
「ん、文鳥まんじゅうよりも越谷さんの件が気になるね」
「どーなんすかねー……」
end.
++++
MMPの3年生追いコンは大体奈々誕に行われているようです。3/21ですね。
さて、毎度おなじみ鳥がうんたら。鳥ガチャなるものをりっちゃんが回していたとな。確かにりっちゃんがガチャガチャを回すという光景は何とも言えず。
あ~……まーたコロス隊に何かが伝わってしまっているようだけどまあこっしーさんもう実家だし大丈夫か! 大丈夫だね!
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「やァー、気紛れで引いたら出たンで奈々にあげヤす」
「きゃーッ! いいんですかいいんですかッ! りっちゃん先輩いいんですかこんなかわいい物をッ!」
「自分が持っててもしャーないンで」
「きゃーッ! 大切にしますねーッ!」
奈々がきゃっきゃと喜んでいる。何が起きたのかにさほど興味はない。ただ、律が何かを渡していたようにも見える。ガチャガチャのケースだろうか。奈々が喜んでいるよりも律がガチャガチャをするというシュールさがヤバい。
今日はMMPの3年生追いコンで、ボウリングからの食事会(酒はない)に落ち着くことになった。ボウリングは3年生のムライズムと負けず嫌いを久々に見たし、何より菜月先輩と圭斗先輩のコンビネーションが素晴らしく眼福だった。
それからボウリング会場近くの鍋屋へやってきたのだ。確かに入り口にはガチャガチャが何台かあったような気がする。律の奴、いつの間にか回してやがったのか。どんなラインナップなんだろうか。後で見てみるか。
「おっ。奈々、りっちゃんからもらったのか」
「そうなんですよ菜月先輩ッ! ピー子ちゃんのお友達ですッ!」
「やァー、入り口んトコに鳥ガチャがあったンすよ。自分ペンギンが欲しかったンすけど、文鳥だったンで需要がありそうなところに流したまでス」
そう言って奈々が菜月先輩に見せびらかしているのは文鳥の小さなフィギュアだった。ガチャガチャはそれだったか。つーか律がペンギンとか言う柄かよ。もっと凶悪なヤツじゃないのか。
「えっうちもペンギン欲しい!」
「ペンギンかわいースよね」
「かわいいかわいい。アデリーかな、コウテイかな」
ナ、ナンダッテー!? 菜月先輩はペンギンがお好きでいらっしゃるのか! これは新しい情報じゃないか! そして、机の下で財布をじっと見る。小銭はあるだろうか。場合によっては菜月先輩にペンギンをだな。
「断固文鳥っすよ!」
「あー、鶏のお鍋が美味しそうだなあ」
「鶏の出汁も美味しそうやね」
「こーた先輩ヒロ先輩ぶち殺しますよ」
「まだ何も言ってないじゃないですか」
「そーやよ、別にピー子ちゃんの皮が剥かれたとかゆーとらんやん」
「それ以上言ったらマジコロっすよ」
お約束のヤツもしっかりとやっておく。学祭の焼き鳥の件にしてもそうだけど、今回は鶏団子鍋。ピー子ちゃんが出汁や具になっていないという保証はない。そんなことを繰り返していたら律を除く2年が奈々から鬼畜認定されてましたよね。
「大体鳥ガチャのピー子ちゃんが手元にあるのにどうして鶏ベースのお鍋なのか! センスを疑いますよッ!」
「うちが鶏団子鍋が食べたいと言ったばっかりに」
「あッ」
「やーいやーい、奈々が菜月先輩ディスったー」
「野坂、出番やよ。奈々が菜月先輩否定したよ」
「奈々、どうしてお前は菜月先輩を悲しませるようなことを」
「菜月先輩なら全肯定っす! 鶏のお鍋は美味しいっす! 神の言うことは絶対ですッ!」
そんなことをやっている間に、例の鍋がぐつぐつと煮えてきた。鶏の鍋が実に美味しそうだ。100分の食べ放題コース。やりたいようにやらせていただこう。戦闘態勢に入らなければ。
そして鍋をよそってくださるのが圭斗先輩だという辺りが気の利かない2年生以下なんだろうけれども、圭斗先輩と奉行という単語が似合いすぎるのでセーフだということにしよう。
「聞いてくださいよ圭斗先輩」
「ん、どうしたんだい?」
「今日ミーちゃんが雄平さんに会いに行くって朝から新幹線乗って光洋に行ってるんですけど、そのおみやげに文鳥まんじゅうを買ってきてもらえるんですッ! うちの誕生日だからって! 今からうきうきなんですッ!」
「ん、文鳥まんじゅうよりも越谷さんの件が気になるね」
「どーなんすかねー……」
end.
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MMPの3年生追いコンは大体奈々誕に行われているようです。3/21ですね。
さて、毎度おなじみ鳥がうんたら。鳥ガチャなるものをりっちゃんが回していたとな。確かにりっちゃんがガチャガチャを回すという光景は何とも言えず。
あ~……まーたコロス隊に何かが伝わってしまっているようだけどまあこっしーさんもう実家だし大丈夫か! 大丈夫だね!
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