2017
■ジャンルはオンリーワン
++++
「伊東クーン、星ヶ丘来たよ~」
「おー! よっぺー! あっ、スガちゃんもカンカンも久し振りじゃんな!」
今日はインターフェイスの有志で設立した派生サークル「IFサッカー部」の活動日。とは言え定期的に活動をしているというワケではなく、気が向いたときにみんなでふらっと集まってる自由なサークル。
サッカーフリークの伊東クンと、サッカー経験者の俺、山口洋平が主催者。インターフェイスの大学にはサッカー好きな子が結構多くて、それなら集まってフットサルでもやろっか~っていうのが始まり。
「だって洋平がやろうよ~って粘るから」
「そうそう。それに、何気に部活でのストレスヤベーのよ」
「あはは~、ストレス解消にはスポーツだよね~」
このIFサッカー部には、星ヶ丘の部活じゃインターフェイスの活動に出ない子たちも結構参加してくれたりする。部活じゃインターフェイスっていう単語を出すのもたまに気まずかったりするけど、これはあくまでサッカーサークルだからね~。
“スガちゃん”と“カンカン”も、部活では幹部寄りの“菅野班”の班長でプロデューサーとディレクターのコンビ。もちろん、幹部寄りってことは流刑地の俺たち朝霞班とは折り合いがよくないよね~。あくまで、部活の上では。
菅野班班長、菅野泰稚(すがの・たいち)。部では実力の割にあんまり目立たないプロデューサー。そしてディレクターの菅野太一(かんの・たいち)。背は低いけど小回りが利く。ちょっと毒舌かな? スガノ君がカンノ君の保護者って感じのコンビ。
「えっ、カンカン大丈夫? 部活でストレスとか」
「部長がさー、急にステージやるって言うんだよ。全部朝霞の所為だ」
「カオルがどうかしたの」
「カン、喋りすぎだ」
「あっ、わりースガ」
スガノ君が、ちらりと俺に目をやってカンノ君を戒める。ただ、そこまで聞くと、何となくでも経緯がわからないと気持ち悪いよね~。俺が伊東クンの立場でも、知ってる名前が不穏な話題で出てきて気にならないことはないだろうし。
「掻い摘むとね~、俺たちがファンフェスにIFの方で出るから部長がそれに対抗して元々予定になかったステージをぶち込んでね~、みんなてんやわんやなの」
「洋平」
「うんうん、朝霞クンが動けば部長が荒れる。それに巻き込まれるのは一般の部員。ストレスが溜まってもしょうがないよね~」
「へー、話には聞いてたけどやっぱ星ヶ丘って修羅の国だなー」
「でも! 今日はIFの話はなしだし~、体動かして一時でも忘れましょ~」
フットサルの日の活動は本当の部活みたいなウォーミングアップから始まる。軽いランニングにストレッチ、フットワークなどなど。二人一組になってのストレッチは体が伸びる伸びる。
俺の中に溜まっている物も、ストレスと言えばストレスなのかもしれない。朝霞クンがいないことで班長の仕事も俺に回ってきている。会議とか、書類の提出とか。つばちゃんも荒れっぱなしだし。慣れない仕事でてんやわんやなのは俺も同じ。
「おーい洋平行ったぞー!」
「はいは~い、いた~だき~ますっ! でしょでしょ~」
「あーっ! 止めろL!」
「無理っす!」
「あー、決められちゃったよー」
シュートを決めればみんなからもみくちゃにされて。いいなあって。こうしてる分には平和なのになあって。部に戻ればピリピリしちゃうからね~。本当に、雄平さんじゃないけど何なんだろうねあの身分階級みたいなのって。
「てかよっぺも部活でははみ出し者なんだよね?」
「そうだよ~」
「その割に、みんなと仲良くない? カオルは敵も多いみたいだけど」
「ちげーのよカズ。朝霞は部長を敵に回してるから必然的に敵も増えるけど、洋平のジャンルは洋平だから朝霞班とか関係ねーのよ」
「それは言える。うちの部でも洋平を悪く言う奴はいないからな」
「やめてよスガノ君、恥ずかしいジャな~い」
「部長の目がなければ俺のステージにも立って欲しいと思うくらいには俺はお前を買ってるんだけどな」
「ゴメンね~、嬉しいけど今は朝霞班を守るので手一杯だし~」
「全部朝霞の所為だ」
カンノ君が言ったその言葉には、みんなで大笑い。今の言葉には悪意も何もない、むしろ朝霞クンがいればなあって風にも解釈出来るから。まあ、朝霞クンがいたとしても俺は他の人のステージに立つ予定は今のところないんだけど。
「じゃ、もう1戦いきますか」
「やろやろ~」
end.
++++
スガPとカンDを出すためだけのIFサッカー部回。申し訳程度にちょっとボール出てるけど、スガPとカンDだけだなあ。
「洋平のジャンルは洋平」とかいう意味分からんワードが出てきたけど多分星ヶ丘の放送部じゃこんな感じなんだろうなあ。
幹部寄りの班ということで、部活内の様子もちょっとやってみたい。班長会議だとかね。そういや魚里班がご無沙汰だしそっちもやりたいね
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「伊東クーン、星ヶ丘来たよ~」
「おー! よっぺー! あっ、スガちゃんもカンカンも久し振りじゃんな!」
今日はインターフェイスの有志で設立した派生サークル「IFサッカー部」の活動日。とは言え定期的に活動をしているというワケではなく、気が向いたときにみんなでふらっと集まってる自由なサークル。
サッカーフリークの伊東クンと、サッカー経験者の俺、山口洋平が主催者。インターフェイスの大学にはサッカー好きな子が結構多くて、それなら集まってフットサルでもやろっか~っていうのが始まり。
「だって洋平がやろうよ~って粘るから」
「そうそう。それに、何気に部活でのストレスヤベーのよ」
「あはは~、ストレス解消にはスポーツだよね~」
このIFサッカー部には、星ヶ丘の部活じゃインターフェイスの活動に出ない子たちも結構参加してくれたりする。部活じゃインターフェイスっていう単語を出すのもたまに気まずかったりするけど、これはあくまでサッカーサークルだからね~。
“スガちゃん”と“カンカン”も、部活では幹部寄りの“菅野班”の班長でプロデューサーとディレクターのコンビ。もちろん、幹部寄りってことは流刑地の俺たち朝霞班とは折り合いがよくないよね~。あくまで、部活の上では。
菅野班班長、菅野泰稚(すがの・たいち)。部では実力の割にあんまり目立たないプロデューサー。そしてディレクターの菅野太一(かんの・たいち)。背は低いけど小回りが利く。ちょっと毒舌かな? スガノ君がカンノ君の保護者って感じのコンビ。
「えっ、カンカン大丈夫? 部活でストレスとか」
「部長がさー、急にステージやるって言うんだよ。全部朝霞の所為だ」
「カオルがどうかしたの」
「カン、喋りすぎだ」
「あっ、わりースガ」
スガノ君が、ちらりと俺に目をやってカンノ君を戒める。ただ、そこまで聞くと、何となくでも経緯がわからないと気持ち悪いよね~。俺が伊東クンの立場でも、知ってる名前が不穏な話題で出てきて気にならないことはないだろうし。
「掻い摘むとね~、俺たちがファンフェスにIFの方で出るから部長がそれに対抗して元々予定になかったステージをぶち込んでね~、みんなてんやわんやなの」
「洋平」
「うんうん、朝霞クンが動けば部長が荒れる。それに巻き込まれるのは一般の部員。ストレスが溜まってもしょうがないよね~」
「へー、話には聞いてたけどやっぱ星ヶ丘って修羅の国だなー」
「でも! 今日はIFの話はなしだし~、体動かして一時でも忘れましょ~」
フットサルの日の活動は本当の部活みたいなウォーミングアップから始まる。軽いランニングにストレッチ、フットワークなどなど。二人一組になってのストレッチは体が伸びる伸びる。
俺の中に溜まっている物も、ストレスと言えばストレスなのかもしれない。朝霞クンがいないことで班長の仕事も俺に回ってきている。会議とか、書類の提出とか。つばちゃんも荒れっぱなしだし。慣れない仕事でてんやわんやなのは俺も同じ。
「おーい洋平行ったぞー!」
「はいは~い、いた~だき~ますっ! でしょでしょ~」
「あーっ! 止めろL!」
「無理っす!」
「あー、決められちゃったよー」
シュートを決めればみんなからもみくちゃにされて。いいなあって。こうしてる分には平和なのになあって。部に戻ればピリピリしちゃうからね~。本当に、雄平さんじゃないけど何なんだろうねあの身分階級みたいなのって。
「てかよっぺも部活でははみ出し者なんだよね?」
「そうだよ~」
「その割に、みんなと仲良くない? カオルは敵も多いみたいだけど」
「ちげーのよカズ。朝霞は部長を敵に回してるから必然的に敵も増えるけど、洋平のジャンルは洋平だから朝霞班とか関係ねーのよ」
「それは言える。うちの部でも洋平を悪く言う奴はいないからな」
「やめてよスガノ君、恥ずかしいジャな~い」
「部長の目がなければ俺のステージにも立って欲しいと思うくらいには俺はお前を買ってるんだけどな」
「ゴメンね~、嬉しいけど今は朝霞班を守るので手一杯だし~」
「全部朝霞の所為だ」
カンノ君が言ったその言葉には、みんなで大笑い。今の言葉には悪意も何もない、むしろ朝霞クンがいればなあって風にも解釈出来るから。まあ、朝霞クンがいたとしても俺は他の人のステージに立つ予定は今のところないんだけど。
「じゃ、もう1戦いきますか」
「やろやろ~」
end.
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スガPとカンDを出すためだけのIFサッカー部回。申し訳程度にちょっとボール出てるけど、スガPとカンDだけだなあ。
「洋平のジャンルは洋平」とかいう意味分からんワードが出てきたけど多分星ヶ丘の放送部じゃこんな感じなんだろうなあ。
幹部寄りの班ということで、部活内の様子もちょっとやってみたい。班長会議だとかね。そういや魚里班がご無沙汰だしそっちもやりたいね
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