2016(03)
■絶叫アクティビティ
++++
こういうアクティビティと言うか、アート作品と言うか。街なかに突如として現れたホラー風の看板。昨日同じ道を通ったときはなかったと思うけど、これは何だろう。
「朝霞見ろよ、お化け屋敷だって!」
「お化け屋敷か。昨日まではなかったぞ」
「入ってみるか! 500円だって!」
「そうだな。用事は済んだし、こういうのもたまには面白そうだ」
お化け屋敷の看板を見つけた鳴尾浜はテンションが上がっているし、俺もこういうのは嫌いじゃない。本題だったウィンドウショッピングは終わってるから、あとはもう自由な時間で。
俺と鳴尾浜がお化け屋敷に乗り気な中、どよんと、暗い空気が渦を巻いていた。その中心にいるのは山口だ。髪を短くして、真っ黒に染めた真面目モード。ちなみに今日の本題は就活セミナーなどで着るスーツはどんなのがいいかっていう視察。
「おーい、行くぞ洋平!」
「絶対嫌」
「え~!? いいじゃんか、もう買い物終わってるし」
「俺は絶対嫌だからね! 入るんだったら朝霞クンとシゲトラが2人で入ってきて!」
「山口、何も中が和ホラーとは限らないぞ」
「和ホラーじゃないとも限らないジャナイ! 俺は入らないからね!」
そう、何を隠そう山口はホラーが苦手だったりする。ただ、苦手なのは和モノで、洋モノは何故かここまで大袈裟には怖がらないというワケのわからなさだ。多分陰鬱なのが苦手なのだろう。
先月末辺りに街にうじゃうじゃいたハロウィンメイクに関しても、ゾンビメイクの奴らがきゃいきゃい騒いでるのには大してリアクションしてなかったし(ハロウィンだからだろうけど)、やっぱり洋の方がハードルは低いのだろう。
さて、ここのお化け屋敷は看板を見る限り和のテイストが強そうだ。リング、呪怨、着信アリなどなど、Jホラーと呼ばれるジャンルの作品もステージの参考として山口と一緒に見てきたけど……うん、その時の反応を思い返すに、ここは多分アウトだな。
「ほら行くぞ洋平!」
「イ~ヤ~だ~! 何なの? シゲトラも朝霞クンも俺に何の恨みがあるの? 化けて出るよ? ホントムリなんだって!」
「そんなデカい図体しといてお化け屋敷がこえーとか小学生かよ」
「歳は関係ないの!」
「鳴尾浜、逆に無邪気な子供の方がこういうのは楽しめないか?」
「それもそうか。ほら行くぞ洋平!」
「ホントムリ! 朝霞クン助けて!」
助けろと言われても。中に入ると何分待たせることになるかもわからないし、かと言ってここまで拒否反応を示す山口を無理に中に連れ込むのもどうかと思い始めてきた。
と言うか映画を見たのは俺の部屋だったから多少俺の腕にしがみ付こうが絶叫しようが泣かれようが何でもアリだった。だけど、ステージに関わらない純粋な娯楽としてのお化け屋敷、それも外だ。
そして山口は鳴尾浜と力比べをしつつ、俺の背中に垂れ下がるカーディガンをかぶっている。俺は山口と鳴尾浜の間で板挟みになりながら、さて、お化け屋敷はどうしたものか。
「山口、鳴尾浜」
「ど~したの朝霞クン」
「おっ、お化け屋敷入るか!」
「どうせ暇だし、間取って向島港行かないか。ジェットコースター乗ろうぜ」
「おっ、いーじゃん! 寒い中で敢えてのジェットコースター!」
「ジェットコースターもいいけど~、向島港だったら水族館も行きたいな~」
「そっち方面だったら、俺、本当は鉄道館に行きたいんだけど」
「鉄道館も行こうぜ朝霞!」
「水上バスは土日祝日だけだから~、また戻って来なきゃだけど、たまにはいっか~」
今回、お化け屋敷は回避することに。よっぽど入りたかったら鳴尾浜は期間内にこういうのが好きそうな奴を引き連れて来ればいいじゃないかという結論に着地。
そしてここから始まるのは無計画な旅だ。港の方角へ。とりあえず、目的はジェットコースターだ。水族館や鉄道館は残り時間や何かと相談しながら。
「つか洋平お前意外にこういうの嫌いなんだな」
「昔から苦手だったけど、ここまでになったのは大体長野っちの所為だよ」
end.
++++
大体長野っちの所為www 長野っちは洋平ちゃんに何を吹き込んでここまで和ホラーを苦手にさせたんでしょうかねえ……対策時代の話なら高さkおっと
駄々をこねてる洋平ちゃんがやりたかっただけの回。シゲトラがいなきゃここまでお化け屋敷に行こうぜっていう雰囲気にはならなかっただろうから、大事なキャストである。
そして洋平ちゃんは髪の毛もしっかり整えた模様。実は髪が短い方がラクダナーって思ってるとかナントカ。
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こういうアクティビティと言うか、アート作品と言うか。街なかに突如として現れたホラー風の看板。昨日同じ道を通ったときはなかったと思うけど、これは何だろう。
「朝霞見ろよ、お化け屋敷だって!」
「お化け屋敷か。昨日まではなかったぞ」
「入ってみるか! 500円だって!」
「そうだな。用事は済んだし、こういうのもたまには面白そうだ」
お化け屋敷の看板を見つけた鳴尾浜はテンションが上がっているし、俺もこういうのは嫌いじゃない。本題だったウィンドウショッピングは終わってるから、あとはもう自由な時間で。
俺と鳴尾浜がお化け屋敷に乗り気な中、どよんと、暗い空気が渦を巻いていた。その中心にいるのは山口だ。髪を短くして、真っ黒に染めた真面目モード。ちなみに今日の本題は就活セミナーなどで着るスーツはどんなのがいいかっていう視察。
「おーい、行くぞ洋平!」
「絶対嫌」
「え~!? いいじゃんか、もう買い物終わってるし」
「俺は絶対嫌だからね! 入るんだったら朝霞クンとシゲトラが2人で入ってきて!」
「山口、何も中が和ホラーとは限らないぞ」
「和ホラーじゃないとも限らないジャナイ! 俺は入らないからね!」
そう、何を隠そう山口はホラーが苦手だったりする。ただ、苦手なのは和モノで、洋モノは何故かここまで大袈裟には怖がらないというワケのわからなさだ。多分陰鬱なのが苦手なのだろう。
先月末辺りに街にうじゃうじゃいたハロウィンメイクに関しても、ゾンビメイクの奴らがきゃいきゃい騒いでるのには大してリアクションしてなかったし(ハロウィンだからだろうけど)、やっぱり洋の方がハードルは低いのだろう。
さて、ここのお化け屋敷は看板を見る限り和のテイストが強そうだ。リング、呪怨、着信アリなどなど、Jホラーと呼ばれるジャンルの作品もステージの参考として山口と一緒に見てきたけど……うん、その時の反応を思い返すに、ここは多分アウトだな。
「ほら行くぞ洋平!」
「イ~ヤ~だ~! 何なの? シゲトラも朝霞クンも俺に何の恨みがあるの? 化けて出るよ? ホントムリなんだって!」
「そんなデカい図体しといてお化け屋敷がこえーとか小学生かよ」
「歳は関係ないの!」
「鳴尾浜、逆に無邪気な子供の方がこういうのは楽しめないか?」
「それもそうか。ほら行くぞ洋平!」
「ホントムリ! 朝霞クン助けて!」
助けろと言われても。中に入ると何分待たせることになるかもわからないし、かと言ってここまで拒否反応を示す山口を無理に中に連れ込むのもどうかと思い始めてきた。
と言うか映画を見たのは俺の部屋だったから多少俺の腕にしがみ付こうが絶叫しようが泣かれようが何でもアリだった。だけど、ステージに関わらない純粋な娯楽としてのお化け屋敷、それも外だ。
そして山口は鳴尾浜と力比べをしつつ、俺の背中に垂れ下がるカーディガンをかぶっている。俺は山口と鳴尾浜の間で板挟みになりながら、さて、お化け屋敷はどうしたものか。
「山口、鳴尾浜」
「ど~したの朝霞クン」
「おっ、お化け屋敷入るか!」
「どうせ暇だし、間取って向島港行かないか。ジェットコースター乗ろうぜ」
「おっ、いーじゃん! 寒い中で敢えてのジェットコースター!」
「ジェットコースターもいいけど~、向島港だったら水族館も行きたいな~」
「そっち方面だったら、俺、本当は鉄道館に行きたいんだけど」
「鉄道館も行こうぜ朝霞!」
「水上バスは土日祝日だけだから~、また戻って来なきゃだけど、たまにはいっか~」
今回、お化け屋敷は回避することに。よっぽど入りたかったら鳴尾浜は期間内にこういうのが好きそうな奴を引き連れて来ればいいじゃないかという結論に着地。
そしてここから始まるのは無計画な旅だ。港の方角へ。とりあえず、目的はジェットコースターだ。水族館や鉄道館は残り時間や何かと相談しながら。
「つか洋平お前意外にこういうの嫌いなんだな」
「昔から苦手だったけど、ここまでになったのは大体長野っちの所為だよ」
end.
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大体長野っちの所為www 長野っちは洋平ちゃんに何を吹き込んでここまで和ホラーを苦手にさせたんでしょうかねえ……対策時代の話なら高さkおっと
駄々をこねてる洋平ちゃんがやりたかっただけの回。シゲトラがいなきゃここまでお化け屋敷に行こうぜっていう雰囲気にはならなかっただろうから、大事なキャストである。
そして洋平ちゃんは髪の毛もしっかり整えた模様。実は髪が短い方がラクダナーって思ってるとかナントカ。
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