2016(03)
■言い出したらキリンがない
++++
ABCのサークル室が、パーティー仕様に飾り付けられていく。今日は11月11日、ヒビキ先輩の誕生日。世間的にはポッキー&プリッツの日だけど、ヒビキ先輩と言えばじゃがりこ。だからじゃがりこタワーを立てている真っ最中。
今年はスーパーやコンビニでもじゃがりこの亜種であるさつまりことかもろこしじゃがりこ的なものの割合が高くなっているように思う。きっと、産地を襲った台風の影響がまだあるのかもしれない。それでも集められるだけのじゃがりこを集結させる。
「紗希先輩、あと3つ下さい」
「はい。直クン、一番上はサラダね」
「わかりました」
そんな風にパーティーの準備をしていると、突如勢いよく開くサークル室の扉。その音と勢いに、じゃがりこタワーが音を立てて崩れる。顔にはあまり出ていないけど、直クンがびっくりしたのかもしれない。
「紗希先輩すみませんっ!」
「大丈夫大丈夫。また立てよう。もう、ヒメちゃんアヤネちゃん、もうちょっと静かに入ってきてくれたら嬉しかったな」
「ゴメンゴメン、まさかそんな高いタワー立ててると思わなかったから」
「てか去年よりパワーアップしてない?」
じゃがりこタワーを崩す勢いでサークル室にやってきたのは、ヒメちゃんとアヤネちゃん。2人とも今年のサークルにはあまり来れてなかったけどABCの一員であることには変わりないし、あたしとヒビキの同期で、大切な仲間。
ヒメちゃんとアヤネちゃんにここでパーティーやるから時間があったら来てねとは連絡してあったんだけど、まさか2人とも来てくれるなんて。きっとヒビキも喜んでくれると思う。
「それにしてもヒメちゃんもアヤネちゃんも可愛い紙袋だね。プレゼント?」
「ヒメはね、こないだ行ったロケ先で見つけたベレー帽とファーアクセ! ヒビキに似合うと思ってー、ヒメともおそろなんだよっ」
「アタシは実家から持ってきた今年の新酒! フルーティーで飲みやすいよ」
「レオンお前まーた販促かよ芸がないな」
「うるせえちえみ、自分とおそろとかついで扱いなの見え見えなんだよ」
「まあまあ。ヒビキベレー帽欲しいって言ってたし、人のお金でおいしーお酒のみたーいって言ってたから、需要はバッチリだよ」
バービー人形みたいなヒメちゃんと、ロリータ人形みたいなアヤネちゃんだけど、顔を合わせると見た目に見合わない口の悪さで喧嘩が始まるのも懐かしい。うふふ。2年生はこれこれって顔だし、1年生はちょっと押されてるかな?
ヒメちゃんはタレント業で忙しくしてたし、アヤネちゃんも今年はブドウ園をやってる実家の手伝い期間がいつもより長かったと思う。それぞれの道と言うか、歩き方があるけどこうやってまた集まれる場所があるのがとても嬉しい。
「紗希先輩、頂上のサラダ味を下さい」
「はい直クン」
じゃがりこタワーは再び築き上がって、残るは頂上のサラダ味。最後の1個が置かれて直クンの手が離れると、沸き上がる拍手。タワーを崩さないように直クンが慎重に椅子から降りれば、会場設営は完成。みんなにクラッカーを配れば、臨戦態勢。これでいつヒビキが来ても大丈夫。さとちゃんのケーキもスタンバイオッケー。
「紗希、ヒビキが来たらいつでも乾杯できるようにしとこう!」
「アヤネちゃんサークル室でお酒開けちゃダメだよ」
「大丈夫。ブドウジュースも持ってきてるから。果汁100%、砂糖不使用!」
「ならよかった」
end.
++++
久々にヒメとアヤネがサークル室にやってきたようです。ヒビキの誕生パーティーが開催されるらしい。今年のじゃがりこタワーは贅沢だぞ!
高いところの作業はやっぱり直クンの担当です。贅沢なじゃがりこタワーが出来上がったけど、おふたりさんが来たときに崩れた衝撃で折れてなければいいね
青女3年生の中ではヒビキが一番真っ当と言うか、普通の人なんだなあ。そういやヒビキってどんなキャラクターかっていうときに大体「イマドキの女子」って言ってるから普通でいいんだ。玉の輿希望の普通の女子な
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ABCのサークル室が、パーティー仕様に飾り付けられていく。今日は11月11日、ヒビキ先輩の誕生日。世間的にはポッキー&プリッツの日だけど、ヒビキ先輩と言えばじゃがりこ。だからじゃがりこタワーを立てている真っ最中。
今年はスーパーやコンビニでもじゃがりこの亜種であるさつまりことかもろこしじゃがりこ的なものの割合が高くなっているように思う。きっと、産地を襲った台風の影響がまだあるのかもしれない。それでも集められるだけのじゃがりこを集結させる。
「紗希先輩、あと3つ下さい」
「はい。直クン、一番上はサラダね」
「わかりました」
そんな風にパーティーの準備をしていると、突如勢いよく開くサークル室の扉。その音と勢いに、じゃがりこタワーが音を立てて崩れる。顔にはあまり出ていないけど、直クンがびっくりしたのかもしれない。
「紗希先輩すみませんっ!」
「大丈夫大丈夫。また立てよう。もう、ヒメちゃんアヤネちゃん、もうちょっと静かに入ってきてくれたら嬉しかったな」
「ゴメンゴメン、まさかそんな高いタワー立ててると思わなかったから」
「てか去年よりパワーアップしてない?」
じゃがりこタワーを崩す勢いでサークル室にやってきたのは、ヒメちゃんとアヤネちゃん。2人とも今年のサークルにはあまり来れてなかったけどABCの一員であることには変わりないし、あたしとヒビキの同期で、大切な仲間。
ヒメちゃんとアヤネちゃんにここでパーティーやるから時間があったら来てねとは連絡してあったんだけど、まさか2人とも来てくれるなんて。きっとヒビキも喜んでくれると思う。
「それにしてもヒメちゃんもアヤネちゃんも可愛い紙袋だね。プレゼント?」
「ヒメはね、こないだ行ったロケ先で見つけたベレー帽とファーアクセ! ヒビキに似合うと思ってー、ヒメともおそろなんだよっ」
「アタシは実家から持ってきた今年の新酒! フルーティーで飲みやすいよ」
「レオンお前まーた販促かよ芸がないな」
「うるせえちえみ、自分とおそろとかついで扱いなの見え見えなんだよ」
「まあまあ。ヒビキベレー帽欲しいって言ってたし、人のお金でおいしーお酒のみたーいって言ってたから、需要はバッチリだよ」
バービー人形みたいなヒメちゃんと、ロリータ人形みたいなアヤネちゃんだけど、顔を合わせると見た目に見合わない口の悪さで喧嘩が始まるのも懐かしい。うふふ。2年生はこれこれって顔だし、1年生はちょっと押されてるかな?
ヒメちゃんはタレント業で忙しくしてたし、アヤネちゃんも今年はブドウ園をやってる実家の手伝い期間がいつもより長かったと思う。それぞれの道と言うか、歩き方があるけどこうやってまた集まれる場所があるのがとても嬉しい。
「紗希先輩、頂上のサラダ味を下さい」
「はい直クン」
じゃがりこタワーは再び築き上がって、残るは頂上のサラダ味。最後の1個が置かれて直クンの手が離れると、沸き上がる拍手。タワーを崩さないように直クンが慎重に椅子から降りれば、会場設営は完成。みんなにクラッカーを配れば、臨戦態勢。これでいつヒビキが来ても大丈夫。さとちゃんのケーキもスタンバイオッケー。
「紗希、ヒビキが来たらいつでも乾杯できるようにしとこう!」
「アヤネちゃんサークル室でお酒開けちゃダメだよ」
「大丈夫。ブドウジュースも持ってきてるから。果汁100%、砂糖不使用!」
「ならよかった」
end.
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久々にヒメとアヤネがサークル室にやってきたようです。ヒビキの誕生パーティーが開催されるらしい。今年のじゃがりこタワーは贅沢だぞ!
高いところの作業はやっぱり直クンの担当です。贅沢なじゃがりこタワーが出来上がったけど、おふたりさんが来たときに崩れた衝撃で折れてなければいいね
青女3年生の中ではヒビキが一番真っ当と言うか、普通の人なんだなあ。そういやヒビキってどんなキャラクターかっていうときに大体「イマドキの女子」って言ってるから普通でいいんだ。玉の輿希望の普通の女子な
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