2016(03)
■もてなす側も無制限
++++
明日に迫る果林の誕生日を祝うのは、MBCC流のオクトーバーフェスト。ということで、用意されたのは大量のジャガイモにビール、そしてウィンナー……って、それはいいんだけどジャガイモの量が尋常じゃない。これを用意してくれたタカシは、足りませんでしたかねと素で聞いてくる。
ジャガイモになら当てがあるので任せてくださいとは言っていたけど、まさか段ボール単位で来るとは思わなかった。それも2ケース。確かに今日の主賓である果林は四次元胃袋だし高ピーも果林の陰には隠れるけど何気にめっちゃ食う。それを加味したって足りないなんてことはない。
「つか高木、お前これどうした」
「星大のミドリにもらいました。バイト先の先輩からジャガイモを大量にもらって困ってるって言ってて」
「ミドリっつーと……ああ、あの丸眼鏡か。にしたってこの量は」
「本当に困ってるみたいでしたし、MBCCだったらどれだけあっても大丈夫かなあと思って。余ったら余ったで俺の主食になりますし」
2ケース分の北辰産ジャガイモを普通に買おうと思ったら、今年は台風の影響もあってめちゃくちゃ高いに違いない。つか俺だって今後の生活のことを考えてちょっともらって帰りたいし。そう考えるとこれをタダで、それも、これを引き取ることが人助けになるのはありがたい話だ。
この日のためにジャガイモレシピを研究してきた。山のようにそびえるジャガイモを見てたらやる気が出てくる。これらをどう化けさせて、果林を満足させるかだ。まずは美味しく食べてもらうのが一番。あと、タカシにはそれっぽく調理した物を食べてもらいたい。普段の話を聞いてると悲惨で。
「いっちー先輩いっちー先輩、このジャガイモちゃんたちどうするんですか?」
「果林は何が食べたい?」
「アタシはいっちー先輩が作ってくれる物だったら何でも美味しく食べますよ!」
「じゃあ、最初はベタに蒸かし芋にしとこっか。もうすぐ食べれると思うから」
「わーいじゃがバター! いっちー先輩とタカちゃんには足向けて寝られないですよー!」
「つかいつだって飲みやってる時に寝たことなんかねえだろお前」
「実際今日火曜日ですしね。普段がバイト中なんで多分今日もラストまでバリバリ起きてます」
「で、その足で体育だろ? 元気なこった」
果林はこないだの連休にずっとバイトしてたから今日は火曜日だけどバイトを入れていなかったそうだ。それで実現した火曜日の無制限飲み、もといオクトーバーフェスト。社会学部は水曜日の授業がしょぼい傾向にあるとかで多少の無茶が利くらしい。
俺は経済学部だけど3年後期は授業は少ないし、実際水曜日は全休だ。高ピーもそう。果林とタカシは2限に体育でゴルフが入ってるらしいけど、「必修だけど、まあ、多少はね。1回くらいならね」というスタンス。
「今日は何気に果林と高ピーの胃袋に挑戦状を叩きつけるような感じだよ」
「へえ、上等だ。どんな美味いモン食わしてくれんのか楽しみだ」
「最低でもスープにフライにポテサラにグラタン、もちろんそれだけじゃなくてその他諸々。スーパーのレシピ子冊子ナメたら痛い目遭うよ高ピー。味は慧梨夏のお墨付きもらってるし」
「はいはい。エリカエリカ。そういやアイツお前の作るモンが美味すぎて食い過ぎてる、ヤバいっつってたぞ」
「大丈夫、カロリーコントロールはしてるから。かさ増し技も極めつつある」
「何かもういっちー先輩がさすがすぎて」
「さすがですね」
夜は長い。俺が倒れた後も果林とタカシの宴は続くだろう(明日2限体育あるのに大丈夫なのかな)。俺が倒れた後もちびちび食いつなげられるよう、それっぽい物も冷蔵庫には作り置きしてある。
「それじゃ、食べよっか」
「わーいじゃがバター!」
end.
++++
多分ミドリがタカちゃんにめっちゃ感謝して握手した手をブンブン振ってるパターンのヤツ。がんばれミドリ。つかまだあったのね。
というワケで果林誕のMBCC流オクトーバーフェストは豪勢なことになりそうです。間接的に春山さん様々である。
タカちゃんには足がないし、多分ミドリがジャガイモをタカちゃんの部屋まで運搬したのかな? この宴の会場は多分いち氏の部屋だけど、いち氏の部屋までは誰かが運んだんでしょう
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明日に迫る果林の誕生日を祝うのは、MBCC流のオクトーバーフェスト。ということで、用意されたのは大量のジャガイモにビール、そしてウィンナー……って、それはいいんだけどジャガイモの量が尋常じゃない。これを用意してくれたタカシは、足りませんでしたかねと素で聞いてくる。
ジャガイモになら当てがあるので任せてくださいとは言っていたけど、まさか段ボール単位で来るとは思わなかった。それも2ケース。確かに今日の主賓である果林は四次元胃袋だし高ピーも果林の陰には隠れるけど何気にめっちゃ食う。それを加味したって足りないなんてことはない。
「つか高木、お前これどうした」
「星大のミドリにもらいました。バイト先の先輩からジャガイモを大量にもらって困ってるって言ってて」
「ミドリっつーと……ああ、あの丸眼鏡か。にしたってこの量は」
「本当に困ってるみたいでしたし、MBCCだったらどれだけあっても大丈夫かなあと思って。余ったら余ったで俺の主食になりますし」
2ケース分の北辰産ジャガイモを普通に買おうと思ったら、今年は台風の影響もあってめちゃくちゃ高いに違いない。つか俺だって今後の生活のことを考えてちょっともらって帰りたいし。そう考えるとこれをタダで、それも、これを引き取ることが人助けになるのはありがたい話だ。
この日のためにジャガイモレシピを研究してきた。山のようにそびえるジャガイモを見てたらやる気が出てくる。これらをどう化けさせて、果林を満足させるかだ。まずは美味しく食べてもらうのが一番。あと、タカシにはそれっぽく調理した物を食べてもらいたい。普段の話を聞いてると悲惨で。
「いっちー先輩いっちー先輩、このジャガイモちゃんたちどうするんですか?」
「果林は何が食べたい?」
「アタシはいっちー先輩が作ってくれる物だったら何でも美味しく食べますよ!」
「じゃあ、最初はベタに蒸かし芋にしとこっか。もうすぐ食べれると思うから」
「わーいじゃがバター! いっちー先輩とタカちゃんには足向けて寝られないですよー!」
「つかいつだって飲みやってる時に寝たことなんかねえだろお前」
「実際今日火曜日ですしね。普段がバイト中なんで多分今日もラストまでバリバリ起きてます」
「で、その足で体育だろ? 元気なこった」
果林はこないだの連休にずっとバイトしてたから今日は火曜日だけどバイトを入れていなかったそうだ。それで実現した火曜日の無制限飲み、もといオクトーバーフェスト。社会学部は水曜日の授業がしょぼい傾向にあるとかで多少の無茶が利くらしい。
俺は経済学部だけど3年後期は授業は少ないし、実際水曜日は全休だ。高ピーもそう。果林とタカシは2限に体育でゴルフが入ってるらしいけど、「必修だけど、まあ、多少はね。1回くらいならね」というスタンス。
「今日は何気に果林と高ピーの胃袋に挑戦状を叩きつけるような感じだよ」
「へえ、上等だ。どんな美味いモン食わしてくれんのか楽しみだ」
「最低でもスープにフライにポテサラにグラタン、もちろんそれだけじゃなくてその他諸々。スーパーのレシピ子冊子ナメたら痛い目遭うよ高ピー。味は慧梨夏のお墨付きもらってるし」
「はいはい。エリカエリカ。そういやアイツお前の作るモンが美味すぎて食い過ぎてる、ヤバいっつってたぞ」
「大丈夫、カロリーコントロールはしてるから。かさ増し技も極めつつある」
「何かもういっちー先輩がさすがすぎて」
「さすがですね」
夜は長い。俺が倒れた後も果林とタカシの宴は続くだろう(明日2限体育あるのに大丈夫なのかな)。俺が倒れた後もちびちび食いつなげられるよう、それっぽい物も冷蔵庫には作り置きしてある。
「それじゃ、食べよっか」
「わーいじゃがバター!」
end.
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多分ミドリがタカちゃんにめっちゃ感謝して握手した手をブンブン振ってるパターンのヤツ。がんばれミドリ。つかまだあったのね。
というワケで果林誕のMBCC流オクトーバーフェストは豪勢なことになりそうです。間接的に春山さん様々である。
タカちゃんには足がないし、多分ミドリがジャガイモをタカちゃんの部屋まで運搬したのかな? この宴の会場は多分いち氏の部屋だけど、いち氏の部屋までは誰かが運んだんでしょう
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