2016(02)
■蛇行迷走マジラジ7
++++
「そんじゃ、夏合宿の打ち合わせやよ」
「マジパねえ!」
向島のヒロを班長に据えた7班の班打ち合わせが始まった。啓子からは直接、マーシーからはメールで「どうか7班が迷走しないようによろしくお願いします」と言われていたけれど、その意味が少しわかった気がする。
ヒロはちょっとふわふわしたキャラだということはよく知ってる。だけどヒロがふわふわしてるだけなら啓子とマーシーがそこまで必死になることもないんじゃないかなと思っていた。だけど、ボクの認識がちょっと甘かったらしい。
何が始まるのかとわくわくした様子で目を輝かせているのが噂のハマちゃん。映像メインの青浪敬愛大学から今年になってインターフェイスの活動に出てくるようになったアナウンサーさんだ。ラジオの経験はなし。
そして、さーてどうなるかなーとヒロとハマちゃんを焚きつけるように様子を見ているのがシゲトラ先輩。3年生だし、スキー場にも行ってるし、頼りにしたいところだけどやっぱりちょっと不安だ。
「番組やけど、どうしようね直クン」
「ここはヒロにリードしてもらって。ほら、ヒロ以外の2・3年はラジオ経験少ないし、1年生は初めてだから」
「んー、でもあんま堅苦しくてもおもろないし、ボクらって言うかボクにそんなん求められとらんやろうから、好きなようにやったらええんちゃうの」
「でも一応フォーマットはあるんだから。15分番組を3ペア分で45分番組になりますよっていう基本くらいは」
「じゃ、そういうことで。各ペア15分やよ」
正直に言えば、現時点では不安しかない。つまり、啓子とマーシーが言っていたのはこういうことだったのかと理解するには十分すぎた。どうしよう、ボクがしっかりしないと班が路頭に迷うかもしれない。
「なーなー直クン、ラジオで15分っつったらどーゆー構成になんの?」
「えっと、初心者講習会で見本番組は見た?」
「あーはい! わかった! あーゆー感じな! マジパねえ!」
ボクはハマちゃんとペアを組むことになった。ヒロは1年生のミキサー、シゲトラ先輩は1年生のアナウンサーをそれぞれリードすることになっている。ただ、どこのペアもかなり手探り状態。
15分番組が3つと言っても、結局は45分番組になるわけだから、ひとつの番組としての統一感を持たせる必要がある。誰がどんな風に雰囲気を作ってくれるのか、駆け引きのようでもある。
「ヒロ、番組全体はどういう感じで行くの?」
「うーん。せっかくステージの人も映像のハマちゃんもおるんやし、ラジオの人らばっかりやったら思いつかんようなことやりたいよね」
「例えば?」
「わからん」
「ダメじゃない」
「ゆーてもボク向島やもん、所詮普通のラジオしかやっとらんのやよ」
「じゃあ普通のラジオでいいんじゃないかな」
「そんなんつまらんやん」
どうやら番組のビジョンは班長のヒロ本人にも浮かんでいないらしい。ラジオの人たちばかりでは思いつかないようなラジオ、と言えば聞こえはいいけど実際にやるとなると難しそうだ。
「7班のマジパないラジオ」
「どうしたハマ坊」
「シゲさん、マジラジって響きパなくないすか」
「おー、いいじゃんマジラジ。マジラジ7だな7班だから。いや? セブンって響きがカッケーな、いいじゃん!」
「何それええやん、マジラジ7。直クン直クン、マジラジで行こーよ」
「番組名から雰囲気が決まることもあるし、みんながいいならいいんじゃないかな」
「じゃあ番組名は、7班のマジハンパないラジオ、略して“マジラジ7”やよ」
方向性が少しずつ決まり始めたところで、改めて番組……マジラジ7について話し合うことに。……本当にこんな感じでいいのかなあ。
「ちなみに番組やるんはわくわくランドっていう実際には存在せん遊園地的なトコやよ、きっと寂れとるやろーね」
「マジラジ7の戦隊ラジオ、音波と駆けるハマブルー」
「おっ、じゃあ俺はシゲトライエローで」
「え、ボク班長やからヒロレッドになるん? ヤやわー、レッドはイヤやわ」
end.
++++
直クンがんばれええええ、な、夏合宿7班のお話。何だよマジラジ7って。なんだか楽しそうなことになりそうですね!
ヒロがふらふらで心配になっている啓子さんとノサカですが、案外ちゃんとやるときはやってくれるはずなので、みんなできゃいきゃいと団結はすると思う。思いたい。
何気に火種をまいてるのはヒロじゃなくてハマちゃんな気がするよ! それにヒロとシゲトラが乗っかってる気がする!
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「そんじゃ、夏合宿の打ち合わせやよ」
「マジパねえ!」
向島のヒロを班長に据えた7班の班打ち合わせが始まった。啓子からは直接、マーシーからはメールで「どうか7班が迷走しないようによろしくお願いします」と言われていたけれど、その意味が少しわかった気がする。
ヒロはちょっとふわふわしたキャラだということはよく知ってる。だけどヒロがふわふわしてるだけなら啓子とマーシーがそこまで必死になることもないんじゃないかなと思っていた。だけど、ボクの認識がちょっと甘かったらしい。
何が始まるのかとわくわくした様子で目を輝かせているのが噂のハマちゃん。映像メインの青浪敬愛大学から今年になってインターフェイスの活動に出てくるようになったアナウンサーさんだ。ラジオの経験はなし。
そして、さーてどうなるかなーとヒロとハマちゃんを焚きつけるように様子を見ているのがシゲトラ先輩。3年生だし、スキー場にも行ってるし、頼りにしたいところだけどやっぱりちょっと不安だ。
「番組やけど、どうしようね直クン」
「ここはヒロにリードしてもらって。ほら、ヒロ以外の2・3年はラジオ経験少ないし、1年生は初めてだから」
「んー、でもあんま堅苦しくてもおもろないし、ボクらって言うかボクにそんなん求められとらんやろうから、好きなようにやったらええんちゃうの」
「でも一応フォーマットはあるんだから。15分番組を3ペア分で45分番組になりますよっていう基本くらいは」
「じゃ、そういうことで。各ペア15分やよ」
正直に言えば、現時点では不安しかない。つまり、啓子とマーシーが言っていたのはこういうことだったのかと理解するには十分すぎた。どうしよう、ボクがしっかりしないと班が路頭に迷うかもしれない。
「なーなー直クン、ラジオで15分っつったらどーゆー構成になんの?」
「えっと、初心者講習会で見本番組は見た?」
「あーはい! わかった! あーゆー感じな! マジパねえ!」
ボクはハマちゃんとペアを組むことになった。ヒロは1年生のミキサー、シゲトラ先輩は1年生のアナウンサーをそれぞれリードすることになっている。ただ、どこのペアもかなり手探り状態。
15分番組が3つと言っても、結局は45分番組になるわけだから、ひとつの番組としての統一感を持たせる必要がある。誰がどんな風に雰囲気を作ってくれるのか、駆け引きのようでもある。
「ヒロ、番組全体はどういう感じで行くの?」
「うーん。せっかくステージの人も映像のハマちゃんもおるんやし、ラジオの人らばっかりやったら思いつかんようなことやりたいよね」
「例えば?」
「わからん」
「ダメじゃない」
「ゆーてもボク向島やもん、所詮普通のラジオしかやっとらんのやよ」
「じゃあ普通のラジオでいいんじゃないかな」
「そんなんつまらんやん」
どうやら番組のビジョンは班長のヒロ本人にも浮かんでいないらしい。ラジオの人たちばかりでは思いつかないようなラジオ、と言えば聞こえはいいけど実際にやるとなると難しそうだ。
「7班のマジパないラジオ」
「どうしたハマ坊」
「シゲさん、マジラジって響きパなくないすか」
「おー、いいじゃんマジラジ。マジラジ7だな7班だから。いや? セブンって響きがカッケーな、いいじゃん!」
「何それええやん、マジラジ7。直クン直クン、マジラジで行こーよ」
「番組名から雰囲気が決まることもあるし、みんながいいならいいんじゃないかな」
「じゃあ番組名は、7班のマジハンパないラジオ、略して“マジラジ7”やよ」
方向性が少しずつ決まり始めたところで、改めて番組……マジラジ7について話し合うことに。……本当にこんな感じでいいのかなあ。
「ちなみに番組やるんはわくわくランドっていう実際には存在せん遊園地的なトコやよ、きっと寂れとるやろーね」
「マジラジ7の戦隊ラジオ、音波と駆けるハマブルー」
「おっ、じゃあ俺はシゲトライエローで」
「え、ボク班長やからヒロレッドになるん? ヤやわー、レッドはイヤやわ」
end.
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直クンがんばれええええ、な、夏合宿7班のお話。何だよマジラジ7って。なんだか楽しそうなことになりそうですね!
ヒロがふらふらで心配になっている啓子さんとノサカですが、案外ちゃんとやるときはやってくれるはずなので、みんなできゃいきゃいと団結はすると思う。思いたい。
何気に火種をまいてるのはヒロじゃなくてハマちゃんな気がするよ! それにヒロとシゲトラが乗っかってる気がする!
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