2018
■山賊まがいの強奪作戦
++++
「よっぺ、そろそろみんな来る頃かな」
「そうだね~。気長に待と~」
場所は、某所体育館。これは、インターフェイスの有志で結成したIFサッカー部という派生サークルの活動だ。発起人は俺と星ヶ丘のよっぺ。俺が見る専だけどサッカー好きで、よっぺはサッカー経験者で意気投合して。って言うかよっぺはマジで俺のヒーローなんだ。
まあ、よっぺ(山口兄弟)についてガチで語ったら尺が足りなくなるんでほどほどにしときますね。IFサッカー部というのは簡単に言えばインターフェイスのサッカー好きで集まってサッカーやったり試合見たりしようぜっていう会です。
「おざーっす」
「おー、Lー! 来たかMBCC!」
「やっぱたまには体動かしたいっすし久々っすからね、IFサッカー部の活動も」
MBCCからは俺とサッカー経験者のL、それからアクティブなゴティとエージが参加してくれている。MBCC勢はゴティの車に乗り合いで来たようだ。って言うか発起人が俺とよっぺだから必然的に緑ヶ丘と星ヶ丘が多いよね。
「おはようございます」
「あっ、スガちゃんおはよー!」
次にやって来たのは星ヶ丘のスガちゃん。ただ、スガちゃんはインターフェイスの活動には出て来てない。だけど、そういうの関係なしにサッカーやろうっていう派生サークルだから全然問題なし。何か星ヶ丘って修羅の国だって聞くけどその中でもよっぺの人望って凄いらしいよ。
「あれっ。スガノ君、カンノ君は?」
「カンはあれだ、昨日デートだったはずだし、俺とは別行動」
「えっ、カンカン彼女出来たの?」
「最近な」
「えー! めでたい!」
カンカンはスガちゃんの相棒みたいな感じの子で、2人は一緒にバンドもやってるとか。活動的だなあ。スガちゃんは彼女と順調みたいな話はよく聞いていて、その話をしながら「どーせ俺はモテませんしー」と不貞腐れていたカンカンにもついに春が!?
「えっ、どんな子どんな子」
「ウチの部の1年だ」
「へー、1年生ってことは出会ってそんな経ってないみたいな感じじゃんね」
「カンノ君やる~」
「って言うか星ヶ丘って部内恋愛結構あるんだね。スガちゃんもそうでしょ?」
「あ、まあ、そうだな」
カンノ君にも春が来ておめでたいし今日はお祝いだね~とよっぺがパチパチと手を叩く。この場合、お祝いというのは文字通りの祝福なのか、手荒い方のヤツなのか。俺は手荒い方だと思ってるけどよっぺは文字通りに祝福しそうだしなあ。どっちかなあ。
「泰稚ー、なんだー」
「星羅。どうした?」
「あっ、星羅ちゃんだ~。どうしたの~?」
「こんにちはなんだ。ボクは遅刻しそうになって焦ってたカンを連れて来たんだ」
どうやらこの小柄で独特な喋り方の女の子は噂に聞くスガちゃんの彼女さん。そっか、星ヶ丘の子だからよっぺとも知り合いか。スガちゃんから星羅ですと紹介があって、俺たちはこんにちはと軽く会釈を。
「泰稚、聞くんだ。カンから言われた場所に行ったら彼女と一緒にいたんだ! それで、カンは勢いで彼女もボクの車に乗せたんだ!」
「で、カンは?」
「きっとちょっとの時間でも離れたくない時期なんだ。着いたんだって言っても降りる気配がなかったんだ! だからボクは先に来たんだ! でも、運転中も後部座席で手を取り合ってちゅっちゅしてたんだ! だからきっと今もちゅっちゅしてるんだ!」
「……星羅、アイツのこと殴っていいぞ」
「いくらカンでも殴られると痛いんだ」
「何なんだアイツは! 星羅を足代わりにしときながら自分の世界でいちゃついてるとか、ふざけんなよ」
「すっご~い、珍し~、スガノ君がご立腹でしょでしょ~」
「彼女がいい風に利用されてみろ、腹も立つだろ」
「スガちゃん、俺はスガちゃんの味方だから」
「カズ、ありがとう」
付き合い始めで楽しい頃なんだろうね~、とその場にいるみんなはちょっと呆れつつもカンカンに対する祝意みたいなものはまだ残ってる。星羅さんはちょっと気の毒だけどね。車内でそりゃねーよって言うか、恥ずかしくてそんなこと出来ねーよなかなか。
カンカンに彼女が出来てめでたい。今日はお祝いだ。そのお祝いの方向性が自然に手荒い方の祝福に決まったところで今だ来ぬ主役を待つ。ただ、スガちゃんからは隠しきれない殺意もちょっと滲み出てますよね!
「泰稚、ちょっとここにいさせてもらっていいんだ?」
「いいけど、どうした?」
「いい雰囲気のところをお邪魔するのは申し訳ないんだ」
「お前の車だろ?」
「ボクの車だけど、気まずいんだ」
「カズ、今日はゲームの前に星羅の車を取り戻すのに協力して欲しい。奴を車から引き摺り下ろす」
「よっしゃ! 野郎共、冷やかしに行くぞー!」
「お~」
サッカーはやらないのかって? その辺は臨機応変にですよ。って言うかメンバー揃わないと始まらないし、星羅さんも困ってるし! カンカンいねーとストレッチの相手がいなくて俺も困るんだよね! えっ、そりゃまあ冷やかしもメインですけど?
end.
++++
今年はIFサッカー部について触れておかねばならないと思ったのに、全然活動に触れてない件。
どうやら初心者講習会だ何だとナノスパが忙しくしている間にカンDには春がやってきていた模様。めでたい!
何気に星羅もしっかり出てきたのは今期初? さすがのポジティブ星羅も後部座席でちゅっちゅされていると少し気まずいみたいです
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「よっぺ、そろそろみんな来る頃かな」
「そうだね~。気長に待と~」
場所は、某所体育館。これは、インターフェイスの有志で結成したIFサッカー部という派生サークルの活動だ。発起人は俺と星ヶ丘のよっぺ。俺が見る専だけどサッカー好きで、よっぺはサッカー経験者で意気投合して。って言うかよっぺはマジで俺のヒーローなんだ。
まあ、よっぺ(山口兄弟)についてガチで語ったら尺が足りなくなるんでほどほどにしときますね。IFサッカー部というのは簡単に言えばインターフェイスのサッカー好きで集まってサッカーやったり試合見たりしようぜっていう会です。
「おざーっす」
「おー、Lー! 来たかMBCC!」
「やっぱたまには体動かしたいっすし久々っすからね、IFサッカー部の活動も」
MBCCからは俺とサッカー経験者のL、それからアクティブなゴティとエージが参加してくれている。MBCC勢はゴティの車に乗り合いで来たようだ。って言うか発起人が俺とよっぺだから必然的に緑ヶ丘と星ヶ丘が多いよね。
「おはようございます」
「あっ、スガちゃんおはよー!」
次にやって来たのは星ヶ丘のスガちゃん。ただ、スガちゃんはインターフェイスの活動には出て来てない。だけど、そういうの関係なしにサッカーやろうっていう派生サークルだから全然問題なし。何か星ヶ丘って修羅の国だって聞くけどその中でもよっぺの人望って凄いらしいよ。
「あれっ。スガノ君、カンノ君は?」
「カンはあれだ、昨日デートだったはずだし、俺とは別行動」
「えっ、カンカン彼女出来たの?」
「最近な」
「えー! めでたい!」
カンカンはスガちゃんの相棒みたいな感じの子で、2人は一緒にバンドもやってるとか。活動的だなあ。スガちゃんは彼女と順調みたいな話はよく聞いていて、その話をしながら「どーせ俺はモテませんしー」と不貞腐れていたカンカンにもついに春が!?
「えっ、どんな子どんな子」
「ウチの部の1年だ」
「へー、1年生ってことは出会ってそんな経ってないみたいな感じじゃんね」
「カンノ君やる~」
「って言うか星ヶ丘って部内恋愛結構あるんだね。スガちゃんもそうでしょ?」
「あ、まあ、そうだな」
カンノ君にも春が来ておめでたいし今日はお祝いだね~とよっぺがパチパチと手を叩く。この場合、お祝いというのは文字通りの祝福なのか、手荒い方のヤツなのか。俺は手荒い方だと思ってるけどよっぺは文字通りに祝福しそうだしなあ。どっちかなあ。
「泰稚ー、なんだー」
「星羅。どうした?」
「あっ、星羅ちゃんだ~。どうしたの~?」
「こんにちはなんだ。ボクは遅刻しそうになって焦ってたカンを連れて来たんだ」
どうやらこの小柄で独特な喋り方の女の子は噂に聞くスガちゃんの彼女さん。そっか、星ヶ丘の子だからよっぺとも知り合いか。スガちゃんから星羅ですと紹介があって、俺たちはこんにちはと軽く会釈を。
「泰稚、聞くんだ。カンから言われた場所に行ったら彼女と一緒にいたんだ! それで、カンは勢いで彼女もボクの車に乗せたんだ!」
「で、カンは?」
「きっとちょっとの時間でも離れたくない時期なんだ。着いたんだって言っても降りる気配がなかったんだ! だからボクは先に来たんだ! でも、運転中も後部座席で手を取り合ってちゅっちゅしてたんだ! だからきっと今もちゅっちゅしてるんだ!」
「……星羅、アイツのこと殴っていいぞ」
「いくらカンでも殴られると痛いんだ」
「何なんだアイツは! 星羅を足代わりにしときながら自分の世界でいちゃついてるとか、ふざけんなよ」
「すっご~い、珍し~、スガノ君がご立腹でしょでしょ~」
「彼女がいい風に利用されてみろ、腹も立つだろ」
「スガちゃん、俺はスガちゃんの味方だから」
「カズ、ありがとう」
付き合い始めで楽しい頃なんだろうね~、とその場にいるみんなはちょっと呆れつつもカンカンに対する祝意みたいなものはまだ残ってる。星羅さんはちょっと気の毒だけどね。車内でそりゃねーよって言うか、恥ずかしくてそんなこと出来ねーよなかなか。
カンカンに彼女が出来てめでたい。今日はお祝いだ。そのお祝いの方向性が自然に手荒い方の祝福に決まったところで今だ来ぬ主役を待つ。ただ、スガちゃんからは隠しきれない殺意もちょっと滲み出てますよね!
「泰稚、ちょっとここにいさせてもらっていいんだ?」
「いいけど、どうした?」
「いい雰囲気のところをお邪魔するのは申し訳ないんだ」
「お前の車だろ?」
「ボクの車だけど、気まずいんだ」
「カズ、今日はゲームの前に星羅の車を取り戻すのに協力して欲しい。奴を車から引き摺り下ろす」
「よっしゃ! 野郎共、冷やかしに行くぞー!」
「お~」
サッカーはやらないのかって? その辺は臨機応変にですよ。って言うかメンバー揃わないと始まらないし、星羅さんも困ってるし! カンカンいねーとストレッチの相手がいなくて俺も困るんだよね! えっ、そりゃまあ冷やかしもメインですけど?
end.
++++
今年はIFサッカー部について触れておかねばならないと思ったのに、全然活動に触れてない件。
どうやら初心者講習会だ何だとナノスパが忙しくしている間にカンDには春がやってきていた模様。めでたい!
何気に星羅もしっかり出てきたのは今期初? さすがのポジティブ星羅も後部座席でちゅっちゅされていると少し気まずいみたいです
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