2018
■ウザさがマジパねえ
++++
「朝霞サーン、アタシ今日出掛けるから欠席ー」
「買い出しか?」
「ほら、朝霞サンの紹介でインターフェイスに出るとか言ってる青敬の奴いるっしょ? アイツと一遍会っとこうと思って。顔知らなきゃ面倒なことになると思うんだよね」
「ああ、そういうことか。わかった、そういうことなら」
班長の許可は取った、と言うかこれは班長……と言うか定例会参事(仮)から直々に言い渡されてる仕事だから、朝霞サンに断る権利はないんだよね。
何でも、青敬の浜田真司とかいう奴が、インターフェイスの活動に出てみたいとかいうことでまずは初心者講習会に出ることにしたとか。だけど、青敬からは対策委員も出てないし、定例会もぐだぐだになってて連絡手段がない。そこで白羽の矢が立ったのがアタシ。
朝霞サンと洋平が病気で入院した長野サンのお見舞いに行ったときに鉢合わせたとかいう奴なんだよね。まあ、アレだよ。朝霞サンの力で動かせる対策委員なんてアタシくらいだし、しょーがねーなと引き受けたよね。
で、講習会のこととかを連絡してるのは良かったんだけど、向こうがアタシの顔がわからないのが不安とか言って来て。まあ、気持ちはわかんないでもないから会ってやることにしたよね。言っちゃなんだけど青敬って僻地だし、2年から出て来るとかね。馴染めるかどうかは確かに不安だろうから。
――で、原付でひとっ走りしてやってきたカフェ。向こうから指定された場所と、外見の特徴を照らし合わせて相手を探す。えっと、ヘアバンドしてて迷彩柄のジャケット~っと。あっ、あれかな。明るい茶髪の。
「ねえ、アンタがそう?」
「おー! サンバイザー! マジパねえ!」
「は?」
「青敬の浜田真司! よろしくな!」
「星ヶ丘の戸田つばめ」
「つばみ! パねえ」
「つばめだっつーの」
「いや、愛称的な?」
「要らないから」
何コイツ。ノリが軽い。でも、何とな~くだけど、ステージに絡まない朝霞サンと洋平とは合いそうな感じだわ。まあ、何はともあれ朝霞サン直々に言われてるインターフェイスの仕事だからやるだけだ。
「で、本題に入るけど。アンタパートどっち? アナウンサーかミキサーか。青敬の事情はよくわかんないけどさ」
「AKBCじゃアナウンスをメインにやってるかな。編集とか撮影で機材も触るけど」
「じゃあアナにする?」
「アナウンサーとミキサーでどう変わる?」
「朝霞サンか洋平から聞いてると思うけど、インターフェイスの活動はラジオメインね。アナウンサーはそのまんま喋りだけ担当で、ミキサーは機材だけ担当。ウチの学年の事情だけで言うと、ミキサーに人数が偏ってるからアナウンス出来るならアナで行ってもらった方が正直助かる」
「元々アナウンサーで行くつもりだったんだ、ヒロさんもアナだし」
「ふーん」
そういや洋平が言ってたな、「ハマちゃんは長野っちに憧れてて~、仲もいいんだよ~」みたいなことを。先輩に憧れることが悪いとは言わないし、それでアナウンサーに収まってもらえるなら万々歳だね。
「つばみはミキサー?」
「つばみ言うな。アタシはインターフェイスじゃミキサーだね。星ヶ丘じゃディレクター」
「ディレクター! マジパねえ!」
「てかさ、アンタさっきからそのパねえって何?」
「口癖」
「ウザッ」
「つばみ切れ味パねえ」
「うっさいわハマ男!」
う~わ~、ウザいわ~。めんどくさいわ~。でも何かこう、初対面の人間に臆しない感じ? 陽キャの緑ヶ丘とかコミュ強のヒロとかとはきゃっきゃとやってそうだわ~。えっ、もしかしてアタシこれからコイツの保護者? 冗談じゃない。
「てか、何で今更青敬から?」
「ヒロさんが入院していなくなったら、サークルにも人が全然来なくなってさ。それで、何だろ。わいわいやりたいとか、友達欲しいなーと思って。あと、サークルの活動実績にもなるかなーって」
「ふーん。ま、何でもいいけど」
「聞いといて何だよ!」
「別に。荒らさなきゃ何でもいいよ」
「その辺は大丈夫だ! 平和の使者とは俺の事よ!」
「そーゆーのがめんどくさい」
面倒だしウザいことには変わりないけど、平和の使者であるかはともかく場を荒らしたりすることはなさそうだから一安心と言ったところかな。正直クソ日高とか三井みたいのじゃなきゃ何でもいい。
「そーだハマ男、当日の集合時間だけど」
「ちょっと待って、メモする」
「おーおー、メモしとけ。集合時間は星港大学の正門に朝の8時ね」
「早さパねえ! でも朝には強いから任せとけ!」
「2年で現場にいるのはほとんど対策委員だろうけど、一応顔出してみたらいいんじゃない? 何人かは食いついて来るかもしんないし」
「今からとびっきりの掴みを用意しとくぜ!」
「いや、そーゆーの要らない」
end.
++++
つばちゃんとハマちゃんです。そういや初心者講習会の前に会ってたみたいなことをいつかの話でやっていたので、会わせてみました。
まあやっぱりハマちゃんと言えばパねえを連発させておきたいし、それをつばちゃんにはバッサリ行って欲しい。
と言うか朝霞Pは結局都合のいいときに限って定例会の参事とかいうハッタリの役職で呼ばれることになるのかしらw
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「朝霞サーン、アタシ今日出掛けるから欠席ー」
「買い出しか?」
「ほら、朝霞サンの紹介でインターフェイスに出るとか言ってる青敬の奴いるっしょ? アイツと一遍会っとこうと思って。顔知らなきゃ面倒なことになると思うんだよね」
「ああ、そういうことか。わかった、そういうことなら」
班長の許可は取った、と言うかこれは班長……と言うか定例会参事(仮)から直々に言い渡されてる仕事だから、朝霞サンに断る権利はないんだよね。
何でも、青敬の浜田真司とかいう奴が、インターフェイスの活動に出てみたいとかいうことでまずは初心者講習会に出ることにしたとか。だけど、青敬からは対策委員も出てないし、定例会もぐだぐだになってて連絡手段がない。そこで白羽の矢が立ったのがアタシ。
朝霞サンと洋平が病気で入院した長野サンのお見舞いに行ったときに鉢合わせたとかいう奴なんだよね。まあ、アレだよ。朝霞サンの力で動かせる対策委員なんてアタシくらいだし、しょーがねーなと引き受けたよね。
で、講習会のこととかを連絡してるのは良かったんだけど、向こうがアタシの顔がわからないのが不安とか言って来て。まあ、気持ちはわかんないでもないから会ってやることにしたよね。言っちゃなんだけど青敬って僻地だし、2年から出て来るとかね。馴染めるかどうかは確かに不安だろうから。
――で、原付でひとっ走りしてやってきたカフェ。向こうから指定された場所と、外見の特徴を照らし合わせて相手を探す。えっと、ヘアバンドしてて迷彩柄のジャケット~っと。あっ、あれかな。明るい茶髪の。
「ねえ、アンタがそう?」
「おー! サンバイザー! マジパねえ!」
「は?」
「青敬の浜田真司! よろしくな!」
「星ヶ丘の戸田つばめ」
「つばみ! パねえ」
「つばめだっつーの」
「いや、愛称的な?」
「要らないから」
何コイツ。ノリが軽い。でも、何とな~くだけど、ステージに絡まない朝霞サンと洋平とは合いそうな感じだわ。まあ、何はともあれ朝霞サン直々に言われてるインターフェイスの仕事だからやるだけだ。
「で、本題に入るけど。アンタパートどっち? アナウンサーかミキサーか。青敬の事情はよくわかんないけどさ」
「AKBCじゃアナウンスをメインにやってるかな。編集とか撮影で機材も触るけど」
「じゃあアナにする?」
「アナウンサーとミキサーでどう変わる?」
「朝霞サンか洋平から聞いてると思うけど、インターフェイスの活動はラジオメインね。アナウンサーはそのまんま喋りだけ担当で、ミキサーは機材だけ担当。ウチの学年の事情だけで言うと、ミキサーに人数が偏ってるからアナウンス出来るならアナで行ってもらった方が正直助かる」
「元々アナウンサーで行くつもりだったんだ、ヒロさんもアナだし」
「ふーん」
そういや洋平が言ってたな、「ハマちゃんは長野っちに憧れてて~、仲もいいんだよ~」みたいなことを。先輩に憧れることが悪いとは言わないし、それでアナウンサーに収まってもらえるなら万々歳だね。
「つばみはミキサー?」
「つばみ言うな。アタシはインターフェイスじゃミキサーだね。星ヶ丘じゃディレクター」
「ディレクター! マジパねえ!」
「てかさ、アンタさっきからそのパねえって何?」
「口癖」
「ウザッ」
「つばみ切れ味パねえ」
「うっさいわハマ男!」
う~わ~、ウザいわ~。めんどくさいわ~。でも何かこう、初対面の人間に臆しない感じ? 陽キャの緑ヶ丘とかコミュ強のヒロとかとはきゃっきゃとやってそうだわ~。えっ、もしかしてアタシこれからコイツの保護者? 冗談じゃない。
「てか、何で今更青敬から?」
「ヒロさんが入院していなくなったら、サークルにも人が全然来なくなってさ。それで、何だろ。わいわいやりたいとか、友達欲しいなーと思って。あと、サークルの活動実績にもなるかなーって」
「ふーん。ま、何でもいいけど」
「聞いといて何だよ!」
「別に。荒らさなきゃ何でもいいよ」
「その辺は大丈夫だ! 平和の使者とは俺の事よ!」
「そーゆーのがめんどくさい」
面倒だしウザいことには変わりないけど、平和の使者であるかはともかく場を荒らしたりすることはなさそうだから一安心と言ったところかな。正直クソ日高とか三井みたいのじゃなきゃ何でもいい。
「そーだハマ男、当日の集合時間だけど」
「ちょっと待って、メモする」
「おーおー、メモしとけ。集合時間は星港大学の正門に朝の8時ね」
「早さパねえ! でも朝には強いから任せとけ!」
「2年で現場にいるのはほとんど対策委員だろうけど、一応顔出してみたらいいんじゃない? 何人かは食いついて来るかもしんないし」
「今からとびっきりの掴みを用意しとくぜ!」
「いや、そーゆーの要らない」
end.
++++
つばちゃんとハマちゃんです。そういや初心者講習会の前に会ってたみたいなことをいつかの話でやっていたので、会わせてみました。
まあやっぱりハマちゃんと言えばパねえを連発させておきたいし、それをつばちゃんにはバッサリ行って欲しい。
と言うか朝霞Pは結局都合のいいときに限って定例会の参事とかいうハッタリの役職で呼ばれることになるのかしらw
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