2017(04)
■鮮度と発酵
++++
「はー、真面目にやるとやっぱ体力使うわー」
「せやわー」
「何言ってんだヒロ、ほとんどの説明を俺に投げたじゃないか」
「だって理屈っぽいことはノサカにゆーとくわーゆーて高崎先輩もゆーとったやん」
「お前がそんなだからだろ、いい加減にしろ」
今日の対策委員は時間を拡大して星大さんからお送りしています。それというのも、野坂とヒロがダブルトークとは何ぞやという話を聞いて来てくれたそうで、まずはそれを対策委員内で共有しましょうという回。
それにしても本当にビックリ。初心者講習会で講師を務めたなっち先輩は実家に帰省中、それから夏合宿の講師だったダイさんは本業のDJのお仕事で山籠もり中。誰に話を聞くんだろうと思ったら、まさかの高ピー先輩。
野坂とヒロが高ピー先輩から教えてもらったことをあーだこーだと教えてくれて、それにみんなほーんと感心していた。と言うか、アナのこともミキのこともほとんど野坂が解説してたような感じだったんだけど。
「果林、何か難しい顔してるけど」
「んー、ちょっとねー」
確かに野坂とヒロが高ピー先輩から話を聞いてくれたのはありがたい。それに高ピー先輩が応じてくれたということも。高ピー先輩は何だかんだ言ってもこっちの話を聞いてくれる人だし、話に理由や筋道が通っていれば腰を上げてくれる。
だけど、高ピー先輩とアタシの間に野坂とヒロが入って、かつ時間がちょっと開いていることで「これじゃない感」が生じたのかもしれない。高ピー先輩は本当は何と言っていたのかが今更になって気になる。
「アタシもその日ついてけばよかったかも。何て言うか、高ピー先輩の言ってたことがアンタらを挟んで時間おいたことであやふやになってる感じがする」
「説明がダメだったような感じか?」
「ううん、ヒロはともかくアンタの言ってることはそれらしかった。だけどやっぱアンタミキだし、不確定要素じゃないけど、アナのことは説明しながらもどこかふわふわしてた感はあるから」
「まあ、実際高崎先輩も仰ってたんだよな」
「何て?」
「本来はウチの連中が聞きに来いよって思わないこともないって。多分だけど、高崎先輩はお前に来て欲しかったんじゃないか? そうじゃなきゃそんなこと、口が滑ったにせよ言わないだろ」
ダブルトークのいろはを聞いてくることに関しては、ヒロが勢いで進めたということもある。どこに行くかはわからないけど、聞いてくれるならおまかせしまーすという部分は確かにあった。今回の件は、なっち先輩の言う「毛を生やす」ということの逆を行っている気がした。
所謂「毛を生やす」は、これまで積み重ねられた先人の知恵に語り手の経験を付加して話の質を高めること。それとは対照的に、高ピー先輩の経験からなる話から情報が断片的に抜け落ちている、そんな感じ。間に人を挟んだことによる弊害。
「まあ、そうだよね。高ピー先輩はMBCCの人だもん。MBCCの教えを一番よく理解出来るのはMBCCの人間だと思う。MBCC前アナ部長の教えは、現アナ部長のアタシが受け継がなきゃいけない。今の状態だと、インターフェイス的には良くてもMBCC的には全然良くないね」
「何か、緑ヶ丘ってすげー意識高いな」
「やめてよ、意識高い系とか言うの」
「“系”じゃなくて、ガチで意識高いと思って。放牧の向島とはやっぱ大違いだ」
「向島は向島でいろいろあるでしょ?」
「ウチはほら、とにかくラブピだから総務の主な仕事が代表へのツッコミだったりするし。総務の仕事はツッコミだって菜月先輩と圭斗先輩が直々にそう仰ったくらいの緩さで」
「その空気も込みの向島じゃん。ウチはとにかく普通だから、技術を付けて初めて個性を乗せれるかなーって感じで。タカちゃんみたいな例外もたまにいるけど。やっぱアタシ、虎穴に栗を拾いに行かなきゃいけないんだわ」
戦闘態勢に入ろうと思う。思い返すのは、初心者講習会前のスパルタ訓練。あの再来くらいがちょうどいい。まずは、高ピー先輩の重い腰をいかに上げさせるか。勝負はそこから。3年生のスケジュールを押さえるなら今のうち。
end.
++++
先日はノサヒロvs高崎のお話でしたが、意外なところで果林が浮上。やっぱり師としての高崎と言えば弟子の果林みたいなところがある。
ちゃんと管理された緑ヶ丘(MBCC)と、放牧の向島(MMP)というのは割と最近言い始めたことですが、これが結構しっくり来てるような感じ。
高崎がサークルを引退したにも関わらず後輩たちの話を聞いて指導してくれるのは、昼放送でTKGを育てきれなかった(潰しかけた)後悔も関係している説…?
.
++++
「はー、真面目にやるとやっぱ体力使うわー」
「せやわー」
「何言ってんだヒロ、ほとんどの説明を俺に投げたじゃないか」
「だって理屈っぽいことはノサカにゆーとくわーゆーて高崎先輩もゆーとったやん」
「お前がそんなだからだろ、いい加減にしろ」
今日の対策委員は時間を拡大して星大さんからお送りしています。それというのも、野坂とヒロがダブルトークとは何ぞやという話を聞いて来てくれたそうで、まずはそれを対策委員内で共有しましょうという回。
それにしても本当にビックリ。初心者講習会で講師を務めたなっち先輩は実家に帰省中、それから夏合宿の講師だったダイさんは本業のDJのお仕事で山籠もり中。誰に話を聞くんだろうと思ったら、まさかの高ピー先輩。
野坂とヒロが高ピー先輩から教えてもらったことをあーだこーだと教えてくれて、それにみんなほーんと感心していた。と言うか、アナのこともミキのこともほとんど野坂が解説してたような感じだったんだけど。
「果林、何か難しい顔してるけど」
「んー、ちょっとねー」
確かに野坂とヒロが高ピー先輩から話を聞いてくれたのはありがたい。それに高ピー先輩が応じてくれたということも。高ピー先輩は何だかんだ言ってもこっちの話を聞いてくれる人だし、話に理由や筋道が通っていれば腰を上げてくれる。
だけど、高ピー先輩とアタシの間に野坂とヒロが入って、かつ時間がちょっと開いていることで「これじゃない感」が生じたのかもしれない。高ピー先輩は本当は何と言っていたのかが今更になって気になる。
「アタシもその日ついてけばよかったかも。何て言うか、高ピー先輩の言ってたことがアンタらを挟んで時間おいたことであやふやになってる感じがする」
「説明がダメだったような感じか?」
「ううん、ヒロはともかくアンタの言ってることはそれらしかった。だけどやっぱアンタミキだし、不確定要素じゃないけど、アナのことは説明しながらもどこかふわふわしてた感はあるから」
「まあ、実際高崎先輩も仰ってたんだよな」
「何て?」
「本来はウチの連中が聞きに来いよって思わないこともないって。多分だけど、高崎先輩はお前に来て欲しかったんじゃないか? そうじゃなきゃそんなこと、口が滑ったにせよ言わないだろ」
ダブルトークのいろはを聞いてくることに関しては、ヒロが勢いで進めたということもある。どこに行くかはわからないけど、聞いてくれるならおまかせしまーすという部分は確かにあった。今回の件は、なっち先輩の言う「毛を生やす」ということの逆を行っている気がした。
所謂「毛を生やす」は、これまで積み重ねられた先人の知恵に語り手の経験を付加して話の質を高めること。それとは対照的に、高ピー先輩の経験からなる話から情報が断片的に抜け落ちている、そんな感じ。間に人を挟んだことによる弊害。
「まあ、そうだよね。高ピー先輩はMBCCの人だもん。MBCCの教えを一番よく理解出来るのはMBCCの人間だと思う。MBCC前アナ部長の教えは、現アナ部長のアタシが受け継がなきゃいけない。今の状態だと、インターフェイス的には良くてもMBCC的には全然良くないね」
「何か、緑ヶ丘ってすげー意識高いな」
「やめてよ、意識高い系とか言うの」
「“系”じゃなくて、ガチで意識高いと思って。放牧の向島とはやっぱ大違いだ」
「向島は向島でいろいろあるでしょ?」
「ウチはほら、とにかくラブピだから総務の主な仕事が代表へのツッコミだったりするし。総務の仕事はツッコミだって菜月先輩と圭斗先輩が直々にそう仰ったくらいの緩さで」
「その空気も込みの向島じゃん。ウチはとにかく普通だから、技術を付けて初めて個性を乗せれるかなーって感じで。タカちゃんみたいな例外もたまにいるけど。やっぱアタシ、虎穴に栗を拾いに行かなきゃいけないんだわ」
戦闘態勢に入ろうと思う。思い返すのは、初心者講習会前のスパルタ訓練。あの再来くらいがちょうどいい。まずは、高ピー先輩の重い腰をいかに上げさせるか。勝負はそこから。3年生のスケジュールを押さえるなら今のうち。
end.
++++
先日はノサヒロvs高崎のお話でしたが、意外なところで果林が浮上。やっぱり師としての高崎と言えば弟子の果林みたいなところがある。
ちゃんと管理された緑ヶ丘(MBCC)と、放牧の向島(MMP)というのは割と最近言い始めたことですが、これが結構しっくり来てるような感じ。
高崎がサークルを引退したにも関わらず後輩たちの話を聞いて指導してくれるのは、昼放送でTKGを育てきれなかった(潰しかけた)後悔も関係している説…?
.