2026
■自前のインテリジェンス
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「えー、先週提出分のレポート課題は全員分に目を通しました。レポートをAIに書かせただなんていう不届き者もいたようだけど、そんな物は一瞬で見破れるからね、反省なさい」
この間出たレポート課題(3000字)を何とか提出してやり切ったわーって思ってたのに、レポートをAIで書くって手段があったか! と先生に言われて気付いた。いや、一瞬で見破られて怒られるなら手で書いといて良かったわ。AIで書くにもAIを上手く使う技術が要ることはさすがに知っている。
佐藤ゼミはセンタービルのラジオブースに目が行きがちで、実際それはゼミの華っつーか、メインの活動ではある。だけどその裏でレポートを書く量はめちゃくちゃ多い。俺はラジオ特化でゼミに入ってるから、このレポートで苦労することがめっちゃ多い。でもちゃんと自分の頭で考えて、自分の手で書いてるぞ!
「ササ、お前生成AI使ってる?」
「レポートには使ってないぞ」
「そんなモンに使ってるなんて思ってねーよ。普段っつーか、日常的に? 俺らの内輪だったらくるみが結構使ってるイメージだけど」
「確かに。でも、くるみもスイーツ断面動画に生成AIは使ってないって言ってたな」
「えっ、そーなんか。映像なんか特にノイズ消したり、背景整えたりとかって何でも出来そうなのに」
「盛るのは簡単だけど、盛ったらそれはウソになるからって。映像の質も撮影機材や環境を整えることで良くしてるって」
「はえー。何でもかんでもAI使ってるって思ってたわー」
「今じゃ映像効果のCGすらAIって言われてしまう時代だもんな。玲那が嘆いてた。そうじゃないんだって」
「それ、ちゃんと聞くと長そうだな」
「長いよ」
レナに言わせれば、爆発の映像はちゃんと爆発させてるのが至高だけどCGはCGで悪くないそうだ。AIが完全な悪とは言わないけれど、ドラマ作品でも演出として登場人物がAIシステムを使うシチュエーションが増えすぎて、時代を感じるけど何でもかんでもAIにし過ぎると逆にチープに感じるって。そんなモンなのか?
くるみの映像に関しては、一緒にやってる北星の助言もデカいんだろうな。簡単に合成や効果、CGやAIを使うことは出来るけど、それをする前の技術が大事ってことなんだろう。その辺の話は次の対策委員の時にでも北星に聞いてみたい。機械的なことだったら当麻も結構強そうな印象があるし、当麻でもいいかも。
「シノキ君、君は今日も元気だねえ」
「めっちゃ元気っす」
「そうじゃなくて。私が講評をしてるんだからしっかり聞きなさい。まったく」
「すいませーん」
「まあ、君のレポートは見るからにAI製じゃないってわかったから、その努力は認めるべき点ではあるけどねえ」
「引用の他は一言一句メイドイン俺っす」
「君のレポートは語彙が貧弱かつ誤字脱字が多いのが人間味を感じさせるんだよ。提出前にもっと見直しなさい」
「誤字脱字が人間味になるんだったら、内容そのものの見直しはともかく誤字は残しといた方が人力の証みたいになんないっすかね?」
「悪知恵を働かすんじゃないよ。AI製の文章をわざと汚して人間味を出そうとする者が出るでしょう」
「あそっか」
語彙が貧弱って言われるのは、アレだよな。言葉がアホっぽいってことなんか。まあ、そんなのはレポートの数をこなしてりゃそのうち身についてくるんじゃねーかと思う。誤字脱字については、パソコンの変換とかって勢いで決定しがちだし、書く時って時間に追われて急ぎがちだから気付かないんだよな。
「文章の人間味というところでは考える部分はあって」
「お、どうした相棒」
「例えば小説とかでも、文章を書くときの規則って言うのかな。そういうのにガチガチに縛られて、作家の人が敢えてそうしている表記揺れみたいな物の意図を汲み取れなくなる現象があると言うか」
「表記揺れ? って何?」
「例えば、俺って言いたいときに、ひらがなで“おれ”って書くか、カタカナで“オレ”って書くかでも印象が違うだろ?」
「あー、外国人の言葉にカタカナでテロップ振るみたいなこと?」
「まあ、そういう印象の与え方みたいな話にもちょっと通じてきそうなところではあるんだけど。それこそ書いた文章の誤字脱字チェックみたいなAIに文章を食わせて、直させたら意図した物が全部ダメになったー、みたいなこともあるワケで」
「AIとかってサキが強そうな分野なんかな、やっぱり」
「サキは使い方は知ってても積極的には使わないし、意図せず使ったとしても基本的には鵜呑みにしないって言ってたな」
「へえ、意外だな。バリバリ有効活用してそうなのに」
「いや、サキは俺らよりもネットの使い方とかネットコミュニティへの触れ方がディープだから、所詮インターネット上の情報を元にして弾き出された結果だなんて、みたいな見方があるんじゃないかなとは」
「逆に?」
「逆に。いつの時代でも真贋を見極められない人間にインターネットは向かないって言ってるのを聞いた。情報過多で病むだけだから疲れる前にスマホを置きなって」
ササがレナから聞いた話によれば、サキはネットにズブズブの捻くれキッズだったのでその辺りの見極めがガチだとか。正しい情報源の探し方が特に上手いそうだ。確かに、話なんて間に挟む人が増えれば増えるほど変わっちまうもんな。天気だって予測する人間が違えば話が全然変わってくるのに。
「佐々木君、君もシノキ君と一緒に楽しんでるんじゃないよ」
「すみません」
「だけどね、真贋を見極められない人間にインターネットは向かないっていうのは本当だよ。私の持論では、インターネットは人を成長させないんだから。あんな物で世の中や人を知った気になるんじゃないよ、まったく」
end.
++++
ヒゲさんが話している最中に小声で会話してるササシノ。黙って話を聞きなさい。
インターフェイスで開発してる各種システムもAIを使えばすぐだろうけど、奏多もサキも自分であーだこーだするのが楽しい派なんやろ
(phase3)
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「えー、先週提出分のレポート課題は全員分に目を通しました。レポートをAIに書かせただなんていう不届き者もいたようだけど、そんな物は一瞬で見破れるからね、反省なさい」
この間出たレポート課題(3000字)を何とか提出してやり切ったわーって思ってたのに、レポートをAIで書くって手段があったか! と先生に言われて気付いた。いや、一瞬で見破られて怒られるなら手で書いといて良かったわ。AIで書くにもAIを上手く使う技術が要ることはさすがに知っている。
佐藤ゼミはセンタービルのラジオブースに目が行きがちで、実際それはゼミの華っつーか、メインの活動ではある。だけどその裏でレポートを書く量はめちゃくちゃ多い。俺はラジオ特化でゼミに入ってるから、このレポートで苦労することがめっちゃ多い。でもちゃんと自分の頭で考えて、自分の手で書いてるぞ!
「ササ、お前生成AI使ってる?」
「レポートには使ってないぞ」
「そんなモンに使ってるなんて思ってねーよ。普段っつーか、日常的に? 俺らの内輪だったらくるみが結構使ってるイメージだけど」
「確かに。でも、くるみもスイーツ断面動画に生成AIは使ってないって言ってたな」
「えっ、そーなんか。映像なんか特にノイズ消したり、背景整えたりとかって何でも出来そうなのに」
「盛るのは簡単だけど、盛ったらそれはウソになるからって。映像の質も撮影機材や環境を整えることで良くしてるって」
「はえー。何でもかんでもAI使ってるって思ってたわー」
「今じゃ映像効果のCGすらAIって言われてしまう時代だもんな。玲那が嘆いてた。そうじゃないんだって」
「それ、ちゃんと聞くと長そうだな」
「長いよ」
レナに言わせれば、爆発の映像はちゃんと爆発させてるのが至高だけどCGはCGで悪くないそうだ。AIが完全な悪とは言わないけれど、ドラマ作品でも演出として登場人物がAIシステムを使うシチュエーションが増えすぎて、時代を感じるけど何でもかんでもAIにし過ぎると逆にチープに感じるって。そんなモンなのか?
くるみの映像に関しては、一緒にやってる北星の助言もデカいんだろうな。簡単に合成や効果、CGやAIを使うことは出来るけど、それをする前の技術が大事ってことなんだろう。その辺の話は次の対策委員の時にでも北星に聞いてみたい。機械的なことだったら当麻も結構強そうな印象があるし、当麻でもいいかも。
「シノキ君、君は今日も元気だねえ」
「めっちゃ元気っす」
「そうじゃなくて。私が講評をしてるんだからしっかり聞きなさい。まったく」
「すいませーん」
「まあ、君のレポートは見るからにAI製じゃないってわかったから、その努力は認めるべき点ではあるけどねえ」
「引用の他は一言一句メイドイン俺っす」
「君のレポートは語彙が貧弱かつ誤字脱字が多いのが人間味を感じさせるんだよ。提出前にもっと見直しなさい」
「誤字脱字が人間味になるんだったら、内容そのものの見直しはともかく誤字は残しといた方が人力の証みたいになんないっすかね?」
「悪知恵を働かすんじゃないよ。AI製の文章をわざと汚して人間味を出そうとする者が出るでしょう」
「あそっか」
語彙が貧弱って言われるのは、アレだよな。言葉がアホっぽいってことなんか。まあ、そんなのはレポートの数をこなしてりゃそのうち身についてくるんじゃねーかと思う。誤字脱字については、パソコンの変換とかって勢いで決定しがちだし、書く時って時間に追われて急ぎがちだから気付かないんだよな。
「文章の人間味というところでは考える部分はあって」
「お、どうした相棒」
「例えば小説とかでも、文章を書くときの規則って言うのかな。そういうのにガチガチに縛られて、作家の人が敢えてそうしている表記揺れみたいな物の意図を汲み取れなくなる現象があると言うか」
「表記揺れ? って何?」
「例えば、俺って言いたいときに、ひらがなで“おれ”って書くか、カタカナで“オレ”って書くかでも印象が違うだろ?」
「あー、外国人の言葉にカタカナでテロップ振るみたいなこと?」
「まあ、そういう印象の与え方みたいな話にもちょっと通じてきそうなところではあるんだけど。それこそ書いた文章の誤字脱字チェックみたいなAIに文章を食わせて、直させたら意図した物が全部ダメになったー、みたいなこともあるワケで」
「AIとかってサキが強そうな分野なんかな、やっぱり」
「サキは使い方は知ってても積極的には使わないし、意図せず使ったとしても基本的には鵜呑みにしないって言ってたな」
「へえ、意外だな。バリバリ有効活用してそうなのに」
「いや、サキは俺らよりもネットの使い方とかネットコミュニティへの触れ方がディープだから、所詮インターネット上の情報を元にして弾き出された結果だなんて、みたいな見方があるんじゃないかなとは」
「逆に?」
「逆に。いつの時代でも真贋を見極められない人間にインターネットは向かないって言ってるのを聞いた。情報過多で病むだけだから疲れる前にスマホを置きなって」
ササがレナから聞いた話によれば、サキはネットにズブズブの捻くれキッズだったのでその辺りの見極めがガチだとか。正しい情報源の探し方が特に上手いそうだ。確かに、話なんて間に挟む人が増えれば増えるほど変わっちまうもんな。天気だって予測する人間が違えば話が全然変わってくるのに。
「佐々木君、君もシノキ君と一緒に楽しんでるんじゃないよ」
「すみません」
「だけどね、真贋を見極められない人間にインターネットは向かないっていうのは本当だよ。私の持論では、インターネットは人を成長させないんだから。あんな物で世の中や人を知った気になるんじゃないよ、まったく」
end.
++++
ヒゲさんが話している最中に小声で会話してるササシノ。黙って話を聞きなさい。
インターフェイスで開発してる各種システムもAIを使えばすぐだろうけど、奏多もサキも自分であーだこーだするのが楽しい派なんやろ
(phase3)
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