2026

■ペア決め事情の裏表

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「昼放送のペアを決めたから、発表していくべ」
「秋学期は1年生から3年生が勢揃いするから、どうしても昼放送に入れない人が出ちゃうけど、みんなの希望や履修を見ながら出来るだけ頑張ってみました」

 放送サークルMBCCの通年の活動となる昼放送は、月曜日から金曜日までの昼休みの時間に第1学食で放送している。食堂の事務所にある機材を使わせてもらっての生放送。機材が普段サークル室で使っている物とは違うから、特にミキサーには丁寧な説明と練習が必要となる。
 1年生から3年生の人数を合わせると15人。5日間のタイムテーブルを埋めるのに必要なのは10人なので、5人もあぶれてしまうのは結構な悩みだ。壮平みたいに始めから「やんないよ」と言ってくれてるのが逆に親切に思えるくらいにはペア決めが難しかった。

「月曜日が俺とちむりー」

 佐藤ゼミに入りたいらしいちむりーだけど、現状ミキサーとしての力は平々凡々と言ったところ。学力的には問題なく即採用レベルだけど、MBCCのミキサーに求められる技量には届いていないので、ここらでエイジに育ててもらおうという魂胆だ。

「火曜日はレナと中、水曜日がすがやんとサキ」

 まあここはほっといても何とかなるでしょっていう安定枠。中に関してはミキサーとしてもまあまあよくやってると思うし、お目付役としてのレナだ。すがやんとサキに関してはもう言わなくてもって感じ。気が置けない相手とのびのびやってもらいたいなっていう気持ちも込みで。

「木曜日が凛斗と高木」

 ちむりーとほとんど同じ理由で俺は凛斗と組むことにした。佐藤ゼミにおけるアナウンサーの位置づけを少しでも良く出来るように。その道を先にササに進んでもらってるんだけど、凛斗がそれに続けるように育てることを、サークル生活の最後の何ヶ月間でやってみようかなと。

「で、金曜日が琉生とシノ」

 ここは逆に、シノに1年生を育てるということを経験してもらうために、1年生5人の中でもクセの強い琉生を敢えてぶつけた。今は機材管理担当の役職を持つシノだけど、この役職に就いたら実質次期機材部長。来期以降のサークルのことも考えたペアだ。
 シノに関しては対策委員議長としての経験も積んでるし、1年生の今頃と比べるとやっぱり成長曲線がグンッと来たなあと。ミキサーとしても人としても安定感が増してきてるし、シノを信じて懸けた去年の俺、ナイスでした。この調子で頑張ってくれれば安心して役を渡せそうだ。

「で、ハナと壮平は最初から今期の昼放送を辞退してたし、昼放送の通常放送から外れたササ、くるみ、周に関しては、これから始める予定の向島との合同制作の方を中心となってやってもらおうって話になりました」
「向島さんが始めた挿し絵のあるラジオのコンセプトだったら、一緒に番組を作ってインターフェイスチャンネルに上げる前提の物を長い期間をかけて作るのもいいよねって感じで奈々と話し合って、ちょっとやってみようかって。ねえ」

 9月の作品出展で、向島さんはなんと映像作品を出してきた。向島さんと言えばウチと並ぶラジオメイン校の代表だから、映像なの!? って他の大学の人もみんなびっくりしてたそうだ。ただ、去年留学に行ってたすがやん的には、向こうの人はある物を柔軟に使って何でもやってみようとするからこうなるのも納得なんだそうだ。
 挿し絵のあるラジオと言うだけあって、あくまでメインは語りで、一生懸命見るタイプの映像作品じゃなくて、流し聞きするくらいがちょうどいい番組を目指していたそうだ。今年になって導入されたパソコンと、ジュンが絵を描いて簡単なアニメーションを作る技術を得たことで、じゃあやろうというノリになったとか。
 それをウチと向島さんの合同でやろうという話になったのは別にいい。むしろ楽しそうだし。それの何が問題って、そっちにササが回ってしまったことだ。いや、決めたのは俺とエイジなんだけど。ササの課題はライブ対応力だ。じっくり練って番組制作するのは得意なんだけど、得意な方に回らせてもなあっていう。

「ササはじっくり考える企画番組が得意だし、くるみは映像に強いからわかるけど、周…? 他校の人の中に放り込んで大丈夫なの」
「普段の様子を見てたらサキが心配になるのはわかるけど、春風によれば周って案外コミュ力高いみたいぞ」
「え、そうなの」
「野球っていうフックがあって、それを中心にお笑いとかグルメとか、アイドルとかも結構知ってて意外に話が続いてビックリしたって。大衆的な話題は自分の方が疎くて焦ったって言ってたし」
「俺もゲンゴローから聞いたなあ。星ヶ丘の子が周と結構仲良くなったみたくて、一緒に野球見に行ったりお笑いの劇場に行ったりしたって。ウチの子も周の話を楽しそうにしてるし仲良くしてくれてありがとーって」
「ええっ!?」

 周と言えば、野球以外に関心がなくて常に野球の情報を入れてるから周りの人の話を聞いてないっていうイメージがある。現にMBCCでは話したとしてもぽつぽつって感じだし。すがやんがとりぃから聞いた夏合宿期間中の周のエピソードや、俺がゲンゴローから話を聞いた時にはみんなと同じように大きな声を出して驚いたもんね。

「お前、めっちゃ充実してんじゃんか! 何なら他の誰よりも夏合宿での出会いを満喫してる」
「班が良かったです。シノ先輩くるみ先輩ありがとうございました」
「お、おう」
「あたしも去年同じ班だったメンバーとは今でもめっちゃ仲良いし、周もそういう縁を大事にできたらいいね!」
「でも、MBCCのサークルじゃそんな素振り全然無くなかったか?」
「合う波長とか、そういうのがあるんじゃない? ほら、すがやんがサークルに来る前のサキと、すがやんが来てからのサキみたいな!」

 引き合いに出されたサキがじとりとくるみを見ているけど、何はともあれ現状出来る限り一番良いペアの決め方をしたと思っている。周の派遣に関しても、夏合宿で同じ班だったとりぃがいるし、向島さんは何だかんだ野球の話題が多いと思うから周にも楽しい環境だとは思う。

「何はともあれそういう感じで回していくんで、秋学期もよろしくお願いします!」
「お願いしまーす」


end.


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MBCCは人がめっちゃ余るけど、今年はMMPも人がいるので留学などはなし。
映像班たちが向島に出向いてるところも見てみたい
周とライさんがきゃっきゃしてるのはどういう波長が合ったのだろうか

(phase3)

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