2026

■With a college-student vibe

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 インターフェイス夏合宿が終わって少し経ち、ようやく落ち着いたかと思いきや、今度はMMPでやるオープンキャンパスの番組と作品出展の話が始まった。夏休み期間中はサークルも休みだと聞いていたけど、実際は決まった曜日に集まっていないだけで活動自体はずっと続いているのだと感じる。
 今日も例によってオープンキャンパスの番組について詰めるために集まれるメンバーで集まっていた。オープンキャンパスでは、学食の中にDJブースを作り、そこで公開生放送をやるそうだ。これまでは非公認の活動だったけど、今年になってから大学側から「やるんでしょ?」みたいな声掛けがあったとか。公認になったらなったで大変だあ、とは奈々先輩。

「あー、1人ブレスト終わりー! 終わりや終わりー!」
「お、大分形になってきた?」
「や、案を出しただけでまだ全然やけど。ジャック、お前は?」
「んー、俺はネタ出しがもうちょっとかなー」

 このオープンキャンパスでは、向島大学を見に来た高校生が興味を持ちそうなトークテーマで番組をやるのが望ましいということで、あらかじめテーマが指定されている。うっしーは大学での勉強について、ジャックは現状唯一の下宿生ということで1人暮らしについて話してくれと真っ先に頼まれていた。
 作品出展の方に回った俺はオープンキャンパスの番組の枠がないので、番組のネタ出しをしている2人を見守っている。俺は俺で作品出展に出す映像作品の挿絵を描かなければいけないので、そのラフを出してはいた。夕方前にサークルが終わって、それからアナウンサー3人でジャックの家に移動してこの作業をやっていたのだけど、気付けば夕飯時だ。

「ジュンもすっかり絵描きやなあ」
「俺なんかが絵描きを名乗るのは烏滸がましい」
「アタマ使ったら腹減ったわ」
「まあ、普通に夕飯時だしなあ」
「そーいやジュンとうっしー、メシどーすんの? 帰って食う? 一緒に食う?」
「どーせなら一緒に食うやろ? なあジュン」
「うん。うっしー風に言えば何だっけ。そのままノリで酒飲んで、帰れなくなるまでがある種の大学生らしさ、だっけか」
「まあそんなようなニュアンスのヤツやな!」
「俺らで良ければ気晴らしに使ってくれ」
「あー、何か悪いー」
「謝んなやって! 夜通し趣味の話するまたとない機会やんか! 何のアニメの作画が神かジュンに教えたれ!」

 8月末の夏合宿の後、ジャックは実家のある青尋エリアに一時帰省する予定だった。だけど、帰省を予定していた日に青尋エリアは大雨に見舞われ、帰れなくなっていた。ジャックの実家近くの川も決壊しそうになったそうだ。家や家族は何とか被害がなかったけど、町には結構な被害が出てしまったそうだ。
 一刻も早く帰って状況を確認したいという気持ちのジャックだったけど、両親からは今はもう少し我慢してくれという風に言われたそうだ。夏の帰省は一旦諦め、秋学期中に時間が取れれば1日だけでも帰りたいなあ、と呟くジャックに普段の明るさはなかった。時には我慢することも必要ではあるんだろうけど、もどかしいだろうなあとみんなジャックを心配している。

「3人でメシ食うことにしたものの、このメンツやと“作る”があんまり現実的やないな」
「ジャックも少しは出来るんだろうけど、やっぱり殿とパロの幻影を追ってしまうよな」
「俺の料理を人に振る舞うのはちょっと自信ないわ。食いに出る?」
「いーや! せっかくやで悪いコトしよーやぁジャックぅ」
「えっ、悪いコトって何だよ」
「1人やったら出来ん贅沢や。ピザ頼まん? デリバリーで」
「おおーっ、贅沢ー! やったこと無い!」
「俺の家でもそんなの全然食べたことないし、結構な贅沢だ」
「でも悪くないやろ?」
「うんうん! ピザ食べる!」
「おっ、今日イチのテンションやん。そしたらジャック、好きな味選びん」
「えっいいのー」

 ジャックの部屋には防災用品が備えられている。同期のメンバーで初めて遊びに来たときに、凄いなと思った点だ。非常用の持ち出し袋に折り畳みのヘルメット、枕元には靴もある。食料品や飲料水の備蓄もしっかりしている。少し前にあの辺りを襲った大きな地震を教訓に、両親が持たせたのだそうだ。そんな意識の家だから、今回の大雨での被害が少なかったのだろう。

「いっちゃんベタだけど、マルゲリータ頼んでいい?」
「逆に食わんヤツやな、裏の裏で食おまい。ジュンお前何食いたいとかあるか?」
「シーフード」
「贅やなぁ~!」
「贅だわ」
「そしたらうっしーは何頼みたいんだよ。これで俺より値段高いのだったら許さないぞ」
「え、俺はサラミスペシャルよ」
「なんかさ、サラスペとシーフードって値段は同じくらいなのにシーフードの方が贅沢感強くね? 気の所為?」
「それは人による。サラミスペシャルは十分贅だ」
「そしたら、マルゲリータのMはとりあえず確で、サラシーはハーフ&ハーフとかにならんか? おっ、なるやん」
「じゃあ、Lのハーフ&ハーフ。で、夜通し趣味の話をするんならポテトとコーラも頼もう」
「まあ俺らの場合酒ってよりもそっちよなー。コーラも飲もう」

 うっしーがアプリで注文を入力するのにやれ耳はふっくらだクリスピーだと横槍を入れていく時間が何でもなく楽しい。ジャックの気晴らしになればという風には言うけど、俺とうっしーにとっても十分、ある種の大学生らしさをもって1年なり2年なりの空虚だった時間をほんの少しでも埋める質があるよなあと思ったりする。

「ジャック、後で何か漫画読ませてもらっていい?」
「いいよいいよ、ガンガン読んで。って言うかジュンとマンガって全然イメージないわ」
「実際全然読まないし。でも、絵を描くようになってちょっと興味が出て来て」
「おっ、俺らの出番だなうっしー。布教するぞ」
「プレゼンはターン制やぞ。そうや。せっかく俺らラジオのサークルで喋り鍛えとるんやから、3分トークバトルや」
「おー、臨むところだやってやる」
「でもその前にピザやぞ」


end.


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MMP1年生のミキサー陣は植物班としてまったりしてそうだけど、こっちは絵とかアニメマンガで盛り上がるのかもしれない。
ジャックの部屋の防災用品を見つける話とかもいつかやりたい

(phase3)

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